2018年07月09日
破滅の王 上田早夕里
破滅の王 上田早夕里(うえだ・さゆり) 双葉社
第二次世界大戦中、中国の租界(外国人が権力をもつ区域。上海日本人街)の話のようです。
工部局:1854年設立上海共同租界の行政機関
登場人物一覧表を見ながらうすうす感じる。この物語は、細菌兵器に関するもの。1931年9月18日満州事変から始まる。今から87年前です。
「死の実験場」という言葉が出てきました。この小説はすごい文章量です。351ページ、1ページが2段書きになっています。長編です。読み始めます。
(つづく)
まだ30ページ付近ですが、長文なれど読みやすくわかりやすい。長い年月をかけて制作された作品であることがわかります。
昭和10年代ぐらいのことから始まっているのですが、登場人物が描く明るい将来のために研究をするという夢とはうらはらに、この時代のすべてが、軍事目的のために為されていたと考えます。
調べた単語として、「舷梯:げんてい。乗船と船べりに使用するはしご」、「パッカード:クラシックカー。幌の屋根」、「黄包車:ワンポーツ。人力車」、「蒋介石:しょうかいせき。1975年87歳で没。台湾の軍人、政治家。内戦で毛沢東の中国共産党に敗れる。1949年台湾に渡る。」、「冀東防共自治政府:きとうぼうきょうじちせいふ。1935-1938中国に存在した政権。満州国の南に位置する。」、「リットン調査団:満州事変を不正と指摘。日本は国際連盟を脱退」、「辣腕:らつわん。すごうで」、「風根:かぜね。沖縄の言い伝え。わざわいの根」、「トーチカ:戦場で銃を撃つところ。コンクリート製など。」、「怯まない:ひるまない。読めませんでした。」、「1937年昭和12年12月13日南京陥落。いろいろ説があります。」、「窘める:たしなめる」、「シトロエン:フランスの自動車メーカー」、「議定書に調印するも批准はしていない。:条約の形式。議事録。批准は、拘束に同意すること。」、「コレラ、チフス、ペスト:コレラ菌、下痢:チフスは高熱、発疹、シラミ:ペストは、ネズミ、ノミ、せき、たん、発熱、リンパの腫れ、腹痛、悪寒」、「青幇の教夫:秘密結社。教夫の意味は不明です。」
印象に残った表現として、「欧州諸国がアジアでやってきたことは支配(日本だけではないと気づかせてくれた。)」
(つづく)
なかなかの力作です。以前読んだ、戦場のコックみたいなタイトルの本と形式が似ています。どちらも第二次世界大戦が素材です。
フランス、イギリス、アメリカ、日本の租界があります。そのうち、日本だけになります。
戦争を知らない学者さんたちは理想を語ります。中国と学術研究で協力体制を築きたい。できるわけもありません。
植物は毒として使用するのか、それとも薬として使用するのか。このあと、薬会社が細菌兵器製作にからんでくるようで、読み手は、製薬会社の目的とはなにかという厳しい分析をしなければならなくなります。
細菌兵器の文書の一部が主人公宮本敏明に押し付けられるが文書の前後がない。文書の全体が不明。
戦争で使用する。大量無差別殺人が可能な目には見えない武器です。
バクテリアを食べるバクテリア(細菌)
菌株
人の数が増えてきて、だんだんわかりにくくなってきました。
「ゾルゲ事件:ゾルゲというソ連のスパイ事件。1941年逮捕。44年処刑。上海で情報入手」
「ピロシキ:東ヨーロッパの総菜パン」
細菌論文は、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、中国が異なるページを手に入れている。R2vは六川正一がもっていた。いまは、だれがもっているのか。
「炭そ菌:発熱、下痢、嘔吐、倦怠感の病原体。第二次世界大戦中生物兵器として研究される。」
細菌のことはわかりませんが、悪いことに使おうとしていることはわかります。
