2018年04月06日

スイートホーム 原田マハ

スイートホーム 原田マハ ポプラ社

 不動産会社のホームページに掲載されていた文章なので、家の購買意欲をそそるような内容になるのではないかという予測は当然当たってしまうのですが、それはそれとして、読んでみます。

 短編4本です。

「スイートホーム」
 家族に彼氏を紹介する(結婚申し込み)という楽しい出だしです。
 姉が結婚する当事者で、妹がいます。
 父がいて、パティシエ(ケーキ職人)をしていて、やさしい母がいます。
 こういう恋愛結婚でありたいという女性の夢が描かれています。
 しあわせ家族を表現した作品でした。

「あしたのレシピ」
 予定調和的な平和な風景です。
 著者には、絵画作家さんというイメージがあります。
 安心・安定した風景画です。
 前作の短編と関連があります。
 「フィナンシェ:フランス起源のバター焼き菓子。貝殻風の形態」

「希望のギフト」
 1本のキンモクセイの木が短編をつないでいきます。キンモクセイ:秋にオレンジ色の花を無数につける。甘めで強い香り。
 キンモクセイの木の前で家族、親族そろっての記念撮影があります。
 文章がリズミカルで読みやすい。
 みんな仲良しです。
 プロポーズ待ちの女性がいます。

「めぐりゆく季節」
 料理教室があるのが、「オアシス・キッチン」
 洋菓子店の名称が、「スイートホーム」
 舞台は宝塚、お上品すぎて、粗野なおいらには合わない作品ですが、女性には向いているでしょう。
 第一志望の大学が不合格で、浪人して、翌年の合格をめざす人がいます。
 大学って、なんなのだろう。大学イコールしあわせのゴールとは思えない。大学を出ても無職の人はいるし、仕事の現場では、足手まといな人もいる。
 三世代同居話もあります。現実には物語のような幸せ路線にはならないので、スイートホームは、「夢」 なのでしょう。

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