2021年10月07日

ぼうしとったら tupera tupera

ぼうしとったら tupera tupera ツペラツペラ しかけ絵本 Gakken

 表紙をめくると、たくさんの帽子の絵が並べてあります。
 18個もあります。
 ぼーっとながめていました。
 いろんな形の帽子があります。
 帽子=人間の個性と言い換えることができます。

 しかけ絵本なので、帽子の部分をめくることになります。
 帽子の下には、なにが隠されているのかな?
 帽子の中から何が出てくるのかが楽しみです。
 予想したものは、出てきません。
 ユーモアがあります。
 笑顔が生まれます。
 なるほどと納得したりもします。
 カウボーイの帽子の中身は予想外でした(ちょんまげでした)
 ねこさんが帽子を脱いだら、別の動物になりました(うさぎさん)
 最後のほうは、気持ちが温まる変化です。
 心に優しい絵本でした。  

Posted by 熊太郎 at 07:16Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2021年10月06日

うどんのうーやん 岡田よしたか

うどんのうーやん 岡田よしたか ブロンズ新社

 2012年(平成24年)発行の絵本です。
 平成時代の絵本ですが、絵の雰囲気は、昭和時代です。
 そして、関西弁で進行していきます。
 主人公は、きつねうどんですが、だんだん、なにうどんかわからなくなっていきます。
 奇想天外でおもしろい。
 こどもさんにもうけるでしょう。

 「ほな いってきますう」
 うどんの出前ですが、人手不足なので、うどんの「うーやん」が自分で歩いていきます。
 心優しいうーやんです。アンパンマンのようでもあります。
 関西弁での表現が、気持ちをなごやかにしてくれます。
 めざしが、「うどんのおつゆは海じゃ」と言って、どんぶりに入ってきます。
 みんなを受け入れる。来るものはこばまない。
 すき焼き風鍋どんぶりのようになっていきます。
 力強い。
 物語性が高い質の良い絵本です。
 オチもおもしろい。
 わたしもきつねうどんが好きです。  

Posted by 熊太郎 at 07:13Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2021年10月05日

太川&えびすのバス旅 静岡県三保の松原から山梨県清里

太川陽介&えびすよしかずのローカル路線バス乗り継ぎ旅 静岡県三保の松原から山梨県清里  地上波テレビ番組の再放送

 自分も静岡県にある三保の松原は何度か訪れたことがあります。
 運よく富士山が見えると絶景の地です。
 番組冒頭付近の三保の松原近く、町なか付近の映像を見ていて、車でゆっくりとその道を走った時の風景を思い出しました。

 番組内容はほのぼのとしています。
 いつも楽しいえびすよしかずさんの天然ボケです。
 太川陽介さんが芝居のけいこで、熊本弁のセリフがむずかしいと言い、長崎県出身のえびすよしかずさんがアドバイスをおくります。
 自分もこどものころに九州で生活したことがあるので、自宅にいるときは、ときおり九州弁でしゃべります。九州弁は気持ちをストレートに表現することができるのでしゃべりやすい。

 静岡県の富士山を紹介した世界遺産センターの施設が良かった。疑似登山体験が紹介されていました。富士山の頂上に、自分は登ったことはありませんが、自分の兄弟では登ったことがある人間がいます。遠くからながめるのと、近くで見るのとではずいぶん違うようです。

 メンバーは、路線バスでなんとか山梨県の清里までたどりつきます。
 太川陽介さんは、人生の思い出がいっぱいです。
 えびすよしかずさんは認知症になってしまったので、覚えていないのでしょう。
 人生いろいろです。


(2019年11月のときの感想メモ)
太川陽介&蛭子能収のローカル路線バス乗り継ぎ旅 静岡県三保の松原から山梨県清里 テレビ番組

 ゲストマドンナは、フリーアナウンサーの元TBSアナウンサー宇垣美里さんです。珍しくルートのとりかたで、マドンナの宇垣さんと太川さんが対立します。
 わたしは、宇垣美里さんが提案するルートが無難で安全と思いましたが、太川さんは番組を作らなければならないこともあって、攻めるルートづくりです。
 蛭子さんが太川さんに、「女の人の言うことは聞いといたほうがいいよ」とアドバイスするのには笑いました。
 蛭子さんは相変わらずの能天気です。
1 宇垣さんの二重まぶたを、「ひとえまぶたがきれいですね」とほめる。
2 アナウンサーの「フリー」を、独身未婚恋人なしの「フリー」とまちがえる。
3 72才なのに自分は80代だと主張しようとする。
4 九州弁のやりとりがおもしろかった。
5 ステーキにかけたこしょうをカラシと言う。

