2023年10月04日

なつみはなんにでもなれる ヨシタケシンスケ

なつみはなんにでもなれる ヨシタケシンスケ PHP

 なかなかいい絵本でした。

 色がきれいで、絵が優しい(やさしい)ことがこの作者さんの特徴です。
 そして、発想がいっぱいです。(アイデア豊富)

 こちらの絵本はこどもさんというよりも、母親(ママ)のための絵本です。
 子育てで疲れたときに目をとおすと、心がいやされます。
 ああ、こんなことあるなあと納得させられます。
 子育ての思い出づくりの本です。
 あんなことがあった。そんなことがあったとあとになって思い出すのです。
 
 なつみちゃんのジェスチャーショー(形態模写)です。
 わたしがまだこどもの頃にNHKのテレビ番組で『ジェスチャー』という番組があった記憶です。けっこう盛り上がっていました。
 柳家金五楼さん(やなぎや・きんごろうさん)と水の江滝子(みずのえ・たきこさん)それぞれ対決する男女別チームのリーダーをされていました。白黒テレビで見ていました。

 なつみちゃんが、『これな~んだ?』とパントマイムでポーズをつくります。
 非常におもしろい。
 親子でにぎやかに読む本です。
 なるほど! と納得する展開です。
 今年読んで良かった一冊に入れておきます。
 プレゼントに最適な絵本です。

 ページをめくるたびに、『ふむふむ』『そうそう』とうなずきます。

 『富士山』(なるほど)

 ちびっこは遊びで気持ちがのりだしたらなかなかやめてくれません。疲れ果てるまで遊び続けます。
 リアルな情景があります。母親が、もう夜で寝たいのに、なつみちゃんが、『(ジェスチャーを)あと10こね!』(そういえば、今年の小学校の夏休みは、孫たちにせがまれて、『人生ゲーム』を3週間で56回もやりました)

 『おみそ汁に入っている「あさり」』のポーズ(笑えます)

 絵に動きがあって、いいなーー。 動画のように見えます。

 『せんぷうき』(そうそう)

 アイデアが尽きません(つきません)。

 なつみさんは、可愛い(かわいい)

 ちびっこはいたずらが大好きです。
 自分に注目してほしいからです。

 さいごのジェスチャーの答えは『でんでんむし(かたつむり)』だと思います。
 おもしろかった。

 絵本の裏表紙にやはり「かたつむり」の絵がありました。
 「かたつむり」が答えです。

 おしまい。  

Posted by 熊太郎 at 06:48Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2023年10月03日

出川哲朗の充電バイクの旅 福島県から宮城県

出川哲朗の充電させてもらえませんか? 福島県から宮城県 テレビ東京
行くぞ“奥州街道”116キロ!福島の“東北のお伊勢さま”からゴールは宮城の名湯“遠刈田温泉”なんですが村上佳菜子が超天然でケンコバはドシャ降り!ヤバイよヤバイよSP


 村上佳菜子さんは、初夏の頃、いとうあさこさんとかたせ梨乃さんの5万円旅で映像を見ました。旅先は、長崎県で、島原半島を巡っておられました。村上佳菜子さんは旅番組への出演がお好きな方のようです。今回は、髪の色がオレンジ色になっていました。まあタレントさんですから違和感はありません。
 村上佳菜子さんは、オリンピックのフィギュアスケート選手であり、名古屋市出身の方なので、身近に感じます。中区の出身中学である前津中学(まえづちゅうがく)の前の道路を以前は用事があって何度か歩いて通りました。学校の玄関には同じくオリンピックフィギュアスケート選手だった伊藤みどりさんのパネル写真が飾ってありました。今もあるかどうかはわかりません。
 番組を見ていて、村上佳菜子さんが、1941年(昭和16年)出版高村幸太郎作品『智恵子抄(ちえこしょう。詩集です)』に出ている高村千恵子さん(たかむら・ちえこさん)の生家(せいか。生まれた家)をたまたま訪問するのですが、『生家(せいか)』を『なまいえ』と間違えて読んでおられました。そして、その間違いに気づくまでにしばらく時間がかかっていました。
 同じような間違いを太川陽介さんの路線バス対決旅青森県編のときに、同じく名古屋市出身のオリンピックフィギュアスケート選手の安藤美姫さん(あんどう・みきさん)がしていました。バスの中で地図を見ながら小説家の『太宰治記念館(だざいおさむきねんかん)』を『たいこうじきねんかん』と読んで、なんだろうこれは?とお話しされていました。
 なんというか、フィギュアスケート選手の世界と文学の世界との間には距離があるのだなあという感想をもったのでした。

