2022年11月14日

まあちゃんのながいかみ たかどの ほうこ

まあちゃんのながいかみ たかどの ほうこ・作 福音館

 なかなかいい絵本でした。
 親せきのちびっこたちにプレゼントする絵本の一冊にします。
 女の子たちにうける絵本です。
 1989年(平成元年)の作品です。

 表紙には、迷路のようなぐるぐる道が表現してあります。
 こういう迷路のようなルートは、こどもさんが好きです。
 指で道をなぞりながら、ぶつぶついろいろつぶやくのです。
 道を形成しているのは髪の毛です。

 まあちゃんです。
 やさしげな女の子です。
 
 まあちゃんのおともだちが『はあちゃん』と『みいちゃん』です。
 ふたりとも髪の毛が長い。ロン毛ヘアです。
 あたまのてっぺんに、リボンをつけているのが『はあちゃん』です。
 いっぽう、主人公のまあちゃんは、短髪(たんぱつ)です。ショートヘアーです。

 6ページの絵がとてつもなくおもしろい。
 絵本を回転させて、縦長構図の絵本に変化させます。

 9ページは、もとにもどって横長絵本です。
 牛が出てきます。

 11ページ、あれまあ発想がいい。
 久しぶりにミノムシを思い出しました。
 こどものころよくミノムシを拾いました。
 身近な場所に林がありました。

 13ページ、なかなかいい。
 まあちゃんは、4さいの女の子です。
 
 16ページの絵は豪快です。
 洗髪するときのシャンプーの絵です。
 てんこもりです。
 自分たちが台湾旅行に行ったときを思い出しました。
 足つぼマッサージと理髪のセットで観光を楽しみました。
 シャンプーの泡(あわ)がてんこもりでびっくりしました。
 そのときと同じような状態が絵本の絵になっています。
 台湾の床屋さんで、台湾での今どきはやりのヘアスタイルにしてもらいました。
 足つぼマッサージはむちゃむちゃ痛かった。イテーと叫びました。
 なつかしい旅の思い出です。

 19ページ、絵はさらに豪快さを増します。
 21ページ、すごすぎてもうほめ言葉が出てきません。
 はじっこにいるちっちゃなワンちゃんがかわいい。

 23ページまで読んできて、ふと気づきました。
 まあちゃんの髪の毛は短髪なのです。
 短髪なのに、自分が長髪だったらというお話を長々と、長髪であるはあちゃんとみいちゃんにし続けているのです。
 深く考えると、まあちゃんが、ふたりにそうしてほしいというお願いがあります。
 もうひとつは、自分がそうなりたいという願望があります。

 まあちゃんは実際には短髪のままで、長髪だったらという仮定で空想をふくらませていきます。
 お話をしているまあちゃんの髪の毛はショートヘアーのままで、お話がどんどん進んでも、まあちゃんの短髪に変化はありません。
 そこに、味わいがあります。

 さいごの『おしまい』がよかった。
 今年読んで良かった一冊でした。  

Posted by 熊太郎 at 06:30Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2022年11月11日

東野&岡村の旅猿 熱海市でスキューバダイビング

東野&岡村の旅猿 2022年10月-11月放送 静岡県熱海市(あたみし)でスキューバダイビング 動画配信サービス

 新シリーズのスタートで、ゲストは、森三中の黒沢かずこさんとよゐこ(よいこ)の濱口優(はまぐち・まさる)さんです。

 あいにくの大粒の雨ふりでしたが、途中で雨があがって良かった。台風の影響があるそうです。
 船で沖へ出てのスキューバダイビングは無理で、陸から海に降りて潜るそうです。黒沢かずこさんはパスするらしい。

 黒沢かずこさんのよもやま話がおもしろかった。
 14歳のときからあこがれていた松本人志さんに実際に会ったら、自分が思っていた人と、お人柄が違ったそうです。
 タレントさんとか俳優さんとかは、芸名の人物を演じています。
 素の本人は(すのほんにんは)、別人格だったりもします。

 素(す)の東野幸治さんの話もおもしろかった。昔と比べてずいぶん、お人柄が普通の人らしくなったそうです。ちゃんとまわりにいる人に気配りができるようになったそうです。

 岡村さんと濱口さんのこどもさんの話もおもしろかった。ふたりともパパになりました。
 前抱きだっこひもバージョンのお話をされていました。昔はおんぶひもでした。

(つづく)
 
 なにかしら黒沢かずこさんだけが、グループの中ではずれたような存在になってしまいました。
 スキューバダイビングは参加しません。黒沢かずこさんは喫茶店で待機です。
 なんだか気の毒です。
 赤ちゃん誕生で、岡村さん、濱口さんにはお子さんができて、東野さんにはお孫さんが誕生しています。三人ともこどもさんたちの年齢は近い。三人のこども談義が続きます。
 いっぽう黒沢かずこさんは未婚でこどもさんはいません。
 自分も未婚でこどもさんがいない人の気持ちってどんなものなのかなあと考えることがありますが、体験者ではないのでわかりません。ただ、その場には居づらい雰囲気が自分のなかにあるだろうなあという気持ちがあるだろうから、相手からこどものことを話題にされないうちは、ふれないようにしています。
 黒沢さんはそのあとも動物園みたいなところでのワオキツネザルとの触れ合いが苦手(にがて)で、ウャウー ウワウワーという悲鳴を連呼されていました。(翌週テレビのお昼の番組で、スピードワゴンの井戸田潤さんが、同じ場所でワオキツネザルとロケをされていました。まあなんというか、同じ場所で、異なるタレントさんで、何回も大さわぎの演技をするわけです。お仕事ですな)
 