 路線バスの経路が、行きと帰りで、通る道路が異なることに驚かされました。

 おさしみ、おいしそうでした。

 番組ファンの老夫婦の方が、これまでの放映記録をとってあると言われたので、自分と似たようなことをする人がいるものだと嬉しくなりました。

 しびれるような結末で、ゴールインできて本当に良かった。
  

2021年10月04日

太川&えびすの路線バス乗り継ぎの旅 新宿駅から新潟県萬代橋

太川陽介&えびすよしかずのローカル路線バス乗り継ぎの旅 東京都新宿駅から新潟県萬代橋(ばんだいばし)まで BSテレ東 2013年放送分の再放送

 再放送ですがなんどでも観て楽しみます。
 平成時代の出来事ですが、映像の雰囲気は昭和時代で心地よい。年配者にとってはわかりやすい。
 幸せなときというのは、健康であること、働けることという感想をもちながら、若いころのふたりとゲストさんの行動を観ました。
 若いからやれるということがあります。体力がある。なんだかわからないけれど、やみくもに目標を達成したいという気持ちのもちようが伝わってきます。
 ゲストの田中律子さんには、(この当時)14歳の娘さんがいるそうです。月日が流れて、映像で出てきた人たち、バス車内で会話をした女子大生とか、いまは、どうしておられるのだろうかと思いを巡らせました。

 ナレーターのキートン山田さんの声で「(バス)路線はあっても時間はわかりません」というフレーズが耳に残りました。

 新宿から新潟市内までは遠い。
 江戸時代の参勤交代、大名行列が頭に浮かびました。その後、数十分後に参勤交代のことでナレーションが流れました。
 何かが起きる三日目ということで、「挫折」とか「中止」とかいう単語が三人の目の前をうろうろするのですが、見事に克服されました。
 伊香保温泉あたりから新潟まであと207kmぐらい。国道17号が三国街道(みくにかいどう)です。
 
 冬であり、気候が厳しい。あられやひょうが降ります。みぞれまじりの雪です。雷も鳴ります。
 太川陽介さん「今回すごいしんどい」
 田中律子さん「もうせわしないわこのバスの旅」
 されど、白い雪景色は美しい。山々は白い雪をかぶっています。

 無理に危険な場所な中へは入らない方がいいと声をかけたくなります。

 すごいなあ。みなさん、すごい実績を残されています。
 運転手さんの機転がありました。
 コミュニティバスに救われます。
 田中律子さん「もう頭がパニック!」
 こんなに熱心で、一生懸命なえびすよしかずさんの姿勢は珍しい。
 太川陽介さんもネバーギブアップです。

 名作ができあがっています。
 田中律子さん「(バスに乗車するとき、これが)最後の整理券」
 いい映像でした。
 萬代橋の上で「バンダーイ バンダーイ」とバンダイ三唱をする三人でした。
 歓喜があります。


(2020年3月のときの感想メモ)
ローカル路線バス乗り継ぎの旅 第13弾 新宿→新潟市萬代橋 テレビ番組

 2013年1月放送分です。三国峠の手前で立ち往生をしてマドンナ田中律子さんの知人に電話をして迎えに来てもらう部分だけをテレビでちらりと見た記憶があります。全体を見たのは今回が初めてです。力作であり、名作です。まず、ルートがすごい。そんなことができたのだなあという感嘆があります。蛭子さんがいまとは違って若い。元気と意欲があります。加えて、真剣味があります。動きもすばやい。三泊四日の過酷な旅でした。ゴールした時に太川さんが、「さあ、これから新幹線に乗って東京へ2時間で帰ろう」と言ったときには、そこを4日かけて来たという実感が湧きました。三人は絶体絶命のルートを克服しました。スタッフさんもお疲れさまでした。田中律子さんが言われるとおり、ヒヤヒヤのジェットコースターに乗っているようでした。

