2022年10月13日
たろうのおでかけ 村山桂子・さく 堀内誠一・え
たろうのおでかけ 村山桂子・さく 堀内誠一・え 福音館
1966年(昭和41年)の絵本です。
昔をなつかしむ読書です。
たろうくん、5さいぐらいが、まみちゃんのたんじょうびいわいにいきます。
たろうくんといっしょにいくのが、つぎのメンバーです。
いぬの、ちろー
ねこの、みーや
あひるの、があこ
にわとりの、こっこ
どうぶつは、ちびっこの友だち、仲間です。
まみちゃんへのたんじょうびプレゼントは、すみれの鉢植えとアイスクリームです。
時代背景は、昭和30年代後半でしょう。
いなかでは、テレビはまだ各家庭に普及していませんでした。
加入電話があるうちも、それほど多くはなかった。
令和の今と比較すると、こどもをとりまく環境は、ずいぶん違います。
個人商店が並ぶ商店街があります。
パン屋、くだもの屋、魚屋。
たばこ屋は、昔はたくさんありましたが、最近は見かけません。
道を走る「おーとさんりん」が出てきました。
タイヤが3本ある車です。前に1本、後ろに2本。回転するときにひっくりかえりやすいと聞いたことがあります。
今は見かけません。
人と人との気持ちの距離が近い時代でした。
たろうが歩いていると、おとなたちが声をかけてきます。
消防署とガソリンスタンドが出てきました。
絵本に描いてあるガソリンスタンドは、MobilとESSOです。ガソリンスタンドは合併が進みました。いまはどこもたいていENEOS(エネオス)です。
信号機が出てきました。
昔は、信号機の数は少なかった。
自家用車が少なかった。
たろうくんは、信号の色が黄色で交差点を渡ろうとしたので、警察官に止められました。
わたしも7歳のときに、いなかから都会に引っ越して、信号機というものを知らずに、ひとりで交差点を渡ろうとして、婦人警官につかまって、自宅のアパートまで連れていかれて、母親が婦人警官に指導を受けたことがあります。
たしか去年の今頃、もう90歳近くなった母親にそんな話をしたことがありますが、母親は、もうそこに住んでいたことすら覚えていませんでした。
この絵本は、お年寄りが読むとなつかしい気持ちにひたれる絵本です。
たろうくんは、まみちゃんへのたんじょうびプレゼントにアイスクリームをもっています。
いそがないと、アイスクリームがとけてしまいます。
されど、この絵本は『交通安全啓発絵本』の側面をもっています。
アイスクリームがとけることよりも、たろうの命のほうがだいじです。
アイスクリームは、とけてもいいのです。
そもそも、たろうのおかあさんは、なぜ、たろうにとけるアイスクリームをもたせたのだろう。
読み進むたびに疑問が大きくなる絵本です。
郵便屋さんが自転車で配達をしています。
いまどきは、電動バイクで静かな動力音を流しながら、配達員さんは、郵便の配達をされています。
出川哲朗さんの充電バイクの旅『充電させてもらえませんか?』を思い出しました。スイカヘルメットです。
それから、昔、長嶋一茂さんが主役をした『ポストマン』という自転車で郵便配達をすることにこだわる郵便局配達職員さんの映画を思い出しました。長嶋一茂さんは、がんこな郵便配達員さんでした。
絵本の絵には、馬を乗せたトラックが描いてあります。
九州の熊本県とか宮崎県あたりに行くと、和牛をのせたトラックを見かけます。
馬だと、今は、競馬馬の移送ぐらいしか思いつきません。
市街地を抜けると、はらっぱです。
思い出すと、昔は、こどもが安全に遊べる空き地や原っぱがいっぱいありました。
植物や虫がたくさんいました。
広がっていた原野は宅地開発されて、道路や店舗、住宅地に変わりました。
原っぱまで来るまでは、おとなたちから、あれだめ、これだめと言われ続けた、登場人物のたろうです。
原っぱは、車が来ないので安全です。
そうか、こどもがのびのび移動できた時代がありました。
ページの右奥で、まみちゃんが両手をふって、出迎えてくれています。
この絵本には、60年ぐらい前の日本の風景があります。
1966年(昭和41年)の絵本です。
昔をなつかしむ読書です。
たろうくん、5さいぐらいが、まみちゃんのたんじょうびいわいにいきます。
たろうくんといっしょにいくのが、つぎのメンバーです。
いぬの、ちろー
ねこの、みーや
あひるの、があこ
にわとりの、こっこ
どうぶつは、ちびっこの友だち、仲間です。
まみちゃんへのたんじょうびプレゼントは、すみれの鉢植えとアイスクリームです。
時代背景は、昭和30年代後半でしょう。
いなかでは、テレビはまだ各家庭に普及していませんでした。
加入電話があるうちも、それほど多くはなかった。
令和の今と比較すると、こどもをとりまく環境は、ずいぶん違います。
個人商店が並ぶ商店街があります。
パン屋、くだもの屋、魚屋。
たばこ屋は、昔はたくさんありましたが、最近は見かけません。
道を走る「おーとさんりん」が出てきました。
タイヤが3本ある車です。前に1本、後ろに2本。回転するときにひっくりかえりやすいと聞いたことがあります。
今は見かけません。
人と人との気持ちの距離が近い時代でした。
たろうが歩いていると、おとなたちが声をかけてきます。
消防署とガソリンスタンドが出てきました。
絵本に描いてあるガソリンスタンドは、MobilとESSOです。ガソリンスタンドは合併が進みました。いまはどこもたいていENEOS(エネオス)です。
信号機が出てきました。
昔は、信号機の数は少なかった。
自家用車が少なかった。
たろうくんは、信号の色が黄色で交差点を渡ろうとしたので、警察官に止められました。
わたしも7歳のときに、いなかから都会に引っ越して、信号機というものを知らずに、ひとりで交差点を渡ろうとして、婦人警官につかまって、自宅のアパートまで連れていかれて、母親が婦人警官に指導を受けたことがあります。
たしか去年の今頃、もう90歳近くなった母親にそんな話をしたことがありますが、母親は、もうそこに住んでいたことすら覚えていませんでした。
この絵本は、お年寄りが読むとなつかしい気持ちにひたれる絵本です。
たろうくんは、まみちゃんへのたんじょうびプレゼントにアイスクリームをもっています。
いそがないと、アイスクリームがとけてしまいます。
されど、この絵本は『交通安全啓発絵本』の側面をもっています。
アイスクリームがとけることよりも、たろうの命のほうがだいじです。
アイスクリームは、とけてもいいのです。
そもそも、たろうのおかあさんは、なぜ、たろうにとけるアイスクリームをもたせたのだろう。
読み進むたびに疑問が大きくなる絵本です。
郵便屋さんが自転車で配達をしています。
いまどきは、電動バイクで静かな動力音を流しながら、配達員さんは、郵便の配達をされています。
出川哲朗さんの充電バイクの旅『充電させてもらえませんか?』を思い出しました。スイカヘルメットです。
それから、昔、長嶋一茂さんが主役をした『ポストマン』という自転車で郵便配達をすることにこだわる郵便局配達職員さんの映画を思い出しました。長嶋一茂さんは、がんこな郵便配達員さんでした。
絵本の絵には、馬を乗せたトラックが描いてあります。
九州の熊本県とか宮崎県あたりに行くと、和牛をのせたトラックを見かけます。
馬だと、今は、競馬馬の移送ぐらいしか思いつきません。
市街地を抜けると、はらっぱです。
思い出すと、昔は、こどもが安全に遊べる空き地や原っぱがいっぱいありました。
植物や虫がたくさんいました。
広がっていた原野は宅地開発されて、道路や店舗、住宅地に変わりました。
原っぱまで来るまでは、おとなたちから、あれだめ、これだめと言われ続けた、登場人物のたろうです。
原っぱは、車が来ないので安全です。
そうか、こどもがのびのび移動できた時代がありました。
ページの右奥で、まみちゃんが両手をふって、出迎えてくれています。
この絵本には、60年ぐらい前の日本の風景があります。
2022年10月10日
はっぴいさん 荒井良二
はっぴいさん 荒井良二 偕成社
こどもさん向けの絵本です。
はっぴい=HAPPY=幸せ ということでしょうと思い浮かべながら読み始めます。
黄色の下地に2羽の白鳩とチョウチョと葉っぱがある絵の表紙をめくります。
『なんだこの落書きは?』小学生が描いたスケッチのようです。
銀色の下地に鉛筆書きの跡です。
お人形さんのような人が、左斜め上から、右斜め下方向へ歩いていきます。
緑色のとんがり帽子をかぶっています。
背中のリュックはオレンジ色です。
ページをめくります。こんどは、女の人が登場してきました。
女の人は『わたし』さんです。
右手に持っている手提げ袋はオレンジ色です。
男の人が『はっぴいさん』かと思っていたら違いました。
男の人が『はっぴいさん』に会いに行くそうです。
女の人も『はっぴいさん』に会いに行くそうです。
はっぴいさんは、山の上にいる。
石の上に時々いる。
はっぴいさんは、願い事をきいてくれる。
まるで、、神さまか仏さまのようです。
男の人は『ぼく』だそうです。
のろのろしている性格だそうです。
路線バスは右側通行で、バス車内の運転席は左側にあるから、ここは外国でしょう。
日本ではありません。
人が、バスを降りて歩いてきました。
バスを降りて来た女の人は『わたし』です。
『わたし』が『ぼく』に近づいて来ました。
『わたし』と『ぼく』のふたりは、お互いに離れて、はっぴいさんに会うために、山を登り始めました。
女子の『わたし』は、のろのろじゃない。わたしは、きびきび動くそうです。
だけど『わたし』は、あわてんぼさんだそうです。
ふたりの『ねがい』とは、なんだろう。
ふたりが登った山の上には、大きな四角い石が横たわっています。
以前、わたしが、奈良の明日香村(あすかむら)へ行ったときに見た『石舞台(いしぶたい)』に似ています。蘇我馬子(そがのうまこ。大昔の豪族(ごうぞく。お金持ち一族のボス)の古墳らしい。(お墓)
のろのろのかたつむり。
ぴょんぴょん移動するうさぎ。
どういうわけか、ハトとリス。
文章は「歌」のようです。
一定のリズムがあります。
「オチ」はどうなるのだろう。
オチ:印象的な最後。
自分にないものを相手に求めて助け合う。
そんなお話です。
黄色い太い輪がまぶしい。
太陽だろうか。
太陽でした。
恋愛とか結婚とか。
そうか『大きな黄色い太陽』が、はっぴいさんなんだ。
淡々と『時(とき)』は流れていきます。
人生の営みがあります。
2003年(平成15年))の作品です。
ロードムービーのようでした。
登場する人物は、旅をしながら人間的に成長していきます。
自然に包まれて、男と女がいて、恋愛とか愛情があります。
心優しいお話でした。
(その後)
この絵本についてほかの人の感想を読みましたが、絵本の最初のほうに戦車の絵があり、反戦とか平和を願う意味がこめられている絵本という趣旨があるようです。ただ、戦争反対、平和の希望という強い主張は表には出てきません。
自分は、ラブストーリーだと思って読みました。
作品は作者の手を離れた瞬間に、読み手のものになります。
この絵本の絵はへたくそな絵で、そのことをどう受けとめるかも読み手しだいです。
こどもさん向けの絵本です。
はっぴい=HAPPY=幸せ ということでしょうと思い浮かべながら読み始めます。
黄色の下地に2羽の白鳩とチョウチョと葉っぱがある絵の表紙をめくります。
『なんだこの落書きは?』小学生が描いたスケッチのようです。
銀色の下地に鉛筆書きの跡です。
お人形さんのような人が、左斜め上から、右斜め下方向へ歩いていきます。
緑色のとんがり帽子をかぶっています。
背中のリュックはオレンジ色です。
ページをめくります。こんどは、女の人が登場してきました。
女の人は『わたし』さんです。
右手に持っている手提げ袋はオレンジ色です。
男の人が『はっぴいさん』かと思っていたら違いました。
男の人が『はっぴいさん』に会いに行くそうです。
女の人も『はっぴいさん』に会いに行くそうです。
はっぴいさんは、山の上にいる。
石の上に時々いる。
はっぴいさんは、願い事をきいてくれる。
まるで、、神さまか仏さまのようです。
男の人は『ぼく』だそうです。
のろのろしている性格だそうです。
路線バスは右側通行で、バス車内の運転席は左側にあるから、ここは外国でしょう。
日本ではありません。
人が、バスを降りて歩いてきました。
バスを降りて来た女の人は『わたし』です。
『わたし』が『ぼく』に近づいて来ました。
『わたし』と『ぼく』のふたりは、お互いに離れて、はっぴいさんに会うために、山を登り始めました。
女子の『わたし』は、のろのろじゃない。わたしは、きびきび動くそうです。
だけど『わたし』は、あわてんぼさんだそうです。
ふたりの『ねがい』とは、なんだろう。
ふたりが登った山の上には、大きな四角い石が横たわっています。
以前、わたしが、奈良の明日香村(あすかむら)へ行ったときに見た『石舞台(いしぶたい)』に似ています。蘇我馬子(そがのうまこ。大昔の豪族(ごうぞく。お金持ち一族のボス)の古墳らしい。(お墓)
のろのろのかたつむり。
ぴょんぴょん移動するうさぎ。
どういうわけか、ハトとリス。
文章は「歌」のようです。
一定のリズムがあります。
「オチ」はどうなるのだろう。
オチ:印象的な最後。
自分にないものを相手に求めて助け合う。
そんなお話です。
黄色い太い輪がまぶしい。
太陽だろうか。
太陽でした。
恋愛とか結婚とか。
そうか『大きな黄色い太陽』が、はっぴいさんなんだ。
淡々と『時(とき)』は流れていきます。
人生の営みがあります。
2003年(平成15年))の作品です。
ロードムービーのようでした。
登場する人物は、旅をしながら人間的に成長していきます。
自然に包まれて、男と女がいて、恋愛とか愛情があります。
心優しいお話でした。
(その後)
この絵本についてほかの人の感想を読みましたが、絵本の最初のほうに戦車の絵があり、反戦とか平和を願う意味がこめられている絵本という趣旨があるようです。ただ、戦争反対、平和の希望という強い主張は表には出てきません。
自分は、ラブストーリーだと思って読みました。
作品は作者の手を離れた瞬間に、読み手のものになります。
この絵本の絵はへたくそな絵で、そのことをどう受けとめるかも読み手しだいです。
2022年10月07日
ざんねんな先生 有馬心一朗
ざんねんな先生 有馬心一朗(ありま・しんいちろう) 新評論
『これから出る本』の情報をチェックしていて目に留まったので読んでみることにしました。
『ざんねんな』は、ヒットした『ざんねんななんとか』シリーズにヒントがあるタイトル付けだろうと思いました。
タイトルだけみると、内部告発本のようにもみえます。
だいじょうぶだろうか。
親として教師や学校に望むことは、学校で事件や事故がないようにということです。
それだけです。生きてちゃんと卒業させてもらえればいい。
以前読んだ本でいい本がありました。
『友だち幻想 人と人の<つながり>を考える 菅野仁(かんの・ひとし) ちくまプリマ―新書』
著者は2016年(平成28年)56歳のときに癌で亡くなっています。亡くなった方が残したメッセージです。
著者は大学の先生で、娘さんが不登校になって悩まれたことがこの本を書くきっかけだったというような記憶です。そして、お父さんが亡くなった数か月あとに、娘さんも心臓の病気で亡くなっています。
その本を読んだときの読書メモの一部です。著者が望む教師像です。