 伊豆での食事は、干物(ひもの)がおいしそうでした。
 海辺なので刺身もいい。

 なんだか不思議な芸能人同士の交流があります。
 岡村さんは、いっしょに仕事をする芸人さんたちと交流があるようでないそうです。
 仕事上の付き合いはするけれど、プライベートなお祝い事のプレゼントなどは基本的にしないそうです。結婚、出産で『おめでとう』も相手に言わないそうです。

 陶器の夫婦茶碗(めおとちゃん)が良かった。
 汐吹公園にあった汐吹岩(しおふきいわ)が、クジラの呼吸みたいで良かった。
 黒沢さんの韓国焼き肉の焼き方、今田耕司さんがらみの失敗談が良かった。
 韓国焼き肉で、サムギョプサルというものがあるそうです。自分は知りません。

(つづく)

 毎週1回放映の最後の回の番組で、ようやく黒沢かずこさんの言動に輝きが生まれました。
 韓国焼き肉料理店で大活躍されました。

 宿に泊って、翌朝の朝食後、トゥクトゥク(三輪車)で街を周遊して海へ行きました。

 次回は韓国で整形旅行をやろう!と盛り上がって終了しました。
 たぶん整形旅行はしないと思いますが……

 おしまい。  

2022年11月10日

説教したがる男たち レベッカ・ソルニット

説教したがる男たち レベッカ・ソルニット ハーン小路恭子・訳 左右社

 今回読む本は、韓国人女性が書いた作品『私たちにはことばが必要だ -フェミニストは黙らない- イ・ミンギョン すんみ・小山内園子 訳 タバブックス』の中で書かれていた本です。「男は女を殺す」という内容で説明がありました。
 本の趣旨としては、女性差別反対! 女性を男性の支配から解放するというメッセージだと思います。

 読み始めます。
 エッセイが9本あります。(エッセイ:短い文章でなにかを表現する)

『1 説教したがる男たち』
 アスペン山麓(さんろく):アメリカ合衆国コロラド州アスペン市。高度2740m。
 40代の筆者と友人らしきサリーです。
 カンタベリー物語:14世紀イングランドの詩人ジェフリー・チョーサーが書いた物語集。当時のあちらこちらの物語を集めてある。カンタベリー大聖堂(イギリスにある教会)。

 女性の内面で起きる戦争:女性の意見が男性に否定される。男性から女性である自分がいなくてもいい存在扱いをされる。
 中東各国では、女性の証言が法的に保障されていない。男性の目撃者が必要とされる。
 
 読んでいると怖くなってくる(こわくなってくる)本です。
 女性が、動物や虫けらのように殺されていきます。殺すのは男です。殺す加害者は『配偶者』『元配偶者』です。
 『暴力は人々を沈黙させる』
 
 女性が人間としての地位を獲得したのは、1970年代なかば(昭和50年以降)とあります。

 女性は性暴力にさらされている。

 47歳のとき、著者は「説教したがる男たち」というエッセイを書こうと思った。2008年です。(平成20年)

 『行きたい場所に行き、言いたいことを言うのは、生存のための……(権利だ)』移動の自由、表現の自由が女性から奪われていた過去があります。

『2 長すぎる戦い』
 アメリカ合衆国の治安の悪さについて書いてあります。レイプ事件が多い。(強姦ごうかん。性行為の強要)
 読んでいると、アメリカ合衆国は銃を所持してもいい社会であり、治安の悪さの面で、観光旅行に行くことが嫌な気分になります。
 悲惨(ひさん)なことがいっぱい書いてあります。『この国も全地球も……(女性に対する暴力であふれている)』
 レイプの加害者が警官であったりもします。高校や大学のアスリート(スポーツ選手)男性も信用できません。
 女性はやられるばかりです。被害者である女性のほうが自殺することもあります。
 どうしてこんな男たちがいるのか。大半の男たちは節度を守ってちゃんとしている。『(加害者は)胎児の時期に受動喫煙があった(ゆえに脳みその中身にゆがみがあるというような記述)。両親が非社交的。低所得者層』そんなことが書いてあります。

 性的な誘いを拒否すると男に殺される。
 男から卑猥な(ひわいな)言葉を浴びせかけられるそうです。
 著者は、女性であることの危険性を訴えています。

 政党である共和党のこととか、中絶禁止についての賛否のことが書いてあります。
 『レイプされた女性の体は、妊娠を避けるよう機能するはずだ』という共和党員の発言があるそうです。(わけがわかりません。その共和党員男性の頭の中のつくりはどうなっているのだろうか)
 『レイプによる妊娠は神の恩寵(おんちょう)』という主張があるそうです。恩寵(おんちょう。神さまからの恵み)そんな発言は、もう犯罪です。
 実父や義父によるレイプ。(めちゃくちゃです。本来こどもを守るべき立場の人です。人でなしです)
 読みながら思うのは『安全であることをどうやって確保したらいいのか』
 50ページまで読んで、アメリカ合衆国に対する『絶望』と『失意』が芽生えました。アメリカ合衆国もロシアも中国もインドも似たようなものなのかも。

