2017年12月31日

2017年 今年読んでよかった本

2017年 今年読んでよかった本

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え 岸見一郎 古賀史健 ダイヤモンド社
 さて、哲学の問答集です。アドラーという人は知りません。読みながら、整理して、理解していく作業になります。ソクラテスは書物を残さなかった。弟子のプラトンが残した。対話篇という書物ということを先日読んだ本で知りました。イメージとして、その対話篇の模倣がこの本だと一人合点しています。
ためになることがいっぱい書いてありました。
 全面的に賛成というわけにはまいりませんが、賛同する項目が多々ありました。今年読んで良かった本です。

僕らのごはんは明日で待ってる 瀬尾まいこ(せお・まいこ) 幻冬舎文庫
 タイトルの意味はわからない。読み始めました。高校3年生の学校生活、体育祭から始まりました。
「米袋が明日を開く」
 読後感がなかなかいい。3年前に高2の兄貴を病気で亡くした今高校3年生の葉山と彼に恋心を寄せる上村という女子高性のやりとりの雰囲気が自然でいい。とくに上村の態度に無理がなくていい。生きるための力を得るために読むBookです。

いつか伝えられるなら 鉄拳 SB Creative
 今年読んで良かった1冊になりました。
 泣けます。
 亡くなった方への遺族からの手紙をマンガにしてあります。
 最後は、複数の人たちの同類の手紙です。思い出をきれいごとにしてある意識的なものもありますが、いくつかは非常にせつない。

すべりだい 鈴木のりたけ PHP
 書店の本棚で見つけて、ちょっと迷って、さっさと買いました。
 こどもは、すべりだいが好きです。
 帯にある「いくよ、もう、とめられないーい!」に実感がこもっています。
 ぶらんこよりも、すべりだいが好きなこどものほうが多いと思う。

長いお別れ 中島京子(なかしま・きょうこ) 文藝春秋
 老衰、認知症、お別れの話かと思って手にした本です。
 短編8本がおさめられています。
 おもしろすぎる。今年読んでよかった1冊です。
 おもしろ、おかしい。
 妻72歳、夫はぼけている。

孤独のすすめ 五木寛之 中公新書ラクレ
「嫌老感」あたりからの記述は、言いにくいことをはっきり書いてあります。
 現役世代の収入が、高齢者層の医療費や年金に吸い取られる。
 現役層は、車も買えない、子もつくれない、結婚すらできない。
 高齢者への風当たりは強い。「嫌老社会」という新語のような単語が置かれています。

ざんねんないきもの事典 今泉忠明監修 高橋書店
 話題になっている本です。
 最初はなんとなく嫌悪感があって読むことを避けていましたが(具体的理由は不明。大した内容ではないだろうという思い込み)、読んでみたら、かなりおもしろい。

大人の語彙力ノート 斎藤孝 SBCreaitive
こたつの上にこの本を置いといて、3か月間ぐらい、暇なときにページをめくって、知識を身に付けるつもりです。
お勧めします。
学校教育で教えてほしかった。  

Posted by 熊太郎 at 09:04Comments(0)TrackBack(0)熊太郎の語り

2017年12月29日

火定(かじょう) 澤田瞳子

火定(かじょう) 澤田瞳子 PHP研究所

 まず、タイトル火定の意味をとれなかったので、調べました。「火定は、仏教の修行者が火の中に身を投じて死ぬこと」なんだか、おぞましい。(身震いするほどぞっとする。)
 奈良時代、奈良の都で、伝染病天然痘がはやる。
 自分には合わない内容のような気がします。

 中国へ派遣された人たちが持ち帰ってきた薬を奈良の病院関係者が手に入れてというお話と把握しました。読み進めば、「薬剤師」のお話とわかります。
 そこに出世をはばむためのはかりごとと冤罪(えんざい。本当は無実)がからんできます。
 この時代に囚人にただ飯を食わせることができたのかという疑問は生まれますが小説です。

 裏話を読むと詐欺という言葉が頭に浮かんできます。
 意味のない物に値段をつけて売って儲ける。

 10年から15年ぐらい前、奈良に惹かれて、何度も訪問していたことがありました。元興寺の記事がでてきます。何度も参拝しました。内容がリアルに読み手である自分に迫ってきます。

