2020年11月12日
花のき村と盗人たち 新美南吉
花のき村と盗人たち(はなのきむらとぬすびとたち) 新美南吉 電子書籍 青空文庫
日本的ないいお話でした。
人から冷たくされて育った盗人の親方が、親切にされて改心するお話です。
登場人物は、「かしら」「釜右衛門(かまうえもん)釜づくり職人」「海老之丞(えびのじょう):錠前屋じょうまえや。鍵職人」「角兵ヱ(かくべえ):獅子舞をする芸人」「鉋太郎(かんなたろう):大工」という盗人仲間です。
頭(かしら)以外は、これから盗人になろうとしている者たちです。そして、彼らは正直者たちです。
五人組の盗人たちは、平和な「花のき村」で、温かい待遇をうけます。
ことに親方は、生まれて初めて人として信用されます。親方の目からは涙が延々と流れ続けます。
以前報道で、事件を引き起こした犯人が、病院に運ばれて治療を受けて、「初めて人から優しくされた」と話したと聞きました。うれしかったようです。やはり人は、人から優しくされないと、人に優しい人にはなりにくいです。
花の撓(とう):神事において神さまに花を供える(そなえる)儀式。名古屋市にある熱田神宮の儀式。豊年祭。
家尻(やじり):家や蔵のうしろのほうの壁。盗人が壁を切ってものを盗む場所の位置
足駄ばき(あしだばき):高下駄(たかげた)。雨の日にはく。
かたり:人をだまして金品を巻き上げる。
日本的ないいお話でした。
人から冷たくされて育った盗人の親方が、親切にされて改心するお話です。
登場人物は、「かしら」「釜右衛門(かまうえもん)釜づくり職人」「海老之丞(えびのじょう):錠前屋じょうまえや。鍵職人」「角兵ヱ(かくべえ):獅子舞をする芸人」「鉋太郎(かんなたろう):大工」という盗人仲間です。
頭(かしら)以外は、これから盗人になろうとしている者たちです。そして、彼らは正直者たちです。
五人組の盗人たちは、平和な「花のき村」で、温かい待遇をうけます。
ことに親方は、生まれて初めて人として信用されます。親方の目からは涙が延々と流れ続けます。
以前報道で、事件を引き起こした犯人が、病院に運ばれて治療を受けて、「初めて人から優しくされた」と話したと聞きました。うれしかったようです。やはり人は、人から優しくされないと、人に優しい人にはなりにくいです。
花の撓(とう):神事において神さまに花を供える(そなえる)儀式。名古屋市にある熱田神宮の儀式。豊年祭。
家尻(やじり):家や蔵のうしろのほうの壁。盗人が壁を切ってものを盗む場所の位置
足駄ばき(あしだばき):高下駄(たかげた)。雨の日にはく。
かたり:人をだまして金品を巻き上げる。
2020年11月11日
おとうさんがいっぱい 三田村信行
おとうさんがいっぱい 三田村信行 理論社
1975年ころから1977年ころにかけての作品群です。5本の短編が収められています。最初に、「はじめに」があって、「ぼくの心の世界には小さな窓が一つあって……」から始まります。おもしろそう。
「ゆめであいましょう」
夢で会うのは自分です。赤ちゃんから始まります。それから5才ぐらい。次が1年3組。そして同年齢ぐらいの少年。
主人公の名前は、「ミキオ」です。
なんだかおもしろい。ミキオが幽霊になったわけではなくて、「夢」です。
「どこへもゆけない道」
クラゲのようなものが出てきます。
クラゲのようなものは、なんと両親なのです。
ショートショート、ブラックユーモアです。
「ぼくは五階で」
きっかいな設定ですが、楽しめます。
「部屋」のドアを開けて外に出ようとするのですが、ドアの向こうはまた同じ「部屋」なのです。
主人公は、「ヒライナオキ」五階建ての集合住宅501号室に住んでいる小学生です。父親が出版社の会社員で、母親が小学校教師です。共働きの家のかぎっ子です。
タイトルは、「501号室」のほうが、スリルとサスペンスがあった。ヒライナオキは、現実と幻想の間の世界に存在しています。
「おとうさんがいっぱい」
主人公が小学生の、「トシマ・トシオ」
トシオの父親が、1934年東京青山生まれの、「トシマ・タツオ」
トシオの母親が、「エミ子」
トシオのおとうさんが結局三人出てきます。どうも全部本物なのです。混乱します。
トシオの家だけでなく、あちこちの家で、おとうさんが増加するのです。
