2022年10月24日

わたし 谷川俊太郎・ぶん 長新太(ちょう・しんた)・え

わたし 谷川俊太郎・ぶん 長新太(ちょう・しんた)・え 福音館

 おもしろい絵本です。
 りくつっぽいかなとも思います。
 1981年(昭和56年)の絵本です。

 『わたし』とは、何かを考えます。
 人間とは、何か、人間とは、何者かを考えます。
 
 絵が明瞭でわかりやすい。(めいりょう:はっきりしている)
 
 主人公は、やまぐちみちこさんで、5さいです。

 おかあさんが新聞を読んでいて、おとうさんがお料理をしています。
 一般的な夫婦だと、役割分担が逆です。
 そんな絵があります。
 どんな意図があるのかはわかりません。(いと:くわだて。意味。目的)
 
 『わたし』は、社会の中で、いろいろな『立場』があります。
 『立場』は、時と場所に応じて変わります。
 
 犬におひげがあるような絵がおもしろい。

 『わたしがわたしであること』は、ステキに思えてくる内容です。
 自信をもって生きる。
 『わたし』は、地球上で最強なのです。

 おおぜいの中のひとり。
 だけど、たったひとりの『わたし』です。
 読み終えて、しみじみと胸に広がるものがあります。
 今年読んで良かった一冊でした。  

Posted by 熊太郎 at 07:04Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2022年10月22日

シダレムラサキとスモールピンクボール、そしてムラサキムラサキ

シダレムラサキとスモールピンクボール、そしてムラサキムラサキ

 朝の散歩道で見かけました。
 野草です。
 正式な名前は知りません。
 自分で勝手に名付けました。
 まずは『シダレムラサキ』(その後判明した植物名:ヤマハギ)












 そして『スモールピンクボール』です。これも自分で名付けました。(その後判明した植物名:ランタナ)








 さらにムラサキムラサキ(これもまた自分で名付けました)(その後判明した植物名:ムラサキゴテン)
 紫色のからだに紫色のお花が咲いていました。
 まるで、海に生息する『ヒトデ』のような形でもあります。海の星です。






  

Posted by 熊太郎 at 06:45Comments(0)TrackBack(0)熊太郎の語り

2022年10月21日

よかったね ネッドくん シャーリップ

よかったね ネッドくん シャーリップ・さく やぎたよしこ・やく 偕成社

 1964年(昭和39年)アメリカ合衆国の絵本です。
 1969年(昭和44年)に日本で出版されています。

 日本語と英語の二か国語で文章が書かれてあります。

 ネッドくんというアメリカ人少年が、誕生日のお祝いに呼ばれてパーティにいくらしい。
 読み終えて、壮大な『ほら話』でした。
 文学の分野には『ほら話』を扱った世界があります。
 文学物語だからいいのです。
 うそをついてもいいのです。

 原題は『FORTUNATELY(フォーチュニュトリイ。副詞(単語や文章の意味を修飾する)幸運にも。ありがたいことには』です。

 ネッドくんに『サプライズパーティ(びっくりさせるパーティ)』の招待状が来ました。
 お祝い事の当事者に秘密でするのが、サプライズパーティですが、だれのお祝いをサプライズでやるのかはよくわかりません。(読み終えて、招待状を受け取ったネッドくんを驚かせるパーティでした。本人が招待状を受けとっては、ずばりのサプライズになりません。不思議です)

 ネッドくんはただ、おいしい料理や飲み物が楽しみです。

 日本語の文章では『でも、たいへん! パーティは とおい とおい フロリダで やるんだって……。』と書いてありますが、英語では、ネッドくんは、ニューヨークに住んでいると書いてあります。
 日本語では、ニューヨークからフロリダまで行くということは書いてありません。
 ニューヨークからフロリダですから、かなりの距離を南下するわけです。

 運がいいとか、悪いとかのお話が続きます。
 さだまさしさんの歌『無縁坂(むえんざか)』を思い出しました。

 haystack:ほし草の大きな山

 ページをめくる楽しさがあります。
 おもしろいです。
 ユーモアとギャグがあります。
 ギャグ:短い言葉や体の動きで笑いを生む。

 はでで、おおげさでもある。
 (サメに襲われるシーン)
 なんとでも話をつくることができます。
 ほら話の部類に属するストーリー流れの絵本です。
 アメリカ芸能界でのお笑いコンビによる漫才のような漫談のような雰囲気がただよっています。
 テッドくんが、虎たちに追いかけられて、ああ! 危ない!!
 dig:(地面などを)掘る。

