2021年09月30日

太川&蛭子路線バス乗り継ぎの旅 三重県松阪駅から長野県松本城

太川&蛭子ローカル路線バス乗り継ぎの旅 第12弾 三重県松阪駅から長野県松本城 2012年(平成24年夏) BSテレ東再放送

 以前観たことがありますが、今回再放送があったので、また観て、また感想を残してみます。
 思い起こせば、昨年2月に用事があって、この番組の冒頭で出てくる三重県松阪市内に自家用車で行ってから、以降、どこにも遠出できていません。
 コロナ禍で、非常事態宣言が出たり引っ込んだり、まんえん防止がどうのこうの、ワクチンを打ったのでもういいかと思ったらワクチンを打っても県境を越えないでくれと指示がありました。しかたがありません。人にうつる病気ですから、もしかかったら、いろいろめんどうな人間関係がらみのトラブルになりそうです。なにより命が惜しい。がまん。がまん。

 身近な土地の名称がたくさん出てきます。松阪市、桑名市、長島温泉、長島スパーランド、瀬戸市、品野(しなの)、多治見市、恵那市、明智(あけち)、駄知(だち)、瑞浪市(みずなみし)など。
 出演者三人でよく、国道23号線(地元では、名四国道「めいよんこくどう」といいます。名古屋市から三重県四日市市)にかかる赤くて長い橋を渡ったものです。とても長い橋です。860mぐらいあります。人は1分間で80m歩きますから10分ちょっと歩きます。高い橋の上ですからちょっと怖そうです。
 弥富(やとみ)は、金魚の産地で、自分がまだ小学二年生ぐらいのころ、親戚一同と金魚祭りに行った記憶があります。金魚を一匹持ち帰って、ビニール袋に入れて、アパートの台所につるしてしばらく飼いました。その後金魚がどうなったかは記憶がありません。

 旅は三泊四日です。生ビールがうまい。毎晩おいしそうに生ビールを飲む太川陽介さんと加藤紀子さんです。ごくごくごく。えびすよしかずさんはアルコールを飲めません。

 マネキンの頭だけのカカシがこわい。
 
 曜日によって、バスがあったり、なかったり。
 この番組の放映時から十年ぐらいが経過しているので、今も同じバス路線があるかどうかはわかりません。

 路線バスでいっしょになったフランス人若い男性グループが、馬籠宿へ行きますが、外国人は江戸時代の古い街並みを観て、どんな感想をもつのだろうと興味がわきました。
 えびすよしかずさんが、「3時のバス」を「スリータイムズ」とフランス人男性に教えました。「スリーオクロック」です。3pmでもいいそうです。

 バス路線の説明を詳しく丁寧に教えてくださった地元の男性の言葉で、「さようです」が良かった。

 松本城までたどり着いて、みなさんの達成感が、観ている自分にも伝わってきました。

 三泊四日の旅程をわずか二時間ぐらいの番組にまとめてあります。たくさんカットされているのでしょう。お疲れさまです。


(2020年4月3日のときの感想)
太川&蛭子ローカル路線バス乗り継ぎの旅 第12弾 三重県松阪駅から長野県松本城 2012年(平成24年夏) テレビ番組再放送

 名作です。三泊四日ですが、かなりの距離を歩きました。成功しています。見たことのある街の風景がたくさん出てきます。路線バス、コミュニティバスだけで走破したのはミラクルです。地図でルートをふりかえってみましたが、すごいなあ。感嘆に尽きます。
 路線バスは廃止傾向にあるのですが、高齢者の運転が危ういいま、路線バスが見直されて復活するような気がしてなりません。