生徒の記憶に残らない教師像でいい。ドラマや映画の教師像はドラマや映画のなかだけのものです。一般的に、現実には、過剰な精神的関与や信念の押しつけはしないとあります。教師に人格の高い高邁な資質を求めない。(こうまい:ぬきんでている能力をもつ)
(1回目の本読み)
ゆっくりすべてのページを最後までめくります。
『ざんねん』という単語がいっぱい出てきます。
へんてこりんな癖(くせ)をもつわたしは、何回『ざんねん』という言葉が出てくるか、カウントしてみることにしました。
本のカバーにふたつ、本の本体表紙にひとつ…… 目次にもいっぱい『ざんねん』があります。
本文は全体で、227ページあります。
以前別の本で同様に『ため息』という言葉をカウントしたことがあります。『みんなのためいき図鑑 村上しいこ・作 中田いくみ・絵 童心社』でした。『ためいき』という単語が218回出てきました。この本の『ざんねん』で新記録達成となるでしょうか。楽しみです。(64ページまで読んで気づいたのですが、奇数ページの左上に章とみだしの文章があり、延々と「ざんねん」が表示されています。その「ざんねん」もカウントに加えることにしました)
読み終えた結果です。「ざんねん」とか「残念」という単語が本のカバーと本文に132回ありました。また、奇数ページの左上の表示に109回ありました。合計で241回です。『ためいき』を抜きました。だからなんということもないのですが。「ざんねん」は目にすると気持ちが沈む単語ですから、ちょっと多すぎるかなと感じました。
「大告白」とあるから内情暴露です。
暴露して、対策を提示するのでしょう。
この本は何を目指しているのかを考えながら読みます。
「ざんねんじゃない状態」は、どんなものなのか。
現実には、100%改善・改革できることはなかなかありません。
世の中は、グレーゾーン(灰色)で調和をとっています。
モデルとなる教師像があるのだろうか。
だれなのかわかるとまずいんじゃないのか。
ページをめくりながらふと思う。
現実社会では、民間事業者や依頼する立場の人間を見下す学校の先生がいます。
先生は、いばっています。
民間事業者等より、教職のほうが、立場が上だといばっています。
民間事業者等は、頼むほうの立場なので、ぺこぺこするしかありません。
先生も変だけど、親も変らしい。
学校は人生においては、通過点でしかない。
早く通過したい。こどもの心身が病気にならないようにして、無事に卒業させてほしい。
こどもは、長時間イスに座って、じっとして、理解できない話を聞かされて、とても苦痛です。
昔からずーっとそうでした。
身体を拘束(こうそく)されての授業はとても苦痛です。
公務員を目指す動機が『安定しているから』だけの人は、公務員にならないでほしい。
そういう人は選考時に、はじいてほしい。
教職者は、大学を出て、会社勤めをしたことがないから、組織で働く人間の苦労を体験していない。社会人といえるようでそうでもない。
後半には、スポーツが強い学校のことが書いてあるようです。
強豪校は、学校をPRするために、スポーツ活動を推進します。
「あとがき」を読みました。
著者がメモ魔であることが書いてあります。(わたしも同様です)
饒舌です。(じょうぜつ:おしゃべり多い)
自慢もあるし、読んだ人が嫌悪感をもつかも。
まあ、読んでみます。
(2回目の本読み)
モンペ:モンスターペアレント(筋の通らない要求や苦情を繰り返すしつこい親)の略語。
学校でトラブルがあったとしても、卒業までの一時的な事柄なので、がまんして、時間が経過するのを待つということはあります。生徒も先生も一時的な出会いです。
それではいけないと著者は主張します。
自分は、学校は『人間』を学ぶ場所だと考えています。
先生も児童・生徒も人間的に100%いい人はいません。
『残業』のことが書いてあります。
不思議です。
一般サラリーマンは、早朝から満員電車に揺られて出勤して、夜遅くに帰宅して、また翌朝早く出勤して、土日の休みは死んだように眠っているということの繰り返しの毎日です。出世したかったら長時間労働は当たり前です。
教師には、業務としての金銭的な達成目標はありません。いわゆるノルマ(お金の獲得目標値)はありません。
自分で労働時間内の行動の割り振りを自由にできる裁量もありそうです。
自費で自分の時間で仕事の勉強をしている労働者はいくらでもいます。
『居残り給食』食べ残しを許さない。
自分は体験したことがあります。
ぬるぬるするワカメがにがてで、どうしてもみそ汁のなかのワカメがのどを通ってくれませんでした。
小学校低学年の時に、同じくワカメがにがてなクラスメートとふたりで、給食時間が終わったあとも、黒板の前に横に並んで正座させられて、飲めないワカメのみそ汁を飲もうとしていました。
結局、飲めませんでした。掃除の時間が始まって、まわりにいる児童たちは、ぞうきんがけなどの掃除をしていて、泣けて来たのを覚えています。
もう半世紀以上もたったのに、まだ覚えているということは、そのときのショックが脳みそのどこかに残っているのでしょう。
授業中にこどもにビンタをする先生は何人か見ました。
案外、女性の教師がそういうことをしていました。言うことをきかなければ、たたかれるのです。
生徒をげんこつでなぐる男性教師もいました。
感情的な暴力でした。
合法的な、児童、生徒に対する虐待です。
髪の長い女子中学生が、男性教師に長い髪をつかまれて、円盤投げのときのように、教師がコンパスの中心に位置して、女生徒がぐるぐる回されていたのを遠めに見たことがあります。
半世紀以上前は、親も文句を言わない時代でした。こどもは、家では親兄弟に叩かれて、学校では先生や先輩や級友に叩かれて、ときには、生意気な下級生にも叩かれて、それでもそれが普通の時代でした。人にもまれながら、強くたくましく、図太く(ずぶとく)生きることを学びました。
アナフィラキシー:アレルギー反応による症状。
社会では、頭が良くても、自分の思いどおりにならないと、机を叩いたり、イスを蹴ったりする人がいます。凶暴です。自分で自分の感情と言動をコントロールすることができないようです。
本に書いてある文章は饒舌です。(じょうぜつ。言葉数が多い)
文章量を減らしたほうが読みやすくわかりやすい。
ときに、感情的な勢いがあります。
「ざんねんな教師」に対する対応を求めておられます。
公務員である教職員は身分保障が手厚いので、なかなか解雇処分はできないでしょう。
反故(ほご):なかったことにする。
鉄棒で、さかあがりができてもできなくても、人間は生きていけるということはあります。
(つづく)
たまたま同時進行で読んでいる『こんな人いるよねぇ~ つぶやきシロー 自由国民社』つぶやきシローさんが出版社に与えられた本の読書感想メモを書いてある本なのですが、こちらの本と似たようなタイトルの本が紹介されています。『残念な教員 学校教育の失敗学 林純次 光文社』
ネットで、その本と今読んでいるこの本の感想を読みました。賛否両論あります。まあ、そうなるような内容です。関係者が読んだら、腹を立てる人もいるでしょう。予想どおりの感想でしょう。
本にいろいろ書いてありますが、教員とか教育関係の組織の人って、性的趣向がどうかと思うようなニュースをときおり目にします。
盗撮とか、SNS出会い系交際アプリサイトでこどもをだますとか、ストーカーになるとか、脳みその中はだいじょうぶだろうかと心配します。この本では、ロリコンのことが書いてあります。幼児趣味の性癖です。エロ教師では、学校にこどもを預ける親は心配になります。
信頼関係がないと、どこの世界でもうまくいきません。
性癖で変な人を教員に採用しないでほしいし、変なことをした人は二度と採用しないでほしい。いくら制裁を与えても直らない病気です。なのに、本では、再度採用されることが書いてあります。残念です。不満です。不信感が湧きます。
そもそも法令では、そんな変な人が教育職に就くということを想定していないのでしょう。抜け穴があります。
上司は何もしません。関わり合いになりたくないのです。
教職の人は二重人格の人が多いという文章を以前読んだことがあります。
いい人でいなければならないということはつらいでしょう。
教師でなくても、表向きは、差別はいけないといいながら、内部ではあからさまに差別する人がいます。同様に、いじめはいけないといいながら、裏では人をいじめている人もいます。自分が加害者だという意識はありません。人間とはそういうもの。それでいいと割り切っているようです。
頭がいい人たちのいじめは陰湿です。なかなか表に出ません。
こども相手の仕事は、弱い者いじめの面があります。
親の顔色をうかがってのえいこひいきもあるでしょう。
いじめ加害者のこどもの親や親族が、地元の名士(めいし。有名人)や地元で要職に就いていて、気後れ(きおくれ)や遠慮・配慮があることもあるのでしょう。。
アイドルオタクの教師について書いてあります。
脳みその中は少年です。
見た目はおとなでも頭の中はこどものままです。
保護者には、教師からこどもを守るための選択肢の数は限られています。
異常な空間です。
42ページ付近の教師のファッション(服装)に関する批判の記述は、言い過ぎではなかろうかという感想をもちました。
著者は攻撃的です。『自分(たち)とあいつら』の世界です。
(つづく)
学校という狭い世界の奥深い話が続きます。
兵庫県で実際にあった小学校教師同士のいじめ事件のことが出ます。ボス的存在の女教師を含む4人の小学校教師が若手教師をいたぶっています。もしかしたら、一般企業や組織でもありそうなことです。だれかをいじめることで、ストレスを解消する。
職場に『村社会』があって、村長の立場のボスがいて、取り巻きの村民がいる。自分たちだけで通用するルールをつくって、掟(おきて。破ってはいけないこと)で被害者を縛る。(しばる)
昔だったら、いじめの被害者は、泣き寝入りで終わることが多かった。現代は、動画配信の時代です。加害者の動きも言葉も記録されて外に発信できます。
先生は、人間を評価する人たちです。
人間を評価することが仕事です。
評価をやめたらどうなるのだろう。
評価をやめてもいいのではないか。
社会に出て働いて食べていくうえで、学校の評価の影響や効果は小さそうです。
科目によって、できるできないは、個人それぞれの能力の違いではなかろうか。
わが子を自慢したい毒親がいます。
中学受験合格をまわりに自慢する親です。
そんな親の子どもは、ほんとうに幸せなのだろうか。
『友だち』というのは、微妙な関係です。
上下関係があったりします。
相手を見下しての友だち関係ということがあります。
たしか、恐ろしい作品がありました。乃南アサ作品でした。
読んだ時の読書メモが残っています。周囲が親友同士だと思っていたふたりが、殺人の加害者と被害者になるのです。
『殺意・鬼哭(きこく・亡霊が浮かばれないで泣く) 乃南アサ 双葉文庫』
2本の小説が1本の作品になっています。「殺意」は殺したほう、「鬼哭(きこく)」は殺されたほう、それぞれの当事者が語り続けます。珍しい形式です。
『殺意』恐ろしいお話です。世の中にこのような人間がいないと否定できません。真垣徹36才会社員は殺人刑で収監されて8年が経過しています。12年の刑ですがもうすぐ仮出所します。彼は、周囲の人間が彼の親友とみていた人物を刺殺しました。
『鬼哭(きこく・死者のすすり泣き)』真垣徹36才に刺殺された的場直弘40才のひとり語りが続きます。的場直弘が、真垣徹に刃物で刺されて意識を失うまでの3分間の思考が、178ページに渡って延々と表現されます。加害者の真垣は、被害者の的場を、自分を支配している者としてとらえていました。こちらは相手に好かれていると思っていても、相手はこちらを嫌っている。殺された的場は、殺した真垣からみて、殺される理由をもっていました。相手に忍耐をさせる関係を、親友とは呼ばないのです。
よかれと思ってやったことが、相手にとっては迷惑なことだったというのは、よくあることです。
ただ、そういうものだと思えばよいということはあります。悪意があるわけではないのですから。
1年目で実技経験のないまじめな女教師が担任になるのはハズレというような記述があります。
女教師を、一方的に教える側の人として考えるとそうなるのでしょうが、お互いとその周囲という固まりで、全体が育つように考えることが一般的です。
こどもに向かって「お前ら、バカか!」「死ねよ!」と教師が言うそうです。侮辱(ぶじょく)、脅迫、恐喝(きょうかつ)です。罰されます。ばかでもそこそこ生活していけます。だいじょうぶです。先生には、そこまで心配してもらわなくてもいいです。
64ページまで読んだところで、この本の構成を整理してみます。
まえがき
(以下「ざんねん」を頭につけて)
先生のタイプを分類してざんねんとする。
授業を科目別に分類してざんねんとする。
学校行事ごとに、その内容についてざんねんとする。
部活のクラブごとに分類してざんねんとする。
あとがき
参考文献一覧
先生の仕事は少なくとも民間企業のような『利益の追求』ではありません。
先生の仕事は、こどもの生命を守ることが最優先です。親としては、一番大事なことです。それ以上のことは望んでいません。無事に卒業証書を手にすることができればいい。
記述にありますが、教師も含めて、本を読む人は減りました。
国語はけっこうむずかしいです。
スポーツといっしょで、生まれつきの能力ということもあります。
文章を書くことはむずかしい。
Fランク大学とは何だろう?:偏差値40以下の学力底辺校とあります。初めて聞きました。Fランク大学卒の教師は、頭のいいこどもたちから、ばかにされるそうです。
『体育』は、遊びの延長、気休めの場なのか。
いろいろと指導の仕方の良しあしで、細かい分析が入ります。
読んでいて、そこまで先生にがんばってもらわなくてもいいですよと言いたくなります。
親としては、こどもにけがのないように対応していただければいいです。
勝ち負けは関係ありません。
ドッジボールの記事を読んでいたら、自分たちがこどものころはみんな貧乏で、ボールを買うお金がなくて、古新聞紙をまるめてのりで固めて、ドッジボールにしたり、野球遊びのボールにしたりして遊んでいたことを思い出しました。体に当たっても痛くないボールです。楽しかった。
ベクトル:向いている方向。
外国人英語教師はハイテンション、小学校の英語の授業はハイテンションだそうです。
ハイテンション:感情が高ぶる。
無意味にハイテンションという文脈です。
読んでいて『ひきこもり』について考えています。
ひきこもっているこどもと、通学しているこどもの学力差が、一日一日経過するごとに開いていきます。日数がたつほど、能力差は開きます。ひきこもっているこどもの脳内の世界は、いつまでたってもこどものままです。されど、本人がその気にならないとなんともいたしかたありません。
『いじめはいじめ』ではなく『いじめは犯罪』という理屈には賛成です。『犯罪は罰せられます』
いじめる人の性格は、生まれつきのもので変わらないと思ったことがあります。
いじめるほうを擁護(ようご。かばう。守る)する教職員関係者がいます。加害者を助けることで、なにか自分に利益があるのでしょう。
授業のやりかたのすべてがムダというような書き方は、授業をしている立場の人が読んだら救われない気持ちになるでしょう。
ムダだという『道徳』の授業が年間315時間あるそうです。うーむ。いろいろと考えさせられます。
運動会の練習で熱中症になるというニュース報道をよく聞きます。