 おーー (話の)オチはそれかーー(印象的な結末)
 お話は絵本の最初のことに戻ります。
 パーティの開催です。
 本人が知らないことがびっくりパーティなのですが、本人の誕生日をお祝いします。
 びっくりパーティの趣旨が少しずれているような気もしますが、まあいいでしょう。細かい理屈にはこだわらない、おおらかな気持ちでいこうというほら話の絵本です。
 まじめなこととして、いわゆるピンチはチャンスだから、めげずに楽天的にいけばいいことがある。なんとかなる、と読者を励ます作者からのメッセージがあります。
 
 絵本作りの手法として、『色彩』の区別による表現が効果的でした。
 無彩色(白黒)と有彩色(カラー)の変化があります。(訳者あとがきにもそのことが書いてありました)  

Posted by 熊太郎 at 07:06Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2022年10月20日

路線バスvs鉄道対決旅 福島市役所-仙台城跡

路線バスvs鉄道対決旅 福島市役所-仙台城跡 テレビ番組

 高島礼子チーム:(サバンナ)八木真澄 (元乃木坂46)新内眞衣(しんうち・まい)

 村井美樹チーム:(品川庄司)庄司智春 (元消防士)ワタリ119

 鉄道チームはなにせ歩きが鉄道駅からチェックポイントまで長時間かかるので、小回りがきく路線バスと比較して不利です。
 体力勝負なので、筋肉質な庄司智春さんとワタリ119さんをメンバーにそろえたのでしょう。

 観終えて、村井美樹チームは負けてしまったのですが、惜しい場面もありました。
 あの電車に乗れていたら悠々と(ゆうゆうと)勝てていた。
 ギリギリ乗れませんでした。(何度か乗り遅れたうちのひとつでした)
 勝負事は、お互いにしのぎあって、互角であれば、最終的に『運』が良かったほうが、勝利を手に入れます。
 鉄道担当村井美樹チームは、次回は勝ってほしい。応援します。

 太川陽介さんが舞台の仕事の都合で参加できませんでしたが、それもいい。
 後進の育成を考える時期です。
 師弟関係が頭に浮かびます。師匠が太川陽介さんで、弟子が、今回の高島礼子さん、村井美樹さん、それから、河合郁人さん(かわいふみとさん)、松本利夫さんです。
 太川陽介さんは年齢と健康を考量して、これまでに全国各地でお世話になった人たちにお礼を言って回るのんびり路線バス旅企画にしてもいいのではないか。体に負担をかける無理をしないで長生きしてほしい。

 自分は長いこと生きてきましたが、ゴール地点の宮城県仙台市には行ったことがありません。映像を観ていると道路や市街地はちょっとした都会風で、されど、キャパシティ(容量)が大きいわけではないので、朝夕の車の渋滞待ちは、かなり時間がかかるという分析をしました。
 いっぽう映像を見ていて、県庁所在地である福島市と山形市は、規模の小さい市街地に感じました。仙台、福島、山形各市には行ったことがないので、いつか行ってみたい。
 仙台市:人口100万人ちょっと。
 福島市:人口27万8000人ぐらい。
 山形市:人口24万4000人ぐらい
 もうひとつ秋田市(自分はここにも行ったことがありません):30万5000人ぐらい。

 映像を見ていて、山形市と仙台市は、同一の区域に含まれるという印象をもちました。

 バスvs鉄道は、今回が13回目の対決だそうです。
 今回バスチームが勝利して、バスチームの7勝6敗になったそうです。両者ともにしぶといのですが、これまで、鬼軍曹と呼ばれる鉄道チーム村井美樹さんの根性と能力が光っています。鉄道の有利な点として、鉄道は乗ってしまえばまっしぐらで速い。発車・到着時刻に遅れがない。
 一長一短があります。鉄道は人間が乗り遅れることがありますが、バスは、バスが定刻に遅れて来て、奇跡の乗車ができたシーンが何度かありました。
 鉄道は鉄道事故で遅延して定刻通りで利用できなかったときが、たしか北海道でありました。バスは渋滞に巻き込まれます。(やはり、『運』に左右されます)

 タクシーの使いどころがむずかしい。番組を見たあと答え合わせの映像をネットで見たのですが、仮定として、村井美樹鉄道チームが、ギリギリ乗れた電車に乗り遅れて、その代わりにタクシーを使っていれば、その後の自然なルートプラン選択の流れで、最終的には、余裕をもってバスチームに勝てたという解説にはびっくりしました。幸運だと思っていたことが実は不運だったのです。
 あわせて、地図を読むことはむずかしい。ワタリ119さんが地図を読み間違えて、ワタリ119さんを責める陰険(いんけん。意地悪そうな)な雰囲気になったシーンがありましたが、地図を読むのはむずかしい。間違えた人を責めないでほしい。わたしもよく間違えます。カーナビが付いていても車で道に迷います。ハンドルを握っていて、カーナビの言うとおりにしたくないときもあるのです。
 途中、ワタリ119さんが、胸に付けた『119ワッペン』を落としてあわてていたシーンはおかしくて笑いました。

