2016年05月10日

ホセ・ムヒカの言葉 佐藤美由紀

ホセ・ムヒカの言葉 佐藤美由紀 双葉社

(1回目の本読み)
 最近話題になったような。
 カバーの写真だけ見ると、ファストフードのシンボルであるおじさんのような顔立ちです。80歳、高齢の方です。(2012年6月にブラジルで国連の演説をしたときは、76歳ぐらい)
 世界でもっとも貧しい国は、アフガニスタンだと思っていました。でも、副題は、世界でもっとも貧しい大統領(個人)です。所属は、南米ウルグアイとあります。位置すら知りません。(調べました。)。ブラジルの南にありました。テレビで、サッカーの試合を見たことがあるような。

 構成は、第一章「質素の哲学」、第二章「理想への闘い」、第三章「指導者の言葉」です。
 「時間」を重視されています。ほしいものは、「お金」ではなく、「生きる時間」です。
 余裕のある人は弱者を助ける義務がある。以前別の本を読んで、金銭的に余裕があるのは、単に「運がいい」だけと学びました。
 妊娠中絶に賛成な人はいないが、必要としている女性がいる。今、勢いのあるアメリカ大統領候補者に学んでほしい言葉です。

(2回目の本読み)
 強烈なショックを受けました。
 日本が正しいとして目指してきたものへの否定があります。そして、それは正しい。説得力があります。先進諸国は、自分たちだけの富のために、地球上の原料を使い果たす気かという抗議と攻撃があります。その考え方は、少なくとも、日本国の方針に逆行する内容です。

 3Rの大切さを思い浮かべました。リサイクル(再生)、リユース(再度使用する。)、リデュース(削減する)です。もう、10年ぐらい前から言われていることです。日本では最近リサイクルショップが増えました。
 
 資源のない国、日本が、資源のある国から大量の資源をお金にものいわせて奪っているともとれます。痛恨の気持ちが湧いてきました。
 演説内容には賛同しがたいものがありますが、考えさせられます。

 スピーチの訳者である打村明さんの言葉に、日本語には、「足ることを知る」という言葉があると記述しておられます。今一度、再確認したい言葉です。

 長い歳月を経ても使用し続ける自家用車、携帯電話、自転車、すごいという言葉しか出てきません。もうすぐ80歳の高齢である自分が乗る車は時速80kmが出ればいい。確かにそうですが維持管理を考えると、とても真似はできません。(1987年製造フォルクスワーゲン・ビートル)

 政治犯としての13年間の獄中生活は長い。
 言論の自由が保障されている日本はすばらしい。
 書中では、7年間、本を読めなかった苦悩が書かれています。
 民主主義は最後には必ず勝つ。

 驚愕です。神の存在を信じないと公言し、大麻を合法化して、闇市場を追放する。大統領官邸に住まず、官邸をホームレスの施設に指定してしまう。官邸職員を置く人件費はなくして、学校をつくれと指示する。同性婚を合法化する。こんな大統領はなかなかいません。
 ラスト付近にある演説内容は力強く、勇気をもらいました。野生的で、魅力があります。偉人ではないと言いつつ、凡人から見れば偉人です。

 いい本でした。

<2010年3月1日~2015年3月1日ウルグアイ第40代大統領 大統領の来日 2016年4月5日-同月12日>

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