2016年05月12日

息子 邦画 DVD

息子 邦画 DVD

 もう、これでいい。これ以上のものは、この世界にはないと言い切れる一作でした。後半、三国連太郎さん演じる親父と、永瀬正敏さん演じるばか息子のやりとりは絶品で、もう、そのシーンで終わってもいいとさえ思いました。昭和の時代にあったあの人情はどこにいってしまったのだろう。親子で、遠慮のない会話が嬉しい。でけそこないの息子(子ども)ほどかわいい。心が温まりました。

 1991年の作品ですからもう25年前のものです。出演者がなつかしい。いかりや長介さん、中村メイ子さん、田中邦衛さん、浅田美代子さん、佐藤B作さん、原田美枝子さん、ケーシ高峰さん、亡くなった方もみえます。全体をとおして味わいがあります。東北地方が舞台です。東日本大震災が起きた今、当時は地震のかけらもなかったわけで、先行きの見えない未来は希望ばかりではありません。

 家庭のこととして、よくある、うまくいかない話です。
 子どもに嫌われた老人たちがいます。
 小津安二郎作品「東京物語」との共通点もあります。
 
 あれから日本は、「便利な国」に発展しました。
 劇中、サラリーマンでは、戸建はもてないとのセリフがありますが、いまや、空き家が増えて、戸建の取得は夢ではありません。
 いい時代になったと思います。世間体を気にしないで、着飾らずに、本音で暮らすことができるようになりました。結婚式は質素でいい。無理をしなくていい。お墓だってなくてもいい。身の丈に合った生活ができるようになりました。

 永瀬さんが演じる息子は、なんて誠実な男でしょう。障害者との結婚は、映画ほど簡単ではないと思いますが、相手が障害者ではなくても、「この人(女性)がいないと自分は生きていけない」という気持ちは大切です。
 親父さんの「(昔は家族を食べさせていくために)馬みたいに働いた。」という言葉にも胸を打たれました。少なくとも男にはそういう時期があります。楽して、いい暮らしはありえません。


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