「ノモンハン:1939年昭和14年の軍事衝突。モンゴル東部のノモンハンにて、日本軍とソ連軍が衝突。日本の負け。」
「マルタ:人体実験用の捕虜」 すべての人間ではないけれど、人間は欲望をかなえるためにはなんでもやる。なんでもやれる人間が一部にいる。人は悪魔にもなれると考えるのか、そもそも人が悪魔なのか。
人命を救う医師が実験のために人命を奪う。
(余談ですが、禁煙社会の今、ところどころのページをタバコの記述で埋めるのはどうかと思いました。)
「無辜の民:むこのたみ。罪なき民衆。」、「シアン化カリウム:青酸カリ」
(つづく)
読み終わりましたが、だんだん登場人物が増えてきて、よくわからなくなり、最後のページになってしまいました。山も谷もなく終了しました。読みこみ不足なのでしょう。
事実に基づいた小説かなと思って半信半疑で読んでいました。最後のほうのページで、フィクション(事実ではない)とわかりました。
読んでいる途中、サリン事件の関係者の死刑執行があって、小説の内容にある生物兵器とイメージが重なりました。
鳥インフルエンザという言葉も頭をよぎりました。
理解するためにはもう一回読まなければならないと思いますが、再読するかどうかは今はわかりません。
戦時下であれば、人体実験もありとか、撲滅のために空襲で焼くとか、戦争の残虐さが伝わってきました。無法地帯で禁止ができない。
きちんとした地位にある人たちの行いでもそれは、犯罪としか思えない。感覚が麻痺している。犯罪者たちの理屈がとおる。
ドイツは日本の味方とは限らない。
SD:ナチス親衛隊内部におかれている諜報組織(スパイ)
眩耀:げんよう。まぶしくてめがくらむ。
生物兵器は、核兵器のようでもあるし、小さな単位のたとえば、家族のだれかが秘密の意志をもって棚に隠して保管している毒のようでもある。
ヒューマニスト:人道主義者
ナショナリスト:民族主義者
1945年4月30日、ヒトラー自殺
第二次世界大戦中、中国の租界(外国人が権力をもつ区域。上海日本人街)の話のようです。
工部局:1854年設立上海共同租界の行政機関
登場人物一覧表を見ながらうすうす感じる。この物語は、細菌兵器に関するもの。1931年9月18日満州事変から始まる。今から87年前です。
「死の実験場」という言葉が出てきました。この小説はすごい文章量です。351ページ、1ページが2段書きになっています。長編です。読み始めます。
(つづく)
まだ30ページ付近ですが、長文なれど読みやすくわかりやすい。長い年月をかけて制作された作品であることがわかります。
昭和10年代ぐらいのことから始まっているのですが、登場人物が描く明るい将来のために研究をするという夢とはうらはらに、この時代のすべてが、軍事目的のために為されていたと考えます。
調べた単語として、「舷梯:げんてい。乗船と船べりに使用するはしご」、「パッカード:クラシックカー。幌の屋根」、「黄包車:ワンポーツ。人力車」、「蒋介石:しょうかいせき。1975年87歳で没。台湾の軍人、政治家。内戦で毛沢東の中国共産党に敗れる。1949年台湾に渡る。」、「冀東防共自治政府:きとうぼうきょうじちせいふ。1935-1938中国に存在した政権。満州国の南に位置する。」、「リットン調査団:満州事変を不正と指摘。日本は国際連盟を脱退」、「辣腕:らつわん。すごうで」、「風根:かぜね。沖縄の言い伝え。わざわいの根」、「トーチカ:戦場で銃を撃つところ。コンクリート製など。」、「怯まない:ひるまない。読めませんでした。」、「1937年昭和12年12月13日南京陥落。いろいろ説があります。」、「窘める:たしなめる」、「シトロエン:フランスの自動車メーカー」、「議定書に調印するも批准はしていない。:条約の形式。議事録。批准は、拘束に同意すること。」、「コレラ、チフス、ペスト:コレラ菌、下痢:チフスは高熱、発疹、シラミ:ペストは、ネズミ、ノミ、せき、たん、発熱、リンパの腫れ、腹痛、悪寒」、「青幇の教夫:秘密結社。教夫の意味は不明です。」