 登場人物多し。群像劇だろうか。

 第三章から最初のページに戻り、読みなおしました。
わからない言葉が多くて、内容を理解するのに手間がかかります。

 ページは食うが話はなかなか進まない。
 
 犯罪者をかばう小説でもあります。生い立ちに対して同情的です。

 乱闘になると中身がなくなる。囚人主導の争乱です。

 読み終えましたが、作品の出来は、なんとも、よくわかりませんでした。やはりわたしには、合いませんでした。天然痘の流行自体は史実として実際にあったことを確認しました。
 
調べたこととして、「天然痘(書中では、もがき裳瘡):てんねんとう。人から人に移る病気。3割が死亡。1980年根絶に成功した。高熱、皮膚がぼこぼこになる。予防はワクチン。対症療法(自然治癒力を高める)」、「喧伝:けんでん。言いふらす」、「朝貢国:ちょうこうこく。中国の皇帝に貢物を出し、中国が出した国を国として認める」、「検非違使:けびいし。警察みたいなもの」、「胡乱:うろん。疑わしい」、「恩赦:おんしゃ。刑事罰をちゃらにする。」、「僥倖:ぎょうこう。思いがけない幸い」、「伏魔殿:ふくまでん。魔物が隠れている殿堂」、「瘧:おこり。マラリア。間欠的な発熱」、「拵える:こしらえる」、「叺:かます。わらむしろをふたつおり。袋にする」、「褥:しとね。柔らかい敷物」  

Posted by 熊太郎 at 18:11Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2017年12月28日

彼方の友へ 伊吹有喜

彼方の友へ(かなたのともへ) 伊吹有喜(いぶき・ゆき) 実業之日本社

 卒寿(90歳)を迎えた高齢者施設入所中の女性佐倉波津子(本名はハツ)の若い頃の思い出話です。昭和12年、あと2か月で17歳になるところから始まります。舞台は東京本郷

「第一部 昭和12年」
 上品なようでそうでもない。お金持ちのようで、やっぱりそうでもない。当時の東京の様子が生き生きとした文章で進行されます。
 出版社編集部(銀座にある)で働き始めた佐倉波津子は元気いっぱいです。すがすがしい。当時の男尊女卑とか、学歴偏重社会が、女性差別じゃないか(文章表現はそれほど強烈ではない)というような流れで進んでいきます。女性の自立、そこに、ある男性へのあこがれ、恋心がからんで、青春です。ハツは歌の仕事をしたい。したいけれど歌の仕事はない。宝塚みたい。それから、二十四の瞳、壷井栄を思い浮かべました。今90歳のハツは、小説の中では若い。周囲の人たちも若い20代中心です。

 光景が目の前に見えるような文章運びです。
 料理、食べ物の記述は圧巻でした。(15ページ付近)
 「しめ縄くん」というニックネームが愉快です。

調べた言葉として、「シューバ:ロシア語。毛皮付きの防寒オーバー」
良かった文節として、「好きで女の子に生まれてきたわけじゃない」

「第二部 昭和十五年」
 平成の時代も終わる今となっては、もうみんな亡くなっている。
 長生きって何なのだろう。

主人公は19歳です。
兵隊の話が出るので、第二次世界大戦、たしか、昭和16年勃発、昭和20年終戦の太平洋戦争に突入する時期です。
 
 喫煙とか煙草を推奨、容認する記述は、昭和十五年を表しているのですが、今の時代にアンマッチです。その文章量の多さを見て、作り手側の意識が現代の時代の流れに取り残されている印象を受けました。

 文章に勢いがあります。主人公の思いが文章にのっているのでしょう。

 90歳の影をイメージしながら、20歳前後の主人公彼女の動きを見る。不思議な時間旅行感覚があります。
 内地、外地、大連、満州、昔の人のほうが、世界が広い。

 良かった表現として、「よく見て、よく覚えて、よく考える」、仕事のしかたです。それから、ハトゴヤ、屋上の打合せ場所としての憩いの場所。「多少の文字数の前後はいい」、「読者の目をくぎ付けにする」、「ひらがなでいい」、「昭和の時代ははるかに遠く、気が付けばここにひとり」、「よいことなどひとつもない」、「日本国は言葉が人を助ける国という主旨」

