2018年10月22日

男はつらいよ(15-19) 邦画DVD

男はつらいよ 邦画DVD

第15作 1975年 昭和50年8月公開 寅次郎相合傘
 浅丘ルリ子さんの体当たりの演技がすごい。本作は、浅丘ルリ子さんのための一作です。
 寅さんと結婚の話がまとまる寸前までいきますが、寅さんが遠慮します。
 海岸で、寅さん、浅丘さん、船越英二さんがたわむれる姿は、「万引き家族」の砂浜シーンと重なって情感に満ちています。

 カラオケがまだ普及していなかった時代の宴会での歌うたいがあります。
 映像のなかにたくさんの一般の人たちが写っています。記念でしょう。
 ロケ地は、青森、函館、小樽でした。

 冒頭の夢のシーンで、海賊の親分を演じるタコ社長の熱演が光っていました。


第16作 1975年 昭和50年12月 葛飾立志篇
 桜田淳子さんが山形県からの修学旅行で登場します。17歳の設定ですが実際は16歳だと思います。東北なまりがあるような話し方です。
 田舎の通学路風景があります。ところによっては今も同じ風景が残っていることでしょう。
 さくらさんとひろしさんの息子満男くんが電話で演じます。
 寅さんのセリフとして、「キッチャテン」とか、「コーシー」とか、そういう言い方もしなくなりました。
 「人間は考える葦である(パスカル)」 昔はよく聞いたフレーズですが、今は聞きません。
 クリスマスの雰囲気が良かった。

 御前様 笠智衆りゅうち・しゅうさん 1993年平成5年88歳没
 寅  渥美清さん 1996年平成8年68歳没
 タコ社長 太宰久雄さん 1998年平成10年74歳没
 おじ 下条正巳さん 2004年平成16年88歳没
 考古学教授 小林桂樹 2010年平成22年86歳没
 おば 三崎千恵子さん 2012年平成24年91歳没
 和尚 大滝秀二 2012年平成24年87歳没
 警察官 米倉斉加年よねくら・まさかね 2014年平成26年80歳没
 ご冥福をお祈りいたします。


第17作 1976年 昭和51年7月 寅次郎夕焼け小焼け
 マドンナは、太地喜和子さん(1992年平成4年事故死48歳没)です。観始めてしばらくして、以前観たことがあることに気づきましたが、そのまま見続けました。
 貨幣価値としてこの当時、「7万円」が大金にあたる。さくらさんが、宇野重吉さん(日本画家役。1988年昭和63年73歳没)にお金を返しにいきます。とら屋ファミリーの誠実さがにじみ出ています。
 携帯電話のない時代。伝えたい思いを伝える手段がなかったりして、それが別れにつながる。目に見えないものを信じていた時代でもありました。

第18作 1976年 昭和51年12月 寅次郎純情詩集
 洋画「カサブランカ」を真似する冒頭の夢シーンです。
 本番は、檀ふみさんと京マチ子さんがゲストです。劇中では京マチ子さんは亡くなりますが、現実は現在も94歳でご存命です。この当時の有名女優さんたちは、80代、90代となられました。
 無銭飲食、大盤振る舞いをして、とらやに支払わせるとんでもない男の寅次郎です。そのほか、小学生満男くんの教育を巡って、とらやファミリーと寅さんの対立が鮮明に浮き彫りになります。
 後半の寅さんの気持ちの優しさで救われます。
 浦部粂子(くめこ)さんを久しぶりに見ました。1989年平成元年87歳没


第19作 1977年 昭和52年8月 寅次郎と殿様
 嵐勘十郎さんが出て、鞍馬天狗で、殿様で、こどもたちはチャンバラごっこです。もう、チャンバラをするこどももいなくなりました。
 「トラ」という名の犬が出て、イヌの名前と、鯉のぼりの大小で冒頭付近から寅さんVSファミリーで大げんかです。あいからわらず寅さんのひがみ根性は争乱と笑いの種です。
 寅さんは、真野響子(まや・きょうこ)さんとは、上手にいっしょになれない仲となりました。
 三木のり平さん(1999年74歳没)  