 チェックポイントでのフルーツの『糖度クイズ』がむずかしい。
 『スチューベン』というブドウの品種は初めて知りました。孫たち、ちびっこたちに食べさせてあげたい。
 クイズがなかなか解けず、むずかしいからおもしろいということはあります。
 村井美樹さんチームは、いつも食べもの人気順位当てクイズが、にがてです。どうやったらあんなに上手に答えをはずせるのかだろうかと別の意味で感心します。おもしろい。
 そのあと別の場所で出てきた米沢牛がおいしそうでした。

 歩きながらいろんなことを考える。
 考えて、考えがまとまるということはあります。

 時々えびすよしかずさんの顔が映像で出ます。
 太川陽介さんと東北を回った頃の過去映像です。
 なつかしい。

 対戦している両チームがたまに出会うことが楽しい。
 長時間のロケはたいへんです。
 撮影した映像を整理整とんすることはさらにたいへんです。
 給料をもらうためとはいえ、スタッフさんお疲れさまです。

 天童市内には、将棋の駒のオブジェ(装飾品、彫刻、像など)がたくさんあることを知りました。
 徹底しています。

 高島礼子さんの走りがすさまじかった。
 高島さんの勝利を手に入れる執念が、ど根性という火の玉になっていました。
 おそらく、高島さんはゴールの仙台城跡で、自分は負けていると思って、宝箱のふたを開けたと思います。だから、箱の中に勝利の赤い旗を見つけた時の感激が大きかった。あきらめているときの勝ちは喜びが倍増します。
 村井美樹さんはなにかと不運でした。その分、ほかで幸運があるのでしょう。
 村井さん、次回は、ぜひ勝利を手にしてください。  

2022年10月19日

やましたくんはしゃべらない 山下賢二・作 中田いくみ・絵

やましたくんはしゃべらない 山下賢二・作 中田いくみ・絵 岩崎書店

 しゃべらないこどもさんというのは、20年ぐらい前に小学校での親の参観日で見たことがあります。
 その子は、保育園時代はしゃべっていたのに、小学生になったころから学校では口をきかなくなりました。(家ではしゃべっていたそうです)
 理由はわかりませんが、理由はあるのでしょう。
 障害児というわけではなく、しゃべることができるのに、少なくとも学校ではしゃべらない。
 不可解ではあります。
 その子はいまごろ30代ですが、今どこでなにをしているのかは知りません。

 この絵本では、小学生時代に学校ではしゃべらなかったという作者ご本人のことを絵本にされているそうです。

 絵に特徴があります。
 ベースは茶色系統で、優しい描画(びょうが)です。

 小学3年生ぐらいに見えるやましたくんです。
 しゃべらないやましたくんを、まわりにいるみんなは不思議に思いながらも心配しています。
 なんとか、しゃべらせたい。
 やましたくんは、障害児には見えません。
 言葉を知らないこどもにも見えません。
 しゃべらない理由を考えてみます。
 本人にとって、ショックな出来事があった。
 本人にとって、嫌なことがあった。
 だから、しゃべらないことにした。
 しゃべらないことで、本人にとって守られることがある。

 『しゃべってみろやっ』と、しゃべらないやましたくんに、腹が立つクラスメートもいます。

 合唱の授業では、やましたくんは、口パクです。(口だけ動かして、声を出さない)
 (なるほど。徹底しています)

 しゃべらいないのは、だれかへの抗議だろうか。

 家族に問題があるのだろうか。

 親の授業参観日には、作文の朗読があります。
 やましたくんひとりが朗読をやらなくてもいいとなると、朗読が嫌いな他の児童も朗読をやりたくないと言い出します。(標準化という画一教育があります。(かくいつ))
 
 やましたくんは、朗読当日、おもしろい発想による行動をします。
 なるほどという行動です。
 ここには書きません。
 やましたくんは、朗読をしました。(どうやってやったかは、絵本を買うか借りるかして読んでください)
 タイトルは『ぼくのおとうさん』でした。
 家族関係に問題点はなさそうです。
 だったらなぜ、やましたくんは、しゃべらないのだろう。