 調べた単語として、「奢侈しゃし:度を過ぎてぜいたく」、「台割り:印刷用語、設計、ページの疑似組み立て」、「マチに入る:ほとぼりが冷めるまでおとなしくする」、「諧謔かいぎゃく:気の利いた冗談」、「若輩者:じゃくはいもの。未熟者」、「忸怩じくじ:自分の行いについて、心の中で恥じる」、「験がいい:げんがいい。縁起がいい」

「第三部 昭和十五年晩秋」、「第四部 昭和二十年」、「エピローグ」
 喫煙シーンの記述の多さに閉口し、流し読みに入りました。苦労してようやく禁煙に成功して4年が経過した身としては、もうたばこの話は耳にしたくありません。

 藪にらみで、(見当違い)嫌われるのですが、超高齢者の偉業を讃える内容と受け取りました。そのうえで、そこまでしなければならないのかと、頭を(こうべ)垂れる思いでした。今、現役で苦労している世代をリアルに(生で)支える作品に出会いたい。

 さて、時局は戦争へと向かっていきます。
 過去と現在と、90歳になって、途中の70年間はどこへいってしまったのだろう。
 
 文化とか美を大切にする心を支えにして、人間としての誇りをもって、生きていこう、あるいは、仕事をしていこうというメッセージが後半にあり、共感しました。  

Posted by 熊太郎 at 19:28Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2017年12月25日

チュベローズで待ってる AGE22と32 加藤シゲアキ

チュベローズで待ってる AGE22 第1部 加藤シゲアキ 扶桑社

 変わったタイトルです。意味をとれません。(ホストクラブの店名でした。白い花をつける多年草)。ホストクラブで働いた22歳のときです。もう1冊32歳があります。
変わったタイトルでもよく売れた本の例としてこんなものがあります。察するに、タイトルは売れる、売れないに関係ないのです。
 君の膵臓を食べたい
 うんこかん字ドリル
 もし文豪たちがカップやきそばのつくり方を書いたら
 顔ニモマケズ
 夫のちんぽがはいらない
 蘇る変態
 ナイルパーチの女子会
 脳男
 ニサッタ、ニサッタ
 八日目の蝉
 
余談が長くなってしまいました。

22歳と32歳を両方買ってきたので、22歳から読み始めました。もうすぐ読み終えます。1冊につき、ほかごとをしながらでも、休日が1日あれば読めます。

 独特の出だし文章です。力づくで読者を物語に引きずり込む腕力(文章製作力量)をもった才能ある作者です。
 
 半世紀前、大学は将来の幹部候補生が学ぶところでした。それが、だんだん失業者対策の受け皿のような組織になり、今では義務教育のようになっています。大卒の価値は下がりました。
 就職できないから意図的に単位を落として留年して学費を払う(お金がないと言いつつ)。考えられません。

 昨日読んだ物語に煙草の記事が多くて、ようやく禁煙できた身としては、読みたくない煙草推奨表現で、頭(こうべ)を垂れたのですが、今回のこの作品もまた煙草記述満載です。しんどいなあ。
 煙草吸って、アルコール飲んで、ホストがお金持ちの女子を接待して、男と女の関係になって、不正行為を企てて、それもこれも、金のため、就職できないからというのは、空しい(むなしい)。堕落です。

 そうはいってもおもしろそうな30ページ付近です。

 アルコールの話に興味がない人にとっては、けっこう退屈な時間帯が続きます。

 人事担当は守秘義務があるので、ホストクラブへは行きません。行くような人は人事担当に配置しません。倫理観の低い、底辺の人間のやりとりになってきました。むなしい行為が続きます。

 112ページの小学生芽々めめの「しゅうしょくできますように」は? 主人公の金平光太(かねひら・こうた)はすでにホストとして就職しています。

 お金のためにホストをするわけですが、芽々の私立中学受験の塾代とか通学費がないからというのは、理由としてびっくりです。世代の差を感じました。お金がなければ、義務教育の中学校へ行けばいいだけのことです。また、いい学校を出たからいい就職ができた時代はもう終わっています。

 40歳女性と22歳男の恋ってあるのかなあ。ないなあ。いや、あるか。たとえば、72歳女性と60歳男性、ありそうです。

 165ページのレモンの香り部分は意味をとれませんでした。

 なんかピンと直立したものが、主人公金平光太にも作者にもある。

 最後半部まできて、このストーリーの目標は何なのかを考えました。次の32へ続くという発想のみが浮かびました。まだ、ここには、目標がない。人間の汚点が書いてあっただけです。
 何かしら、ゲーム画面を見ているようです。