 8年前の映像です。えびすさんが若くてやるき満々です。ゲストは加藤紀子さんで、けんかをするふたりの仲介役をしたり、バス路線を新規開拓したりと大活躍でした。

①トンネルと抜けると豪雨じゃないと言っていたら、ものすごい豪雨の中で立ち往生する三人でした。
②(えびすさん)「(バス関係者の人たちの)言うことを聞いちゃダメ。無理と言われても無理じゃなかったことがこれまでに何回もある(バス関係者は自社のことしか知らないから)」
③えびすさんがはいている靴の先がぱっかり開いて、えびすさんが靴をキャラクターにみたてて腹話術をやります。加藤紀子さんが、靴先の開いた部分に藁(わら)を食べさせます。
④えびすさんが、名古屋市内のバス停に立っているのに、「名古屋まで行きたいんですけど」と何度も運転手に繰り返す。(名古屋のどのあたりに行きたいのですか)
⑤(えびすさんが道を聞きながら)「道はちゃんとあるのですか?」(国道ですからありますという返事)
⑥ふたりが目的地バス停(河合小橋)を記録しなかったので行き先がわからなくて大ゲンカになったとき、(太川)「(この番組は)もうこの回で終わりだ」(えびす)「仕事がなくなるからそれはだめ」(太川)「(えびすさんは本業のマンガ家で)絵で食べればいい」(えびす)「絵は売れない」その後、加藤紀子さんがルートをきちんとメモしていて、(えびす)「オレいらなくなっちゃう」
⑦長野県馬籠の宿あたりでフランス人観光客の若者に積極的に話しかけるえびすさんにフランス留学経験がある加藤紀子さんが、「ちゃんと話せないのに、どうして果敢に挑戦するの?!」
⑧(車窓から美しい色の池が見えて加藤紀子さんと太川さんが)「バーベキューをやりたい」(えびすさんが)「オレは室内の冷房がきいたところがいい」
⑨(バス停がないので歩くことになって)太川「歩きましょう」、えびす「毎日歩きだよ」、加藤紀子「またやせる。これって、路線バスの旅じゃなくて歩きの旅になってない!?」
⑩今、午後6時と聞いて、えびす「もう」、太川「まだ」と同時に発声。えびすさんは、早くホテルに行きたい。太川さんは、さらにバスに乗って距離を伸ばしたい。

 一日終えてのジョッキビールがおいしそう。
 旅は思い出の道しるべになります。
 瀬戸焼のお皿がきれいでした。
 いずこも駅周辺の市街地がきれいに整備されていたことが記憶に残りました。
 太川さんが選択した、行き詰まったら、バスルートを戻るという行為に感心しました。教訓があります。壁にぶつかったら無理をして前進するのではなく、勇気をもって後退することが、未来のためになるときもあると教えになりました。
 バス旅は、うれしい時もあるし、悲しい時もあります。まるで人生みたいです。  

2021年09月29日

出川哲朗の充電バイクの旅 妙高市燕温泉から出雲崎

出川哲朗の充電バイクの旅 新潟県北国街道(ほっこくかいどう) 妙高市燕温泉(つばめおんせん)から出雲崎(いづもざき) テレビ番組

 北国街道は(ほっこくかいどう)は、長野から新潟ルートで、新潟県佐渡島の金(きん)を運ぶための街道だったそうです。
 今回は夕日が美しいという出雲崎までのルートだそうです。
 夕日のラストはいつもドジで失敗している土方ディレクター(ひじかたディレクター)です。天候が良くなかったり、夕日が沈む時刻に間に合わなかったりしたのです。(この番組でも最後は土方ディレクターの姿がありませんでした。ひとりで充電バイクを運転して集合場所を通過してどこかへ行ってしまいました)

 出川哲朗さんとゲストのふたりが充電バイクで旅をしていると、旧宿場町みたいな街並みを通ります。
 タイムスリップしたみたいで風情があります。江戸時代は、(石川県金沢市)加賀藩の大名行列も歩いていたのでしょう。
 米どころの新潟県なので、田んぼも広がっています。
 スタート地点の燕温泉あたりは、かなり山深いところでした。

 前半のゲストは、ずんの飯尾さんです。
 後半が、アンジャッシュの児島さんです。
 ふたりともよくテレビでお見かけします。

 冒頭付近の親子連れがおもしろかった。
 四人で山登りに来たけれど、三人は断念して、お父さんだけが登って行ったそうです。
 元気なお父さんです。

 関温泉の94歳の温泉旅館ご主人も良かった。
 毎日スキーのストックを両手に持って、3キロから4キロぐらい歩いて、上杉謙信の隠れ湯というご自宅(旅館)の温泉に入っておられるそうで、長生きできる理由がよくわかります。
 路上での出川哲朗さん、ずん飯尾さんとご老人とのやりとりで「(温泉に入っているかとたずねられて)いや、毎日入っています」「わたしここです(自宅である旅館をさししめして)わたし(の家は)ここです」「わたしのうちはここです」のくだりが楽しかった。
 温泉とウォーキングで元気だとして、温泉のお湯で頭も(毛が無く)つるつるですとおっしゃる奥さんも楽しい。

 交通安全注意喚起の看板で「元ギャルがたくさんいますから走行注意」の意味は、今はおばあちゃんがいっぱいということ。

 とん汁屋さんで、おいしいとん汁を食べて、高田世界館という古い映画館を見学して、お菓子屋で昔ながらのおいしいかき氷を食べて、春日山で、上杉謙信像を見る。
 あわただしい移動です。瞬間移動のようでもあります。
 夕映えがきれいでした。気温は昼間32℃もある夏のロケです。