『3 豪奢(ごうしゃ。とても豪華)なスイートルームで衝突する世界 IMFとグローバルな不正義と電車の中の他人について』
 ひとつは、男女を国名に変えて説明があります。
 男:(支配する側。富。)ヨーロッパ、アメリカ合衆国、
 女:(支配される側。貧困)アフリカ、アジア、ラテンアメリカ、
 もうひとつは、組織の上層部にいる幹部の男性にいい人はいないということです。
 性暴力をふるう男性が、IMF(国際通貨基金)にいた。『金を払うから(なにをやっても)いいだろう』です。
 最近どこかで聞いたようなお話です。俳優さんとか。企業のトップとか。
 ストレス解消が女性に対する飲酒をともなった性暴力です。
 英雄色を好むということもあります。

 現実として『暴力には暴力で対抗しないと自分の体を守れない』

 多数の貧困者とひとにぎりの富豪がいる。

 過去の失敗を失敗と認めて未来を考える。

 女性は、声をあげることで、男の名誉と栄光を奪うことができる。
 男の名誉と栄光は、女性の犠牲のうえにあると読み取ることができます。
 男は、女をまるでゴミのように捨てることがある。

 彼の名前は『特権』。
 彼女の名前は『可能性』。永遠に語り継ぐ。けして完結しない物語を語り継ぐ。

 男は大金で問題にケリをつけようとする。
 女性に大金を支払って黙らせる。
 黙る女性はいる。
 和解が成立する。
 女性を責めることはできない。

 加害者がいたぶる相手は複数。加害行為は常習ということもある。
 加害者は偉いさんです。(組織の幹部)
 貧しい移民の女性が民事訴訟で、偉いさんである男性に性暴力をふるわれたと訴えて責めます。偉いさんは、お金で和解しようとします。女性は貧しいからお金をもらってあきらめます。

『4 脅威を称えて(たたえて) 結婚の平等が真に意味するもの』
 アメリカ合衆国保守派の同性婚に対する批判について書いてあります。
 
 日本の場合は、国民の整理整とん、おおぜいいる人間の交通整理の手段として、戸籍制度があるので、同性婚とか夫婦別姓を認めるためには、戸籍制度自体を触(さわ)らなければならないという困難さがあると自分は考えています。
 システムを変えなければ『同性婚』『夫婦別姓』の実行ができません。法律の改正とか新たに法律をつくる必要があります。国民全体のことを考えるとなかなかむずかしいものがあります。

 過去の歴史として、夫がボスで、配偶者である女性は、夫の所有物だった。
 女性は、召使い、奴隷の扱いで、男女平等ではなかった。
 夫は外で仕事、妻は家で家事というのもその考え方にあてはまる。

 結婚とは、こどもをもって育てること。
 現代では、人工授精、代理妻、養子制度もある。
 血がつながっている親子兄弟姉妹親族でも交流がうまくいかないこともある。
 血がつながっていなくても仲良しで暮らしていける人もいる。性別も関係ない。
 そんなことが書いてあります。

『5 グランドマザー・スパイダー』
 絵画の話です。
 一枚の絵がありますが、人物である女性の顔と体は布におおわれていて見えません。ひざから下の足が見えるだけです。
 絵の中で、女は存在しているのに消されていると、分析と批判の表現があります。

 家系図の話があります。男である父系図です。男系図ですから、女性の名前はありません。
 父権主義的な血統主義です。
 意味をとれないのですが、やがて排除されてしまうことを『グランドマザー』と呼ぶそうです。
 ほとんどの文化で、こどもは父親の名前を受け継ぐ。既婚女性は、ミセスだれそれ(男の名前)で呼ばれる。
 結婚によって、妻は夫の枠に組み入れられる。
 家族写真に夫と男のこどもは映っているが、妻と女のこどもは写っていない。(アフガニスタンの話。女は全身をヴェールやブルカで顔や体をおおっていた)
 
 読んでいて、外国世界での女性差別の厳しさが伝わってきます。

 『映画』『絵画』『歌唱』『写真』には、女性解放のメッセージがある。
 沈黙に追い込まれずに歌うとあります。

 精神的にかなり重たい話が続きます。

『6 ウルフの闇 説明しがたいものを受け入れること』
 1915年、ヴァージニア・ウルフは33歳の女性だったから始まります。イギリスの作家さんだそうです。精神病疾患があったようで59歳で自殺されています。
 日記にある言葉が『未来は暗い。思うにそれが、未来にとって最良の形なのだ』自分には言葉の意味がとれません。
 自分が女であるから未来が暗いのか。
 彼女の言葉として『女である私に国はありません』
 