無理をしないでほしい。
半世紀ぐらい前は、熱中症という症状は聞いたことがありませんでした。日射病はありました。不思議です。
ずいぶん前から、小中学校の運動会は、親抜きで開催されているような気がします。
この本では、親に見せるために運動会の練習をするという内容で書いてあることが、違和感があって、ちょっと現実味がありませんでした。
町内会の運動会なら親も子も参加しています。
運動会での組体操は、半世紀以上前の自分たちの時代は、なんの疑問も持たず、だれがやってもできることとしてやっていました。
山がくずれることがあってもけがをしたということは聞いたことがありませんでした。
時の流れで、いろいろなことが正反対に変化してきました。
体育というのは、練習をしたから1番になれるというものでもありません。
他の科目でも同じです。勉強時間が長かったから1番になれるわけではありません。
勉強ができたから仕事もできるわけでもありません。
1997年にポケモンの動画がまぶしくて、気分が悪くなるこどもがたくさん出た話が書いてあります。
そういうことがあったと思い出しました。
なにごともやりすぎてはいけないようです。
越えてはいけない一線は、越えてはいけないのです。
中国であった修学旅行生の鉄道死亡事故の記事も読んでいて思い出しました。
思えば、毎年、どこかで事故が発生して、命を落とす人がいます。
病気やけが、事件や事故、自然災害は、人生に付き物です。
どうやったら避けられるのか。まずは自分が危機管理の警戒心をもって用心する。
二分の一成人式というのは、自分に知識がありません。そういうものがあるのか。10歳でなにか儀式があるのか。何のためにするのか。わたしにはわかりません。
読んでいると、やらなくてもいいことをやっている。それが仕事とされている。
時間つぶしをすることが仕事。
『指導死』有形と無形あり。有形は、指導中の死。無形は、子の自殺。
直接は見ていませんが、中学の時、マラソンをしていて倒れて亡くなった同級生がいました。
もし、教師が強制してマラソンをさせたのなら有形なのでしょう。真相はわかりません。
高校の柔道で亡くなった先輩がいたと聞いたことがあります。これも有形なのか。指導した教師はその後も働いていました。
この本には、有形の指導死は隠蔽されやすい(いんぺい:組織を守るために真実をわざと隠す)と書いてあります。
無形というのは身の回りでは、聞いたことはありません。
無形について、本では、野球とかサッカーの部活について書いてあります。悩んでの自殺です。
指導者と合わなくて、どうにもこうにもやっていけないとなれば、部活における野球の選手もサッカーの選手も部をやめればいいのです。その代わり、高校の卒業証書は必ず手に入れたほうがいい。スポーツ推薦であったとしても授業料をちゃんと払えば退学処分にはならないと思います。人間関係において、合う合わないはあります。無理すると心が壊れます。
学校でなくても、人事権やお金の裁量権をもったリーダーが、パワハラやセクハラをやると、部下は最悪の思いをすることになります。(今のロシアの大統領に似ています)
お金のためなら何をやってもいい。お金を出しているから何でもやらせろです。めちゃくちゃです。
嫌いなリーダーに従わなければならない立場の者はつらい。
少し前に書いた『いじめは犯罪』という考え方にのっとって、パワハラ、セクハラは犯罪だから警察に通報する。権力の濫用(らんよう。基準や限度を超えて権力を行使する)をするリーダーは、たとえ外見的に合法的であったとしても、リーダーから引きずりおろして、組織から永久追放する。
マスコミに対する批判もあります。
『美談』を求めるような台本をつくって、映像と音楽で雰囲気を創作して、つくり話の情報を流して、人心を操作する。(これもまたロシアの報道スタイルに似ています)
全体を読み終えた感想です。
著者の一生懸命な気持ちはよく伝わってきました。
されど、現場が変化することは大変そうです。
学校は、一般的に、教師にとってもこどもにとっても、親にとっても、一時的な滞在地で『駅』のようなものです。
学校を経て、みんなそれぞれが、自分の生きたいところへ出発していくのです。
『これから出る本』の情報をチェックしていて目に留まったので読んでみることにしました。
『ざんねんな』は、ヒットした『ざんねんななんとか』シリーズにヒントがあるタイトル付けだろうと思いました。
タイトルだけみると、内部告発本のようにもみえます。
だいじょうぶだろうか。
親として教師や学校に望むことは、学校で事件や事故がないようにということです。
それだけです。生きてちゃんと卒業させてもらえればいい。
以前読んだ本でいい本がありました。
『友だち幻想 人と人の<つながり>を考える 菅野仁(かんの・ひとし) ちくまプリマ―新書』
著者は2016年(平成28年)56歳のときに癌で亡くなっています。亡くなった方が残したメッセージです。
著者は大学の先生で、娘さんが不登校になって悩まれたことがこの本を書くきっかけだったというような記憶です。そして、お父さんが亡くなった数か月あとに、娘さんも心臓の病気で亡くなっています。
その本を読んだときの読書メモの一部です。著者が望む教師像です。
生徒の記憶に残らない教師像でいい。ドラマや映画の教師像はドラマや映画のなかだけのものです。一般的に、現実には、過剰な精神的関与や信念の押しつけはしないとあります。教師に人格の高い高邁な資質を求めない。(こうまい:ぬきんでている能力をもつ)
(1回目の本読み)
ゆっくりすべてのページを最後までめくります。
『ざんねん』という単語がいっぱい出てきます。
へんてこりんな癖(くせ)をもつわたしは、何回『ざんねん』という言葉が出てくるか、カウントしてみることにしました。
本のカバーにふたつ、本の本体表紙にひとつ…… 目次にもいっぱい『ざんねん』があります。
本文は全体で、227ページあります。
以前別の本で同様に『ため息』という言葉をカウントしたことがあります。『みんなのためいき図鑑 村上しいこ・作 中田いくみ・絵 童心社』でした。『ためいき』という単語が218回出てきました。この本の『ざんねん』で新記録達成となるでしょうか。楽しみです。(64ページまで読んで気づいたのですが、奇数ページの左上に章とみだしの文章があり、延々と「ざんねん」が表示されています。その「ざんねん」もカウントに加えることにしました)
読み終えた結果です。「ざんねん」とか「残念」という単語が本のカバーと本文に132回ありました。また、奇数ページの左上の表示に109回ありました。合計で241回です。『ためいき』を抜きました。だからなんということもないのですが。「ざんねん」は目にすると気持ちが沈む単語ですから、ちょっと多すぎるかなと感じました。
「大告白」とあるから内情暴露です。
暴露して、対策を提示するのでしょう。
この本は何を目指しているのかを考えながら読みます。
「ざんねんじゃない状態」は、どんなものなのか。
現実には、100%改善・改革できることはなかなかありません。
世の中は、グレーゾーン(灰色)で調和をとっています。
モデルとなる教師像があるのだろうか。
だれなのかわかるとまずいんじゃないのか。
ページをめくりながらふと思う。
現実社会では、民間事業者や依頼する立場の人間を見下す学校の先生がいます。
先生は、いばっています。
民間事業者等より、教職のほうが、立場が上だといばっています。
民間事業者等は、頼むほうの立場なので、ぺこぺこするしかありません。
先生も変だけど、親も変らしい。
学校は人生においては、通過点でしかない。
早く通過したい。こどもの心身が病気にならないようにして、無事に卒業させてほしい。
こどもは、長時間イスに座って、じっとして、理解できない話を聞かされて、とても苦痛です。
昔からずーっとそうでした。
身体を拘束(こうそく)されての授業はとても苦痛です。
公務員を目指す動機が『安定しているから』だけの人は、公務員にならないでほしい。
そういう人は選考時に、はじいてほしい。
教職者は、大学を出て、会社勤めをしたことがないから、組織で働く人間の苦労を体験していない。社会人といえるようでそうでもない。
後半には、スポーツが強い学校のことが書いてあるようです。
強豪校は、学校をPRするために、スポーツ活動を推進します。
「あとがき」を読みました。
著者がメモ魔であることが書いてあります。(わたしも同様です)
饒舌です。(じょうぜつ:おしゃべり多い)
自慢もあるし、読んだ人が嫌悪感をもつかも。
まあ、読んでみます。
(2回目の本読み)
モンペ:モンスターペアレント(筋の通らない要求や苦情を繰り返すしつこい親)の略語。
学校でトラブルがあったとしても、卒業までの一時的な事柄なので、がまんして、時間が経過するのを待つということはあります。生徒も先生も一時的な出会いです。
それではいけないと著者は主張します。
自分は、学校は『人間』を学ぶ場所だと考えています。
先生も児童・生徒も人間的に100%いい人はいません。
『残業』のことが書いてあります。
不思議です。
一般サラリーマンは、早朝から満員電車に揺られて出勤して、夜遅くに帰宅して、また翌朝早く出勤して、土日の休みは死んだように眠っているということの繰り返しの毎日です。出世したかったら長時間労働は当たり前です。
教師には、業務としての金銭的な達成目標はありません。いわゆるノルマ(お金の獲得目標値)はありません。
自分で労働時間内の行動の割り振りを自由にできる裁量もありそうです。
自費で自分の時間で仕事の勉強をしている労働者はいくらでもいます。
『居残り給食』食べ残しを許さない。
自分は体験したことがあります。
ぬるぬるするワカメがにがてで、どうしてもみそ汁のなかのワカメがのどを通ってくれませんでした。
小学校低学年の時に、同じくワカメがにがてなクラスメートとふたりで、給食時間が終わったあとも、黒板の前に横に並んで正座させられて、飲めないワカメのみそ汁を飲もうとしていました。
結局、飲めませんでした。掃除の時間が始まって、まわりにいる児童たちは、ぞうきんがけなどの掃除をしていて、泣けて来たのを覚えています。
もう半世紀以上もたったのに、まだ覚えているということは、そのときのショックが脳みそのどこかに残っているのでしょう。
授業中にこどもにビンタをする先生は何人か見ました。
案外、女性の教師がそういうことをしていました。言うことをきかなければ、たたかれるのです。
生徒をげんこつでなぐる男性教師もいました。
感情的な暴力でした。
合法的な、児童、生徒に対する虐待です。
髪の長い女子中学生が、男性教師に長い髪をつかまれて、円盤投げのときのように、教師がコンパスの中心に位置して、女生徒がぐるぐる回されていたのを遠めに見たことがあります。
半世紀以上前は、親も文句を言わない時代でした。こどもは、家では親兄弟に叩かれて、学校では先生や先輩や級友に叩かれて、ときには、生意気な下級生にも叩かれて、それでもそれが普通の時代でした。人にもまれながら、強くたくましく、図太く(ずぶとく)生きることを学びました。
アナフィラキシー:アレルギー反応による症状。
社会では、頭が良くても、自分の思いどおりにならないと、机を叩いたり、イスを蹴ったりする人がいます。凶暴です。自分で自分の感情と言動をコントロールすることができないようです。
本に書いてある文章は饒舌です。(じょうぜつ。言葉数が多い)
文章量を減らしたほうが読みやすくわかりやすい。
ときに、感情的な勢いがあります。
「ざんねんな教師」に対する対応を求めておられます。
公務員である教職員は身分保障が手厚いので、なかなか解雇処分はできないでしょう。
反故(ほご):なかったことにする。
鉄棒で、さかあがりができてもできなくても、人間は生きていけるということはあります。
(つづく)
たまたま同時進行で読んでいる『こんな人いるよねぇ~ つぶやきシロー 自由国民社』つぶやきシローさんが出版社に与えられた本の読書感想メモを書いてある本なのですが、こちらの本と似たようなタイトルの本が紹介されています。『残念な教員 学校教育の失敗学 林純次 光文社』
ネットで、その本と今読んでいるこの本の感想を読みました。賛否両論あります。まあ、そうなるような内容です。関係者が読んだら、腹を立てる人もいるでしょう。予想どおりの感想でしょう。
本にいろいろ書いてありますが、教員とか教育関係の組織の人って、性的趣向がどうかと思うようなニュースをときおり目にします。
盗撮とか、SNS出会い系交際アプリサイトでこどもをだますとか、ストーカーになるとか、脳みその中はだいじょうぶだろうかと心配します。この本では、ロリコンのことが書いてあります。幼児趣味の性癖です。エロ教師では、学校にこどもを預ける親は心配になります。
信頼関係がないと、どこの世界でもうまくいきません。
性癖で変な人を教員に採用しないでほしいし、変なことをした人は二度と採用しないでほしい。いくら制裁を与えても直らない病気です。なのに、本では、再度採用されることが書いてあります。残念です。不満です。不信感が湧きます。
そもそも法令では、そんな変な人が教育職に就くということを想定していないのでしょう。抜け穴があります。
上司は何もしません。関わり合いになりたくないのです。
教職の人は二重人格の人が多いという文章を以前読んだことがあります。
いい人でいなければならないということはつらいでしょう。
教師でなくても、表向きは、差別はいけないといいながら、内部ではあからさまに差別する人がいます。同様に、いじめはいけないといいながら、裏では人をいじめている人もいます。自分が加害者だという意識はありません。人間とはそういうもの。それでいいと割り切っているようです。
頭がいい人たちのいじめは陰湿です。なかなか表に出ません。
こども相手の仕事は、弱い者いじめの面があります。
親の顔色をうかがってのえいこひいきもあるでしょう。
いじめ加害者のこどもの親や親族が、地元の名士(めいし。有名人)や地元で要職に就いていて、気後れ(きおくれ)や遠慮・配慮があることもあるのでしょう。。
アイドルオタクの教師について書いてあります。
脳みその中は少年です。
見た目はおとなでも頭の中はこどものままです。
保護者には、教師からこどもを守るための選択肢の数は限られています。
異常な空間です。
42ページ付近の教師のファッション(服装)に関する批判の記述は、言い過ぎではなかろうかという感想をもちました。
著者は攻撃的です。『自分(たち)とあいつら』の世界です。
(つづく)
学校という狭い世界の奥深い話が続きます。
兵庫県で実際にあった小学校教師同士のいじめ事件のことが出ます。ボス的存在の女教師を含む4人の小学校教師が若手教師をいたぶっています。もしかしたら、一般企業や組織でもありそうなことです。だれかをいじめることで、ストレスを解消する。
職場に『村社会』があって、村長の立場のボスがいて、取り巻きの村民がいる。自分たちだけで通用するルールをつくって、掟(おきて。破ってはいけないこと)で被害者を縛る。(しばる)
昔だったら、いじめの被害者は、泣き寝入りで終わることが多かった。現代は、動画配信の時代です。加害者の動きも言葉も記録されて外に発信できます。
先生は、人間を評価する人たちです。
人間を評価することが仕事です。
評価をやめたらどうなるのだろう。
評価をやめてもいいのではないか。