 戸建ての庭先で休憩をさせてもらいました。
 冷やしトマトに黄色い粒(つぶ)のトウモロコシ、ペット犬のブラッシングをして恩返しです。

(つづく)

 温泉宿泊あたりは、だらだらした感じで、演者である出川哲朗さんとずん飯尾さんが土方ディレクターを部屋へ見送ったのは?ハテナでした。なにかが間違っていました。

 きれいな日本海の海面です。海岸沿いのすごいいなか道を充電バイクで走る演者ふたりです。
 演者は、ずん飯尾さんからアンジャッシュ児島さんに交代して、プールで水球対決です。よくやるなー びっくりしました。プールは深くて、足が底につかないので立ち泳ぎです。

 児島さんが、「ポンコツさまーず」という番組で、以前訪問したことがあるというお店を今回偶然再訪問していますが、児島さんご本人は、初めて来たと思い込んでいました。忘れています。出川哲朗さんが言うとおり「最低」です。

 充電バイクファンだというおとうさん手づくりのスイカヘルメットをかぶったリョウマくんという男の子がかわいい。

 段取りが悪く、演者はだれもいないまま、夕日が紅(くれない)に輝くシーンで終わりました。
 土方ディレクターらしい終わり方でした。
 とくに問題はありません。  

2021年09月28日

影との戦い ゲド戦記1 アーシュラ・K.ル=グウィン作

影との戦い ゲド戦記1 アーシュラ・K.ル=グウィン作 清水真砂子・訳 岩波少年文庫

 アーシュラ・K.ル=グウィン:1929年(日本だと昭和4年)-2018年(平成30年)88歳没 アメリカ合衆国の女性作家。
 「影との戦い」は、1968年発表の作品(昭和43年)

 標高1600mの山の部分があるゴント島から始まりました。
 主人公の名前が「ハイタカ(こどものころの名前は「ダニー」)です。数ページ読んだところですが、魔法使いらしい。(実母の姉である叔母さんが魔女。実母は生後一年もたたずに亡くなっています。父親は鍛冶屋で、ダニーには六人の兄がいたそうですが歳が離れていたので兄たちはすでに自立していました)
 ダニーが12歳になってから物語が本格化しました。
 この本は彼の成長物語でしょう。
 
 本にある地図を見ると、長崎県の九十九島を思い出します。(くじゅうくしま)島だらけです。
 カルカド帝国:ダニーが暮らしているゴント島を征服に来た。
 沈黙のオジオン:ゴント島にあるル・アルビ(町の名称)の大魔法使い
 ダニーが13歳を迎えます。
 ダニーの名前が「ゲド」に変わりました。
 ダニーは師匠ル・アルビについていき、村を離れました。
 ダニーは、小刀を身に着け、皮のコートを着て、ハンノキの杖をもっています。
 歌として『竜王の武勲(いさおし)』
 とりあえず63ページまで読みました。
 映画「ハリーポッター」の雰囲気があります。調べたら影響を受けているそうです。

 “白い聖人”と呼ばれる花が咲くところで、ゲドは、少女に出会う。少女はル・アルビの領主の娘で、実は少女の母親が魔女である。少女は、「エルファーラン姫」というらしい。(あとで、セレットという名前で登場します)
 ゲドは「ハイタカ」と呼ばれます。
 
 鋳掛屋(いかけや):鍋・釜などの修理・修繕を行う。
 魔法の教則本として『知恵の書』
 ローク島で魔術を身に着ける訓練を受ける。
 ガレー船:人力でろをこいで進む船。この物語では、「黒影号」という商船。
 ローク島にスフィルという町があります。
 ロークの学院長という人物がいます。大賢人ネマール(非常に高齢。髪もヒゲも真っ白)
 ロークの学院とは、いわゆる魔法学校で、魔法を学ぶための学校です。
 魔法は「呪文(じゅもん)」によって実行します。
 「影」という悪魔のようなものが存在するらしい。
 オスキルのカラス:オスキル島にいるカラス
 ヒスイ:ハブナー島にいるイオルグのエンウィットの息子。多島海地域の人間。肌の色が赤褐色。
 カラスノエンドウ:若者。ずんぐりした体つき。言葉に東海域のなまりあり。肌の色が黒い。
 西洋の独特な雰囲気(魔法)で話は進んでいきます。
 魔法を学ぶ生活が始まります。