 哲学的で内容はむずかしい。

『変態に囲まれたカサンドラ』
 カサンドラというのは女性の名前で、女だから真実を言っても信じてもらえなかったそうです。
 トロイの王女カサンドラだそうです。
 王女でも信じてもらえないのか。親族から狂った嘘つきと言われたそうです。

 女性には『主張』という概念がない。事実の有無以前に、女性にはなにかメッセージを発する能力も権利もないとされている。
 女であることが、アキレスけん(弱み)扱いされる。
 
 人を攻撃することに快感をもつ人たちがいます。
 女性たちは虐待の対象です。
 フロイトという精神科医が出てきます。

 虐待の加害者である男は『合意があった』と主張します。
 性的異常者がよく使う言い訳です。
 権力者が性的異常者であることがある。
 裁判官がセクハラの加害者であることもあると事例が紹介されています。
 なんでもありです。恐ろしい。
 大学構内もやばい。軍隊内部でも性的暴行が蔓延(まんえん)しているという紹介が続きます。(日本でもニュースで流れていました)
 著者は、横暴な男たちと闘っています。
 女性が出世するためにやむなくセクハラに応じる悲しさが書いてあります。
 この本は、厳しい本です。

 冤罪の話がでます。(えんざい。事実ではないことで罪を負わされる)

『#女はみんなそう』
 対立をサッカーのワールドカップにたとえてあります。
 フェミニスト(女性解放運動家)のオールスター・チーム「広範な社会問題」 VS メインストリームのメディアと男たちチーム「ほかの出来事とは無関係」(ちょっと、自分には意味がわかりません)
 男チームは女チームを責める時『精神疾患』と言います。
 
 アメリカ合衆国の統合失調症の患者たちは『暴力をふるえ』という幻聴の声を聴く。
 
 『#女はみんなそう』が、はやったことが書いてあります。
 女性同士の対話が大量に繰り返されたそうです。

 言葉を武器にする。
 冒頭に書いた先日読んだ本につながります。
 『私たちにはことばが必要だ -フェミニストは黙らない- イ・ミンギョン すんみ・小山内園子 訳 タバブックス』
 
 男は、上司が(女性に対して)助平(すけべえ)なことを言い、性的なサービスを要求したことが問題になるとは思っていない。
 男は、夫が妻をレイプすることが犯罪だとは思っていない。夫の部分が「恋人」になったりもします。

救いのコメントもあります。『多くの男性はレイプ犯ではないし、多くの女性は被害者になることはないのだが……』
 男の権利が女の権利を蹂躙する。(じゅうりん:踏みにじる。侵害する。傷つける)

『9 パンドラの箱と自警団』
 読んでいて思ったことです。
 歴史上、現在が一番民主的ということはない。
 人類は常に『途中経過』の途上(とじょう)にいる。

 書いてあることの主旨(しゅし)として、警官は、女に肌をあらわにするようなみだらな服装をするなとは言うけれど、警官は、男には、レイプをするなとは言わない。
 事件の責任は、女のほうにあるとされる。(くやしい)

<全体を読み終えて>
 今まで知らなかった世界をこの本で知りました。
 窓を開けて、今まで見たことのない世界をながめた気分です。
 自分はもう仕事をリタイアした身分で、さらに、心身の老化で男の部分もリタイアした気分なので、傍観者(ぼうかんしゃ)の立場で、窓の外の風景をながめるような感覚です。
 徒然草(つれづれぐさ)を書いた吉田兼好(よしだけんこう)法師のような気分で毎日を過ごしています。
 男に対して怒りを感じている女性がこの本を読まれると、気持ちがすーっとするかもしれません。  

Posted by 熊太郎 at 06:39Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2022年11月09日

ともだちが ほしかった おばけ

ともだちが ほしかった おばけ スザンヌ・コフマン作 ふしみみさを訳 光村教育図書

 2022年8月発行の絵本です。
 本のカバーにある白いおばけがかわいい。
 おばけのQ太郎は毛が三本ですが、こちらのおばけは毛がありません。
 まんまるめがねをかけていて、ほっぺたが青森のりんご娘みたいに真っ赤です。

 表紙をめくって、おばけが、やっぱりかわいい。
 雨が降っています。
 おばけはだれにも見えないようです。
 だから、ともだちがいません。

 昔見た洋画『キャスパー』を思い出します。
 絵本の絵は外国です。

 おばけも人間と同じで『孤独』がにがてです。
 
 人間たちのすぐそばにいても、だれもおばけの存在に気がついてくれません。
 気づくのは、犬のブラウンだけです。(なるほど)
 だからおばけは<さみしい>
 
 ところがあるひ……
 赤い風船が現れました。

 ともだちのつくりかたです。
 似た者同士がともだちになりやすい。

 絵本に最初から出てくるこのおばけは、女子ではなかろうか。
 赤い風船と仲良しになれたおばけです。
 風船だけど風船じゃない。
 友だちはいつか恋人になったりもする。
 いつもいっしょ。
 たいていいっしょ。
 
