2017年07月10日

顔ニモマケズ 水野敬也

顔ニモマケズ 水野敬也 文響社

 病気で顔が変形している人たちです。
 作者自身も以前は自分がむくんでいると気にしていたということが、この本の製作の動機となっています。
 本にある写真の顔を見ると思わず目をそむけます。本人の責任ではないにしろ、身を引く思いです。
 
 見た目で中身まで決めつけることが多いのは日本人特有の思考だそうです。美人や可愛いから、あるいは、イケメンだから、人間性もいいとは限らないことはわかります。逆に、顔だちが良くないと、誤解することもあります。

 写真を見て、内出血のようにして、顔や腕に跡がある人を見たことはありますが、こういう顔をしている人がいるということは、初めて知りました。驚きました。

 みなさん、こどもの頃は、イジメにあっています。その後、ひきこもりの時期をすごした人もいます。悩むと思います。死んでしまいたいとも思うでしょう。
 みなさん、そういった時期を克服されています。尊い言葉が並んでいました。変顔ではなくても、救われる思いをする人も多いでしょう。

 一見男性かと見えた人が、女性だったりもしました。いっそう、人間の強さが伝わってきました。

 世界は広い。自分の存在を認めてくれる人は意外にたくさんいる。そうやって、みなさん、広い世界へ自分の身を出していかれました。

 インタビューは、長時間に及んだと思いますが、本は、コンパクトに上手にまとめてあります。良書です。今年読んで良かった1冊になりました。

「折り合っていく」、「家のなかにいると意識が自分に向いてしまう」、「マラソンがストレス解消になる」、「からかわれてつらかった」、「(医者にとって)良い患者になるな」、「割り切る」

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