 クレムカムレク:ローク島最北端の美咲に建つ隠者の塔にいる名づけの長(おさ)。八人の弟子がいる。弟子は魔法の修行をしている。
 ロークの九賢人:風の長(おさ)、手わざの長、薬草の長、詩の長、姿かえの長、呼び出しの長、名付けの長、様式の長、そして、守りの長。
 真の名(まことの名):トーク(宝石になったり石になったりする物体)関連して、魔法使いの目的として「たったひとつの名前を突き止める(魔法は真の名(まことの名。エッサ)に通じてはじめて力を発揮する。太古の言葉が真の名)」
 竜が出てきます。

 オタク(太鼓の言葉で表現すると「ヘグ」):小動物。横に広い顔と鋭く大きな目をもつ。前身はこげ茶色かぶち(斑点はんてん)の毛でおおわれている。鋭い牙をもち獰猛(どうもう)声をもたないので鳴かない。

(つづく)

 15歳になったゲドは、魔法を使うことに失敗しました。
 呪文を唱えて、歌『エンラッドの武勲(いさおし)』に出てくる千年前に死んだ女性「エルファーラン」の霊を、現代に呼ぼうとしましたが、間違って『影』という小動物のような姿をしたものを呼び出してしまいました。
 『影』は『悪』とされています。『影』は四本足の体です。鋭い爪をもっています。化け物です。『影』は、人間の心の奥底にひそむ『悪』なのでしょう。光と闇、生と死、善と悪の均衡が崩れたとあります。
 ゲドは、影の力で、体力を失ってしまいます。ゲドは、まるで、ひきこもりの人間か、登校拒否のこどものようです。

 エレス・アクベ:歌『エレス・アクベの武勲(いさおし)』エレス・アクベは、過去の人。竜のオームと闘った。エレス・アクベの剣が、ハブナー島にある高い塔の上にある。
 ネマール:大賢人
 ジェンシャー:新しい大賢人
 
 古い作品で外国もののためなのか、日本人の自分が読んでいると内容がわかりにくいです。むずかしい。
 魔法とか、竜とか、身近ではありません。
 
 ゲドは、18歳まで成長しました。
 ゲドは、ローク島を出ることになりました。

(つづく)

 第七章226ページまで読みました。
 『古事記』を読むようでもあります。また、『旅』をイメージできる展開でもあります。
 ゲドやほかのものが姿を変えて、竜と闘ったり、『影』と闘ったりします。
 文章ではわかりにくい面もありますが、映像化するとわかるのでしょう。
 自分は読解力があるほうではないと思うので、迫力ある文脈の勢いは伝わってきますが、固有名詞のカタカナ表記が出てくると何だろうと調べて、わからないときもあります。

 タービー:カレイに似た小さな魚
 ロー・トーニング:村の名称あるいは地域。18人の長がいる。
 竜は悪者
 ローク:ローク島
 ペチバリ:船大工の名前
 猩紅熱(しょうこうねつ):細菌疾患。小児科領域。発熱、のどの痛みなど。
 アイオス:こどもの名前
 
 ゲドは夢の中で『影』を見る。

 ペンダーの竜退治:ペンダーは島の名称。竜は9匹いる。うち8匹はこどもの竜。ゲドは、自身も竜に化身して、ペンダーの竜たちと戦います。記述に迫力があります。
 イエボ:竜の名前。名前を言うと相手は死んでしまうという設定です。
 オスキルにあるテレノン宮殿
 スカイアーと名のる男。オスキル語を話す。
 
 『魔物はその実態をなくして、外形だけは人間でも、中味はからになっていた』という文章を読んで、昔、人間の姿をした人間以外の生き物がいると思ったことがあるのを思い出しました。極悪非道の言動を為す犯罪者のことです。

 映像化に向いている作品です。

 テレノン:貴重な石。力が備わっている。テレノンが相手の名前を教えてくれる。テレノン宮殿にある。

 『闇を倒すのは光だ』

 ゲドは、ハヤブサに化身する。エンラッドの上を飛ぶ。

 ウェイ島の魔法使い、ボージャの話。ボージャは、クマに姿を変える。

 魔法使いとして生まれてきたゲドが、竜に化身した『影』という悪霊を退治する魔法使いの役割を果たしていく旅物語です。
 人生を旅として、旅の経過が記されている幻想的な物語です。ゲドは、杖(つえ)と呪文(じゅもん)を武器にして、『影』と戦います。

 マンガ「ワンピース」のようでもあります。いろいろな物語のベースが(基礎が)この小説にあります。スターウォーズも思い出しました。
 15世紀から17世紀の大航海時代を思い出します。バスコダガマ、マゼラン、コロンブス、アメリゴベスプッチなど。

 光と影の一体化が起こります。
 教訓的です。
 昼があれば、夜があります。どちらも同じ一日の中にあります。
 
(訳者あとがきから 印象的だった文節として)
『文学とは、個たる人間の根源においてその社会、世界、宇宙とのつながりを全体的に把握しながら、人間であることの意味を認識してゆこうとする言葉の作業である。』  