 起承転結の転です。
 おばけのともだちである赤い風船がいなくなってしまいました。
 人間界でもたまにあることです。
 探しても探しても見つかりません。

 ていねいな絵です。

 だんだん気持ちがしぼむおばけです。
 風船がしぼむように気持ちもしぼんでいきます。

 赤い風船は赤い風船ではありませんでした。
 真実を知りたい方は、絵本を買ってください。
 うまくいえないけれど、こういうことって大事なんだろうなあという絵本です。
 『なんでもないこと』が大事なのです。
 THE 虎舞竜(ザ・トラブル)高橋ジョージさんの歌曲『ロード』を思い出します。
 今年放映されたNHK『72時間』の特集番組の時に出演された方も同様のコメントをお話しされていました。
 青森県恐山(おそれざん)の72時間という番組を観終わって、親しかった人を亡くして、思い出してみれば、なんでもない日常生活のなかに幸せがあったとふりかえるものでした。
 なにかしら口実(こうじつ。きっかけづくりの材料)をつくって、人が集まって、飲み食いをして、どうということもない話をしてその場を過ごす。
 宴(えん。うたげ)が終わったら別れて、また集まって、そんなことを繰り返しながら歳をとって、ひとりずつ天寿を全うして(まっとうして)、この世にお別れをしていく。
 そんな日常生活を送ることが幸せなことだと、歳をとって気づかされました。  

Posted by 熊太郎 at 06:28Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2022年11月08日

百花(ひゃっか) 川村元気

百花(ひゃっか) 川村元気 文春文庫

 菅田将暉さん(すだまさきさん)がテレビで、この本が原作映画の宣伝をしていました。とりあえず本を読んでみます。
 認知症の母親と、その息子の話ということが、前知識としてあります。

 葛西泉(かさい・いずみ):読み始めは、女性だと思い込んで読んでいました。男性でした。名前で性別がわかりにくいのには理由があります。本に書いてあります。
 葛西泉は、東京都心のマンションに住んでいます。ハヤシライスが好き。卵焼きも好き。妻が香織さんです。
年末に泉さんだけが、母親がいる実家に帰っています。夫婦仲が悪いわけじゃありません。たまたまです。読んでいて、泉さんは37歳ぐらいだろうかと想像しました。
 泉さんは、実家を出てから15年が経過しています。音楽関連会社勤務。妻とは社内結婚。ふたりともレコーディングディレクター職のようです。葛西泉には、父親がいない。母親である葛西百合子は未婚の母です。

 葛西香織:葛西泉の妻。妊娠している。8月にこどもが産まれる。だれかが生まれれば、だれかが亡くなるのがこの世の常です。香織さんは、音楽会社の優秀なディレクター職。夫の泉より優秀らしい。

 葛西百合子:葛西泉の未婚の母。68歳。年金収入とこども対象のピアノ講師として生活している。
 お話は、シューマンの曲「トロイメライ」から始まります。本人は、音大卒の美人ピアニストとして生活してきた。今は、ひとり暮らしをしている。ご本人の誕生日は元旦だそうです。
 先日『モヤモヤさまぁ~ず』で、広島県尾道市が紹介されて、大林宣彦監督(おおばやしのぶひこ監督)映画作品『転校生』の紹介がありました。その映画のバックグランドミュージックもトロイメライだったことを思い出しました。こちらの作品にトロイメライが出てくるのも著者が同作品の影響を受けているのかもしれません。(ふと思い出しました。まだ、とても若かったころ、映画館でまだ結婚する前の妻と『転校生』を観ました。妻とは長い付き合いになりました。『転校生』は名作です)

 KOE:女性。ユーチューバーのような人か。歌手。KOEには、父親がいない。本人は、アーティスト。音楽会社にとってお金になる人。でもわがままな人。インターネットで歌声が有名になった。音楽の才能あり。
 KOEには、離婚歴ありのカメラマンをしている彼氏がいたが、彼氏が韓国人ダンサーと浮気をして、KOEとの関係は破局したそうです。

 谷尻:葛西泉の会社の同僚。新人アーティスト育成担当。

 オンガク:音楽アーティスト。男性歌手。ドラマや映画の主題歌を歌う。担当は田名部(女性)さん。

 田名部(女性):音楽マネージャー。大澤部長と付き合っている。社内不倫をしている。

 大澤部長:会社の部長職。田辺と不倫関係にある。

 長谷川美久(はせがわ・みく):葛西百合子のピアノの生徒。こどもで8歳。葛西泉の同級生の娘。

 出だしは、認知症の状態にある女性の妄想を抱きながらの(いだきながらの)徘徊(はいかい)気味なシーンから始まります。
 葛西泉が母宅を訪れてもそこに母親が居ません。(ふと、読んでいて、幸せって何だろうと思いました)
 母親の頭の中には、思い出の中で暮らす自分があります。思い出の中で過ごす老後です。
 そして、この日は大みそか、12月31日です。泉が公園で母親を発見しました。母親のお財布にはレシートがいっぱいです。(そういう人っています)大みそかだからふたりはテレビで紅白歌合戦を見ています。翌日元旦は母親の誕生日です。
 
 JR総武線:自分もときおり利用します。たまに用事があって千葉方面へ行きます。

 (うーむ。物語は、説明文が続きます。今は、41ページ付近にいます)