オチはどうするのだろう。(いくつか予想しました。そのうちのひとつの予想があたっていました。心のつっかえがとれたようで、胸がすっきりしました)
「人間の選別をする」というおもしろい設定話でした。なるほどとうなりました。
「かべは知っていた」
おとうさんがいて、おかあさんがいて、ふたりは、けんかばかり。どうも給料が少なくて、ふた間の狭いアパートから出られない。「カズミ」というこどもがいますが、絵が中性的なので、男の子なのか女の子なのかはっきりしません。
夫婦げんかのあげく、おとうさんは、隣との間にある壁の中に入っていってしまいました。
壁の中にいるおとうさんとカズミはお話ができますが、おとうさんとおかあさんはお話ができません。
読んでいて、頭に、子どもの介護を受ける親とその負担に苦悩する子どもという関係図式が浮かびました。
この本は全体をとおして、「おとうさん」へのこだわりがあります。どうしてなのかはわかりません。
親子ってなんなんだろうなあと考えました。
おかあさんは、おとうさんがいなくなってさばさばしています。「よくまあ、こんなきたないへやに長い間住んでいたものねぇ」とあります。おかあさんには新しい恋人ができたようです。
「家族」というものは、ふだんからよく会話をしていないと、離れ離れになってしまいます。
今年読んで良かった一冊でした。
1975年ころから1977年ころにかけての作品群です。5本の短編が収められています。最初に、「はじめに」があって、「ぼくの心の世界には小さな窓が一つあって……」から始まります。おもしろそう。
「ゆめであいましょう」
夢で会うのは自分です。赤ちゃんから始まります。それから5才ぐらい。次が1年3組。そして同年齢ぐらいの少年。
主人公の名前は、「ミキオ」です。
なんだかおもしろい。ミキオが幽霊になったわけではなくて、「夢」です。
「どこへもゆけない道」
クラゲのようなものが出てきます。
クラゲのようなものは、なんと両親なのです。
ショートショート、ブラックユーモアです。
「ぼくは五階で」
きっかいな設定ですが、楽しめます。
「部屋」のドアを開けて外に出ようとするのですが、ドアの向こうはまた同じ「部屋」なのです。
主人公は、「ヒライナオキ」五階建ての集合住宅501号室に住んでいる小学生です。父親が出版社の会社員で、母親が小学校教師です。共働きの家のかぎっ子です。
タイトルは、「501号室」のほうが、スリルとサスペンスがあった。ヒライナオキは、現実と幻想の間の世界に存在しています。
「おとうさんがいっぱい」
主人公が小学生の、「トシマ・トシオ」
トシオの父親が、1934年東京青山生まれの、「トシマ・タツオ」
トシオの母親が、「エミ子」
トシオのおとうさんが結局三人出てきます。どうも全部本物なのです。混乱します。
トシオの家だけでなく、あちこちの家で、おとうさんが増加するのです。
オチはどうするのだろう。(いくつか予想しました。そのうちのひとつの予想があたっていました。心のつっかえがとれたようで、胸がすっきりしました)
「人間の選別をする」というおもしろい設定話でした。なるほどとうなりました。
「かべは知っていた」
おとうさんがいて、おかあさんがいて、ふたりは、けんかばかり。どうも給料が少なくて、ふた間の狭いアパートから出られない。「カズミ」というこどもがいますが、絵が中性的なので、男の子なのか女の子なのかはっきりしません。
夫婦げんかのあげく、おとうさんは、隣との間にある壁の中に入っていってしまいました。
壁の中にいるおとうさんとカズミはお話ができますが、おとうさんとおかあさんはお話ができません。
読んでいて、頭に、子どもの介護を受ける親とその負担に苦悩する子どもという関係図式が浮かびました。
この本は全体をとおして、「おとうさん」へのこだわりがあります。どうしてなのかはわかりません。
親子ってなんなんだろうなあと考えました。
おかあさんは、おとうさんがいなくなってさばさばしています。「よくまあ、こんなきたないへやに長い間住んでいたものねぇ」とあります。おかあさんには新しい恋人ができたようです。
「家族」というものは、ふだんからよく会話をしていないと、離れ離れになってしまいます。