2018年10月21日

四月の永い夢 邦画DVD

四月の永い夢 邦画DVD 2018年公開

 3年前に恋人を亡くした中学校女教師から始まります。
 死んだ昔の男が忘れられないという物語かと思いますが、事情はもっと複雑です。
 精神的にはきつい映画です。
 自分があのとき、そうしなかったら、彼は、死ななかったかもしれない。

 死亡した彼の両親と妹、友人が出てきます。
 その後主人公女子は中学校を退職しています。職場復帰の話がありますが、いまの彼女は教師には見えません。復帰は無理でしょう。かなり悲しみをひきずっています。
 
 なつかしいアナログの風景です。「昭和」から「平成」への転換時期を観るようです。手紙、アパート暮らし、てぬぐい、銭湯、うどん屋、帽子店、掛け時計が壁にいっぱいある喫茶店、洋画「カサブランカ」、そして、ラジオ。

 サブストーリーとして、中学時代の教え子女子のすさんだ生活があります。みんなが生活していくことでつらい。

 『人生とは失っていくこと』
 歳をとると、若い頃の写真を見ることがつらくなるものです。

 気持ちの区切りをつける映画でした。

 絵には、色彩へのこだわりがあります。
 冒頭、さくらの白と菜の花の黄色
 オレンジ色色調の浴衣姿で歩く歩道のオレンジ色色調石畳

 主役の女性は、大和撫子で、奥ゆかしく、優しい。

 朝倉あき 三浦貴大 監督 中川龍太郎  

2018年10月20日

東野・岡村の旅猿 DVD ベトナム

東野・岡村の旅猿 DVD ベトナム 2009年

 ベトナムで、船に10艘(そう)乗ることが目標です。インド、中国と来て、これまでで、このベトナムが一番異国に満ちていて、トラブル続きもあり、笑いました。
 天気が不安定で、船で昼食場所にたどりつけず昼食をとれない(代用品としてバナナ)。雨の勢いがものすごく強くて、傘をつぶすから家屋に入らないといけない。それから、バイクの集団、バイクが移動の手段で、親子4人乗りのバイクは危なそう。バイクタクシーも珍しい。信号のない交通量の多い広い交差点を歩いて渡る。無理そうで無理ではない。
 ベトナムでもまれると人間が強くなりそうです。
 橋がないからフェリーが橋の代わり。
 東野さんは見苦しい面も多い。スタッフとの対立は観ていて度が過ぎると嫌悪感をもちます。されど、2009年のことですからもう10年ぐらい前のことです。  

2018年10月19日

曇天に笑う 邦画DVD 

曇天に笑う 邦画DVD 2018年3月公開

 タイトルの意味は劇中で、「苦しい時にこそ笑っていられる強い男になれ」とメッセージがあります。

 原作は漫画です。アクション、殺陣(たて。形の美しい闘争場面づくり)、若いスターを並べる映画だと受け止めました。
 時代は明治維新、舞台は琵琶湖の大津です。島は竹島がモデルかと考えました。
 ストーリーは、ヤマタノオロチがらみで、古いものでも、関心が継続するものは、いつまでも語り継がれます。
  

2018年10月18日

東野・岡村の旅猿 中国 DVD

東野・岡村の旅猿 中国 DVD 2009年平成21年

 タイトルは、蘇州・杭州ですが、内容は、現地に行ってから、飛行機の都合で、蘇州をやめて、少林寺、そして、北京へと変わっています。2泊3日のスピード旅ですが、東野さんはとくにお疲れのようです。(冬なのに薄着で行ったため)