 地に足が付いていない人たちの暮らしぶりがあります。
 その場の雰囲気の恋愛、男女関係を楽しむ人たちです。
 庶民とか凡人とは、暮らし方が違う世界のことが書いてあります。
 
 葛西泉は、未婚の母の子で、母方祖父母とも交流がなかったそうです。
 じっさい、そういう人っているのでしょう。
 どんな世界で人生を送っているのだろうか。
 さびしくないのだろうか。
 本を読んでいる自分が嘆いてもしかたがないことなのでしょうが。

 重苦しい時間帯が流れます。

 葛西泉の妻である葛西香織の両親は、夫婦とはいえないような関係だったそうです。離婚はしなかったが似たようなものだった。少なくともこどもを育てる親の役割を果たせる人たちではなかった。香織は、バレエ教室の先生にお世話になったそうです。
 親に恵まれなかったことが共通動機としての泉と香織、ふたりの結婚があります。

 なんというか、自分自身が親になった時に思ったのは、子育てというものは、自分が育てられたようにしか自分のこどもを育てられないということでした。
 葛西泉と香織、このふたりの間に生まれるこどもさんは、だいじょうぶだろうか。
 父親を知らない人が父親になるのは、けっこうプレッシャーがあります。
 ふたりは、結婚して2年で、今、香織さんが妊娠しています。2か月前に妊娠が判明して、出産予定は5か月後だそうです。8月です。
 こどもだったころの葛西泉宅のさみしい母子家庭の母親と息子の姿を思い浮かべてしまいます。

 葛西泉の母親百合子のようすがおかしい。午前1時半に息子に電話です。

 さかのぼって、息子の結婚話のことが出ます。
 結婚したことがない母親に結婚することを伝える息子ですが、母親はきっと、自分はどうしたらいいのかわからないでしょう。
 葛西泉の母親は、自分自身が結婚式とか婚姻届けを出したことがないから、冠婚葬祭のイロハがわからない人だと思います。
 その点で、母親はおとなじゃありません。
 むずかしい母子関係が、この本を読んでいる読者の目の前にあります。
 
 (つづく)

 三浦:小学一年生のときに通学が葛西泉といっしょだった。かぎっ子同士だった。

 三好(女性)→結婚して、長谷川。葛西百合子がピアノを教えている生徒の母親で葛西泉の同級生。夫は銀行員。三好は、中学3年生の時、中学校の佐古田先生とお互いに恋愛関係になっていた。(中学3年生の女生徒に手をつける男性教師がいるのだろうか。そんなことがあるとは思えませんが、あったらひどい。教育者失格です)

 なんだか、ふつーの世界じゃありません。
 以前映画で観た村上春樹作品『ドライブ・マイ・カー』のような世界です。

 嘘(うそ)をつくなときれいごとをこども(葛西泉)に教える母親像と(おそらく不倫であろう)未婚の母親の実態が、母親の人物像として一致しません。(あなたに説教されたくない。あなたには説教する資格がない)

 プラシーボ効果:効き目がある成分が入っていない薬でも、本人が、薬の効き目があると思い込むことで症状が良くなる効果があること。

 葛西泉の母親は認知症が始まっています。
 病院に連れて行って検査が必要です。(あとでわかることですが、すでに本人が自分で受診していました)
 記憶が消える記憶障害があるようです。
 本人無意識のうちの万引き行為もありです。

 葛西泉の仕事場で、ダブルブッキングが発生しますが、意味がよくわかりません。
 連続ドラマと別の映画の主題歌が重複したとあります。
 最初は同一歌曲が重複したと思ったのですが『オンガク』という歌手がそれぞれ違う曲名で重複したというふうに読めます。

 社内不倫はまわりに迷惑です。
 周囲から嫌悪感をもたれるじゃれあいです。
 葛西泉の母親も不倫で、泉は不倫でできたこどものような気がしてきました。
 (現実社会では、認知(父親が認知しなければ裁判で認知)とか相続問題が発生します。この物語ではその点に触れるのだろうか(ふれませんでした))

 98ページに長谷川式という認知症のテストがあります。
 へんな話ですが、数年前に自分もマジでそのテストを受けたことがあります。
 自分の脳内に血がたまって、たまった血液が脳みそを圧迫して、思考ができなくなり、認知症のような状態になってしまいました。トホホでした。頭蓋骨(ずがいこつ)に電気ドリルで穴をふたつあけてもらって、頭の中にたまっていた血を抜いてもらいました。しばらく入院して社会復帰しました。ゆえに、この部分を読んでいて実感が湧きます。
 長谷川式のテスト中、うっすらと覚えているのですが、どうしてこんなに簡単な引き算が(自分は)できないんだ。必ず答を出すから待ってくれ!と医師に訴えました。最後は、医師の両足が変な棒に見えて「これは何だ?」と言い、自分の上半身を前かがみにして、椅子に座っていた医師の両足を自分の両手でつかんで持ち上げてしまいました。その数時間後、真夜中の深夜でしたが、脳外科手術を受けました。麻酔が切れてからが頭の皮が痛かった。幻視もたくさん見ました。