今年読んで良かった一冊でした。
2020年11月10日
堂々日本史 第1巻 「徳川金銀王国」「加賀藩の参勤交代」
堂々日本史 第1巻 「徳川金銀王国」「加賀藩の参勤交代」 VHSテープ NHKビデオ KTC出版
「追跡、徳川金銀王国 家康の遺産は世界一!」
本箱の整理をしていたら25年ぐらい前に購入したテープが三巻出てきました。
たぶん観たのだと思いますが、記憶が残っていません。観てみました。
なかなかおもしろい。
徳川家康が目指したことです。武力ではなく、金融政策で平和な国を維持する。
全国共通の通貨を流通させる。市中に出回る通貨量で経済をコントロールする。
全国各地で、水道、道路、土木工事を施行して、国を整備して、お金を流通させて国を繁栄させる。江戸時代は、西暦1700年前後の元禄時代が最も栄えていたようです。
たいした徳川幕府の企画力です。徳川家康だけではなく、チームとして有能なメンバーがそろっていたのでしょう。
鉱石から金や銀を取り出す化学変化を利用した手法が興味深かった。
一両が、35万円。
やがて鉱脈が途切れて、経済は衰退していきます。小判が小さくなり紙の紙幣になります。そして江戸幕府が終末を迎えます。
「江戸の華、意地と面子(めんつ)の大名行列 加賀藩100万石の旅」
以前、一石(いっこく)が人ひとり一年間に食べる米の量と学びました。100万石(100まんごく)だと100万人です。
加賀藩の大名行列は2000人以上で、全員が通過するのに5時間を要した。石川県金沢から江戸までの徒歩による長旅です。計画では、12泊13日ですが、雨が降れば長引きます。
お金もかかります。されど、面子(めんつ)があるから行列の人数を減らせません。行列の世話をする武士たちの苦労がしのばれます。彼らにとっては、つらい旅です。
参勤交代のメリットとして、宿場町の経済が潤う。日本各地の名物が江戸に集まる。逆に江戸の物が地方に流れる。ものだけでなくて、文化や知識、技術も広まったことでしょう。
川にかかる橋の数が少なかったため、小舟を並べて渡した板の上を歩く「舟橋」をこのビデオで知りました。
殿様用のふろ桶を運ぶ。殿様が暗殺されないように、ふとんの下に敷く大きな鉄板を運ぶ。
いっけん無駄だと思えることでも雇用の場所がありました。現代のように効率優先で、なんでもかんでも電算化、機械化すると人間が働く雇用の場がなくなります。便利なようで実は困るのです。
全員がずばぬけて優秀な職業能力を身につけているわけではありません。ふつうの人が働ける雇用の場の確保がまずは優先だと思うのです。
「追跡、徳川金銀王国 家康の遺産は世界一!」
本箱の整理をしていたら25年ぐらい前に購入したテープが三巻出てきました。
たぶん観たのだと思いますが、記憶が残っていません。観てみました。
なかなかおもしろい。
徳川家康が目指したことです。武力ではなく、金融政策で平和な国を維持する。
全国共通の通貨を流通させる。市中に出回る通貨量で経済をコントロールする。
全国各地で、水道、道路、土木工事を施行して、国を整備して、お金を流通させて国を繁栄させる。江戸時代は、西暦1700年前後の元禄時代が最も栄えていたようです。
たいした徳川幕府の企画力です。徳川家康だけではなく、チームとして有能なメンバーがそろっていたのでしょう。
鉱石から金や銀を取り出す化学変化を利用した手法が興味深かった。
一両が、35万円。
やがて鉱脈が途切れて、経済は衰退していきます。小判が小さくなり紙の紙幣になります。そして江戸幕府が終末を迎えます。
「江戸の華、意地と面子(めんつ)の大名行列 加賀藩100万石の旅」
以前、一石(いっこく)が人ひとり一年間に食べる米の量と学びました。100万石(100まんごく)だと100万人です。
加賀藩の大名行列は2000人以上で、全員が通過するのに5時間を要した。石川県金沢から江戸までの徒歩による長旅です。計画では、12泊13日ですが、雨が降れば長引きます。
お金もかかります。されど、面子(めんつ)があるから行列の人数を減らせません。行列の世話をする武士たちの苦労がしのばれます。彼らにとっては、つらい旅です。