 放送は、二週に分けての2回放送です。
 関東地区で7月に放送されたものが、2か月遅れの9月に中部地区で放送です。ずいぶん前の撮影映像です。これからは、関東地区で放送された最近の番組は、TVer(ティーバー)で観るつもりです。
 今回後半ゲストのケンコバさんは、先日『東野&岡村の旅猿』でお見かけしました。広島県の旅でした。旅猿と充電バイクの旅は、つながりがあるように思えます。(さらにその後、ケンコバさんがBS放送で、ビジネスホテルを紹介する旅番組に出ているシーンをたまたま見ました。小さな居酒屋で焼き肉を自分で焼いて食べておられました。ひとり酒です。あちこちでがんばって働いておられます)

 福島市の人口:27万5000人ぐらい。県庁所在地ですが、都市部の自治体と比較すると少ない人口です。映像では、田んぼや、里山の間をアスファルトの舗装道路が走っています。走っている車両の量は少ない。バイクは初めてですという村上佳菜子さんでも安心して運転ができる道路状況です。

 おいしいものとして、①ソースカツどん ②円盤餃子(えんばんぎょうざ)がでてきました。
 ボリュームがあります。おいしくておなかいっぱいになれそうでした。後半の番組では、③うーめん(温かい麺(めん))が登場しました。奈良のにゅうめんに似ています。雨に濡れてずぶ濡れで体が冷えていたので、体も心も温まったようすが伝わってきました。

 安達ケ原の鬼婆(あだちがはらのおにばばあ)というところの見学がありました。ちょっと怖い雰囲気でした。刃物で人を殺して食べちゃうそうです。奈良時代ぐらいのころのお話なのでもうずいぶん昔のことです。

 雨が降ってきたので、遠い温泉地の旅館ホテルをあきらめて駅前ホテルに宿泊しました。無理はしないほうがいい。どちらかといえばハプニングを求める番組ですが、病気やけがをしないように気をつけたほうがいい。視聴者は、危険な行為は望んでいません。

(つづく)

 後半はゲストが村上佳菜子さんからケンドーコバヤシさんに変わって、どしゃぶりの雨の中を電動バイクで走って行きます。お気の毒でした。
 天気が悪いからといって、ロケ日を変更することはなかなかできないのでしょう。ロケは、本当に運頼みの面があります。

 ケンドーコバヤシさんが、色紙にサインをしたときに、ほかの芸人さんのギャクを書いていました。
 だれだか紹介はなかったので調べました
 『あ~い とぅいまてぇ~ん』は、「ですよ。」という人でした。最初、なになにですよのなになにが、何かのミスで抜けているのかと思ったら、お名前が「ですよ。」でした。ラップ風の漫談が芸だそうです。
 『やっちまったな~』これは、クールポコというコンビだったと観ていて思い出しました。
 
 白石市、蔵王あたりのいなか風景が心落ち着きます。太川さんとえびすさんの路線バス乗り継ぎ人情旅でも通過した場所でした。なつかしい。ふたりとゲストさんは、そのあたりの町役場でルートを教えてもらっていました。  

2023年10月02日

希望の糸 東野圭吾

希望の糸 東野圭吾 講談社文庫

 以前は東野圭吾作品をよく読みましたが、その後遠ざかり、久しぶりにこの文庫を読んでみようと思い立ちました。
 ところが、プロローグ部分を読んだだけで暗い気持ちになってしまい、読むのはやめようかと思い立ちました。
 小学生の姉と弟が、母方実家の新潟県長岡市内で大きな地震に見舞われて、倒壊した雑居ビルに押しつぶされて亡くなってしまいます。
 両親は都合が悪く一緒に帰省していませんでした。
 でも、せっかく買ったのだからと流し読みを始めることにしました。

 本の中では、まもなく11月の時期です。

汐見行伸(しおみ・ゆきのぶ):父親。東京に住んでいる。建設会社勤務。33歳で結婚した。
 
汐見玲子(しおみ・れいこ):母親です。夫とは職場結婚して退職。25歳で結婚した。旧姓竹村

汐見絵麻(しおみ・えま):小学6年生女児 (亡くなります) 私立大学付属小学校初等科

汐見尚人(しおみ・なおと):小学4年生男児。10歳。サッカー少年 (亡くなります) 私立大学付属小学校初等科

 失意の夫婦は、3人目の子づくりをして、妻は妊娠します。妻は40歳です。

(つづく)

