2018年08月12日

送り火 高橋弘希

送り火 高橋弘希(たかはし・ひろき) 文藝春秋

 同作者で以前読んだのは「指の骨」でした。戦地にて戦死者の指の骨を帰国後遺族に届ける内容でした。精密、緻密だった記憶があります。

 「送り火」というのは、死者を弔うためにともす灯りではなかろうか。という先入観をもって読み始めます。

(つづく)

 精霊流しを思い出す出だしです。転校生がへき地で一生忘れられない体験をする。父親は栄転前の転勤としているようですが、読むと左遷に思えます。
 エリートの頻繁な転勤だから子にとっては中学も3校目です。
 中学3年生1学年12人しかいなくて、どうして、市立第3中学校なのか(中学が3校もある)と思って読んでいたのですが、翌年3月までで廃校になるとあり理解します。昔の炭鉱みたいなものでなにか栄える産業があって今は衰退したと考えます。書中では農業ですが違うのではないか。

 最後の卒業生として6人の男子中学生がいる。少人数学級の良さを昔読んだことがありますが、それは苦痛以外のなにものでもありません。狭い世界、自分に合わない世界に長期間身を置くことになるとつらい。

 花札のような賭け事は読んでもわからない。

 内容は思い出、登場する人物は男子中学生たち。でも、児童文学ではない。

 どこへいってもいじめがあるいじめ社会日本です。世界でも同じか。

 たった数人の生徒のなかで、クラスの委員長とか、副委員長とか決めても形だけの気がします。

 素材は「暴力」です。SMのSの男の話かと思って読んでいます。

(つづく)

 読めない漢字が出てきます。芥川賞作品の特徴です。他の受賞作も含めて漢字検定ではないかと思うことが多い。そして、内容が「暗い」

 手法は手品です。意図してコトを為す。読み手はその手法に慣れると安心して暴力を見ます。

 お盆に飾るきゅうりの馬やなすの牛のことは、説明がないのですが、知らない人はそのまま読み過ぎていきます。

 古代ローマの格闘技観戦を思い浮かべます。人間の性質はその時代から変わっていない。

 ラスト付近は迫力あり。人は人を憎む。仕返しをする。先日の新幹線内の事件を思い出しました。

 良かった表現の主旨などとして、「母親は人づきあいが苦手」、「言葉のお化け」


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