社会に出て働いて食べていくうえで、学校の評価の影響や効果は小さそうです。
科目によって、できるできないは、個人それぞれの能力の違いではなかろうか。
わが子を自慢したい毒親がいます。
中学受験合格をまわりに自慢する親です。
そんな親の子どもは、ほんとうに幸せなのだろうか。
『友だち』というのは、微妙な関係です。
上下関係があったりします。
相手を見下しての友だち関係ということがあります。
たしか、恐ろしい作品がありました。乃南アサ作品でした。
読んだ時の読書メモが残っています。周囲が親友同士だと思っていたふたりが、殺人の加害者と被害者になるのです。
『殺意・鬼哭(きこく・亡霊が浮かばれないで泣く) 乃南アサ 双葉文庫』
2本の小説が1本の作品になっています。「殺意」は殺したほう、「鬼哭(きこく)」は殺されたほう、それぞれの当事者が語り続けます。珍しい形式です。
『殺意』恐ろしいお話です。世の中にこのような人間がいないと否定できません。真垣徹36才会社員は殺人刑で収監されて8年が経過しています。12年の刑ですがもうすぐ仮出所します。彼は、周囲の人間が彼の親友とみていた人物を刺殺しました。
『鬼哭(きこく・死者のすすり泣き)』真垣徹36才に刺殺された的場直弘40才のひとり語りが続きます。的場直弘が、真垣徹に刃物で刺されて意識を失うまでの3分間の思考が、178ページに渡って延々と表現されます。加害者の真垣は、被害者の的場を、自分を支配している者としてとらえていました。こちらは相手に好かれていると思っていても、相手はこちらを嫌っている。殺された的場は、殺した真垣からみて、殺される理由をもっていました。相手に忍耐をさせる関係を、親友とは呼ばないのです。
よかれと思ってやったことが、相手にとっては迷惑なことだったというのは、よくあることです。
ただ、そういうものだと思えばよいということはあります。悪意があるわけではないのですから。
1年目で実技経験のないまじめな女教師が担任になるのはハズレというような記述があります。
女教師を、一方的に教える側の人として考えるとそうなるのでしょうが、お互いとその周囲という固まりで、全体が育つように考えることが一般的です。
こどもに向かって「お前ら、バカか!」「死ねよ!」と教師が言うそうです。侮辱(ぶじょく)、脅迫、恐喝(きょうかつ)です。罰されます。ばかでもそこそこ生活していけます。だいじょうぶです。先生には、そこまで心配してもらわなくてもいいです。
64ページまで読んだところで、この本の構成を整理してみます。
まえがき
(以下「ざんねん」を頭につけて)
先生のタイプを分類してざんねんとする。
授業を科目別に分類してざんねんとする。
学校行事ごとに、その内容についてざんねんとする。
部活のクラブごとに分類してざんねんとする。
あとがき
参考文献一覧
先生の仕事は少なくとも民間企業のような『利益の追求』ではありません。
先生の仕事は、こどもの生命を守ることが最優先です。親としては、一番大事なことです。それ以上のことは望んでいません。無事に卒業証書を手にすることができればいい。
記述にありますが、教師も含めて、本を読む人は減りました。
国語はけっこうむずかしいです。
スポーツといっしょで、生まれつきの能力ということもあります。
文章を書くことはむずかしい。
Fランク大学とは何だろう?:偏差値40以下の学力底辺校とあります。初めて聞きました。Fランク大学卒の教師は、頭のいいこどもたちから、ばかにされるそうです。
『体育』は、遊びの延長、気休めの場なのか。
いろいろと指導の仕方の良しあしで、細かい分析が入ります。
読んでいて、そこまで先生にがんばってもらわなくてもいいですよと言いたくなります。
親としては、こどもにけがのないように対応していただければいいです。
勝ち負けは関係ありません。
ドッジボールの記事を読んでいたら、自分たちがこどものころはみんな貧乏で、ボールを買うお金がなくて、古新聞紙をまるめてのりで固めて、ドッジボールにしたり、野球遊びのボールにしたりして遊んでいたことを思い出しました。体に当たっても痛くないボールです。楽しかった。
ベクトル:向いている方向。
外国人英語教師はハイテンション、小学校の英語の授業はハイテンションだそうです。
ハイテンション:感情が高ぶる。
無意味にハイテンションという文脈です。
読んでいて『ひきこもり』について考えています。
ひきこもっているこどもと、通学しているこどもの学力差が、一日一日経過するごとに開いていきます。日数がたつほど、能力差は開きます。ひきこもっているこどもの脳内の世界は、いつまでたってもこどものままです。されど、本人がその気にならないとなんともいたしかたありません。
『いじめはいじめ』ではなく『いじめは犯罪』という理屈には賛成です。『犯罪は罰せられます』
いじめる人の性格は、生まれつきのもので変わらないと思ったことがあります。
いじめるほうを擁護(ようご。かばう。守る)する教職員関係者がいます。加害者を助けることで、なにか自分に利益があるのでしょう。
授業のやりかたのすべてがムダというような書き方は、授業をしている立場の人が読んだら救われない気持ちになるでしょう。
ムダだという『道徳』の授業が年間315時間あるそうです。うーむ。いろいろと考えさせられます。
運動会の練習で熱中症になるというニュース報道をよく聞きます。
無理をしないでほしい。
半世紀ぐらい前は、熱中症という症状は聞いたことがありませんでした。日射病はありました。不思議です。
ずいぶん前から、小中学校の運動会は、親抜きで開催されているような気がします。
この本では、親に見せるために運動会の練習をするという内容で書いてあることが、違和感があって、ちょっと現実味がありませんでした。
町内会の運動会なら親も子も参加しています。
運動会での組体操は、半世紀以上前の自分たちの時代は、なんの疑問も持たず、だれがやってもできることとしてやっていました。
山がくずれることがあってもけがをしたということは聞いたことがありませんでした。
時の流れで、いろいろなことが正反対に変化してきました。
体育というのは、練習をしたから1番になれるというものでもありません。
他の科目でも同じです。勉強時間が長かったから1番になれるわけではありません。
勉強ができたから仕事もできるわけでもありません。
1997年にポケモンの動画がまぶしくて、気分が悪くなるこどもがたくさん出た話が書いてあります。
そういうことがあったと思い出しました。
なにごともやりすぎてはいけないようです。
越えてはいけない一線は、越えてはいけないのです。
中国であった修学旅行生の鉄道死亡事故の記事も読んでいて思い出しました。
思えば、毎年、どこかで事故が発生して、命を落とす人がいます。
病気やけが、事件や事故、自然災害は、人生に付き物です。
どうやったら避けられるのか。まずは自分が危機管理の警戒心をもって用心する。
二分の一成人式というのは、自分に知識がありません。そういうものがあるのか。10歳でなにか儀式があるのか。何のためにするのか。わたしにはわかりません。
読んでいると、やらなくてもいいことをやっている。それが仕事とされている。
時間つぶしをすることが仕事。
『指導死』有形と無形あり。有形は、指導中の死。無形は、子の自殺。
直接は見ていませんが、中学の時、マラソンをしていて倒れて亡くなった同級生がいました。
もし、教師が強制してマラソンをさせたのなら有形なのでしょう。真相はわかりません。
高校の柔道で亡くなった先輩がいたと聞いたことがあります。これも有形なのか。指導した教師はその後も働いていました。
この本には、有形の指導死は隠蔽されやすい(いんぺい:組織を守るために真実をわざと隠す)と書いてあります。
無形というのは身の回りでは、聞いたことはありません。
無形について、本では、野球とかサッカーの部活について書いてあります。悩んでの自殺です。
指導者と合わなくて、どうにもこうにもやっていけないとなれば、部活における野球の選手もサッカーの選手も部をやめればいいのです。その代わり、高校の卒業証書は必ず手に入れたほうがいい。スポーツ推薦であったとしても授業料をちゃんと払えば退学処分にはならないと思います。人間関係において、合う合わないはあります。無理すると心が壊れます。
学校でなくても、人事権やお金の裁量権をもったリーダーが、パワハラやセクハラをやると、部下は最悪の思いをすることになります。(今のロシアの大統領に似ています)
お金のためなら何をやってもいい。お金を出しているから何でもやらせろです。めちゃくちゃです。
嫌いなリーダーに従わなければならない立場の者はつらい。
少し前に書いた『いじめは犯罪』という考え方にのっとって、パワハラ、セクハラは犯罪だから警察に通報する。権力の濫用(らんよう。基準や限度を超えて権力を行使する)をするリーダーは、たとえ外見的に合法的であったとしても、リーダーから引きずりおろして、組織から永久追放する。
マスコミに対する批判もあります。
『美談』を求めるような台本をつくって、映像と音楽で雰囲気を創作して、つくり話の情報を流して、人心を操作する。(これもまたロシアの報道スタイルに似ています)
全体を読み終えた感想です。
著者の一生懸命な気持ちはよく伝わってきました。
されど、現場が変化することは大変そうです。
学校は、一般的に、教師にとってもこどもにとっても、親にとっても、一時的な滞在地で『駅』のようなものです。
学校を経て、みんなそれぞれが、自分の生きたいところへ出発していくのです。
2022年10月05日
黒牢城(こくろうじょう) 米沢穂信
黒牢城(こくろうじょう) 米澤穂信(よねざわ・ほのぶ) 角川書店
読み始める前に、先日読み終えた作品『塞王の楯(さいおうのたて)今村翔吾(いまむらしょうご) 集英社』の中でチラリと出ていた武将の名前が気になります。
『荒木村重(あらき・むらしげ):織田信長の部下。1578年に摂津有岡城(兵庫県伊丹市)にこもって、信長に反発した。』
たぶん、これから読むこの物語は、荒木村重に関するものなのでしょう。
荒木摂津守村重(あらきせっつのかみむらしげ):戦国武将。1535年-1586年。52歳没。この物語のスタートでは、40代なかば。有岡城主。体が大きい。顔は浅黒く、目はくぼんでいて眠たそう。生まれつき、頭の働きがにぶそう。ただし、戦場では別人に変わる。まるっきり別の闘志あふれる武将になる。
先日読んだ『塞王の楯』では、西暦1600年、関ケ原の合戦の直前に起きた琵琶湖のほとりにあった大津城での合戦がありました。
今回の『黒牢城』では、有岡城(兵庫県伊丹城。織田方の城。荒木村重が織田信長に謀反(むほん。さからう)を起こして落城した。1578年。籠城戦(ろうじょうせん))での合戦が描いてあるのだろうかという予想をもちながら読み始めてみます。
「序章」があって、第一章から第四章まであります。そして、最後が「終章」です。
「序章」を読み終えました。
NHK大河ドラマを観ているようです。
『麒麟がくる(きりんがくる)』とか『軍師官兵衛』を思い出します。
小説では『村上海賊の娘 上・下 和田竜 新潮社』での織田信長軍に攻められている石山本願寺を助けるための戦いを思い出します。すさまじい迫力がありました。
天正6年11月:1578年
一向一揆(いっこういっき):浄土真宗本願寺教団の信徒による権力者に対する抗議。とくに織田信長と対立した。
摂津(せっつ):大阪府北中部と兵庫県南東部。
大和田城:大阪市西淀川区にあった城
本朝(ほんちょう)において:わが国において。
一職(いっしき):土地に関する権利を支配する。
鈍根(どんこん):生まれつき頭の働きがにぶい。
播磨(はりま):兵庫県西南部
羽柴筑前(はしばちくぜん):豊臣秀吉
松壽丸(しょうじゅまる):黒田官兵衛のこども。のちの黒田長政。人質(ひとじち)だったこどものころ黒田官兵衛の仕事仲間だった竹中半兵衛に命を助けられた。
織田信長が松壽丸を殺害するよう竹中半兵衛に指示したが、竹中半兵衛は命令に従わなかった。竹中半兵衛死去後、黒田親子は再会した。その後、松壽丸は(福岡県)初代福岡藩主黒田長政になった。
疎略(そりゃく):乱暴な扱い。
小寺藤兵衛尉政職(こでらつべえじょうまさもと):黒田官兵衛の主君。
起請文(きしょうもん):約束を神仏に誓う文書。契約書。戦国時代は、信頼関係があるようなないようなの時代において交わされていた。(かわされていた)
因果が巡りましょうぞ:(いんががめぐりましょうぞ)秩序が壊れて、災いが広がることになるという警告。
下知は許さぬ(げちはゆるさぬ):オレに命令するな!
小寺官兵衛(こでら・かんべえ):元の名は、黒田官兵衛。物語のスタートでは、30歳を超えたところ。戦国時代から江戸時代にかけての軍師。武将。キリシタン大名。1546年-1604年。59歳没。豊臣秀吉の参謀。同僚として、竹中半兵衛がいた。
『この戦(いくさ)、勝てませぬぞ』黒田官兵衛からの荒木村重に対する言葉です。
厳しい。
毛利は信用できない。(そういえば、関ケ原の合戦のときも、毛利は大将なのに、関ケ原に来なかった)
松永弾正(まつながだんじょう。松永久秀):大河ドラマで観ました。吉田鋼太郎さんが熱演されていました。
序章が終わりました。
(つづく)
間者(かんじゃ):スパイ
帰参(きさん):帰ってくる。
瞋恚(しんい):怒る。憤る(いきどおる)
寄騎(よりき):下級武士。
呵々(かか)と笑う:大声をあげて笑う。
中川瀬兵衛(なかがわ・せべえ):中川清秀。戦国時代の武将。1542年-1583年。荒木村重→織田信長→豊臣秀吉に仕える。
荒木久左衛門(あらききゅうざえもん):本の中では30歳過ぎ。荒木村重側の武将。その後「池田知正(いけだともまさ)」となる。久左衛門の息子が、このあと殺害される人質の安部自念(あべじねん。11歳)と同じ名前の『自念(じねん)13歳』だそうです。
高山右近(たかやまうこん):1552年か1553年-1615年。キリシタン大名。中川清秀のいとこ。主君として前田利家。
中西新八郎:30歳前。剽悍(ひょうかん)な武将(すばやく猛々しい(たけだけしい))
野村丹後(のむら・たんご):40歳過ぎ。大柄な体格。荒木村重の妹の夫。
大和田城:大阪市西淀川区にあった城。城主安部兄弟(一向門徒)。安倍仁右衛門(あべにえもん)は織田軍につく、しかし彼の父と祖父は、荒木村重(禅宗徒。妻千代保(側室。20歳過ぎ。肌の色は白く、青みを帯びている)は一向門徒)につく。仁右衛門は、父と祖父を裏切って、ふたりを織田軍にさしだした。しかし、仁右衛門は荒木村重も裏切った。仁右衛門の息子「安部自念(あべじねん)」は、荒木村重邸で、人質としていた。荒木村重は自念の命を残そうとしたが、何者かが自念を殺害した。自念は病弱な11歳男児だった。
高槻城城主:高山右近。織田軍につく。
茨城城城主:中川瀬兵衛。織田軍につく。
鑓:やり
誼(よしみ):親しい関係、縁がある人。
人質がらみの命のやりとり話が続きます。
警察庁も検察庁も裁判所もない戦国時代のことです。
法令もありません。
警察官も検察官も弁護士もいません。
相互の信頼関係もあるようで見えません。
親子兄弟姉妹叔父叔母の関係で権力争いの対立があります。
『寝返り(裏切り)、謀略、戦、戦、また寝返り……』と文章は続きます。
詮方ない(せんかたない):どうしようもない。やりきれない。
寸鉄(すんてつ):小さい刃物
打擲(ちょうちゃく):なぐったり、たたいたりする。