Posted by 熊太郎 at 07:02Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2021年09月27日

東野&岡村の旅猿 山梨県で軽キャンピングカーの旅

東野&岡村の旅猿 山梨県で軽キャンピングカーの旅 hulu(フールー 動画配信サービス) 2021年9月放送分

 軽自動車のキャンピングカーです。
 ゲストは、オードリー春日さんです。三人で一台ずつの軽自動車キャンピングカーを運転しながら山梨県をめざします。

 あいにくの雨天で始まりました。
 オードリー春日さんが、登場時に、手に持っていた傘を放り投げました。以降も雨に濡れながらロケを続けます。視聴者へのうけ狙い(見ている人におもしろく思ってもらう)なのでしょうが、ちょっと変わった人という印象しか残りませんでした。
 そういえば、以前の旅猿、2018年のキャンプのときも、オードリー春日さんは、いじめられるように屋外で、ひとりで寝袋にくるまって寝ました。かわいそうです。オードリー春日さんは、どこかしら、陰があります。さみしげです。
 オードリー春日さんは、テレビ受けを考えすぎです。「旅猿」はそういう番組ではありません。芸能人の素(す)が丸出しになる番組です。

 軽自動車は小型なので取り回しがしやすい。
 キャンピングカーなので、車内泊もできるようになっています。ただ、ソロキャンプ用ですから一人用です。
 個室がわりになる。楽屋代わりになると話がはずみます。
 東野幸治さんが、夫婦げんかした時に逃げ込める空間になると強調します。なんのための夫婦なのかとも思いますが、お互いに我が強い(譲らない)ので、夫婦げんかが多いということはこれまでの放送で聞きました。

 昼食は、オードリー春日さんだけが、辛い鍋でした。ここでもうけ狙いと主役二人のゲストいじめ演出があります。ショートコントづくりのようなシーンです。

 SUPヨガ(サップヨガ)というヨガは初めて見ました。スタンド・アップ・パドルボート。
 山梨県山中湖に浮かぶサーフボードのような板の上でヨガのポーズをつくるのです。むずかしい。不安定です。
 三人ともスポーツマンなので、なかなか上手にこなしますが、悪戦苦闘であることに変わりはありません。ボードの上でのなわとびはさすがに無理でした。

 東野幸治さんの誕生日祝いだとして、夕食時のワインを買って、スーパーマーケットで高い5000円のお肉を買って(たぶん番組制作会社持ちだから)、キャンプ場へ向かいます。

 夜のバーベキューの食材はどれもおいしそうでした。
 夜間からあいにくの雨天で、朝食は予定通りいきませんでした。しかたがありません。
 なぜなのかわかりませんが、雨降りのロケが続きます。
 オードリー春日さんは、うけ狙いのアクションの出来がどうなのかというのと、東野さんが指摘していましたが、食材や食事にお金をかけ過ぎです。なんだか、人のお金だからたくさん使えばいいという欲が丸見えです。  

2021年09月24日

動物農場(新訳版) ジョージ・オーウェル

動物農場 [新訳版] ジョージ・オーウェル 山形浩生(やまがた・ひろお)・訳 早川書房

 ジョージ・オーウェル:1903年(日本だと明治36年)-1950年(昭和25年)46歳病死 イギリス人作家 1945年「動物農場」を発表した。1949年に「1984」を書いた。

 33ページまで読みました。いつものように、読みながら感想を継ぎ足していきます。
 イギリスにある農場で飼育されていたウシ、ウマ、メンドリ、アヒル、ヤギ、ロバ、犬、ネコたちなど多数頭数の動物たちが反乱を起こして、人間たちを農場から追い出しました。
 「メイナー農場」は、「動物農場」に名前を変えました。ちなみに、「メイナー農場」の経営者はジョーンズさんです。メイナー農場の両側にあるのが、「フォックスウッド農場」経営者は、ピルキントン(のんきな農夫で、農場は荒廃している)と「ピンチフィールド農場」経営者は、フレデリック(がっしり体形、強気、すぐ訴訟提起、農場はよく管理されている)です。

 いわゆる擬人法を用いた寓話(寓話。仮定の話。たとえ話)だとしながら途中から読みました。
 今のところ、人間が貴族で、動物が庶民、フランス革命のようなイメージです。資本家と資本家に搾取される労働者という面もあります。
 読んでいると、カエルを登場人物に使用した百田尚樹作品『カエルの楽園』を思い出します。現代世界における戦争と平和をテーマにした人間界をカエルの世界に置き換えた比喩小説でした。