調べたこと、記録しておいたことなどは、「DDL:ゲームメーカーの子会社(架空)」、「ヒロイック:英雄的」、「時代の残滓ざんし:残りかす」、「クライシス:危機、重大局面」、「ヘパリーゼ:二日酔い予防剤(アルコールを飲まなきゃいいのにと思う読み手です。)」、「燻らせる:くゆらせる」、「ジェンガ:テーブルゲーム。タワーが倒れないように断片を抜き取る」、「ソルラル:朝鮮半島の旧正月」、「呷る:あおる」、「チャミスル:韓国のしょうちゅう」、「マキャヴェッリの君主論:君主とはどうあるべきか。君主=国家の最高位/慈悲深さを誤用しない。秩序を保つために処罰を厳しくするか厳しくしないか。25章運命のもつ力」、「睫毛:まつげ」


印象に残った表現として、「女性を喜ばせることに抵抗感がなくなった」

さあ、AGE32を読み始めます。


チュベローズで待ってる AGE32 第2部 加藤シゲアキ 扶桑社

 主人公を同じくして、シリーズ化するのだろうか。次は、AGE42厄年です。

 3時間ぐらいで読める分量です。

 前回が、2017年、今回が、2025年、8年間が経過しています。

 スマホのゲームアプリ制作会社とか、アプリのことが下地、背景に置かれています。

 人間関係の幅と空間は、広くない設定です。

 主人公はよく吐きます。

 斉藤ユースケは、なぜ、叔母斉藤美津子のことをそんなに知りたいのだろう。甥のユースケからみて、叔母は叔母でしかない。母ではない。

 就職難の時代をくぐりぬけてきた世代のうらみはらしますみたいな内容です。それから、兄と妹の関係をとおして、家族間の交流を大切にしなさいというメッセージがあります。
 「君主論」が柱になっている部分があるのですが、読んだことがないのでわかりません。
 パワハラとかコネ入社の否定などに寄りかかるのは、上の世代からみると甘えに見えます。
 主人公というひとりの人物の成功物語でもあります。
 「狂気」のある物語でもありました。なんだか、生きる希望も夢もなくなる作品でした。人間をだれも信用できなくなる方向性をもった小説でした。死んだ人のことにいつまでもこだわりをもつ小説でもありました。どうしてだろう。

 後半は、長ゼリフが続き、読むのに疲れました。
 この物語は悲話なのか。
 猫がよく通ると思っていたらやっぱりそうだった。
 なんでもありの世界です。もつれが複雑でわかりにくい。
 親から虐待を受けているこどもって多いという印象をもつ小説です。シングルマザーの記述も含めて、福祉小説という位置づけもあります。
 因果にこだわりあり。仏教世界でした。

わからなかった言葉です。「ディストピア的:空想的未来。理想郷ユートピアの反対。否定的、不道徳」、「3Dトーキング:3Dキャラクターによる説明。3D=縦・横・奥行」、「クンジョル:土下座に似た韓国の作法」、「素面:しらふ。お酒飲んでない」、「ラフロイグ:スコットランドのウィスキー」、「otherwise:別の方法で」、「エクリチュール:言葉で説くこと」、「プロトタイプ:デモンストレーション用のコンピュータープログラム」、「スモーキーなウィスキー:毎日晩酌で飲むウィスキー」、「不可逆:再び元の状態に戻れないこと」、「導因:結果を導き出した原因。どういん」、「御託ごたく:自分勝手なことをくどくど言う」、「ナンバ歩き:同じ側の手足を前に出す歩き方」

いいなと感じた表現です。「情報が少なかった」、「観念的会話:頭の中だけで考えたことで具体的な事柄がない」、「マスコミをメディア」、「生きているというよりも生かされている」  

Posted by 熊太郎 at 19:27Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2017年12月23日

盤上の向日葵 柚木裕子

盤上の向日葵(ばんじょうのひまわり) 柚木裕子(ゆづき・ゆうこ) 中央公論新社

 将棋ばやりである。今年はブームでした。
 
 50ページぐらいまで読みました。
 なかなかおもしろそうです。
 犯人は棋士らしい。
 証拠が将棋の駒らしい。

 鉄道とか、人間臭い刑事とか、世界は古いけれど、魅力があります。

(つづく)