縹色(はなだいろ):藍色。
生害(しょうがい):自殺。自害。
郡十衛門(こおりじゅうえもん):元は伊丹氏。猶子(ゆうし。養子ではないが、人の子を自分の子とした)として郡家に入る。30歳すぎ。とぼけた顔。
警固(けいご。要人を守る)の侍として:秋岡四郎介、伊丹一郎左衛門、乾助三郎、森可兵衛
大和田城主安部仁左衛門の息子安部自念が弓矢で殺害されましたが、凶器の矢が見つかりません。
烏滸の沙汰(おこのさた):ばかげていること、とても愚かな様子。
野村丹後(のむらたんご):荒木村重の義弟。荒木村重の妹の夫。
胡乱(うろん):確かでないこと。
(つづく)
推理小説の形態をもった戦国時代合戦小説となっている気配があります。
安部自念密室殺人事件の発生です。(あべじねん。11歳。荒木村重にとっての人質)
荒木村重は、家来に対して、安部自念の命を奪うなと命令したあとのことです。(それでは、安部自念の親族に裏切られたうらみを晴らせないという家臣がいます。家臣の荒木村重に対する反発心があります)
検断(けんだん):幕府訴訟制度のひとつ。刑事上の罪を検察する。取り調べて事実を明らかにする。
どこから矢を射たのか。(矢が見つかりません)
天井裏、床下、壁、廊下、どこも近づける場所ではありません。
御意(ぎょい):目上の人、高貴な人の考え。
件(くだん):前に述べたこと。
一間(いっけん):約1.8m
篝火(かがりび):鉄製の籠の中で薪を(まきを)たく。灯り(あかり)。照明。
灯籠(とうろう):照明。光源はろうそく、油。
古田左介(ふるた・さすけ):織田家家臣。
森可兵衛(もり・かへえ):荒木村重配下の武士。愚直者(ぐちょくもの。ばか正直)。警備担当。腕力が強い。軽輩(けいはい):地位は低い。
陣太鼓の叩き方には意味がある。敵勢近しの合図が陣太鼓でありました。
武藤宗右衛門舜秀(むとうそうえもんきよひで):織田家家臣。
打物戦(うちものいくさ):接近戦。刀剣、なぎなた。
(つづく)
タイトル『黒牢城(こくろうじょう)』というのは、地下牢に閉じ込められている黒田官兵衛が、城内で起きるミステリー的な事件を解決していくということだろうか。
黒田官兵衛が名探偵コナンのような立場に思える。第一章の終わり付近です。
中西新八郎(荒木村重家臣)VS武藤宗右衛門舜秀(むとうそうえもんきよひで:織田家家臣)
中西新八郎が武藤を取り逃がした。(意図的なものであったのかの調査)
首実検(くびじっけん):身元を大将が判定する。
本曲輪(ほんぐるわ):堀や土塁での城の囲い。本丸。
兜首(かぶとくび):かぶとをかぶった身分のある武将の首
上藤塚砦(じょうろうづかとりで)の足軽大将:足軽隊を率いる(ひきいる)武将。山脇、星野、隠岐(おき)、宮脇の四将。
寝返りがあれば、斬(き)らねばならぬ。(斬らねば、斬られる)
乾助三郎(いぬいすけさぶろう):大兵肥満(だいひょうひまん。体が大きく非常に太っている。すもうが強い。
郡十衛門(こおりじゅうえもん)が荒木村重のそばにいます。もっと腕の立つ者はいるけれど、行動の速さで荒木村重に信頼されています。
雪が降りました。
天祐(てんゆう):天の助け。
雑賀の者(さいかのもの。本書での異名(いみょう。あだな)としては「下針(さげはり。鉄砲で下げた針を撃てる)30歳ぐらい小男 目はよどんで生気なし」):紀伊の国で海賊。鉄砲の名手。弓矢は使わない。武士ではない。
安部自念を殺害した容疑者候補として、郡十右衛門、秋岡四郎介、伊丹一郎左、乾助三郎。さて、だれだろう。そのうちのだれでもないかもしれません。
詮議(せんぎ):評議して明らかにする。
煩瑣な話(はんさなはなし):こまごまとしてわずらわしい話。
手燭(てしょく):持ち運び用に柄を付けた燭台(しょくだい。ろうそくだい)
伊丹一郎左:正しくは一郎左衛門。24歳。やせている。鉄砲の名手。安部自念の死亡現場に来たときにはすでに、郡十右衛門(組頭。弓を持っていた)と秋岡四郎介がいた。
讒言(ざんげん):その人のことについて、目上の人に嘘の話や報告をすること。
峻別(しゅんべつ):厳しくはっきりと区別すること。
森可兵衛:30歳。大柄、豪傑、ひげ面(づら)。槍の使い手。人の上に立つ器(うつわ)ではない。
鈍根(どんこん):生まれつき頭の働きがにぶい。
秋岡四郎介:刀の名手。細身。
斃れる:たおれる
検めて:あらためて
乾助三郎:元は牢人(ろうにん。主家をもたない武士。主家だった斎藤家は織田家に滅ぼされた)
爾来:じらい。それからのち。
陣太鼓が、四将には聞こえなかった。
ほら貝は聞こえた。
人質の安部自念を殺さないと言っていたのに殺した(荒木村重が)
非情な大将という噂あり。
この時代に信頼関係を気づくことはたいへんです。
民草(たみくさ):人民
埒もない:らちもない。めちゃくちゃである。
曲事:きょくじ。くせごと。道理に合わないこと。不正な行為。
陪臣:またもの。ばいしん。家臣の家臣。家来の家来(けらい)。例として、宇喜田和泉守直家(うきたいずみのかみなおいえ)、荒木村重、黒田官兵衛。
むずかしい漢字がいっぱいです。がんばって、解読します。
襤褸(ぼろ):ぼろの衣類
知略(ちりゃく):計略を思うがままにあやつる。
哄笑(こうしょう):大声を出して笑う。
無聊(ぶりょう):退屈(たいくつ)
実相(じっそう):実際のありさま。
剣呑(けんのん):危険な感じがする。
摂州様(せっしゅうさま):荒木村重。摂津の国の別称。荒木村重の主君は、池田筑後守勝正(いけだちくごのかみかつまさ)
城目付:監察担当。
諧謔(かいぎゃく):しゃれや冗談。
清冽(せいれつ):清らかに澄んで冷たい。
調練(ちょうれん):訓練すること。
本歌取り(ほんかどり):有名な和歌の一部をとって、新たな和歌をよむこと。
嘲弄(ちょうろう):あざけり、からかう。
玩弄(がんろう):遊び道具としてもて遊ぶ。
刀の鯉口(こいぐち):刀のさやの口。
自若(じじゃく):パニックにならずに落ち着いている。
茵(しとね):敷物。
与する(くみする):味方する。
俚諺(りげん):ことわざ。
禦ぐ(ふせぐ):防ぐの意味。
誅す(ちゅうす):罪のある者や悪者を殺す。
烏滸なる沙汰(おこなるさた):ばかげていること、とてもおろかなようす。
上﨟塚砦:じょうろうづかとりで。
鵯塚砦:ひよどりづかとりで。
前右府殿:織田前右府信長。おださきのうふのぶなが。
荒木村重は、織田信長のように、人質を殺したくなかった。
織田信長のような人間にはなりたくなかった。
荒木村重のプライド(人としての誇り)が光ります。
織田信長の和歌を思い出しました。
『なかぬなら ころしてしまえ ホトトギス』
意味の深い和歌が紹介されます。
和歌の意味の解読はむずかしい。
家来の心理を推し量って(おしはかって)、強い軍団をつくる。
推理を超えて、人の上に立つ者の技量を問う作品です。
戦(いくさ)は、無情です。
(つづく)
むずかしい言葉や漢字が続きます。
だけど、学びがあります。
悠揚迫らぬ(ゆうようせまらぬ):さし迫った状況にあっても冷静沈着であるようす。
母衣武者(ほろむしゃ):鎧の(よろいの)背中に母衣(ほろ。弓矢の矢をよけるためのふくらんだ布でできたふうせんのようなもの)をつけた者。馬に乗っている。
衒い(てらい):自分の才能や知識を見せびらかす。自分に才能と知識があるようにふるまう。
胡乱(うろん):疑わしい。確かでない。
胴膨れの月(どうふくれのつき):中央部が丸くふくれている。円周が細く見える。
矢文(やぶみ):弓矢で矢を射て手紙を届ける。矢に手紙を結ぶ。
注進(ちゅうしん):目上の人に事件を急いで報告する。
生業(なりわい):生計のための職業。
驕慢(きょうまん):人を見下し勝手なさま。おごり高ぶっている。
一槍馳走(ひとやりちそう):ちょっとわかりません。相手を槍でいっきに、攻撃してやるというような意味にとりました。
滝川左近将監(たきがわさこんしょうげん):滝川一益(たきがわかずます。いちます)。武将。主君は織田信長。
佐治新介:滝川左近将監の家来
池田和泉(いけだいずみ):荒木村重側の武士。城内の武具、食料の手配担当。
尊崇(そんすう):尊敬。
異見(いけん):異なる意見。
戦の相手をしている織田方大将滝川一益から、びっくりするような手紙が荒木村重に届きます。
趣旨として、織田信長が鷹狩に行くから、そのお供(とも)をせよという指令です。
『(荒木村重を)なめとんのか!』という話です。
されど、荒木村重軍が、怒り狂って、有岡城の城門を開けて出ていくと、織田軍に攻め込まれて、荒木村重軍は敗戦するという策略含みの戦闘手段です。
味方だと思っている仲間になめられると、仲間に寝返り(ねがえり。裏切り)されるというような説明があります。
戦国時代における信頼関係づくりはむずかしい。
軍議が大事だそうです。
軍議は、作戦を練ることよりも、そこにいるメンバーが寝返りを(裏切り)をしないか、監視する場だそうです。主(あるじ)が家来を見張るだけでなく、出席している全員に疑心暗鬼(疑い合う)気持ちがあるそうです。
力が、世の中を支配しています。
籠城とは(ろうじょう):城を守りながら援軍を待ち相手をはさみうちにする戦法。
鈴木孫六:雑賀衆のリーダー。さいがしゅう:伊勢の海賊。鉄砲の名手グループ。無口な男。同じく孫一がいる。紀州が本拠。
高山飛騨守(たかやまひだのかみ):高山友照。キリシタン大名。高山大慮(たかやま・だりお)。洗礼名ダリオ。
粗忽(そこつ):かるはずみ。そそっかしい。
今まで、城の持ち主というのは、同じ系列の人で、代々継がれていくものだと思っていましたが、この本を読んで違うということがわかりました。
戦(いくさ)で勝利した相手方武将たちのグループのものになるのです。
乗っ取りのようなものです。
考えたら、あたりまえのことでした。
近習(きんじゅ):主君のそばに仕える人。先日、大河ドラマを観ていたら、セリフでこの言葉が出てきてなんとなくうれしい気持ちになりました。
伊丹一郎左:正しくは一郎左衛門。24歳。やせている。鉄砲の名手。安部自念の死亡現場に来たときにはすでに、郡十右衛門(組頭。弓を持っていた)と秋岡四郎介がいた。(今、第二章を読んでいるところですが、登場人物のことを思い出すための再掲記事です)
荒木久左衛門(あらききゅうざえもん):本の中では30歳過ぎ。荒木村重側の武将。
身命無曲(しんめいむきょく):命を失う(無曲は、おもしろくないこと。命を落とすことをおもしろくないこととした)。伊丹一郎左の荒木村重へのお願い。自分が死んだら、息子を引き立ててほしい。
秋岡四郎介:腰に刀を二本さしている。
乾助三郎(いぬいすけさぶろう):大兵肥満(だいひょうひまん。体が大きく非常に太っている。すもうが強い。大きな槍を肩にかついでいる。
譴責(けんせき):厳重注意
彌撤(ミサ):キリスト教のミサ。儀式。集会。
南蛮教(なんばんきょう):キリスト教。
伴天連(ばてれん):キリスト教の宣教師、神父
陋屋(ろうおく):狭くてむさくるしい家
被衣(かずき):女性が外出時に顔を隠すために頭からかぶる布。
罷り出でる(まかりいでる):参上する。
憚る(はばかる):遠慮する。差し控える。
『士気が涸れた(かれた)城は枯枝のごとく、わずかな火にも燃え上がる……』(この部分、いまのロシア軍のようです)
大津伝十郎長昌:織田信長の馬廻り(うままわり。騎馬の武士。大将の馬のそばにつく。
万見仙千代:前年に討ち死にした織田信長の側近。
鈴木孫六:雑賀衆のリーダー。さいがしゅう:伊勢の海賊。鉄砲の名手グループ。無口な男。同じく孫一がいる。紀州が本拠。
高山飛騨守(たかやまひだのかみ):高山友照。キリシタン大名。高山大慮(たかやま・だりお)。洗礼名ダリオ。還暦に近い年齢。60歳近く。
郡十衛門(こおりじゅうえもん):元は伊丹氏。猶子(ゆうし。養子ではないが、人の子を自分の子とした)として郡家に入る。30歳すぎ。とぼけた顔。
御前衆(ごぜんしゅう):戦国大名の職制(管理職ポスト)。主君のそばに就く(つく)家来(けらい)
気に入った文章として『月が中天にかかったら城を出る(中天:天のまんなか)』
かっこいい。
堀弥太郎:大津伝十郎長昌の家中(かちゅう。大津家の藩士)
伊丹一郎左:正しくは一郎左衛門。24歳。やせている。鉄砲の名手。
禦ぐ(ふせぐ):防ぐ(ふせぐ)
膂力(りょりょく):筋肉の力
生虜(せいりょ):生きた捕虜(ほりょ)。敵の武将の首実検に使う。人定(じんてい。だれの首か)確認する作業。
陣夫(じんぷ):農民の人夫(にんぷ)。運搬、工事作業要員。
手負帳(ておいちょう):戦傷者の状況を整理した記録。
祐筆(ゆうひつ):筆で文を書く。手負帳に記録する。
死兵(しへい):もう助からないから死を覚悟して、怨みの(うらみの)塊となって(かたまりとなって)相手に向かっていく。かなり強い。『無敵』という言葉を思い出しました。最近の日本の事件で、いきなり、無関係な大衆を襲う加害者たちのことです。
案外、今の日本というのは、局地的に戦(いくさ)が起きているのかもしれない。
千代保(ちよほ):荒木村重の妻。
半首(はつぶり):顔を守る武具。おでこから両ほほをおおう。鉄製の面。
皺首(しわくび):年配の武士の首。戦(いくさ)で首実検するために切り落とした。
宿老(しゅくろう。おとな):古参の家老で、重要な職に就いている。(ついている)
差配(さはい):指示。
冥罰(みょうばつ):神や仏からの天罰。
猪首(いくび):首が太くて短い。
寵臣(ちょうしん):国の重要人物と親密な関係にある人物。
目を瞠る(めをみはる):目を大きく開いて見つめる。
(つづく)
まだ先は長い。
ゴールは遠い。
将卒(しょうそつ):将校と兵卒(へいそつ:兵隊の兵員)
極月(ごくげつ):12月のこと。
無聊(ぶりょう):心が晴れない。
交名帳(きょうみょうちょう):人名を列記した文書。
矯めつ眇めつ(ためつすがめつ):いろいろな角度からよく見る。
陪臣(またもの。ばいしん):家臣の家臣。
疾ぐ(とぐ):すぐに。
埒もない(らちもない):順序だっていない。めちゃめちゃである。
戯言(たわごと):でたらめ。ばかばかしい。
曲事(くせごと):道理に合わない行為。不正行為。けしからんこと。
謀り(たばかり):思案。工夫。だます。
名代(みょうだい):代理。
惣構え(そうがまえ):城の囲まれた内部のこと。
紹鷗流(じょうおうりゅう):茶道の流派。茶人武野紹鴎。
千宗易(せんそうえき):千利休(せんのりきゅう)。茶人。
大身(たいしん):身分が高い。位が高い。(くらい)
自分にとってこの本は、言葉調べの本になっています。
万見仙千代重元(まんみせんちよしげもと):織田家家臣。
相手方武将の首をとったのがだれかということが推理になっています。今回は、黒田官兵衛はかかわりがありません。
中西新八郎:30歳前。剽悍(ひょうかん)な武将(すばやく猛々しい(たけだけしい))
兜(かぶと)の意味=仮面。人間の二面性を表しています。城主は城主としての兜(かぶと。仮面)をかぶって組織の運営をしているそうです。
高山右近(たかやまうこん):1552年か1553年-1615年。キリシタン大名。中川清秀のいとこ。主君として前田利家。
宗教の対立があります。仏教とキリスト教の対立です。
一向宗(いっこうしゅう)vs南蛮教(なんばんきょう)
目についた文章として『進めば極楽退かば地獄と尻を叩かれて戦をするのは……』まるで現在のロシア大統領のようです。