 こちらの作品では、たくさんの農場の動物たちが出てきますが、中心になるのはブタです。教祖さまのような老いたブタが死ぬ数日前に農場の動物たちを集めて自分の考えを伝えます。12歳のオスブタ「メイジャー」でした。(あとでわかることですが、メイジャーのモデルは、ソ連のウラジミール・レーニンとあります)
 メイジャーの人間を排除するという意思を継いで、三頭のブタが立ち上がり組織をコントロールしていきます
 三頭の名前は、スノーボール(快活。口が達者。あとでわかりましたが、モデルは、ソ連のレオン・トロツキーだそうです) ナポレオン(大柄。こちらもあとでわかりましたが、モデルは、ヨシフ・スターリンだそうです) スクウィラー(小柄で小太り。ずるがしこい)
 「人こそは、我々が持つ唯一の真の敵だ……」人間は、生産せず(乳も出さず、卵も産まず……)は説得力があります。働きもせずに動物が生産したものを消費するだけだと、老衰で亡くなったブタのメイジャーがメッセージを残しました。

 ほかの動物でよく出てくるのが、イヌのブルーベルとジェシー(二頭で九頭の子犬を産みました)、ウマ二頭として、ボクサー(180cmの体高で巨大)、クローバー(メスウマで、四頭の子どもがいる)、白ヤギのミュリエル、ロバのベンジャミン(高齢、かんしゃくもち、けして笑わない)です。メスウマのモーリー(牧場主ジョーンズの軽二輪馬車を引いていた)、カラスのモーゼルなど。

 馬勒(ばろく):馬具。馬の頭部につける器具。耳から口にかけてつける。「くつわ」

 組織管理のスタートは、ブタによるルール設定と周知です。[七戒(しちかい? いましめ]
 1 二本足で立つ者はすべて敵
 2 四本足で立つか、翼がある者は友
 3 動物は服を着てはいけない。
 4 動物はベッドで寝てはいけない。
 5 動物は酒を飲んではいけない。
 6 動物は動物を殺してはいけない。
 7 動物は平等である。

 飛鳥時代の聖徳太子が出した十七条の憲法のようでもあります。(西暦604年)

(つづく)

 53ページまで読みました。
 牧場から人間たちを追い出したあと、今度は、ブタが支配者(権力者)のポジションに立ちます。
 なんだか、今のアフガニスタン情勢のようです。アメリカを追い出して、タリバンの国をつくる。
 「人間」がアメリカ合衆国軍隊で、ブタが「タリバン」です。
 
 蹄:ひづめ。読めませんでした。
 貶める:おとしめる。これもまたすぐには読めませんでした。

 ブタが最初にやったことは、「読み書き教室」でした。動物たちに読み書きを教えました。『教育』です。もしかしたら『洗脳』かもしれません。
 
 追い出された人間たちはおとなしく黙ってはいません。牧場主のジョーンズ始め労働者たちは、牧場を取り返そうと武器を持って動物たちを攻撃してきました。(人間の負けでした。動物たちは兵士としての訓練を受け、防衛作戦がすでにできあがっていた)

 ブタによる独裁のトップダウン方式による統治が始まりました。
 ブタ集団内部の権力闘争により、抗争が勃発して、業務の改革・改善を提案し続けた快活なスノーボールが、大柄なナポレオンの策略にはまり、力づくで牧場を追い出されました。なるほど、まずは、武力をもつ者が勝利するのです。(でも、体制がいつまでも続くとは限らない)
 ところが、ナポレオンは、スノーボールの提案を、もとも自分が発案したものだとして、事実を嘘で変えてしまいます。
 改革は、「産業革命」のようです。機械化で、人間の労働時間を減らして、収入は増やすのです。
 「機械」として「風車」が提示されます。
 宗教的になってきます。伝説のブタ「老メイジャー」の遺体が掘り起こされ白骨化した頭蓋骨が飾られました。
 ウソで民(たみ)をたぶらかして、権力者に従わせる手法です。
 ブタ以外の動物たちは、ブタの奴隷です。

(つづく)

 動物農場の運営は徐々にゆきづまっていきます。動物だけでの運営は無理なのです。人間の協力がいります。
 国政に似て、外交とか貿易が必要です。
 人間と動物との共存がいります。アフガニスタンの新政権と国際社会との共存に似ています。ミヤンマーも同じでしょう。
 