 スタッフふくめて4人旅ですが、身内3人とのやりとりが長い。現地の人との交流としては、東野さんが薄着だったので、洋品店で、若い女性店員たちが総動員で彼の服を選ぶシーンがおもしろく、笑いました。
 寝台列車での移動は昔の日本を思い出してなつかしかった。
 
 プライベート旅行といっているわりには、仕事がらみの撮影になっていて、途中何度もプライベートにこだわる東野さんが、いい絵を撮影したいスタッフと対立します。東野・岡村ともに髭が伸びて疲れた表情で気の毒でした。

 登場された中国人の方々は日本人の4人に、たいへん親切でした。  

2018年10月16日

ルルル動物病院 後藤みわ子

ルルル動物病院 後藤みわ子 岩崎書店

1巻 走れドクターカー
 「まゆこ先生」は、小学校の先生ではなくて、学習塾「牧原塾」の先生。
 主人公は、小坂井輝(こざかい・てる)小学4年生。
 ドクターカーは、ペット動物を扱う獣医の車。獣医は、犬吠埼太郎という獣医3年目の若者。

 鳥の話が最初に出てきます。もうおとなになった息子が主人公と同じく小学4年生だった頃、里山で飛べなくなったセキセイインコを拾ってきて長いこと育てたことがあるのを思い出しました。
 
 動物好きなこどもさん、動物好きなおとなのための本です。
 犬吠埼太郎の「犬、犬」がおもしろい。「ルルル」の由来も愉快です。タマル・アニマル・ホスピタルで、タマルは多丸で地名です。
 「大」の字、「犬」の字もおもしろい。犬の命名もおもしろい。

 木に登って降りることができなくなった猫の救出は、猫をどうやっておろすのだろうかとオチが気になりました。

 10才小4の小坂井輝と獣医犬吠埼太郎の出会いと過去は秘密でありドラマでもあります。人の縁が感じられます。

 こどもさんにとっての将来の仕事探しの本という側面ももっています。

 調べた単語として、「サバトラの猫:明るい灰色に黒っぽいしま模様」、「コーギー:犬種。イギリス産。胴長、短足、牧畜犬」


2巻
 小坂井輝の妹がだいぶ歳は離れていますが、「りん」で1才です。ふたりのパパは単身赴任中、ママは育児休業中です。
 井野原百合さんの年齢は80代で、もと書道の先生です。「あらあらのおばあさん」がニックネームです。
 同級生の尾田恭輔と遠藤マコトがうまくいっていません。理由は、マコトが友達付き合いよりもペットのネコである「ミルク」の世話を優先するからです。友達同士の気持ちの交流を図れません。
 
 「友犬:犬を通じての人間の友だち。友達のいない人が犬を友達にすることかと思いました」

 お花である「ゆり」が、猫には毒だと、初めて聞きました。

 調べた単語として、「アビシニアン:猫の品種」、「キャリー:小動物用運搬かご」


3巻
 3巻では、最初のうち、獣医の犬吠埼太郎は休日で登場しません。
 主人公小坂井輝の妹りんちゃんは2才になります。
 妊娠している捨て犬の登場です。
 ペット禁止のマンションのことがでます。最近は条件付きでペット可のマンションが増えました。
 去勢の話。ペットもたいへんです。猫の名づけがおもしろい。「クツシタ」、「サーモン」
 動物が好きなだけでは獣医はできない。獣医は動物の飼い主も好きでなければならない。

 あとがきに、一生の間に出会える人間の数について記述があります。なにかしらの関係をもつ人の数は、わたしは、5000人ぐらいだと思っています。地球上には70億人以上いますがそれぐらいの人としか交流しないという感じです。
作者は続けて、ペットとのふれあいの期間は長くはないと記します。だからその期間を大切にしましょうというメッセージです。人間同士も同じです。

 調べた単語として、「エリザベスカラー:円錐台形状態の保護具。ロートのような形状で動物の首に巻く。外傷をなめることができないようにする」  

Posted by 熊太郎 at 06:29Comments(0)TrackBack(0)読書感想文