 テレビドラマのシーンみたいなページが出ます。
 級友がやましたくんをほめます。

 小学校の卒業式シーンです。
 ということは、やましたくんは小学6年生だったのか。
 わたしは、3年生ぐらいだと思って、ここまで読んできました。

 ラストシーンまでたどり着きました。
 なんともいいようがありません。
 この絵本には、どんなメッセージがあるのだろう。
 わからない……

(ほかの方たちの書評を読んでみました)
 ああ、読み落としと勘違いがありました。
 絵本では、やましたくんについて、1年生から始まって、6年生になったころのことが書いてありました。
 つまり、6年間しゃべらなかったというような下地があります。(されど、小学校の卒業証書授与式のときにだれにも聞こえないぐらいの声で、名前を呼ばれての返事の発声はしたらしい)
 小学校を卒業して中学生になったらしゃべるようにしたそうな。
 しゃべらないと、おとなになったら困ります。
 仕事をしなければなりません。
 作者であるご本人は、その後、人前でもしゃべるようになられたようです。
 しゃべらなかった理由もありました。ネットで読みました。ここには書きません。
 まあ、ミステリーを含んだ推理小説のような要素もある絵本です。  

Posted by 熊太郎 at 06:53Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2022年10月18日

出川哲朗の充電バイクの旅 群馬県鬼押出し公園から水澤観世音

出川哲朗の充電バイクの旅 群馬県鬼押出し公園から草津&伊香保を経て水澤観世音 テレビ番組

 ゲストは、前半が織田信成さん(回転動作が美しかった)、後半がウェンツ瑛士さんでした(ロケでは、かなり苦労されていました)
 ルートは自分にはよくわからないのですが、観ていて、ずいぶん山の奥のほうに感じました。
 スタート地点の山の中、浅間山のふもとですが、溶岩ででこぼこの地形が珍しい。
 雰囲気が青森県にある恐山(おそれざん)のようでもあります。
 
 滝のそばで咲いていた赤いサルビアの花がきれいでした。
 そのあと、ほかの場所でも同じく赤いサルビアの花がきれいでした。
 昔聴いた(きいた)サルビアの歌を思い出しました。たしか『いつも、いつも、おもってーた。サルビアの花を……』というような出だしの歌でした。好きだった人がほかの人と結婚することになって悲しいというような歌でした。

 草津の『湯畑』は、ときおりテレビに出てくる風景です。
 この番組のほかでも、『全国旅行支援ニュース』の映像でも何度か見ました。
 県民割りなどをジャンプ台にして、景気が回復してほしい。物価があがった分だけ給料もあがってほしい。

 映像で出てきた八ッ場ダム(やんばだむ)というのは、10年ぐらい前に、選挙で、自民党と民主党との争点となったダムのことだろうか。
 あの騒ぎは何だったのだろう。高速道路の無料化のことも思い出しました。
 だれかが得をして、だれかがむなしい思いをした。

 珍しく宿泊場所が見つかりません。
 見つかっても眠れないテント宿泊でした。出川さんもウェンツさんも苦労されましたが、どちらかといえば、出川さんの大イビキで眠れなかったウェンツさんのほうがお気の毒でした。お疲れさまでした。ウェンツさんはもうボロボロの状態です。体力がいります。精神力もいります。

 太川陽介さんとえびすよしかずさんのローカル路線バス乗り継ぎ人情旅を思い出しました。
 通りすがりの人たちの人情にすがるのです。
 群馬県の職員さんの言動の姿勢が良かった。
 県の職員さんは、県民のために働いて欲しい。

 ボリュームたっぷりの焼そばがおいしそうでした。
 野球勝負もおもしろかった。
 ちびっこの男の子が優しい。
 グロリア、スカイライン、昔の車がなつかしい。
 手動式の車のウィンドウの開け方が今の若い人にはわかりません。ハンドルレバーをクルクルと回すと、車の窓が開いたり閉まったりします。
 昔の人間から見ると、昔と比較して、こんなに便利で民主的ないい世の中になったのに、消極的で悲観的な生活力がない人がいることが不思議です。
 幼稚園バスの車内置き去り死が問題になった今年の夏ですが、家族と話をしていて、自分たちが幼児だった頃に同様の事故を聞いたことがないのは、昔の幼稚園バスにはクーラーがなくて、暑さをしのぐためにバスの窓は開いていたということに気づきました。
 自家用車や会社の車でも、クーラーは付いていませんでした。シートベルトもありませんでした。オートマチック車もありませんでした。
 便利になって、人間の気持ちがゆるくなって事故につながったら、なんのために便利にしたのかわかりません。
 
 映像では、少年の言葉が良かった。この夏の思い出は? と聞かれて『オレ、トンボとカマキリつかまえた』
 心が健やかな(すこやかな)お子さんが多い。
 自然と気持ちの温かい人たちに囲まれながら過ごす田舎(いなか)のこどもたちです。

 ディレクターの熊谷さんの色紙へのサインが良かった。
 本当のサイン(署名)で、氏名をそのまま色紙に漢字で書かれました。
 気取る必要はありません。強気の心意気を感じました。

 ドローンで撮影した景色も良く、映像を観ているだけでそこへ行った気分になれました。