 逢魔が時(おうまがとき):夕方の薄暗い時間帯。災いが起きる時刻からきている。

 繰り返しになりますが、暗い出だしで、なにかしら嫌悪感をもちました。
 登場人物たちの説明文が続きます。
 わかりやすく書いてあります。
 ふたりのこどもは、あっという間にこの世から去ってしまいました。
 病気や事故、自然災害のアクシデントなどで、こどものまま死んでいくこどもがいます。親は泣きます。

 もうひとつ別の話が始まりました。
 場所は石川県金沢市内として、登場人物は以下のとおりです。

芳原亜矢子(よしはら・あやこ):未婚。祖父母の代から経営の旅館『たつ芳(たつよし)』の女将(おかみ)。母親正美は亜矢子が6歳の時に交通事故で脳に損傷ができた。脳に障害をもつ人となって、亜矢子が16歳高校生のときに死去した。

芳原新次(芳原亜矢子の父親。婿養子):77歳。現在入院中。まもなく逝きそう。(いきそう。亡くなりそう。緩和ケア病棟にいる。肺がん)

戸田医師:芳原亜矢子の主治医

脇坂:法律事務所経営(臙色(えんじいろ)の5階建てビル。2階がオフィス)。弁護士。76歳

松宮脩平(まつみや・しゅうへい):謎の人物

 昔読んだ東野圭吾作品『秘密』のようなパターンの物語だろうか。同作品では、事故死で亡くなった人の霊魂が、事故で生き残ったこどもにのりうつります。(こちらの本を読み終えて:違っていました)

 遺言書の話です。公証人役場の話も出てきます。わたし自身も同様の手続きをしたので、読んでいて内容がよくわかります。(小説では、内容は相続人に知らされていないという設定ですが、一般的には、口頭で、相続人に事前に話をしてあることが多いと思います)
 芳原新次が書いた遺言書に、娘の芳原亜矢子の知らない男の名前が書いてあるのです。男は相続財産を受け取る人間です。
 
松宮脩平(まつみや・しゅうへい)とは:警視庁の刑事

長谷部:20代。松宮脩平の相棒刑事

松宮克子:松宮脩平の母親

花塚弥生:火曜日の朝、自営のカフェで、お客に遺体で発見された。51歳。東京都目黒区自由が丘にあるカフェ『弥生茶屋(月曜休み)開店10周年』の経営者。世田谷区上野毛(かみのげ)に住んでいる。栃木県宇都宮市出身。離婚、ひとり暮らし、こどもはない。発見時、死後12時間経過。口癖は「巡り会いを大切にしている」。客の話では「いい人」だった。凶器は、刃の長さが20センチ以上のシフォンケーキを切るナイフで店のもの。ナイフは、流し台にあった。顔見知りの犯行が濃厚。推理として、被害者が、表の顔と裏の顔を使い分けていたのではないか。被害者の両親は80歳前後

富田淳子:東急大井町線九品仏駅(くほんぶつえき)から徒歩10分に住んでいる。花塚弥生の遺体の第一発見者。カフェの客。ヨガスクールの友だちユカリと発見した。

山田:不動産屋

綿貫哲彦:55歳。被害者花塚弥生の元夫。11年前に離婚した。現在は、東京江東区豊洲のマンションに、内縁の妻と住んでいる。製薬会社で部長職をしている。

中屋多由子(なかや・たゆこ):綿貫哲彦の内縁の妻。介護施設で働いている。

 『自由が丘喫茶店主殺害事件特別捜査本部』

加賀恭一郎:松宮脩平の上司。主任という職。ふたりは、いとこどうし。加賀のほうが松宮よりも年上

 『明大前駅』『高円寺駅』(今年7月に電車で通過したことがあるので、身近に感じられます)

 松宮脩平と芳原亜矢子は異母兄弟だろうか。芳原亜矢子は本妻のこどもで、松宮脩平は芳原亜矢子の父親の愛人(松宮克子)の子どもなのだろうか。松宮脩平の母親克子が真相を知っているようだが話してくれない。