狂歌(きょうか。皮肉、風刺、こっけい。和歌形式)『我が仏 隣の宝 婿舅(むこしゅうと) 天下の軍(いくさ) 人の善悪』
堺の宗易(そうえき。千利休のこと)の弟子宗二の狂歌。茶の湯の儀式をしているときに狂歌のなかにあるようなことを話題にしてはいけない。
卑賎(ひせん):身分や地位が低い。いやしい。
不調法者(ふちょうほうもの):細かいことに気がつかず、配慮がゆきとどかない者。
鯨波(げいは):大きな波。戦場でおおぜいの人間が大きな歓声を上げる。
塩辛声(しおからごえ):かすれた声。しわがれた声。
恬淡(てんたん):欲がなく、物事に執着しない。
岡四郎太郎:雑賀衆(さいかしゅう)の鉄砲撃ち。
秋岡四郎介:刀の名手。細身。
乾助三郎(いぬいすけさぶろう):大兵肥満(だいひょうひまん。体が大きく非常に太っている。すもうが強い。
荒木久左衛門(あらききゅうざえもん):本の中では30歳過ぎ。荒木村重側の武将。
野村丹後(のむらたんご):荒木村重の義理の弟(妹の夫)
池田和泉(いけだいずみ):荒木村重側の武士。城内の武具、食料の手配担当。
事の真相がわからないときは、複数の結果を想定して、有利なほうの結果を事実として判定する手法が提示されます。(されど、そうはなりません。黒田官兵衛がからみます。なるほどと納得しました)
惟任日向(これとうひゅうが):明智光秀のこと。
蘭奢待(らんじゃたい):東大寺正倉院に保管されている香木(こうぼく)
宗教を扱った戦国時代小説の面があります。
不立文字(ふりゅうもんじ):禅宗の教義。文字や言葉以外に体験を伝える。
命冥加(いのちみょうが):神仏のおかげで、命拾いをすること。
重畳(ちょうじょう):幾重にも重なる。たいへん喜ばしい。
至極(しごく):このうえないこと。
贅言(ぜいげん):むだなことを言うこと。
なぶる:弱い立場の者をおもしろ半分に苦しめる。
鈍根(どんこん):頭の働きがにぶい。
庇われる:かばわれる。
いいなと思った文章が『(勝負で勝つには)弓と馬が武士の表道具ならば、裏の道具は勘と運であろう……』
第二章を読み終えました。
なるほど。解決策は、凡人が思いつくような策ではありませんでした。
(つづく)
第三章です。
いいなと思った文章です。
『夏は死の季節である。』
暑さで、城の中にいる人間が死んでいきます。
籠城(ろうじょう)のつらさがあります。
城内を『死の沈黙』がおおっているそうです。
遁走(とんそう):走って逃げること。
跋扈(ばっこ):やりたい放題する。
跳梁(ちょうりょう):のさばる。
眉目秀麗(びもくしゅうれい):容貌が優れて美しい。
北河原与作金勝(きたがわらよさくかねかつ):荒木村重の先妻の縁者。眉目秀麗な若武者。
荒木志摩守元清(あらきしまのかみもときよ):荒木村重の家臣。
瓦林能登入道(かわらばやしのとにゅうどう):荒木家で身分の高い瓦林越後入道(かわらばやしえちごにゅうどう)の親族。50歳ぐらい。僧の姿をしている。
中西新八郎:30歳前。剽悍(ひょうかん)な武将(すばやく猛々しい(たけだけしい))上臈塚砦(じょうろうづかとりで。兵庫県伊丹市内)を守っている。
宇喜田和泉守(うきたいずみのかみ):宇喜田直家。
比興の御仁(ひきょうのごじん):おもしろいお方(おかた)
無辺殿:50歳ぐらいの延国(かいこく。遠方の国)の僧侶。
錫杖(しゃくじょう):杖(つえ)、振ると鳴る。
番卒(ばんそつ):見張りの兵士。
驟雨(しゅうう):にわか雨
使僧(しそう):使いの僧
齋藤内蔵助利光(さいとうくらのすけとしみつ):明智光秀に仕える武士。
荒木新五郎村次(あらきしんごろうむらつぐ):荒木村重の息子。明智光秀の娘を娶った(めとった。妻とした)
万見重元(まんみしげもと):通称仙千代。織田家の家臣。
御諚(ごじょう):貴人や主君の命令。
俄か(にわか):突然には。
寅申(とらさる):茶壷。名器。ほかに、兵庫があるとのこと。
郡十衛門(こおりじゅうえもん):元は伊丹氏。猶子(ゆうし。養子ではないが、人の子を自分の子とした)として郡家に入る。30歳すぎ。とぼけた顔。
北河原与作金勝(きたがわらよさくかねかつ):荒木村重の先妻の縁者。眉目秀麗な若武者。
瓦林能登入道(かわらばやしのとにゅうどう):荒木家で身分の高い瓦林越後入道(かわらばやしえちごにゅうどう)の親族。50歳ぐらい。僧の姿をしている。
剣呑(けんのん):危険な感じがして、不安な感じがする。
『生き残るためには誰でも似たようなことをせねばならぬと思っている。(寝返る。主君を裏切って敵の味方になる)』
名にしおう:名高い、有名である。
兵庫:大茶壷。
小畠:釜
小豆鎖(あずきくさり)、定家の色紙(藤原定家の色紙)、牧谿の遠浦帰帆図(もっけいのえんぼきはんず)、吉野絵椀(よしのえわん)、姥口釜、備前焼の建水。以上荒木村重の宝物。
広量(こうりょう):心が広い。
穢土(えど):けがれに満ちた不浄な世界。
一切皆空(いっさいかいくう):あらゆることには実態がない。空(くう)である。
松永弾正久秀の茶釜『平蜘蛛(ひらぐも)』NHK大河ドラマ「麒麟が来る(きりんがくる)」で吉田鋼太郎さん演じる松永弾正久秀を見ました。松永弾正久秀は、織田信長に「平蜘蛛」を渡せば許してもらえたのに渡さず自害しました。
乾助三郎(いぬいすけさぶろう):大兵肥満(だいひょうひまん。体が大きく非常に太っている。すもうが強い。
下知(げち):上から下へ指図すること。
笑止(しょうし):ばかばかしい。おかしい。
匹夫の勇(ひっぷのゆう):血気にはやるだけの勇気。深い考えが足りない。
蛮勇(ばんゆう):物事をよく考えずに発揮する勇気。
莞爾(かんじ):にっこりと笑う。ほほ笑む。
虚仮(こけ):思慮が浅い。愚か(おろか)。
パードレ―:キリスト教の神父、司祭。
払暁(ふつぎょう):明け方。
生害(しょうがい):自殺。自害。
秋岡四郎介:腰に刀を二本さしている。
池田の弥介:荒木村重の仮名(けみょう。通称。俗称)
栗山善助:黒田官兵衛の家来(けらい)。30歳ぐらい。
北河原与作金勝(きたがわらよさくかねかつ):荒木村重の先妻の縁者。眉目秀麗な若武者。
殺人事件が発生しました。推理をして犯人をつきとめなければなりません。
ドラマ『相棒』のようです。
茶器の『寅申(とらさる)』が、殺人現場から消えました。見つけなければなりません。
自殺に見せかけた殺人事件が起きます。
懈怠(けだい、けたい、かいたい):やるべきことをやらない。
手練れ(てだれ):熟練、腕利き(うできき)
是非なきこと(ぜひなきこと):言うまでもない。当然のこと。
寺男:寺で雑役をするために雇われた男。
青物(あおもの):野菜、くだもの。ほかに、青魚。
購う(あがなう):買い求める。
畏まる(かしこまる):身分の上の人を前に、緊張してちじこまる。
陋屋(ろうおく):狭くてみすぼらしい家。
肥り肉(ふとりじし):肉付きがいい肥満体。
下郎(げろう):人に使われている身分の低い男。
家人(けにん):家族。家に仕えている人。
検める(あらためる):調べる。
加藤又左衛門(かとうまたざえもん):黒田官兵衛の新しい牢番(ろうばん)。
ご来駕(ごらいが):相手を敬って(うやまって)言う時の「来訪」
恃む(たのむ):頼む
放生の徳(ほうじょうのとく):捕らえた魚や鳥を(この小説の場合敵の人間)逃がしてやる。
累卵(るいらん):不安定で危険な状態。
弁えて(わきまえて):きちんと区別する。
平仄(ひょうそく)が合う:つじつまが合う。
豺狼(さいろう):山犬と狼。残酷で欲深い人。
鑓働き(やりはたらき):敵を討ち取る働き。槍以外の武器でもいう。
寄騎(よりき):有力武将に従う下級武士。
讒をなす(ざんをなす):他人を陥れて中傷する。ウソを告げ口する。
増上慢(ぞうじょうまん):自分を過信して思い上がる。
左道の至り(さとうのいたり):正しくない道を進んでたどりついた。
蓬髪(ほうはつ):ぼうぼうに伸びた髪。
廻国(かいこく):諸国を回って歩く(僧侶)
舎利礼文(しゃりらいもん):釈迦(しゃか)を慕ってそのお骨を礼拝するお経。
誦経(ずきょう):声を出してお経(きょう)をとなえる。
弑された(しいされた):目下の者が目上の者を殺した。
笑殺(しょうさつ):おおいに笑わせる。
軽輩(けいはい):身分の低い者。
反駁(はんばく):反論。
碌(ろく):満足に、十分に。
橋銭(はしせん):橋の通行料金。
関銭(せきせん):関所を通る通行税。
御前衆:組織の幹部。
憤懣(ふんまん):怒りを発散できずいらいらしている。
交名帳(きょうみょうちょう):人名や人数を書き上げた文書。
上意(じょうい):上層部の意見を下に伝えること。
疎略(そりゃく):ていねいではない扱い。
訝しい(いぶかしい):はっきりしない。あやしい。疑わしい。
持仏堂(じぶつどう):仏像や位牌(いはい)を安置するお堂。
胴間声(どうまごえ):調子はずれのにごった太い声。
搦める(からめる):関連させる。
瘧(おこり):発熱、悪寒(おかん)、震え。
黒田官兵衛と荒木村重のやりとりがあります。
戦況から、荒木村重は、追い詰められたロシア大統領のような立場です。
毛利軍は助けに来てくれません。
ふたり死んでいます。
死因の解明やいきさつについての推理がドラマ『相棒』のようです。優れています。(すぐれています)
戦国時代の出来事ゆえ、お互いの顔を知りません。名前は知っていても、相手の顔を知りません。誤解が生まれます。
いつの時代でも犯行者を特定するための『証拠』が必要です。証し(あかし)。
1578年7月から1579年10月までの荒木村重が織田信長に対して為した謀反(むほん。そむく)を起こした『有岡城の戦い(伊丹城の戦い)』を題材にした時代推理小説です。
(つづく)
第四章の始まりまできました。
ずいぶん長い読書になりました。
盂蘭盆会(うらぼんえ):お盆
施餓鬼会(せがきえ):仏教行事。餓鬼となった霊魂や無縁仏に施し(ほどこし)をする。
警蹕(けいひつ):殿様が前に進むときに、声をかけて、前にいる人間を払う。
解死人(げしにん):仇討(あだうち)防止策。やったほうが、身代わりの人間を被害者に出す。被害者は解死人を殺害してもいいし、解放してもいい。
野村丹後(いさかいのときの加害者)から池田和泉(いけだいずみ。被害者)へ解死人の提供があります。
米を配る担当(池田和泉の者)が、配給の米が少ないという理由で、野村丹後の足軽に生害(しょうがい)殺されました。(生害の意味は、自害だと思うのですが、ここでは殺人と読み取れます)
理非(りひ):道理にかなっているか、いないか。
気運(きうん):物事が進むときの傾向。
1か月半前の事件がぶりかえされます。
第三章の事件です。
人が死ぬ事件・事故がありました。(荒木村重が現場で鉄砲の弾を拾っていますが、今ごろになって、おかしいと言い出します)
現在は、1579年夏の終わりです。10月に籠城戦は終わります。
毛利は、荒木村重を助けに来ない。
毛利は、荒木村重を盾(たて)にしている。織田信長からも毛利を守るための盾にしている。
さらに、城内の家来たちが、荒木村重に不信感をもっている。
荒木村重は、自分が仕えていた主(あるじ)の地位をのっとった人間だから、この集団の生粋の血筋をもつトップではない。
上下の信頼関係が崩れたら組織は崩壊します。
荒木村重の孤独があります。孤独感は広がっていきます。
部下(家来)の支持を失ったリーダー像です。
荒木村重は常に自分を支えてくれるポストにある人間を疑うのです。
野村丹後(のむらたんご):荒木村重の義理の弟(妹の夫)
池田和泉(いけだいずみ):荒木村重側の武士。城内の武具、食料の手配担当。
荒木久左衛門(あらききゅうざえもん):本の中では30歳過ぎ。荒木村重側の武将。
郡十衛門(こおりじゅうえもん):元は伊丹氏。猶子(ゆうし。養子ではないが、人の子を自分の子とした)として郡家に入る。30歳すぎ。とぼけた顔。
猜疑(さいぎ):疑いをもつ。人の言うことを素直に受け取らない。
滅相(めっそう):とんでもない。あってはならない。
所以(ゆえん):理由。わけ。
スパイか。
良かった文章として『…… 信長とて人、寿命というものがある』
雲霞(うんか):おおぜいの人が群れとなって集まっている。
評定(ひょうてい):一定の基準に従って、価値、価格、等級などを決める。
荒木村重の奥さん『千代保』がからんでくるようです。
歴史をふりかえると、美女で、若く(二十代)、最終的には、処刑されています。
菩提(ぼだい):仏の悟りの境地。
効験(こうけん):効果、効き目
憚り(はばかり):さしつかえ。
廻向(えこう):死者の成仏を願って供養する。
存念(ぞんねん):絶えず心に思っている。
厄介(やっかい):わずらわしい。
武略(ぶちゃく):軍事上の駆け引き。
森羅万象(しんらばんしょう):ありとあらゆるもの。
賢しら(さかしら):利口(りこう)そうに振る舞う。
夫丸(ぶまる):人夫(にんぷ)、人足(にんそく)
言伝(ことづて):伝言。相手に伝えたいことを人に頼む。
懈怠(けたい):さぼり。
言い条(いいじょう):言い分
思料(しりょう):いろいろと思いを巡らし考えること。
風聞(ふうぶん):うわさ。
侃々諤々(かんかんがくがく):議論が盛んなようす。
異見(いけん):異議、異論。
玩味(がんみ):食物をよく噛んで味わう。
秋水(しゅうすい):秋の頃の澄み切った水。
瞋恚(しんい):怒る。憤る(いきどおる)。
中西新八郎:30歳前。剽悍(ひょうかん)な武将(すばやく猛々しい(たけだけしい))上臈塚砦(じょうろうづかとりで。兵庫県伊丹市内)を守っている。
譴責(けんせき):従業員に対する厳重注意処分。
一揖(いちゆう):軽くお辞儀をすること。
一罰百戒(いちばつひゃっかい):一人の罰で、百人にみせしめて、いましめとする。
翩翻(へんぽん):旗が風に揺れるようす。
掣肘(せいちゅう):そばから干渉して自由な行動をさまたげる。
斃れる:倒れる。
英邁(えいまい):才知が非常に優れていること。
将器(しょうき):将軍になるべき人物。
落魄(らくはく):落ちぶれること。
誅殺(ちゅうさつ):罪をとがめて殺すこと。
奇禍(きか):思いがけない突然の災難。
天眼通(てんげんつう):普通の人には見えないものが見える能力。洞察力がある。
地下の穴に閉じ込められている黒田官兵衛は、子守唄を歌っています。
手管(てくだ):人をだます手段。
埒を明ける(らちをあける):物事に決まりをつける。かたをつける。
しわぶきひとつ聞こえては来ない:せきひとつ聞こえない。静寂が広がっている。
塗炭の苦しみ(とたんのくるしみ):泥や火の中にいるようなはなはだしい苦しみ。
神仏の罰の(ばつの)対象者は、荒木村重ではなかろうかという文脈です。
次は、織田信長方になった荒木村重の元味方です。
大和田城の安部二右衛門
高槻城の高山右近
茨木城の中川瀬兵衛
穢土(えど):穢れに満ちた(けがれにみちた)不浄な世界(ふじょうなせかい)。
女房衆(にょうぼうしゅう):婦人たち。
かんばせ:顔つき。
ぱらいそ:楽園(スペイン語)
煽る(あおる):たきつける。ことを大きくする。
迂遠(うえん):まわりくどいさま。
大剛の武士(だいごうのぶし):極めて強い武士。
籠手の小札(こてのこざね):腕や手の甲を守る防具の鉄や革の小さな板。
洞察力の深い作品です。「物事の本質を見抜く力に満ちています」民(たみ)ありき、人ありきです。民の命は軽かった。
宗教がからみます。
人は信仰を維持するために命がけになることがあるのです。
皆殺し政策を実施する織田信長が異様です。