印象に残った表現として、「欧州諸国がアジアでやってきたことは支配(日本だけではないと気づかせてくれた。)」
(つづく)
なかなかの力作です。以前読んだ、戦場のコックみたいなタイトルの本と形式が似ています。どちらも第二次世界大戦が素材です。
フランス、イギリス、アメリカ、日本の租界があります。そのうち、日本だけになります。
戦争を知らない学者さんたちは理想を語ります。中国と学術研究で協力体制を築きたい。できるわけもありません。
植物は毒として使用するのか、それとも薬として使用するのか。このあと、薬会社が細菌兵器製作にからんでくるようで、読み手は、製薬会社の目的とはなにかという厳しい分析をしなければならなくなります。
細菌兵器の文書の一部が主人公宮本敏明に押し付けられるが文書の前後がない。文書の全体が不明。
戦争で使用する。大量無差別殺人が可能な目には見えない武器です。
バクテリアを食べるバクテリア(細菌)
菌株
人の数が増えてきて、だんだんわかりにくくなってきました。
「ゾルゲ事件:ゾルゲというソ連のスパイ事件。1941年逮捕。44年処刑。上海で情報入手」
「ピロシキ:東ヨーロッパの総菜パン」
細菌論文は、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、中国が異なるページを手に入れている。R2vは六川正一がもっていた。いまは、だれがもっているのか。
「炭そ菌:発熱、下痢、嘔吐、倦怠感の病原体。第二次世界大戦中生物兵器として研究される。」
細菌のことはわかりませんが、悪いことに使おうとしていることはわかります。
「ノモンハン:1939年昭和14年の軍事衝突。モンゴル東部のノモンハンにて、日本軍とソ連軍が衝突。日本の負け。」
「マルタ:人体実験用の捕虜」 すべての人間ではないけれど、人間は欲望をかなえるためにはなんでもやる。なんでもやれる人間が一部にいる。人は悪魔にもなれると考えるのか、そもそも人が悪魔なのか。
人命を救う医師が実験のために人命を奪う。
(余談ですが、禁煙社会の今、ところどころのページをタバコの記述で埋めるのはどうかと思いました。)
「無辜の民:むこのたみ。罪なき民衆。」、「シアン化カリウム:青酸カリ」
(つづく)
読み終わりましたが、だんだん登場人物が増えてきて、よくわからなくなり、最後のページになってしまいました。山も谷もなく終了しました。読みこみ不足なのでしょう。
事実に基づいた小説かなと思って半信半疑で読んでいました。最後のほうのページで、フィクション(事実ではない)とわかりました。
読んでいる途中、サリン事件の関係者の死刑執行があって、小説の内容にある生物兵器とイメージが重なりました。
鳥インフルエンザという言葉も頭をよぎりました。
理解するためにはもう一回読まなければならないと思いますが、再読するかどうかは今はわかりません。
戦時下であれば、人体実験もありとか、撲滅のために空襲で焼くとか、戦争の残虐さが伝わってきました。無法地帯で禁止ができない。
きちんとした地位にある人たちの行いでもそれは、犯罪としか思えない。感覚が麻痺している。犯罪者たちの理屈がとおる。
ドイツは日本の味方とは限らない。
SD:ナチス親衛隊内部におかれている諜報組織(スパイ)
眩耀:げんよう。まぶしくてめがくらむ。
生物兵器は、核兵器のようでもあるし、小さな単位のたとえば、家族のだれかが秘密の意志をもって棚に隠して保管している毒のようでもある。
ヒューマニスト:人道主義者
ナショナリスト:民族主義者
1945年4月30日、ヒトラー自殺
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