 おもしろおかしかったこととして、
①新宿駅バスターミナルで、当日が13日だったらしく、不吉な数値という話が出て、蛭子さんが、自分は13階に住んでいると言い、バスターミナルには、13番乗り場が欠番になっていて存在しなかった。
②田中律子さんと蛭子能収さんは10年間テレビ番組で一緒だった。
③(路線バスが堀越高校の前を通って田中律子さんが)「わたし、ここにこの路線バスで通っていた」
④(田中律子さんのこどもさんが14歳と聞いて蛭子さんが)「非行の年頃ですね」
⑤(バスの車内でお客さんと下の名前が「律子」でいっしょで、その方が佐藤さんで、蛭子さんが)「佐藤と田中で、苗字が似ていますね」
⑥(蛭子さんが、乗客の明らかに年齢の上下がわかるこどもさんふたりについて)「どっちが年上なの」(田中律子さんが)「見てわかるじゃない」
⑦(蛭子さんが食事処でステーキを勧められて)「食べたくなかったけれど食べるか」
⑧(蛭子さんが徒歩による過酷な三国峠越えで)「路線バスを廃止するなー」
⑨(長岡市内悪天候、雨、みぞれ、雷、太川さんが蛭子さんに)「蛭子さんに落雷だよ」
⑩「雪で(バスの)時刻表が見えない」
⑪(蛭子さんが言ったあとふたりに促されて反省)「違うバス会社同士でも連携をとるべきだ」(新潟直通の高速バスがある環境の中で路線バスを選択する乗客が多数いるわけでもないので、この番組だけのために特別なことはできないのです)

 同じ一日でも東京と新潟の天候はずいぶん違うことがわかりました。  

2021年10月01日

発達障害グレーゾーン 姫野桂

発達障害グレーゾーン 姫野桂(ひめの・けい 女性) 扶桑社新書

 まずは「はじめに」の部分を読んでの感想です。
 発達障害がある人は、いじめの対象になりやすそうです。いじめられる対象は、こどもとは限りません。おとなでも同じです。
 しかしながら、学力優秀な人も多い。
 ペーパーテストの成績がいい。マニュアルどおりのロボット的な対応ができる。一芸に秀でている。(ひいでている)などの優れた(すぐれた)能力がある部分もあります。
 この本を書いているご本人も発達障害だそうです。
 
 グレさん:言葉の第一印象は、不良仲間に入って「ぐれている」とか、半グレ集団とか、いいイメージはありません。この本での意味は、発達障害の症状として「グレーゾーン」にいる人だそうです。だれが、グレーゾーンの認定をするのだろう? 自己申告っぽい。

 昔IQ(知能指数)のことを調べて、職場の同僚と雑談した時に、標準が100で、80ぐらいが微妙だねとお互いに話をしたことがあります。たとえば、数値が小さいと、実直(正直でまじめ)に淡々と単純労務作業を処理してくれる期待感をもてるけれど、中途半端な数値だと、ずるいことをしたり、さぼったりする言動がありそうだというものでした。発達障害とIQの関連はないのだろうと考えつつ、遠い昔の出来事を思い出しながら文章を読んでいたら、IQのことは、74ページに少し出てきました。

 本にある「あとがき」の日付は2018年12月になっています。
 2021年9月に8刷でよく売れている本です。

(つづく)

 本書で紹介する「発達障害」の状態として、対人関係のコミュニケーションがうまくいかない、特定分野へのこだわりがあると解説があります。
 あわせて、マイルールをかたくなに守る。不注意、多動について説明があります。
 以前別の本で読んだことがありますが、本書でも発達障害をもつ有名人について触れています。トーマス・エジソン、スティーブン・スピルバーグ、スティーブ・ジョブズ、トム・クルーズなどのお名前が頭に浮かびます。
 生まれつき、計算、作図、読み書きがにがてなどの状態があるそうです。

 マルチタスクができない。(複数の作業を同時並行で進行させていく)
 片付けができない。
 仕事の進行プランを組めない。
 時間の管理ができない。
 雑談ができない。
 いろいろあるようです。たいへんです。
 努力をしても目標がかなわない。
 確率的には、身近にいるのが普通だそうです。
 昔、職場の運動クラブで、スポーツはできても仕事の進行管理はできない先輩を見たことがあります。運動中に活躍する姿を見て、周囲から仕事もできる人だろうと勘違いをされていました。

 グレーゾーンの人たちの集まりは、高齢者の「認知症カフェ」っぽい。
 20人から30人が参加されるというのは大きなグループです。
 
 少女漫画「ガラスの仮面」の主人公である北島マヤさんはなつかしい。二十代の頃、病気で三か月間ほど入院した時に、病室にあるベッドで時間つぶしに読みました。
 北島マヤさんは、発達障害だそうです。
 ほかにも本が紹介されていますのでこんど読んでみます。

