2023年04月26日

ねっこぼっこ ジビュレ・フォン・オルファース・作

ねっこぼっこ ジビュレ・フォン・オルファース・作 秦理絵子・訳 平凡社

 絵画絵本です。一枚一枚の絵が絵画のようです。
 タイトルに惹かれました(ひかれました)。木の根っこになにかがいて、春をもたらしてくれるのです。
 読み始めます。

 表紙をめくるとちびっこ女子たちの黒い影が左から右へと行進しています。
 それぞれの手には、植物の実や花があります。
 裏表紙をめくると、こんどは、右から左方向へ、さきほどと同じように、こどもたちの影が移動しています。
 本の中での両者の出会いを予感する絵です。
 外国っぽい。
 作者は、東プロイセンのメットゲテン生まれの人です。(現在のポーランド、ロシア、リトアニア)男性かと思って読んでいたら、最後のほうに女性の写真が出てきました。女性の作者でした。
 100年ぐらい前にこの世におられた女性です。(絵本作家としての活動期間:1905年-1912年)
 1881年当時のプロイセン王国生まれ。(日本だと明治14年です)貴族のお生まれだそうです。
 1916年(大正5年)に34歳で病気のため亡くなったそうです。短命です。
 絵本の内容は上品な世界でした。100年ぐらい前におられた昔の人が、現代人に語りかけるお話でした。

 ページをめくってすぐわかります。
 小さな女の子たちは、人間じゃない。妖精だと。(ようせい:人間と神さまとをつなぐ存在。超自然的(現実離れした世界)に存在するもの)
 茶色の服を着た11人の女の子たちがいます。されど、こどもたちの人数はこのあとどんどん増えていきます。無限のようです。

 季節は『冬』から『春』へと移る頃です。
 妖精たちは、土の下、木の根っこあたりで春を迎える準備に専念しています。
 昔『大地の母』というようなフレーズを聞いたことがあるのを思い出しました。調べたら違っていました。『命の母』という薬で、コマーシャルがあった記憶です。

 土の下には昆虫たちがいます。クワガタムシやほかの甲虫類(こうちゅうるい)です。
 長年かけて夏の地上に、顔を出すのを待つセミのようでもあります。

 絵を見ていると音楽が聞こえてきそうな雰囲気になります。
 勢いがあります。
 春を迎えるのです。
 昔のアニメ動画を見るようです。
 『リボンの騎士(きし)』最初だったか最後だったかは忘れましたが、その時の曲です。
 
 文章は『詩』です。
 幻想的です。
 絵は絵画です。
 緑色をベースに落ち着いた生命の喜びがあります。
 
 絵の中では『夏』が訪れました。
 ずっと夏ならいいのになあと書いてあります。
 (ドイツの冬は寒いのだろうなあ)
 『秋』の絵では、木枯らしが(こがらしが)吹いて、妖精たちは地上から再び地中へと向かいます。

 お話は、おしまいです。
 学術的な雰囲気がただよう絵本でした。(学問としての作法に従う)  

Posted by 熊太郎 at 06:35Comments(0)TrackBack(0)読書感想文