参勤交代のメリットとして、宿場町の経済が潤う。日本各地の名物が江戸に集まる。逆に江戸の物が地方に流れる。ものだけでなくて、文化や知識、技術も広まったことでしょう。
川にかかる橋の数が少なかったため、小舟を並べて渡した板の上を歩く「舟橋」をこのビデオで知りました。
殿様用のふろ桶を運ぶ。殿様が暗殺されないように、ふとんの下に敷く大きな鉄板を運ぶ。
いっけん無駄だと思えることでも雇用の場所がありました。現代のように効率優先で、なんでもかんでも電算化、機械化すると人間が働く雇用の場がなくなります。便利なようで実は困るのです。
全員がずばぬけて優秀な職業能力を身につけているわけではありません。ふつうの人が働ける雇用の場の確保がまずは優先だと思うのです。
2020年11月09日
ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 陣取り合戦in千葉県房総半島
ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 陣取り合戦in千葉県房総半島(ぼうそうはんとう)
太川陽介チーム:塚田僚一(A.B.C-Z エービーシー-ズィー) 松井珠理奈(まついじゅりな SKE)
河合郁人チーム(A.B.C-Z かわいふみとチーム):パックン 別府ともひこ(エイトブリッジ)
闘いは頭脳戦で、実質的にリーダーがパックンである河合郁人チームの勝利でした。
最初にじゃんけんで勝った太川チームが内房ルートを選べばよかったのに。残念ながら路線バスのルート、本数ともに少ない外房ルートを選択してしまいました。
河合郁人チームは、男三人で、若くて反応がいい。なにかと有利で、さらに、「運」の良さもありました。
パックンの情報収集力はすさまじい。とにかく人に話しかけて情報を集めて、分析、検討、プラン作成、実行、ふりかえりの連続でした。研修みたいな風景でした。
富里市(とみさとし)の「香取神社」の位置がよくわかりませんでした。見ていて、香取市の香取神宮と勘違いしました。西瓜勝守(すいかかちまもり)の香取神社で調べました。降りたバス停からはかなり離れているようで、どこかで間違いがあったようです。
番組制作にあたり、いろいろと企画段階でできることできないことがあって、スタッフの地域の人たちへの根回しも大変そうです。試行錯誤の途中という感じがする番組内容でした。
今回はバスの車内で乗客の方とお話するシーンがありました。わたしはそういうシーンが好みです。
以前、えびすさんがいたとき、確か宝塚スターだった遼河はるひさんが、宝塚を目指していたけれどあきらめましたという通学途中の地元女子高生と偶然出会って、バス車内で、前、うしろの席ぐらいでふたりが会話していたのが好印象シーンとして記憶に残っています。
太川陽介チーム:塚田僚一(A.B.C-Z エービーシー-ズィー) 松井珠理奈(まついじゅりな SKE)
河合郁人チーム(A.B.C-Z かわいふみとチーム):パックン 別府ともひこ(エイトブリッジ)
闘いは頭脳戦で、実質的にリーダーがパックンである河合郁人チームの勝利でした。
最初にじゃんけんで勝った太川チームが内房ルートを選べばよかったのに。残念ながら路線バスのルート、本数ともに少ない外房ルートを選択してしまいました。
河合郁人チームは、男三人で、若くて反応がいい。なにかと有利で、さらに、「運」の良さもありました。
パックンの情報収集力はすさまじい。とにかく人に話しかけて情報を集めて、分析、検討、プラン作成、実行、ふりかえりの連続でした。研修みたいな風景でした。
富里市(とみさとし)の「香取神社」の位置がよくわかりませんでした。見ていて、香取市の香取神宮と勘違いしました。西瓜勝守(すいかかちまもり)の香取神社で調べました。降りたバス停からはかなり離れているようで、どこかで間違いがあったようです。
番組制作にあたり、いろいろと企画段階でできることできないことがあって、スタッフの地域の人たちへの根回しも大変そうです。試行錯誤の途中という感じがする番組内容でした。
今回はバスの車内で乗客の方とお話するシーンがありました。わたしはそういうシーンが好みです。