 区役所が出てきて、介護の話が出てきます。
 音楽事務所の雰囲気と介護の世界の雰囲気がうまく一致しません。水と油です。

 たろちゃん:アニメオタク
 真希:たろちゃんと夫婦。帰国子女。英語ペラペラ。洋楽担当。葛西香織と同期社員。葛西香織と同様に妊娠している。

 なぎさホーム:認知症グループホームでしょう。所長が観月(みづき)小柄な童顔中年女性。

(つづく)

 葛西泉の母親百合子の脳みその中が壊れている。(妄想記述があります)

 二階堂:葛西百合子宅を訪問するヘルパー。

 若いころ、リーダーシップを発揮してきびきびしていた人が、年老いて、半分認知症みたいになって、家にこもってあまり外に出てこなくなったということはありそうなお話です。

 ダンガリーシャツ:横糸に色がついている。色合いが薄い。
 ジーナ式:イギリス人作家ジーナ氏の提唱する育児方式。スケージュール化で、赤ちゃんの生活リズムを習慣化する。

 物語のつくりとして『出産』と『認知症』を並べながら話を進めていく手法は、町田そのこ作品『星を掬う(すくう)』中央公論新社とかぶります。出生と認知症と何か関連があるのだろうか。

 ちゃんとした家庭や家族関係をもてなかった自分を責める母親がいて、そのことが、認知症の症状になっています。

 ボーカロイド:コンピューターによる歌声。

 新人社員永井:永井の祖母が認知症だった。

 葛西泉と葛西百合子は『近いのか遠いのかよくわからない(親子)』
 
 自分にも遠方で暮らす90歳近い実母がいるのですが、最近会って話をすることが楽しみになりました。ちなみに頭はしっかりしています。
 不思議なもので、何十年もたって、昔の話をすると、今だから話せることがあるのです。今だからわかることもあります。誤解が解けるのです。意外だったりもします。兄弟姉妹や叔父叔母、祖父母などの力関係(ちからかんけい)とか対立関係についても、そんなことがあったのかと、はっとさせられることもあります。

 『明日の記憶』という名作文学がありました。この本を読みながら思い出しました。サラリーマンが少しずつ記憶をなくしていくのです。サラリーマンは、一生懸命メモをするのです。『明日の記憶 荻原浩 光文社文庫』。

 1994年(平成6年)と1995年(平成7年)のことが書いてあります。1995年に葛西泉は中学2年生でした。1995年は、おおぜいの人が亡くなった阪神淡路大震災があった年です。東京では、オウム真理教の地下鉄サリン事件でも人が亡くなったという年でした。
 
 浅葉:葛西百合子が好きだった男。ただし、葛西泉の父親ではありません。

 妻子ある男性との不倫の場合、結婚しているほうに責任があるのではなかろうかと自分は思います。
 トロイメライが流れる雰囲気があります。

 中学2年生の葛西泉が、母親に捨てられてしまいました。
 『母』ではなく『女』の道を選んだ葛西百合子でした。
 葛西百合子39歳、不倫相手の男性が、浅葉33歳で結婚している。葛西百合子は浅葉といるために神戸へ行ってしまいました。そして1995年に、神戸は大きな地震災害に襲われます。
 自分も阪神淡路大震災発災の翌月に現地へ行き、数日間働いたので、書いてある文章を読んでいて実感が湧きました。

 葛西百合子には、不倫体質があるのか。
 自分で自分の気持ちをコントロールできません。

 218ページに出てくる作品は『モモ ミヒャエル・エンデ作品 岩波少年文庫』でしょう。時間どろぼうが出てきます。
 
 ペリエ:ミネラルウォーターのブランド。

 花火大会で締めるのは作品『その日のまえに』を思い出します。『その日のまえに 重松清 文藝春秋』映像作家さんだと、花火のシーンで映像を締めたくなるのでしょう。
 本のタイトル『百花』イコール『花火』なのでしょう。
 
 読んでいて、なんだか、さみしい話ではあります。
 不倫する母親をけがらわしいものを見るような目で見ている高校二年生の息子がいます。
 
 母親は認知症になっており、息子が徘徊(はいかい。さまよい。うろつき)でいなくなった母親をさがしに行って見つけたのに、母親からは、逆に、あなたが(息子が)迷子になったから、わたしはあなたを探していたんだと言われてしまいます。もう母親は別人格の人間です。
 そして母親が息子に言うのには『あなたは誰?』
 
 人として、強くなる。
 
 母親は繊細な人でした。(せんさい。神経が細くて弱い)
 天に召されました。
 妊娠と認知症。始まりがあれば、終わりがあります。

(解説 中島京子)
 解説部分を読んで、自分の読後感とは異なる違和感がありました。なにか違う。
 やはり、読み手の人生体験で、読書の感想は各自が違ってきます。
 本では、葛西泉の父親がだれで、父親がその後どうなったのか、葛西百合子の二度目の不倫相手がどうなったのかは書いてなかったと思います。書く必要もなかったのですが、書いてあっても良かったのではないか。広がりがひとつふさがっていたのではないか。  