 ウィリンドン町:ニワトリの卵を売る場所

 法務弁護士ウィンパー:ほおひげを生やしたずるがしこい様子の小男。高額の手数料をとる。ブタのナポレオンと人間との仲介役をつとめる。

 もともとのメイナー牧場の所有者であるジョーンズは、牧場の返還要求をあきらめて転居します。
 
 ブタから奴隷のように扱われている動物たちは自分たちが奴隷として扱われていることに気づいていません。ブタ以外の動物たちには、理解と自覚をする知力がありません。
 動物たちの労働時間はとても長い。
 動物たちは、牧場運営者の人間がブタに置き換わっただけの境遇です。
 民(たみ)を上手にだました者が権力者になることができます。
 けっこう怖い小説です。

 冬が来て、動物農場に「飢餓」が近づいてきます。
 その部分を読んでいると、まるで、たまに報道される自然災害による北朝鮮の飢餓状態のようです。食べ物不足です。
 底上げして食糧不足の事実を隠します。箱に砂を入れて、その上に食料を飾るようにのせるのです。

 ミヤンマーやアフガニスタン情勢のようでもあります。組織への反逆者は処刑されます。
 民衆に流す情報は、嘘情報です。
 暴力で制圧する恐怖政治が始まります。(どこかの国を思い浮かべます)
 本書では、ブタがイヌを警備・軍事・威圧で用います。
 なんだか、香港まで頭に浮かんできました。
 この小説は1945年に発表されていますが、現代でもぴったりあてはまる内容です。76年経っても、人間界は、なにも変わっていません。

 『(メスウマの)クローバーが丘を見下ろすと、その目には涙があふれていました。もし思ったことを口にできたなら……』
 
 革命当初に示された七つの戒律は、ブタの都合のいいように書き換えられています。
 日本への非難、攻撃を続ける少し前の韓国のようでもあります。
 ブタのナポレオンたちは、そこに、存在しない動物農場からナポレオンに追い出されたブタのスノーボールを憎しみの対象にして、他の動物たちの統制をします。

 そして、人間たちが立ち上がりました。
 されど、人間たちは、動物たちに負けました。

 これからどうなるのだろう。

 (つづく)

 動物農場にいる動物たちの暮らし向きはどんどん悪化していきます。
 なぜかしら、つくっても壊れる「風車」建設へのこだわりがあります。
 年金制度に関する記述が始まります。
 ウマとブタの引退年齢が12歳、ウシ14歳、イヌ9歳、ヒツジが7歳、ニワトリやガチョウが5歳です。引退後に年金を受給した動物はまだいません。一生懸命働けば、高額な高齢年金が出るそうです。
 180cmの体高をもつ巨大なウマのボクサーが、年金を楽しみにして働いてきました。長時間労働も積極的にやってきました。その結果、体調をくずして倒れてしまいましたが、もうすぐ年金を受給できる年齢だったので安心していました。(結局、病院に運ぶというブタのウソにだまされて馬肉用として売られて行きました)

 ブタは物資の不足を『削減』とは言わずに『再調整』と言うそうです。

 読んでいると、江戸時代の飢饉や改革、それから「鎖国」を思い出します。江戸幕府の「享保の改革(きょうほのかいかく。1716年八代将軍徳川吉宗)」「寛政の改革(1787年老中松平定信)」「天保の改革(1841年老中水野忠邦)」
 
 最近のニュースで聞いた「ベラルーシ―(欧州最後の独裁国家)」も思い浮かびます。

 この小説を読んでいると、日本のように言論の自由が保障されている国に生まれて良かったと実感がわいてくる時があります。

 「動物農場」の動物たちは、農場から逃げ出すことを思いつきます。
 されど、ブタたちに農場の外に楽園などないと、さとされて、うやむやになります。

 トロット:馬が走る。歩く。

(つづく)

 長い歳月が経過します。
 動物ですから、命尽きる者も出てきます。
 生き残っているのは、ブタのナポレオン、スクウィラー、メスウマのクローバー、ロバのベンジャミン、カラスのモーゼスです。
 元牧場主のジョーンズさんは、アル中の施設で亡くなりました。

 組織というものは、人が入れ替わるだけで、やっていることは同じと思ったことがあります。だから戦争が繰り返し何度も起きます。

 読んでいると、牧場がイギリスにあるというイメージが湧きません。
 ちらりと巻末の説明(作者の寄せ書きと訳者のあとがき)を見たら、もうこの世から組織としての存在がなくなりましたが、ソビエト連邦共和国とか、ほかに、ロシア、ウクライナの記述がありました。