以前、えびすさんがいたとき、確か宝塚スターだった遼河はるひさんが、宝塚を目指していたけれどあきらめましたという通学途中の地元女子高生と偶然出会って、バス車内で、前、うしろの席ぐらいでふたりが会話していたのが好印象シーンとして記憶に残っています。
2020年11月08日
家族にサルーテ イスキア島は大騒動 イタリア映画DV
家族にサルーテ イスキア島は大騒動 イタリア映画DVD 2018年公開
日本でいうところの山田洋二作品「家族はつらいよ」のような雰囲気の映画でした。イタリア人もたいへんです。「サルーテ」は調べたら、イタリア語で、「乾杯!」でした。笑福亭鶴瓶さんの「家族に乾杯!」みたい。
両親の金婚式のためにイタリアのナポリ湾に浮かぶイスキア島に来た親族一同が、日帰りの予定が、天候が悪化して決行のために島で二泊することになります。総勢19名です。戸建ての両親宅に雑魚寝(ざこね)になります。お互いのお互いに知られたくない内緒ごとが明るみに出てしまいます。相手を攻撃する怒鳴りあいや、感情が高ぶってのわめき声が響き渡ります。大騒動です。
親兄弟姉妹叔父叔母などと、登場する人数が多いので、だれがだれやらの感があります。
高齢の両親:ピエトロ、アルバ夫妻(元レストランオーナー夫妻)
長男夫婦と娘:長男カルロ、(長男の元嫁に嫉妬する)後妻のジネーヴラ
長女夫婦と息子:長女サラ、夫は若い女と浮気している。
離婚した次男
長男の元嫁とふたりの娘と娘のボーイフレンド:前妻エレットラ(現在は、シングルマザー)
高齢の夫の妹と妹の長男夫婦、妹の次男夫婦:夫からみての甥はリッカルド(借金まみれ)とルアナ(妊娠中)夫婦
親戚の女性と娘
お金がないことや、離婚、再婚、嫉妬、不倫、認知症の夫の病気と介護、嘘つき、いろいろあります。
「助け合い」とはいいますが、たいていは、頼る者はひたすら頼り、頼られる者はひたすら頼られる一方的な協力関係であることが多い。
自由奔放な異性関係がありますが、どうも外見の見た目が好きというだけで、人間的な中身にひかれて好きという光景は見当たりません。
自己主張ばかり続けていたら生活は破たんします。
高齢のお母さんの言葉のいくつかが心に響きました。
「うちの子たちは迷ってばかりね」
「ふつうの人生なんてないわ」
「忘れないで、わたしたち女が世界を支えているの」
雨降って地固まる(あめふってじかたまる。言い争い、ケンカ、災難のあとは良いことが起こる)とか、嵐のあとに平穏が訪れるという雰囲気の映画でした。
いろいろあるけれど、空元気(からげんき。みせかけの元気)を出してでも人は生きていく。
教訓としては、途中寄り道があったとしても、できるなら、ひとりの人を愛し続けて、パートナーとして長い歳月を歩んでいきましょう。そして、この映画の着地点としては、起源となる夫婦のように、金婚式(結婚後50年)を迎えましょうということなのでしょう。
日本でいうところの山田洋二作品「家族はつらいよ」のような雰囲気の映画でした。イタリア人もたいへんです。「サルーテ」は調べたら、イタリア語で、「乾杯!」でした。笑福亭鶴瓶さんの「家族に乾杯!」みたい。
両親の金婚式のためにイタリアのナポリ湾に浮かぶイスキア島に来た親族一同が、日帰りの予定が、天候が悪化して決行のために島で二泊することになります。総勢19名です。戸建ての両親宅に雑魚寝(ざこね)になります。お互いのお互いに知られたくない内緒ごとが明るみに出てしまいます。相手を攻撃する怒鳴りあいや、感情が高ぶってのわめき声が響き渡ります。大騒動です。
親兄弟姉妹叔父叔母などと、登場する人数が多いので、だれがだれやらの感があります。
高齢の両親:ピエトロ、アルバ夫妻(元レストランオーナー夫妻)
長男夫婦と娘:長男カルロ、(長男の元嫁に嫉妬する)後妻のジネーヴラ
長女夫婦と息子:長女サラ、夫は若い女と浮気している。
離婚した次男
長男の元嫁とふたりの娘と娘のボーイフレンド:前妻エレットラ(現在は、シングルマザー)
高齢の夫の妹と妹の長男夫婦、妹の次男夫婦:夫からみての甥はリッカルド(借金まみれ)とルアナ(妊娠中)夫婦
親戚の女性と娘
お金がないことや、離婚、再婚、嫉妬、不倫、認知症の夫の病気と介護、嘘つき、いろいろあります。
「助け合い」とはいいますが、たいていは、頼る者はひたすら頼り、頼られる者はひたすら頼られる一方的な協力関係であることが多い。