 563ページの長編ですが、1日でいっき読みになるかもしれません。(結局は二日間、読み終えたのは翌日深夜11時58分でした。)
 第二十三章までで、序章と終章がつけてあります。

 舞台は山形県天童市(将棋の駒の産地)から始まりました。
 刑事は、埼玉県大宮北署地域課佐野直也巡査30歳過ぎ将棋のプロを目指していたことありと、埼玉県警捜査一課石破剛志(いしばつよし)警部補45歳、がらっぱちの昭和時代風刑事です。

 名作「砂の器」のように鉄道から始まりました。
 将棋の記述は、今年爆発した14歳の藤井君を思い出させてくれます。
 将棋をあまり知らない者にとってはわからない推理小説かもという懸念が脳裏をよぎりましたが、読み進んでみると、そんなことはありません。(知っているとさらに楽しめます。)
 
 P26、今の時代に煙草の記述はやめたほうがいい。(ページ106,183,282,292, 313,365,397,518。たばこ会社となにかつながりがあるのだろうか)4年前、ようやく禁煙できた身としては、タバコを吸って気持ちいいというような表現文章は読みたくない。ようやく最後のほうのページに、「禁煙しろよ」の文字を見つけました。

 今旅している本の中の世界は、平成6年8月3日です。
 45ページはじめ、鎌倉あたりの記述の感じがいい。石破刑事の個性設定もいい。
 他の章も含めて、昭和時代の雰囲気がどっぷりです。

 昭和46年1月です。長野県諏訪湖近くに住む唐沢光一朗63歳元小学校教員夫婦がいる。
 ふたりに子はない。社会福祉とか、教育とか、そんなことが物語進行の下地になっていきます。

 石破剛志刑事はなぜ駅弁にこだわるのか。伏線かもしれない。(結局伏線ではなかった。)

 登場人物がいっぱいです。メモとして利用している使用済みカレンダーの裏面が文字だらけになってきました。

 マージャン(かけごととして)やアル中、人間へのかたよった意識のもちかた(悪人だという)が気にかかります。読み手へのイメージ付けがきつすぎる。現実社会では、健全にマージャンしたり飲酒したりする人が大半です。

 昔、貧乏な家の小中学生は、新聞配達や牛乳配達をやったものです。なつかしく思い出しました。

 虐待とは育児放棄であり、預けて働くことも該当するような気がする。
 子を虐待する親がなぜ虐待するかというと、親もまた虐待されていたからであり、人は、自分が育てられたようにしか自分の子どもを育てられない。

 こどもさんである上條桂介父子の暮らしを読んでいるとわびしくなってくる。こんなにひどいだろうか。また、酒飲みは病人だから口だけで、けんかの腕力はこんなに強くない。

仙台駅で、牛タン弁当とえんがわ寿司

 警察には貸し借りがあるらしい。

 独特の暗さが、こどもさんの成長とともに明るい方向へ向かっていくのが救いです。

322ページから急速に読む気が薄れてきた。つまらない展開です。純粋だった川の流れが汚れました。賭けマージャン劇画みたいになってきました。あと2時間ぐらいで読み終えそう。

 ルールってなんだろう。人が生きていくときの倫理は、ひとりひとりが考えて、感じて決めてもいいのではないか。

 実際に訪れたことがある場所が次々と出てくるのでリアルに感じます。

 男は、物語のように、母を想うだろうか。男が思うのは、恋人や妻だ。母のことは忘れる。そして、この物語の場合、(主人公が夫の立場なら)妻をそう(向日葵と)想う。作品は幻想的な雰囲気を帯びる。

 現実にこんな父親がいるのかなあという大きな疑問をもちながら読んでいました。自分の子どもです。虐待していても自分の分身ですから、最後の愛情のかけらはあります。ひどすぎる。488ページ付近、ようやくドラマができあがりました。