織田信長は、非凡な武将です。
死を受け入れる苦しみがあります。
ゆえに念仏を唱えるのです。
せめて、死んだら、極楽にゆきたい。
(青森県下北半島にある恐山(おそれざん。人は死んだらお山に行く)が思い浮かびました)
苦患(くげん):地獄に落ちて受ける苦しみ。
一蓮托生(いちれんたくしょう):物事の善悪や結果のよしあしにかかわらず、最後まで行動して運命を共にすること。
悪鬼羅刹(あっきらせつ):あらゆる恐ろしい魔物。
冥罰(みょうばつ):天罰
奇瑞(きずい):めでたいことの前兆として起こること。吉兆(きっちょう)。
天網恢恢疎にして漏らさず(てんもうかいかいそにしてもらさず):悪事を行えば最後にはつかまる。悪行には必ず天罰が下る。
真相が解明されました。
胸がすーっとする快感が全身に広がります。
たいしたものです。
優れた作品です。
緩怠(かんたい):いいかげんに考えて怠けること。
人心が大将から離れていく。
大将の条件が満たされない。
大将は勝ち続けなければ大将ではいられない。(なんだか、ロシアの大統領を思い浮かべてしまいます)
水火さえ厭わない(すいかさえいとわない):どんな困難な苦しみにも負けずにがんばる。
織田信長に、負けてはいない。だが、勝ってもいない。そして、勝つ見込みもない籠城戦です。
頼みの毛利軍は来ない。毛利軍のいいように扱われている荒木村重軍です。
紐帯(ちゅうたい):ひもとおび。結び付けるもの。血縁、地縁、利害関係など。
人の結びつきを『勝つこと』だけで結びつけることには限界がある。
人の心の動きをコントロールすることはむずかしい。
荒木村重がいて、黒田官兵衛がいて、そしてもうひとりがいる物語です。
干戈を交える(かんかをまじえる):交戦する。
黒田官兵衛の息子松濤丸(しょうとうまる。未来の(福岡県)福岡藩初代藩主黒田長政)に対する深い愛情を浮き彫りにする表現があります。
親子はかくありたい。(このようでありたい)
三寸不爛(さんずんふらん):弁舌が巧みなこと。
流言蜚語(りゅうげんひご):根拠がない無責任なうわさ。
画餅(がべい):絵にかいたもち。役に立たない。
阿房宮(あぼうきゅう):秦の始皇帝の宮殿。
織田信長や豊臣秀吉の反面教師(悪い面の見本)としての位置で、徳川家康の偉大さが浮かび上がってきます。
(つづく)
ようやく終章にたどり着きました。
毛利は動いてくれなかった。
従容(しょうよう):ゆったりと落ち着いたさま。
脇息(きょうそく):ひじかけ。
人の道を説く作品でした。
善因(ぜんいん):良いことをすれば、必ず良い結果がある。
憂き世(うきよ):つらい世の中。
なんだか政治家に読んでほしい一冊です。
『臣下百姓にうとまれては、必ず国家を失う故(ゆえ)…… 臣下万民の罰は尤も(もっとも)おそるべし。』
言葉調べで疲れた読書でした。
教科書ガイドのような内容になりました。
この作品を読んだ人は、読んですんなり理解したのだろうか。そうであれば、時代小説の通(つう。精通した人)です。
わたしは『塞王の楯(さいおうのたて。関ケ原の合戦直前の滋賀県大津城の攻防)』を読んでからこの『黒牢城(こくろうじょう。荒木村重の織田信長に対する反乱)』を読みました。
『塞王の楯(さいおうのたて)』は映画になるようなドラマチックなシーンがありました。
『黒牢城(こくろうじょう)』は、哲学書を読むようでした。
いずれも、今年読んで良かった一冊になりました。
読み始める前に、先日読み終えた作品『塞王の楯(さいおうのたて)今村翔吾(いまむらしょうご) 集英社』の中でチラリと出ていた武将の名前が気になります。
『荒木村重(あらき・むらしげ):織田信長の部下。1578年に摂津有岡城(兵庫県伊丹市)にこもって、信長に反発した。』
たぶん、これから読むこの物語は、荒木村重に関するものなのでしょう。
荒木摂津守村重(あらきせっつのかみむらしげ):戦国武将。1535年-1586年。52歳没。この物語のスタートでは、40代なかば。有岡城主。体が大きい。顔は浅黒く、目はくぼんでいて眠たそう。生まれつき、頭の働きがにぶそう。ただし、戦場では別人に変わる。まるっきり別の闘志あふれる武将になる。
先日読んだ『塞王の楯』では、西暦1600年、関ケ原の合戦の直前に起きた琵琶湖のほとりにあった大津城での合戦がありました。
今回の『黒牢城』では、有岡城(兵庫県伊丹城。織田方の城。荒木村重が織田信長に謀反(むほん。さからう)を起こして落城した。1578年。籠城戦(ろうじょうせん))での合戦が描いてあるのだろうかという予想をもちながら読み始めてみます。
「序章」があって、第一章から第四章まであります。そして、最後が「終章」です。
「序章」を読み終えました。
NHK大河ドラマを観ているようです。
『麒麟がくる(きりんがくる)』とか『軍師官兵衛』を思い出します。
小説では『村上海賊の娘 上・下 和田竜 新潮社』での織田信長軍に攻められている石山本願寺を助けるための戦いを思い出します。すさまじい迫力がありました。
天正6年11月:1578年
一向一揆(いっこういっき):浄土真宗本願寺教団の信徒による権力者に対する抗議。とくに織田信長と対立した。
摂津(せっつ):大阪府北中部と兵庫県南東部。
大和田城:大阪市西淀川区にあった城
本朝(ほんちょう)において:わが国において。
一職(いっしき):土地に関する権利を支配する。
鈍根(どんこん):生まれつき頭の働きがにぶい。
播磨(はりま):兵庫県西南部
羽柴筑前(はしばちくぜん):豊臣秀吉
松壽丸(しょうじゅまる):黒田官兵衛のこども。のちの黒田長政。人質(ひとじち)だったこどものころ黒田官兵衛の仕事仲間だった竹中半兵衛に命を助けられた。
織田信長が松壽丸を殺害するよう竹中半兵衛に指示したが、竹中半兵衛は命令に従わなかった。竹中半兵衛死去後、黒田親子は再会した。その後、松壽丸は(福岡県)初代福岡藩主黒田長政になった。
疎略(そりゃく):乱暴な扱い。
小寺藤兵衛尉政職(こでらつべえじょうまさもと):黒田官兵衛の主君。
起請文(きしょうもん):約束を神仏に誓う文書。契約書。戦国時代は、信頼関係があるようなないようなの時代において交わされていた。(かわされていた)
因果が巡りましょうぞ:(いんががめぐりましょうぞ)秩序が壊れて、災いが広がることになるという警告。
下知は許さぬ(げちはゆるさぬ):オレに命令するな!
小寺官兵衛(こでら・かんべえ):元の名は、黒田官兵衛。物語のスタートでは、30歳を超えたところ。戦国時代から江戸時代にかけての軍師。武将。キリシタン大名。1546年-1604年。59歳没。豊臣秀吉の参謀。同僚として、竹中半兵衛がいた。
『この戦(いくさ)、勝てませぬぞ』黒田官兵衛からの荒木村重に対する言葉です。
厳しい。
毛利は信用できない。(そういえば、関ケ原の合戦のときも、毛利は大将なのに、関ケ原に来なかった)
松永弾正(まつながだんじょう。松永久秀):大河ドラマで観ました。吉田鋼太郎さんが熱演されていました。
序章が終わりました。
(つづく)
間者(かんじゃ):スパイ
帰参(きさん):帰ってくる。
瞋恚(しんい):怒る。憤る(いきどおる)
寄騎(よりき):下級武士。
呵々(かか)と笑う:大声をあげて笑う。
中川瀬兵衛(なかがわ・せべえ):中川清秀。戦国時代の武将。1542年-1583年。荒木村重→織田信長→豊臣秀吉に仕える。
荒木久左衛門(あらききゅうざえもん):本の中では30歳過ぎ。荒木村重側の武将。その後「池田知正(いけだともまさ)」となる。久左衛門の息子が、このあと殺害される人質の安部自念(あべじねん。11歳)と同じ名前の『自念(じねん)13歳』だそうです。
高山右近(たかやまうこん):1552年か1553年-1615年。キリシタン大名。中川清秀のいとこ。主君として前田利家。
中西新八郎:30歳前。剽悍(ひょうかん)な武将(すばやく猛々しい(たけだけしい))
野村丹後(のむら・たんご):40歳過ぎ。大柄な体格。荒木村重の妹の夫。
大和田城:大阪市西淀川区にあった城。城主安部兄弟(一向門徒)。安倍仁右衛門(あべにえもん)は織田軍につく、しかし彼の父と祖父は、荒木村重(禅宗徒。妻千代保(側室。20歳過ぎ。肌の色は白く、青みを帯びている)は一向門徒)につく。仁右衛門は、父と祖父を裏切って、ふたりを織田軍にさしだした。しかし、仁右衛門は荒木村重も裏切った。仁右衛門の息子「安部自念(あべじねん)」は、荒木村重邸で、人質としていた。荒木村重は自念の命を残そうとしたが、何者かが自念を殺害した。自念は病弱な11歳男児だった。
高槻城城主:高山右近。織田軍につく。
茨城城城主:中川瀬兵衛。織田軍につく。
鑓:やり
誼(よしみ):親しい関係、縁がある人。
人質がらみの命のやりとり話が続きます。
警察庁も検察庁も裁判所もない戦国時代のことです。
法令もありません。
警察官も検察官も弁護士もいません。
相互の信頼関係もあるようで見えません。
親子兄弟姉妹叔父叔母の関係で権力争いの対立があります。
『寝返り(裏切り)、謀略、戦、戦、また寝返り……』と文章は続きます。
詮方ない(せんかたない):どうしようもない。やりきれない。
寸鉄(すんてつ):小さい刃物
打擲(ちょうちゃく):なぐったり、たたいたりする。
縹色(はなだいろ):藍色。
生害(しょうがい):自殺。自害。
郡十衛門(こおりじゅうえもん):元は伊丹氏。猶子(ゆうし。養子ではないが、人の子を自分の子とした)として郡家に入る。30歳すぎ。とぼけた顔。
警固(けいご。要人を守る)の侍として:秋岡四郎介、伊丹一郎左衛門、乾助三郎、森可兵衛
大和田城主安部仁左衛門の息子安部自念が弓矢で殺害されましたが、凶器の矢が見つかりません。
烏滸の沙汰(おこのさた):ばかげていること、とても愚かな様子。
野村丹後(のむらたんご):荒木村重の義弟。荒木村重の妹の夫。
胡乱(うろん):確かでないこと。
(つづく)
推理小説の形態をもった戦国時代合戦小説となっている気配があります。
安部自念密室殺人事件の発生です。(あべじねん。11歳。荒木村重にとっての人質)
荒木村重は、家来に対して、安部自念の命を奪うなと命令したあとのことです。(それでは、安部自念の親族に裏切られたうらみを晴らせないという家臣がいます。家臣の荒木村重に対する反発心があります)
検断(けんだん):幕府訴訟制度のひとつ。刑事上の罪を検察する。取り調べて事実を明らかにする。
どこから矢を射たのか。(矢が見つかりません)
天井裏、床下、壁、廊下、どこも近づける場所ではありません。
御意(ぎょい):目上の人、高貴な人の考え。
件(くだん):前に述べたこと。
一間(いっけん):約1.8m
篝火(かがりび):鉄製の籠の中で薪を(まきを)たく。灯り(あかり)。照明。
灯籠(とうろう):照明。光源はろうそく、油。
古田左介(ふるた・さすけ):織田家家臣。
森可兵衛(もり・かへえ):荒木村重配下の武士。愚直者(ぐちょくもの。ばか正直)。警備担当。腕力が強い。軽輩(けいはい):地位は低い。
陣太鼓の叩き方には意味がある。敵勢近しの合図が陣太鼓でありました。
武藤宗右衛門舜秀(むとうそうえもんきよひで):織田家家臣。
打物戦(うちものいくさ):接近戦。刀剣、なぎなた。
(つづく)
タイトル『黒牢城(こくろうじょう)』というのは、地下牢に閉じ込められている黒田官兵衛が、城内で起きるミステリー的な事件を解決していくということだろうか。
黒田官兵衛が名探偵コナンのような立場に思える。第一章の終わり付近です。
中西新八郎(荒木村重家臣)VS武藤宗右衛門舜秀(むとうそうえもんきよひで:織田家家臣)
中西新八郎が武藤を取り逃がした。(意図的なものであったのかの調査)
首実検(くびじっけん):身元を大将が判定する。
本曲輪(ほんぐるわ):堀や土塁での城の囲い。本丸。
兜首(かぶとくび):かぶとをかぶった身分のある武将の首
上藤塚砦(じょうろうづかとりで)の足軽大将:足軽隊を率いる(ひきいる)武将。山脇、星野、隠岐(おき)、宮脇の四将。
寝返りがあれば、斬(き)らねばならぬ。(斬らねば、斬られる)
乾助三郎(いぬいすけさぶろう):大兵肥満(だいひょうひまん。体が大きく非常に太っている。すもうが強い。
郡十衛門(こおりじゅうえもん)が荒木村重のそばにいます。もっと腕の立つ者はいるけれど、行動の速さで荒木村重に信頼されています。
雪が降りました。
天祐(てんゆう):天の助け。
雑賀の者(さいかのもの。本書での異名(いみょう。あだな)としては「下針(さげはり。鉄砲で下げた針を撃てる)30歳ぐらい小男 目はよどんで生気なし」):紀伊の国で海賊。鉄砲の名手。弓矢は使わない。武士ではない。
安部自念を殺害した容疑者候補として、郡十右衛門、秋岡四郎介、伊丹一郎左、乾助三郎。さて、だれだろう。そのうちのだれでもないかもしれません。
詮議(せんぎ):評議して明らかにする。
煩瑣な話(はんさなはなし):こまごまとしてわずらわしい話。
手燭(てしょく):持ち運び用に柄を付けた燭台(しょくだい。ろうそくだい)
伊丹一郎左:正しくは一郎左衛門。24歳。やせている。鉄砲の名手。安部自念の死亡現場に来たときにはすでに、郡十右衛門(組頭。弓を持っていた)と秋岡四郎介がいた。
讒言(ざんげん):その人のことについて、目上の人に嘘の話や報告をすること。
峻別(しゅんべつ):厳しくはっきりと区別すること。
森可兵衛:30歳。大柄、豪傑、ひげ面(づら)。槍の使い手。人の上に立つ器(うつわ)ではない。
鈍根(どんこん):生まれつき頭の働きがにぶい。
秋岡四郎介:刀の名手。細身。
斃れる:たおれる
検めて:あらためて
乾助三郎:元は牢人(ろうにん。主家をもたない武士。主家だった斎藤家は織田家に滅ぼされた)
爾来:じらい。それからのち。
陣太鼓が、四将には聞こえなかった。
ほら貝は聞こえた。
人質の安部自念を殺さないと言っていたのに殺した(荒木村重が)
非情な大将という噂あり。
この時代に信頼関係を気づくことはたいへんです。
民草(たみくさ):人民
埒もない:らちもない。めちゃくちゃである。
曲事:きょくじ。くせごと。道理に合わないこと。不正な行為。
陪臣:またもの。ばいしん。家臣の家臣。家来の家来(けらい)。例として、宇喜田和泉守直家(うきたいずみのかみなおいえ)、荒木村重、黒田官兵衛。
むずかしい漢字がいっぱいです。がんばって、解読します。
襤褸(ぼろ):ぼろの衣類
知略(ちりゃく):計略を思うがままにあやつる。
哄笑(こうしょう):大声を出して笑う。
無聊(ぶりょう):退屈(たいくつ)
実相(じっそう):実際のありさま。
剣呑(けんのん):危険な感じがする。
摂州様(せっしゅうさま):荒木村重。摂津の国の別称。荒木村重の主君は、池田筑後守勝正(いけだちくごのかみかつまさ)
城目付:監察担当。
諧謔(かいぎゃく):しゃれや冗談。
清冽(せいれつ):清らかに澄んで冷たい。
調練(ちょうれん):訓練すること。
本歌取り(ほんかどり):有名な和歌の一部をとって、新たな和歌をよむこと。
嘲弄(ちょうろう):あざけり、からかう。
玩弄(がんろう):遊び道具としてもて遊ぶ。
刀の鯉口(こいぐち):刀のさやの口。
自若(じじゃく):パニックにならずに落ち着いている。
茵(しとね):敷物。
与する(くみする):味方する。
俚諺(りげん):ことわざ。
禦ぐ(ふせぐ):防ぐの意味。
誅す(ちゅうす):罪のある者や悪者を殺す。
烏滸なる沙汰(おこなるさた):ばかげていること、とてもおろかなようす。