自由奔放な異性関係がありますが、どうも外見の見た目が好きというだけで、人間的な中身にひかれて好きという光景は見当たりません。
自己主張ばかり続けていたら生活は破たんします。
高齢のお母さんの言葉のいくつかが心に響きました。
「うちの子たちは迷ってばかりね」
「ふつうの人生なんてないわ」
「忘れないで、わたしたち女が世界を支えているの」
雨降って地固まる(あめふってじかたまる。言い争い、ケンカ、災難のあとは良いことが起こる)とか、嵐のあとに平穏が訪れるという雰囲気の映画でした。
いろいろあるけれど、空元気(からげんき。みせかけの元気)を出してでも人は生きていく。
教訓としては、途中寄り道があったとしても、できるなら、ひとりの人を愛し続けて、パートナーとして長い歳月を歩んでいきましょう。そして、この映画の着地点としては、起源となる夫婦のように、金婚式(結婚後50年)を迎えましょうということなのでしょう。
2020年11月07日
第31回新美南吉童話賞入選作品集 赤いろうそく
第31回新美南吉童話賞入選作品集 赤いろうそく 新美南吉記念館
久しぶりに愛知県半田市内にある新美南吉記念館を訪れて冊子を購入しました。
いいお天気でした。
小学生の団体がバスで見学に来ていて、にぎやかでした。
自分にもあんな小さなころがあったのだと。小さかったけれど、気持ちはおとなと同じでした。だれも助けてくれないから、自分のことは自分でやるんだと勢いづいていました。思い出してしみじみしました。
作品集には、全部で19作品ありました。
「カンとネル」 のむらきみこ 最優秀賞受賞作
発想のネタはわかりませんがいい作品です。
カンは、サーカスの子ねずみで、ネルはサーカスの象です。
孫とおじいさんおばあさんの関係のようにも思えました。
人助けをする。地味な作業に愛情をもって取り組む。
控えめに幸福を願う姿に感銘しました。
体の大小や役割のバランスが保たれています。
協力関係があります。
*他の作品について
動物が出てくるお話と幼稚園生や小学生の日常生活が出てくるお話があります。
幼稚園生だったころ、幼稚園バスの運転手にあこがれていて、おとなになって、幼稚園バスの運転手になったというお話が心に残りました。
こどもさんがつくったものでは、イスが意思をもっている作品が良かった。擬人法は好みです。
記念館を訪れたこのころ、「ノンちゃん雲にのる」という物語を読んでいましたので、ノンちゃんという名前の女の子が小学校の入学式におばあちゃんからエナメルの白いくつを買ってもらったというお話に親近感をもちました。
「そのねこは、人間が嫌いでした。」で始まるお話もパンチがあって良かった。
久しぶりに愛知県半田市内にある新美南吉記念館を訪れて冊子を購入しました。
いいお天気でした。
小学生の団体がバスで見学に来ていて、にぎやかでした。
自分にもあんな小さなころがあったのだと。小さかったけれど、気持ちはおとなと同じでした。だれも助けてくれないから、自分のことは自分でやるんだと勢いづいていました。思い出してしみじみしました。
作品集には、全部で19作品ありました。
「カンとネル」 のむらきみこ 最優秀賞受賞作
発想のネタはわかりませんがいい作品です。
カンは、サーカスの子ねずみで、ネルはサーカスの象です。
孫とおじいさんおばあさんの関係のようにも思えました。
人助けをする。地味な作業に愛情をもって取り組む。
控えめに幸福を願う姿に感銘しました。
体の大小や役割のバランスが保たれています。
協力関係があります。
*他の作品について
動物が出てくるお話と幼稚園生や小学生の日常生活が出てくるお話があります。
幼稚園生だったころ、幼稚園バスの運転手にあこがれていて、おとなになって、幼稚園バスの運転手になったというお話が心に残りました。
こどもさんがつくったものでは、イスが意思をもっている作品が良かった。擬人法は好みです。
記念館を訪れたこのころ、「ノンちゃん雲にのる」という物語を読んでいましたので、ノンちゃんという名前の女の子が小学校の入学式におばあちゃんからエナメルの白いくつを買ってもらったというお話に親近感をもちました。
「そのねこは、人間が嫌いでした。」で始まるお話もパンチがあって良かった。