 146ページには、劇的なシーンがあります。
 作者は、すさまじい熱量を、この作品に注ぎ込みました。
 詩を読むようでもあります。

 『絶望』があります。

 最後の締めが可愛い。「おしまい」で終わっています。

(その後 あとがきなどを読んで)
 そういえば、番組「旅猿」で、東野&岡村コンビがロシアのモスクワを訪れたときに、東野幸治さんが怒っていたのですが、ロシアという国は、やらせ(虚構のつくり話)をする傾向があると指摘していました。
 番組では、地元のロシア人グループと偶然に出会い楽しい時間帯を過ごしたシーンがあったのですが、ロシア人参加者たちは、撮影が終わると、報酬をもらって解散したような雰囲気がありました。どうも現地の旅行案内コーディネーターが間に入ったようです。
 そのことに加えて、東野幸治さんが自分たちの行動を監視されているような空気感があるとも言葉を漏らされていました。

 『主流の正当な考え方に歯向かう人間はすべて、驚くほど効果的に黙らされてしまうことになる』とあります。その部分が書かれたのは1945年ですが、まさに、最近の国際社会を表しています。
 ソ連のスターリンに対する攻撃は書いても印刷してくれる人がいないが、チャーチルイギリス首相への攻撃は安全だとあります。

 なかなか複雑です。
 あとがきなどの部分を読むとわかるのですが、作者は、独裁者を糾弾しているのではなく、権力の横暴を許した民衆の意識をとがめているのです。人民の弱腰、抗議せずの無力な態度が、独裁者を手助けする結果につながったという考察です。それは、資本主義でも社会主義でも同じということです。そして作者自身は、社会主義者であったそうです。作者は、正しい社会主義をやりたかった。  

Posted by 熊太郎 at 06:27Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2021年09月22日

はれときどきあまのじゃく 矢玉四郎

はれときどきあまのじゃく 矢玉四郎(やだま・しろう) 岩崎書店

 「アマノジャク(天邪鬼)」は小さないたずら鬼で、奈良県にあるお寺さんあたりに行くと、四天王さま(四神(東の持国天、南の増長天、西の広目天、北の多聞天)に足で踏みつぶされて、「ぎょえ」みたいな顔をしている彫刻像を見ることができます。
 この本では、毘沙門天(びしゃもんてん)に踏まれている絵が描いてあります。
 自分が奈良を訪問したときのメモを探したら、東大寺の二月堂のものが見つかったので、ここに落としてみます。天邪鬼(アマノジャク)ではなくて単なる邪鬼(ジャキ)かもしれません。
 二月堂におられる邪鬼です。懸命にお線香を入れる大きな器を支えておられます。









 「ああいえば、こういう」のがあまのじゃくです。相手の言うことの反対のことを言うのです。いやな奴です。話しかけた時に、否定ばかりする人と話をしていると、こちらは、だんだん腹が立ってくることがあります。

 本の絵を見ていると楽しい気分になれます。
 絵は写実的ではありませんが、ユーモラスで心が落ち着きます。人間の顔はみんな横顔です。猫は立体的です。見ていると笑いたくなります。
 同作者の「はれときどきぶた」は、孫たちに何度も読まされました。長い物語なので、最後までたどりつくのが大変でした。こちらのあまのじゃくも長いです。

 主人公は、畠山則安(はたけやま・のりやす)くんで三年三組にいます。あだなは「十円安(じゅうえんやす)」です。10円玉ぐらいのハゲが頭にあるからついたあだなでしょう。いまどきは、あだなで呼ぶのは学校では禁じられているというニュースを見たことがあります。いいようなわるいような。なんだか、人間の気持ちのもちようが、どんどん弱くなっていくようで、未来が心配な日本です。

 わざということをきかない。他人の気をひく。
 文章がやさしい。
 パソコンからアマノジャクが出てくるところの発想がいい。
 そのあともあれやこれや空想ほら話が続きます。おもしろい。
 鉛筆が丸くなったのが良かった。
 発想がすべて反対になるのです。
 犬は、「お手」のときに、うしろ足を出すのです。笑いました。漫才やコントのネタになりそうです。
 招き猫は、あっちへ行けとあごで指示するのです。
 携帯電話は大きくなって、めちゃくちゃです。
 人が困っている姿を見て喜ぶ人間の悪の部分をあぶり出すブラックユーモアがある作品です。
 被害者がどんどん拡大していきます。
 どうなっちゃうんだろう。
 「宝くじ売り場」は「貧乏くじ売り場」です。当たったら一億円を払わなければなりません。そんなばかな。
 まあ、めちゃくちゃな世界が続きます。
 動物園の入場料は、払うのではなく、もらうのです。
 スカイツリーに富士山、スケールが大きくなってきました。
 壮大なほら話でした。  

Posted by 熊太郎 at 06:45Comments(0)TrackBack(0)読書感想文