 冒頭に出てきた地震で亡くなったこどもたちの家族の話はどうなるのだろうか。

 抽斗:ひきだし

 読んでいて、なんだろう。何か物足りません。大衆文学の雰囲気あり。娯楽です。

 62歳になった汐見行伸と娘萌奈(もな。14歳中学生。体外受精で誕生したこどもです。母親はその後癌で亡くなりました)

 被害者女性の交際相手は、男性ではなく女性ということもある。(わたしの推理はその後、はずれたようですが、別の設定で復活します)
 
 中学生にスマートフォンをもたせることについていろいろある。(14歳の娘が犯人か。ただ、この推理もはずれそうです)169ページにある娘の訴えは正当です。彼女は地震災害で亡くなったふたりのこどもの代わりではありません。『あたしはあたし。誰かの代わりに生まれてきたなんて思いたくない……』

松宮克子:松宮脩平刑事の母親

 『本来悪い人間ではない。だけど心に闇をもっている』

 汐見行伸の義母「竹村恒子」:夫は5年前死去した。近所に長女が住んでいる。新潟県長岡市に居住している。

 カギを握る言葉として『巡り会い』があります。それから『野球』があります。そして、カギを握る人物として『中屋多由子』がいます。

(つづく)

 殺人の容疑者の自白について思うことあり。人間の記憶って、そんなにあいまいなものだろうか。(ゆえに、この人は、犯人ではないと、読み手は判断します)

 人は、何かを守るためにウソをつきます。ウソをつきとおせるか、つきとおせないか。意思の固さが、ご自身に求められます。

ハヤマ(旧姓モリモト):イケウチユミエの妹

花塚久恵:花塚弥生の母。栃木県宇都宮市に住んでいる。花塚鍼灸接骨院(はなつかしんきゅうせっこついん)を営んでいる。夫はまもなく80歳で鍼灸師(しんきゅうし。針とお灸(おきゅう))として働いている。

 う~む。設定は、理論とか、理屈ではあり得るけれど、現実ではない設定です。
 いま、304ページ付近にいます。全部で464ページあります。

(つづく)

愛光レディスクリニック:沢岡院長、神原医師(かんばらいし。50歳ぐらい。小柄)

 309ページ『一人の少女の運命を変えてしまう……』の部分は、『運命』よりも『人生』のほうがいいと思いました。

 なんというか、こういうことは、浮気がからむとありうる事例に類似しています。

 こどもに親の夢を託すのはほどほどにしたほうがいい。
 親は、『あきらめること(諦める)』を学んだほうがいい。
 
 悲しみの感情しか浮かんでこない348ページあたりです。

 ふと思い出した本があります。『誰も教えてくれなかった 子どものいない人生の歩き方 くどうみやこ 主婦の友社』具体的で現実的な内容の本でした。励ましの本でした。

 ふつう、こどもというものは、生みの親より育ての親を選びます。血のつながりは気にしません。たぶん。

 こどもができなかったから離婚したカップルがいる。

 角田光代作品『八日目の蝉(せみ)』が思い出されました。本当なら蝉は地上に出て七日目に命が絶えるのです。でも、八日目があったのです。本当なら火災現場で焼死する運命だった赤ちゃんが、その家に忍び込んだ犯罪者に命を救われたのです。そして、犯罪者の手によって、赤ちゃんは育てられたのです。

 養子縁組:そのような方向へ向かうことが予想できました。

 捜査情報の核心は表には出ない。

 ばかな父親がいます。

 母親が浮気をしてできたこども。

 作者はこの話をこれから先、どうもっていくのだろう。
 答えは、『生みの親より育ての親』に着地させなければならない。

 これで終わるのか。もう真犯人はいないのか。386ページあたりです。

 女の体をおもちゃにする男たちがいます。男を信じてはだめです。
 悪いのは女性ではなく、ウソをつく男のほうという定義です。(なになには、なになにという決め事)
 『欲』をもった人たちだらけなのが世間(せけん)のありようと読めます。
 
 『巡り会い』とは、男女の出会いのことではない。

 やりきれなさが残る終わり方のようです。
 こどもができた。いやできてない。それもうそ。できている。ほんとのことは母親にしかわからない。
 まあ、暗い話です。
 泣ける話ではありましたが、長かった。  

Posted by 熊太郎 at 06:53Comments(0)TrackBack(0)読書感想文