2018年07月13日

ビンボー魂 風間トオル

ビンボー魂 風間トオル 中央公論社

 本屋で何度か手に取って、「おもしろそうだな」と思ったのですが、読んでみると、文章がちょっとうまくないなと、本をあった棚に戻していましたが、今回、まあ、読んでみるかということで買いました。

 貧乏話です。素材はおもしろい。5歳の時に、母親が男をつくって家を出ていって、しばらくして、今度は父親が女をつくって出ていって、少ない年金収入しかない祖父母に育てられる。貧困生活を味わう。
 似たような世代で、あの頃は、みんなが貧しかった時代だったので、貧乏暮らしの面では、著者と同様の体験があります。
 まだ、冒頭付近なので、読みながら感想を継ぎ足していきます。

 思うに、昔は、こどもを育てていたのは、お父さん、お母さんではなく、おじいさん、おばあさんでした。両親は共働きで家にいませんでした。「専業主婦」というのは、比較的新しいポストだと思います。だから、「桃太郎」をはじめとした日本古来からの民話は、父母ではなく、祖父母が登場するのだと思います。父も母もいない。それでも子は育つ。

 あの不遇な時代があったからこそ、現在の安定があるということはあります。

 本人のことは知りませんが、小学校の経歴からすると、「モデル」になるとは、驚きです。

 印象に残った部分として、「思い出したくないこともある。」、「ツイていない時」

(つづく)

 貧しい中での暮らしの知恵がすばらしい。石と石をこすり合わせて暖をとる。ケガをしても泣かない忍者のポーズをとる。ゴキブリの研究はヒットです。カマキリを食べる。
 すごすぎます。もっと早くこの本を買って読めばよかった。今年読んで良かった1冊です。

 貧乏なのに女性にもてる。凄い奴です。

 学校給食で生きながらえたことは同感です。

 小学生が認知症の祖父の介護をしていた。

 あまりにも悲惨過ぎたり、極端すぎたりして、読んでいて、気分が悪くなり、身を引く記述もありますが、感嘆には値します。

 100円札、500円札はなつかしい。

調べた言葉などとして、「アンクレット:腕輪のように足首に着ける飾り」、「捥げる:もげる。漢字を初めて見ました。」、「ゆずり葉:新しい葉のために古い葉が命を譲るという意味のようです。」

 良かった表現の主旨として、「親なんかいらない。親は祖父母だ。」、「一時的な幸せならないほうがいい。」、「周囲に愛のあるおとなたちがいた。」、「愛とは、自分の時間を相手に与えること。」

 挿絵は本人が描いたのでしょう。小学生が描いたような絵ですが、それはそれでいい。

 飼い犬の名前が長くて、最初、飼い犬の名前とは思えませんでした。家族同然の関係だったらしく、読んでいて、そこまでなのかと感心しました。

 何もすることがないとき、飢餓状態のとき、空をずっと見ていた少年時代が良かった。夜空を見ていたことも良かった。

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