以下は調べたことなどです。
「奨励会:プロ棋士を育成する会で東京と大阪にある。(12ページには)プロになるためには26歳までに4段に昇格が要件。(P230には)21歳までに初段、31歳までに4段」、「怯懦:きょうだ。臆病で気が弱い」、「頭を擡げる:もたげる」、「尊崇:そんすう。尊敬」、「揮毫:きごう。毛筆で言葉や文章を書くこと」、「憚られる:はばかられる」、「社交辞令:人づきあいをよくするために行うほめ言葉やあいさつ」、「封じ手:対局が2日制のときに、1日目最終の差し手を書いて封をして公平とする」、「駒師菊水月:将棋の駒をつくる職人のうちのひとり」、「窘めた:たしなめた」、「宥める:なだめる」、「満更:まんざら」、「夭折:ようせつ。若くして死ぬこと」、「7七歩:左右が筋で数字の1から9(右から左に書く)、上下が段で漢字の一から九(上から下に書く)」、「好事家:もの好きな人。マニア」、「杦田:すぎた」、「大洞:おおくら」、「心火:しんか。激しく燃え立つ怒り」、「怖気:おぞけ。恐怖心」、「勝負にアヤをつける:勝負の勝ち負けに影響する微妙な作戦、かけひき」、「頽れる:くずおれる」、「将棋、棒に負けた:銀を棒のようにまっすぐ進めていく戦法」、「脳内エンドルフィン:脳内神経伝達物質、多幸感をもたらす」、「懇ろ:ねんごろ」

良かった表現として、「人生はいいときもあれば、悪いときもある」、「(104ページの)続けろ」、「取り調べではなく聞き取り」、「似た者同士(将棋の天才、奇才)」、「人間はろくでなし、仕事(将棋)は一流」、「プロになれよ、おまえならなれる」

 最後に、申し訳ないけれど、自分にとっては、「駒は駒」です。価値を見出せません。  

Posted by 熊太郎 at 17:16Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2017年12月19日

残念な偉人伝 それでも愛すべき人々 真山知幸

残念な偉人伝 それでも愛すべき人々 真山知幸 Gakken

 真実を明かす内容です。以前似たようなものを読んだことがあります。歴史で定説とされていることは実はこんな裏話があったというものでした。読後感は悪かった。信じていたことを裏切られたという感情が湧いて読まない方がよかった。

 さて、偉人の場合はどうなるでしょうか。読み始めてみます。
 前書きに、得意なこと以外何もできなかったとか、わがままで迷惑をかけたとあります。60人ちょっとの偉人の紹介が始まりました。

「ニュートン」集中しすぎてズボンをはかずに外出した。これは愛らしい。
「ゴッホ」もう、キチガイです。
「モーツアルト」6歳から25歳まで、1年のうちの半分は音楽活動のため旅に出ていた。
「豊臣秀吉」嘘つき
「野口英世」善行も奇行も極端
「ピカソ」人格異常者じゃなかろうか。
「ファーブル」南フランスにも貧しい家があるのか。
「川端康成」沈黙の人
「与謝野晶子」13人もこどもをつくったとは、びっくり。
「江戸川乱歩」昔はそれでもよかった(なまけもの)のだろうが、今では通用しない。
「夏目漱石」38歳で作家デビュー、創作期間わずか10年間にもびっくり。
「アインシュタイン」不幸な人
「ベートーヴェン」かんしゃくもちは、人間としてはどうかと。
「カント」生涯、同じ町にいた。部屋はいつも14℃。時刻に縛る行動。日本人的かも。
「ノーベル」物理学賞、化学賞、医学・生理学賞、文学賞、平和賞、経済学賞、初めて全部の賞の種類を知りました。死の誤報が賞創設のきっかけという部分が良かった。
「ソクラテス」悪法も法なりという言葉が好きです。
「ゲーテ」がっかりしました。アル中で肥満
「南方熊楠」みなかた・くまくす。人の名前とは思えません。
「湯川秀樹」思いつきのメモ書留め習慣は自分も同じです。
「キュリー夫人」放射能に汚染されて死去されています。気の毒です。
「レオナルドダヴィンチ」サライ(小悪魔)」わたしは、サライはふるさとと思っていました。また、モナリザのモデルが少年説にはおどろきました。

読むのにけっこう時間がかかっています。
かれこれ2週間ぐらい、毎日少しずつ読み続けました。
意外にボリュームがありました。  

Posted by 熊太郎 at 19:51Comments(0)TrackBack(0)読書感想文