2017年05月06日

犬が来る病院 2017課題図書

犬が来る病院 大塚敦子 角川書店 2017課題図書

 大人になる前に消えていく命があります。
 どの時代にも、そういうこどもたちがいます。
 だから、そういったことを題材にした本を読むのはつらい。

 タイトルにある「犬」は、セラピー犬です。
 病気入院中のこどもの心をいやします。
 それでも助からない命もあります。
 ある空間の中で、ホスピス(安らかに旅立ってもらう)を行う。

 2007年から数年間の記録です。
 病院や関係者の宣伝本とか取材協力のお礼本にも思えますが、それは、大人の感想です。大人とはそういうものです。しかたがありません。
 セラピー犬に関する記事は、最初にあり、その後、犬の話題はなくなり、後半に復活しますが、生き物を病人のそばにおくというのは、かなりハードルが高いものがあります。清潔な動物はなかなかいません。人は感染を心配します。

 セラピー犬がいます。そして、音楽療法士がいます。いろいろな方法、手法を用いて病気の治療にあたります。
 読んでいて、遅い早いはあるけれど、人間は、「死ぬこと」を最終目標として、今日を生きている。では、今日をどう過ごすのか。その答えは、人それぞれです。宗教に関する記事も少しあります。宗教を否定することは無理ですが、全面的に肯定することも無理です。

 思い出づくりのためにテーマパークのホテルに2泊した記事がありました。だれもが楽しき気分で宿泊しているわけでもないことがわかり、しんみりしました。
テーマパークに感謝です。いい人生だったというのはどういう人生だったかの定義としての答えのひとつに、思い出多い人生があります。いい思い出もよくない思い出も該当します。

(つづく)

 読み終えました。
 自分の人生をふりかえってみて、自分の周囲では、癌で亡くなる人が圧倒的に多かった。事件に巻きこまれてというのはひとつもありません。事故は交通事故死が1件のみです。
されど、癌は多かった。余命を宣告されてそのように短期間でこの世を去っていかれるのをみていて、いつかは、その順番が自分にも回ってくると怖れました。

 写真にある病気のこどもたちは丸坊主です。痛々しい。薬の副作用と世間では噂しています。
 絵を描いて気持ちをおさめる人がいます。その絵をながめて、なんと感想を言っていいのかが、出てきません。

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