2016年04月21日

ハーバードでいちばん人気の国・日本 佐藤智恵

ハーバードでいちばん人気の国・日本 佐藤智恵 PHP新書

 テレビ番組で、この本にある新幹線の清掃チームのことが紹介されて興味をもち購入しました。

 ハーバード大学とは、アメリカ合衆国マサチューセッツ州にある大学です。前半は、ハーバードの自慢話が続くので、ちょっと読み疲れました。自分にとって必要な部分だけを読もうかと考えなおしました。のちに記載が出てくる「先物取引」のことは、何のことかわかりません。
 なにか、特別な人たちが読む本だと、読んでいる途中で思いました。将来の幹部候補生、リーダー等が読むための本という位置づけになっています。

 日本人の勤勉性(お金のために働くだけが労働のすべてではない。社会貢献による自己実現・自己充足、気持ちを大切にしながら働く)に重点が置かれています。日本人として、照れくさい。
 自己の夢の実現を目標として働く時期があります。最初から最後まで、前記のような気持ちで働くわけではありません。やはりスタートは、生活の糧のために働くわけであり、それは、最後まで変わりません。
 できれば、安くていい給料をもらいたい。休暇もたくさん取れればなおさらいい。会社はつぶれないところがいい。動機はいろいろあります。この本に書かれていることが日本人の標準だった時代は、過去かもしれない。日本は健闘しているというけれど、家族や家庭は崩壊しているし、個人の心も折れている。

以下、本に書いてあったことや、自分の実感などです。
「成功話よりも失敗話が大事。失敗を再発させないために議論が大事」
「現場とコントロールするポストの人間を近くする(現場の改善案を実行する)」
「他者から注目されると人はやる気が生まれる」
(自分の考えとして)「出勤したいという気持ちをどこで生むか。昼食は何にしようか。また、きょうもあの人とおしゃべりしようという楽しみがあること」
(自分の考えとして)「(日本人は)損得勘定で物事を考えない」とありますが、それはかいかぶりです。(人物を実際よりも高く評価する)。「おもてなし」のメッセージでオリンピックを誘致できたけれど、その後、お金をめぐって知事が退職に追い込まれています。金勘定ができないから競技場案もぽしゃりました。あれこれを設定するのはやっぱりお金が目的で、言っていることとやっていることはちぐはぐです。
この本では、学問の世界が紹介されています。現実的とはいえません。
義務教育は貢献しました。読む・書く・計算する。国民の大半がその技術を身につけました。
「日本人とドイツ人は内省的(反省ばっかりしている)で自分に厳しい」
(ホンダの部分を読んで、自分の考えとして)「運の流れを知り、好機に乗じる」
「意図的戦略:机上の戦略」、「創発的戦略:ボトムアップ(現場のアイデアを生かす)」
(自分の考えとして)メリットがあればデメリットもある。光る部分があれば、暗い部分もある。ブラックな部分がない社会はない。
「情報の共有が、チームワークを築く。」
「地味だけど、メンテナンスと改善が基礎」
「欧米の会社は、社員を人間としてみない。」
「日本は島国という船」
「課題は、①グローバル化 ②イノベーション ③若者と女性の活用」 そのなかで、高齢者の労働期間延長によって職をみつけられない若者男子が気の毒です。

わからなかった単語として、「イデオロギー:基本となる信念とか意識」、「イノベーション:新しい○○」、

全体とおしてですが、別の特殊な世界のお話のように感じました。
「さらなる発展」を選択するのか、「現状維持」を選択するのかで、現状維持でいいと思うのです。もう、無理しない方がいい。心を病む人が増えるだけです。

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