2018年07月14日

新版 母さんがどんなに僕を嫌いでも 歌川たいじ

新版 母さんがどんなに僕を嫌いでも 歌川たいじ 角川書店

 書店でこのマンガの本をみて「掘り出し物」かもという思いで買って帰ったら、家族から絵が気持ちが悪いと言われ、へこんだ心境で読み始めましたが、なかなかいい。わたしは気に入りました。第2章が終わったところまで読みました。

 ゲイの人が描いた家族マンガです。なにゆえ、ゲイになったのかにつながるのかどうかわかりませんが、複雑な家庭環境で育ち苦労されています。
 10月8日が母の命日とありますので、美しい顔をもつ母親はすでに亡くなっているのでしょう。

 2012年、平成24年、東京スカイツリーから始まります。

 マンガの絵の中では、お母さんの顔が描かれていません。後姿であったり、首から上が見えない構図であったりします。ただ、美人だということは強調されています。

 この本を読む前に風間トオルさんの本を読みました。子どもの頃の貧乏話がこの本の内容につながります。両者ともに壮絶な貧困を体験されています。この本に出てくる母親のカリスマ性では、西加奈子作「サラバ!」が思い浮かびます。

 母親がつくるまぜごはんが愛情の象徴として、強調されています。

 最初のほうは、うーんとなります。どこが面白いのか伝わってきません。買って失敗したかなーと思います。
 小学生で施設入所した理由がいまいちはっきりしません。

 調べた単語として、「抗う:さからう。読めませんでした。」、「心のなかのビッグバン:大爆発」、「猟奇:奇怪、異常」、「呪詛:じゅそ。呪い」、「魔王:悪魔の王」、「ションベン女郎:ちょっと意味不明」、「口さがない:無責任、無遠慮に、他人の噂をする。」

 印象に残った表現の主旨として、「自分が自分であることを喜べない。」、「いい人も悪い人も仲良しになって最後は終わる。」、「僕はブタじゃない。」、「必要なものは友達」、「キミツ(パートナーの名前)」、「バイアス:偏り。かたより。偏見か」、「わたしは道具じゃない。」、「僕は小説を書き始めた。」

 暴力という児童虐待で、母親のストレスが解消される。
 両親に視点を当てれば、やりたいことをやりたいようにやったらこうなったというパターンです。忍耐がない。超えてはいけない一線を超えた。

(つづく)

 全体を読み終わりました。
 説得力のある強い文章が続きます。
 途中、母親に対する怨みつらみが執念となって描かれています。読んでいて、その量の多さに心が押しつぶされそうです。読んでいてしんどい。

 ツレちゃんという人がだれかわからないのですが、パートナーととらえます。

 13年間、母親と音信不通になる。一般的にも疎遠になって、冠婚葬祭でしか会わなくなることもありますが、電話連絡ぐらいは継続します。異常な親子関係です。

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