 野球での名プレーヤーが、いい監督になれるわけでもないというようなことが書いてあります。
 
 なかなかむずかしい世界だという感覚をもちながら読んでいます。「甘え」を感じるのです。だれしも「うまくいかないもの」をかかえながら生きています。いろいろな苦悩のパターンがあります。
 言い過ぎかもしれませんが、自分の身を守るために、発達障害以外のことでも「なになにのふりをしている人」もいると思うのです。

 忘れ物をしてしまうとか、固有名詞をなかなか覚えることができないということは、各自の脳がもつ個性で、直らないと思います。
 周囲は責めるのではなく、受け入れて対応を考えます。
 人にはいいところもあれば、そうでないところもあります。仕事場では、お互いのいいところを組み合わせて、チームワークを形成します。

 精神科で受け取った薬をネット上で個人間売買するということは昔聞いたことがあります。いくらお金が欲しいとはいえ、薬がいらずに売却するということは、病気ではないということではなかろうか。購入するほうは、薬物中毒なのでしょう。覚醒効果がある薬があるらしい。
 脅迫行為もあるのではないか。以前、薬剤師の仕事は怖いと思ったことがあります。
 
 70%ぐらいの平均的な能力をもっている凡人は、能力がある人と判断できます。
 ペーパーテストが満点でも、車の運転ができないとか、地理がわからない、切符ほかのチケットが買えないというような、日常生活を送る能力が足りていない人は、仕事場では使いづらい。

 考えてみれば、個々に、みんな、どこかしら、変なところはもっています。

 集団の中でのサラリーマン的仕事が無理なら、自営業的な仕事を選択します。
 与えられた仕事を仕上げて、静かにしていれば、集団の中で働くことはできるということはあります。

 個別の話に内容が移りました。
 延々と、愚痴を聞いているような感じの読書です。
 読むのがつらいので、流し読みに入りました。
 メッセージを推察、理解しようとすると、働かないでお金が欲しいのだなというところまでいってしまいます。本音は、楽をしたい。
 人は働かなくても生活できるようになると、働かなくなります。働かなくても生活できる環境をどうやって継続していこうかと考えるようになります。
 
 作者と同じく病識がある医師の話として、ひとつイヤなら全部拒否していた。自分にとって「全」か「無」のふたつしかない。
 かなり厳しい選択です。
 この世は、グレーゾーンでできています。そして、錯覚と誤解に包まれています。

 昔観た、少年が主人公のアメリカ映画を思い出しました。そのときのメモの一部です。
 「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い 2012年3月に映画館で鑑賞」
 オスカー・シェルは10歳の少年です。父親は9・11テロ(無差別大量殺人)により、世界貿易センタービルにて亡くなりました。オスカーには脳の病気があります。物事を数値化して論理的に思考します。記憶力は抜群です。高い知能を有しています。反面、周囲の人間と協調する能力は欠けています。オスカーは亡くなった父親を尊敬していました。父親は家族が生活していくために研究者への道をあきらめて宝石商を営んでいました。オスカーは母親を軽蔑しています。母親は、知的能力が劣るというのが理由です。(最後は、オスカーは、母親の愛情に助けられています)


 理屈ばかりで中身がないということもあります。実績があってこその理屈です。
 実績がない理屈に対しては、相手をしてもしょうがないという気持ちになります。

 「いい人」と言われる管理職は、「(部下にとって都合の)いい人」でしかありません。

 仕事が続かないのは、仕事をするという行為を「お金」で割り切る気持ちが弱いからです。

 読んでいると、なにかしら、正反対に理解されています。
 病名をもらったり、精神障害者手帳をもらったりすることがまるで、幸せなことのように感じられる文脈です。手帳が、ステータス(社会的地位)です。
 病名や手帳をもらうことで、自分がもつ未来へのああなりたい、こうなりたいという夢とか、ああしたい、こうしたいという希望が遠ざかっていきます。
 病気が完成していない人にとって良くない取引です。
 指南書ですが、本当の「親切」なのか疑問です。
 病名とか手帳という働けないことを保証してくれる証拠が欲しいのでしょうが、自分が望むものではなく、周囲が困り果てて段取りするのが一般的です。

 日常生活の工夫が列挙されていますが、多くの人たちがしていることです。
 いろんな事情を抱えて、みんな一生懸命に生きています。
 
 村田紗耶香作品「コンビニ人間」を思い出しました。

 人生を変えてしまうかもしれないちょっと怖い本でした。
 よく考えて、自分でできることは自分でやるという前提条件で、足りないものを補うというやり方で、上手に依存してほしい。  

Posted by 熊太郎 at 06:49Comments(0)TrackBack(0)読書感想文