Posted by 熊太郎 at 07:12Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2022年11月07日

太川&えびすの路線バスの旅 第三弾 北海道函館-宗谷岬

太川&えびすのローカル路線バス人情乗り継ぎの旅 第三弾 北海道函館-宗谷岬(日本最北端) 2008年(平成20年)10月4日放送分の再放送 BSテレ東

 ゲストは、伊藤かずえさんです。
 詳しい感想は、以前書いたものがありますので、以下に付記しておきます。
 飽きることなく何度でも視聴するのがファンの行為です。
 今回も録画して2回ぐらい観て大笑いしました。気持ちが良かった。
 
 今回見て良かったのは、北海道の美しい景色、どこへ行っても雄大で美しい色(たとえば夕陽のオレンジ色)があります。展望台からの広がるブルーの海原と町の景色が素晴らしい。

 えびすさんがらみのドタバタ騒ぎもおもしろい。


太川陽介&えびすよしかずのローカル路線バス乗り継ぎ人情旅 第3弾 北海道函館から宗谷岬 2008年(平成20年)ロケ分 動画配信サービス(2022年4月11日の記事)

 動画配信サービスで過去の回のいくつかを観ることができることを知り、観たことがない回だったので観ました。
 楽しかった。
 たいしたものです。函館から最北端の地、稚内の先にある宗谷岬まで、路線バスだけで到達されています。ほんとうにたいしたものです。

 えびすよしかずさんの言動がとにかくおもしろい。笑えました。
 ゲストは、伊藤かずえさんで、ざっくばらんな人でした。
 三泊四日の旅です。
 お疲れさまでした。

えびすよしかずさん語録として、
 ①『(昔、池袋で)大きないなり寿司をほおばって、あごがはずれたことがある』
 ②(太川陽介さんが、気をきかして、イクラごはんを買って用意してくれたのに)『おれ、イクラだめなんだよ。イクラとウニは食えない!』
 ③(これを書いているわたしが思うに、たぶん)えびすよしかずさんは、じゃんけんのときに、最初にパーしか出さないような気がします。だから、そのことを知っている太川陽介さんにはじゃんけんではいつも負けるのだと思います。
 ④『どこにいっても、カレーはおいしい(えびすさんは、その土地の名物は食べない)』
 ⑤えびすよしかずさんはいつも、トイレに行ったあと、水道で洗ったあと濡れている両手を自分がはいているズボンでふいている。
 ⑥バス案内所でたいへんお世話になった女性職員さんに『お名前は一生忘れません』と言ったのに、数分後に太川陽介さんが、さっきの人の名前は? とえびすよしかずさんに聞くと間違った名前を言う。(もう忘れている)
 ⑦熱心にバスルートを調べてくれた人に対して『しつこく調べてくれてありがとう』と変な感謝の表現をする。
 ⑧太川陽介さんに指摘されて、時刻が間違っているえびすさんの腕時計の針を正しく直したら、以降、えびすさんは、時刻を間違えてばかりいた。(腕時計はもともと意図的に時刻を進めてあった)えびすさんは、さらに時間の感覚がおかしくなって、バスセンターの構内で、おそらく、観ていた一般の人たちも巻き込んで、爆笑の渦に包まれていました。一般の人たちの姿は映っていませんが、まわりにいるみなさんが大笑いされているようすが、映像から伝わってきました。えびすよしかずさんはおもしろい。

 海に沈む大きなオレンジ色の夕日がきれいでした。
 地球の大きさとか、丸い水平線で地球の形を感じることができて、さすが、北海道の景色だと感心しました。(枝幸町三笠山展望閣:えさちちょうみかさやまてんぼうかく)
 途中の食事が、あんぱん1個とか、おにぎり1個とかで、やはり芸能人の方は少食を心がけておられるのだろうと察しました。(えびすよしかずさんは除く)
 札幌市内はやはり都会で、映像で見るだけでいいと満足しました。自分は歳をとってきたので、コンクリートやアスファルトに囲まれた世界でのみなさんの移動が、たいへんそうに感じました。

 ルート選択が大変そうでした。ルートが見つかったと思っても、北海道は、高速道路を走るバスが中心なので、路線バスルートで行くのはたいへんです。どちらかというと、ルートは直線的なものではなく、ジグザグで、東西を行ったり来たりしながら北上していく感じでした。(番組では、高速バスは利用しないルールです)

 伊藤かずえさんが、バスの待ち時間に20分程度ですが、マッサージに行かれて、そのときのことをお話しされているのを聞きましたが、マッサージは疲労をとる効果があるものだと再確認できました。

 どこで泊まるか、ルートはどうするかで、太川陽介さんとえびすよしかずさんが、かなり強いやりとり打合せをされていたのですが、(どちらも退かない(ひかない))シーンがありました。最後に、えびすよしかずさんが、最終的には太川陽介さんというリーダーに従いますよと発言されたのでほっとしました。

 すごいなあ。路線バスだけで、函館から北海道の北の果てにある宗谷岬まで移動できました。
 バンザーイ バンザーイ バンザーイの970kmでした。
 ジグザグルートでした。