上﨟塚砦:じょうろうづかとりで。
鵯塚砦:ひよどりづかとりで。
前右府殿:織田前右府信長。おださきのうふのぶなが。
荒木村重は、織田信長のように、人質を殺したくなかった。
織田信長のような人間にはなりたくなかった。
荒木村重のプライド(人としての誇り)が光ります。
織田信長の和歌を思い出しました。
『なかぬなら ころしてしまえ ホトトギス』
意味の深い和歌が紹介されます。
和歌の意味の解読はむずかしい。
家来の心理を推し量って(おしはかって)、強い軍団をつくる。
推理を超えて、人の上に立つ者の技量を問う作品です。
戦(いくさ)は、無情です。
(つづく)
むずかしい言葉や漢字が続きます。
だけど、学びがあります。
悠揚迫らぬ(ゆうようせまらぬ):さし迫った状況にあっても冷静沈着であるようす。
母衣武者(ほろむしゃ):鎧の(よろいの)背中に母衣(ほろ。弓矢の矢をよけるためのふくらんだ布でできたふうせんのようなもの)をつけた者。馬に乗っている。
衒い(てらい):自分の才能や知識を見せびらかす。自分に才能と知識があるようにふるまう。
胡乱(うろん):疑わしい。確かでない。
胴膨れの月(どうふくれのつき):中央部が丸くふくれている。円周が細く見える。
矢文(やぶみ):弓矢で矢を射て手紙を届ける。矢に手紙を結ぶ。
注進(ちゅうしん):目上の人に事件を急いで報告する。
生業(なりわい):生計のための職業。
驕慢(きょうまん):人を見下し勝手なさま。おごり高ぶっている。
一槍馳走(ひとやりちそう):ちょっとわかりません。相手を槍でいっきに、攻撃してやるというような意味にとりました。
滝川左近将監(たきがわさこんしょうげん):滝川一益(たきがわかずます。いちます)。武将。主君は織田信長。
佐治新介:滝川左近将監の家来
池田和泉(いけだいずみ):荒木村重側の武士。城内の武具、食料の手配担当。
尊崇(そんすう):尊敬。
異見(いけん):異なる意見。
戦の相手をしている織田方大将滝川一益から、びっくりするような手紙が荒木村重に届きます。
趣旨として、織田信長が鷹狩に行くから、そのお供(とも)をせよという指令です。
『(荒木村重を)なめとんのか!』という話です。
されど、荒木村重軍が、怒り狂って、有岡城の城門を開けて出ていくと、織田軍に攻め込まれて、荒木村重軍は敗戦するという策略含みの戦闘手段です。
味方だと思っている仲間になめられると、仲間に寝返り(ねがえり。裏切り)されるというような説明があります。
戦国時代における信頼関係づくりはむずかしい。
軍議が大事だそうです。
軍議は、作戦を練ることよりも、そこにいるメンバーが寝返りを(裏切り)をしないか、監視する場だそうです。主(あるじ)が家来を見張るだけでなく、出席している全員に疑心暗鬼(疑い合う)気持ちがあるそうです。
力が、世の中を支配しています。
籠城とは(ろうじょう):城を守りながら援軍を待ち相手をはさみうちにする戦法。
鈴木孫六:雑賀衆のリーダー。さいがしゅう:伊勢の海賊。鉄砲の名手グループ。無口な男。同じく孫一がいる。紀州が本拠。
高山飛騨守(たかやまひだのかみ):高山友照。キリシタン大名。高山大慮(たかやま・だりお)。洗礼名ダリオ。
粗忽(そこつ):かるはずみ。そそっかしい。
今まで、城の持ち主というのは、同じ系列の人で、代々継がれていくものだと思っていましたが、この本を読んで違うということがわかりました。
戦(いくさ)で勝利した相手方武将たちのグループのものになるのです。
乗っ取りのようなものです。
考えたら、あたりまえのことでした。
近習(きんじゅ):主君のそばに仕える人。先日、大河ドラマを観ていたら、セリフでこの言葉が出てきてなんとなくうれしい気持ちになりました。
伊丹一郎左:正しくは一郎左衛門。24歳。やせている。鉄砲の名手。安部自念の死亡現場に来たときにはすでに、郡十右衛門(組頭。弓を持っていた)と秋岡四郎介がいた。(今、第二章を読んでいるところですが、登場人物のことを思い出すための再掲記事です)
荒木久左衛門(あらききゅうざえもん):本の中では30歳過ぎ。荒木村重側の武将。
身命無曲(しんめいむきょく):命を失う(無曲は、おもしろくないこと。命を落とすことをおもしろくないこととした)。伊丹一郎左の荒木村重へのお願い。自分が死んだら、息子を引き立ててほしい。
秋岡四郎介:腰に刀を二本さしている。
乾助三郎(いぬいすけさぶろう):大兵肥満(だいひょうひまん。体が大きく非常に太っている。すもうが強い。大きな槍を肩にかついでいる。
譴責(けんせき):厳重注意
彌撤(ミサ):キリスト教のミサ。儀式。集会。
南蛮教(なんばんきょう):キリスト教。
伴天連(ばてれん):キリスト教の宣教師、神父
陋屋(ろうおく):狭くてむさくるしい家
被衣(かずき):女性が外出時に顔を隠すために頭からかぶる布。
罷り出でる(まかりいでる):参上する。
憚る(はばかる):遠慮する。差し控える。
『士気が涸れた(かれた)城は枯枝のごとく、わずかな火にも燃え上がる……』(この部分、いまのロシア軍のようです)
大津伝十郎長昌:織田信長の馬廻り(うままわり。騎馬の武士。大将の馬のそばにつく。
万見仙千代:前年に討ち死にした織田信長の側近。
鈴木孫六:雑賀衆のリーダー。さいがしゅう:伊勢の海賊。鉄砲の名手グループ。無口な男。同じく孫一がいる。紀州が本拠。
高山飛騨守(たかやまひだのかみ):高山友照。キリシタン大名。高山大慮(たかやま・だりお)。洗礼名ダリオ。還暦に近い年齢。60歳近く。
郡十衛門(こおりじゅうえもん):元は伊丹氏。猶子(ゆうし。養子ではないが、人の子を自分の子とした)として郡家に入る。30歳すぎ。とぼけた顔。
御前衆(ごぜんしゅう):戦国大名の職制(管理職ポスト)。主君のそばに就く(つく)家来(けらい)
気に入った文章として『月が中天にかかったら城を出る(中天:天のまんなか)』
かっこいい。
堀弥太郎:大津伝十郎長昌の家中(かちゅう。大津家の藩士)
伊丹一郎左:正しくは一郎左衛門。24歳。やせている。鉄砲の名手。
禦ぐ(ふせぐ):防ぐ(ふせぐ)
膂力(りょりょく):筋肉の力
生虜(せいりょ):生きた捕虜(ほりょ)。敵の武将の首実検に使う。人定(じんてい。だれの首か)確認する作業。
陣夫(じんぷ):農民の人夫(にんぷ)。運搬、工事作業要員。
手負帳(ておいちょう):戦傷者の状況を整理した記録。
祐筆(ゆうひつ):筆で文を書く。手負帳に記録する。
死兵(しへい):もう助からないから死を覚悟して、怨みの(うらみの)塊となって(かたまりとなって)相手に向かっていく。かなり強い。『無敵』という言葉を思い出しました。最近の日本の事件で、いきなり、無関係な大衆を襲う加害者たちのことです。
案外、今の日本というのは、局地的に戦(いくさ)が起きているのかもしれない。
千代保(ちよほ):荒木村重の妻。
半首(はつぶり):顔を守る武具。おでこから両ほほをおおう。鉄製の面。
皺首(しわくび):年配の武士の首。戦(いくさ)で首実検するために切り落とした。
宿老(しゅくろう。おとな):古参の家老で、重要な職に就いている。(ついている)
差配(さはい):指示。
冥罰(みょうばつ):神や仏からの天罰。
猪首(いくび):首が太くて短い。
寵臣(ちょうしん):国の重要人物と親密な関係にある人物。
目を瞠る(めをみはる):目を大きく開いて見つめる。
(つづく)
まだ先は長い。
ゴールは遠い。
将卒(しょうそつ):将校と兵卒(へいそつ:兵隊の兵員)
極月(ごくげつ):12月のこと。
無聊(ぶりょう):心が晴れない。
交名帳(きょうみょうちょう):人名を列記した文書。
矯めつ眇めつ(ためつすがめつ):いろいろな角度からよく見る。
陪臣(またもの。ばいしん):家臣の家臣。
疾ぐ(とぐ):すぐに。
埒もない(らちもない):順序だっていない。めちゃめちゃである。
戯言(たわごと):でたらめ。ばかばかしい。
曲事(くせごと):道理に合わない行為。不正行為。けしからんこと。
謀り(たばかり):思案。工夫。だます。
名代(みょうだい):代理。
惣構え(そうがまえ):城の囲まれた内部のこと。
紹鷗流(じょうおうりゅう):茶道の流派。茶人武野紹鴎。
千宗易(せんそうえき):千利休(せんのりきゅう)。茶人。
大身(たいしん):身分が高い。位が高い。(くらい)
自分にとってこの本は、言葉調べの本になっています。
万見仙千代重元(まんみせんちよしげもと):織田家家臣。
相手方武将の首をとったのがだれかということが推理になっています。今回は、黒田官兵衛はかかわりがありません。
中西新八郎:30歳前。剽悍(ひょうかん)な武将(すばやく猛々しい(たけだけしい))
兜(かぶと)の意味=仮面。人間の二面性を表しています。城主は城主としての兜(かぶと。仮面)をかぶって組織の運営をしているそうです。
高山右近(たかやまうこん):1552年か1553年-1615年。キリシタン大名。中川清秀のいとこ。主君として前田利家。
宗教の対立があります。仏教とキリスト教の対立です。
一向宗(いっこうしゅう)vs南蛮教(なんばんきょう)
目についた文章として『進めば極楽退かば地獄と尻を叩かれて戦をするのは……』まるで現在のロシア大統領のようです。
狂歌(きょうか。皮肉、風刺、こっけい。和歌形式)『我が仏 隣の宝 婿舅(むこしゅうと) 天下の軍(いくさ) 人の善悪』
堺の宗易(そうえき。千利休のこと)の弟子宗二の狂歌。茶の湯の儀式をしているときに狂歌のなかにあるようなことを話題にしてはいけない。
卑賎(ひせん):身分や地位が低い。いやしい。
不調法者(ふちょうほうもの):細かいことに気がつかず、配慮がゆきとどかない者。
鯨波(げいは):大きな波。戦場でおおぜいの人間が大きな歓声を上げる。
塩辛声(しおからごえ):かすれた声。しわがれた声。
恬淡(てんたん):欲がなく、物事に執着しない。
岡四郎太郎:雑賀衆(さいかしゅう)の鉄砲撃ち。
秋岡四郎介:刀の名手。細身。
乾助三郎(いぬいすけさぶろう):大兵肥満(だいひょうひまん。体が大きく非常に太っている。すもうが強い。
荒木久左衛門(あらききゅうざえもん):本の中では30歳過ぎ。荒木村重側の武将。
野村丹後(のむらたんご):荒木村重の義理の弟(妹の夫)
池田和泉(いけだいずみ):荒木村重側の武士。城内の武具、食料の手配担当。
事の真相がわからないときは、複数の結果を想定して、有利なほうの結果を事実として判定する手法が提示されます。(されど、そうはなりません。黒田官兵衛がからみます。なるほどと納得しました)
惟任日向(これとうひゅうが):明智光秀のこと。
蘭奢待(らんじゃたい):東大寺正倉院に保管されている香木(こうぼく)
宗教を扱った戦国時代小説の面があります。
不立文字(ふりゅうもんじ):禅宗の教義。文字や言葉以外に体験を伝える。
命冥加(いのちみょうが):神仏のおかげで、命拾いをすること。
重畳(ちょうじょう):幾重にも重なる。たいへん喜ばしい。
至極(しごく):このうえないこと。
贅言(ぜいげん):むだなことを言うこと。
なぶる:弱い立場の者をおもしろ半分に苦しめる。
鈍根(どんこん):頭の働きがにぶい。
庇われる:かばわれる。
いいなと思った文章が『(勝負で勝つには)弓と馬が武士の表道具ならば、裏の道具は勘と運であろう……』
第二章を読み終えました。
なるほど。解決策は、凡人が思いつくような策ではありませんでした。
(つづく)
第三章です。
いいなと思った文章です。
『夏は死の季節である。』
暑さで、城の中にいる人間が死んでいきます。
籠城(ろうじょう)のつらさがあります。
城内を『死の沈黙』がおおっているそうです。
遁走(とんそう):走って逃げること。
跋扈(ばっこ):やりたい放題する。
跳梁(ちょうりょう):のさばる。
眉目秀麗(びもくしゅうれい):容貌が優れて美しい。
北河原与作金勝(きたがわらよさくかねかつ):荒木村重の先妻の縁者。眉目秀麗な若武者。
荒木志摩守元清(あらきしまのかみもときよ):荒木村重の家臣。
瓦林能登入道(かわらばやしのとにゅうどう):荒木家で身分の高い瓦林越後入道(かわらばやしえちごにゅうどう)の親族。50歳ぐらい。僧の姿をしている。
中西新八郎:30歳前。剽悍(ひょうかん)な武将(すばやく猛々しい(たけだけしい))上臈塚砦(じょうろうづかとりで。兵庫県伊丹市内)を守っている。
宇喜田和泉守(うきたいずみのかみ):宇喜田直家。
比興の御仁(ひきょうのごじん):おもしろいお方(おかた)
無辺殿:50歳ぐらいの延国(かいこく。遠方の国)の僧侶。
錫杖(しゃくじょう):杖(つえ)、振ると鳴る。
番卒(ばんそつ):見張りの兵士。
驟雨(しゅうう):にわか雨
使僧(しそう):使いの僧
齋藤内蔵助利光(さいとうくらのすけとしみつ):明智光秀に仕える武士。
荒木新五郎村次(あらきしんごろうむらつぐ):荒木村重の息子。明智光秀の娘を娶った(めとった。妻とした)
万見重元(まんみしげもと):通称仙千代。織田家の家臣。
御諚(ごじょう):貴人や主君の命令。
俄か(にわか):突然には。
寅申(とらさる):茶壷。名器。ほかに、兵庫があるとのこと。
郡十衛門(こおりじゅうえもん):元は伊丹氏。猶子(ゆうし。養子ではないが、人の子を自分の子とした)として郡家に入る。30歳すぎ。とぼけた顔。
北河原与作金勝(きたがわらよさくかねかつ):荒木村重の先妻の縁者。眉目秀麗な若武者。
瓦林能登入道(かわらばやしのとにゅうどう):荒木家で身分の高い瓦林越後入道(かわらばやしえちごにゅうどう)の親族。50歳ぐらい。僧の姿をしている。
剣呑(けんのん):危険な感じがして、不安な感じがする。
『生き残るためには誰でも似たようなことをせねばならぬと思っている。(寝返る。主君を裏切って敵の味方になる)』
名にしおう:名高い、有名である。
兵庫:大茶壷。
小畠:釜
小豆鎖(あずきくさり)、定家の色紙(藤原定家の色紙)、牧谿の遠浦帰帆図(もっけいのえんぼきはんず)、吉野絵椀(よしのえわん)、姥口釜、備前焼の建水。以上荒木村重の宝物。
広量(こうりょう):心が広い。
穢土(えど):けがれに満ちた不浄な世界。
一切皆空(いっさいかいくう):あらゆることには実態がない。空(くう)である。
松永弾正久秀の茶釜『平蜘蛛(ひらぐも)』NHK大河ドラマ「麒麟が来る(きりんがくる)」で吉田鋼太郎さん演じる松永弾正久秀を見ました。松永弾正久秀は、織田信長に「平蜘蛛」を渡せば許してもらえたのに渡さず自害しました。
乾助三郎(いぬいすけさぶろう):大兵肥満(だいひょうひまん。体が大きく非常に太っている。すもうが強い。
下知(げち):上から下へ指図すること。
笑止(しょうし):ばかばかしい。おかしい。
匹夫の勇(ひっぷのゆう):血気にはやるだけの勇気。深い考えが足りない。
蛮勇(ばんゆう):物事をよく考えずに発揮する勇気。
莞爾(かんじ):にっこりと笑う。ほほ笑む。
虚仮(こけ):思慮が浅い。愚か(おろか)。
パードレ―:キリスト教の神父、司祭。
払暁(ふつぎょう):明け方。
生害(しょうがい):自殺。自害。
秋岡四郎介:腰に刀を二本さしている。
池田の弥介:荒木村重の仮名(けみょう。通称。俗称)
栗山善助:黒田官兵衛の家来(けらい)。30歳ぐらい。
北河原与作金勝(きたがわらよさくかねかつ):荒木村重の先妻の縁者。眉目秀麗な若武者。
殺人事件が発生しました。推理をして犯人をつきとめなければなりません。
ドラマ『相棒』のようです。
茶器の『寅申(とらさる)』が、殺人現場から消えました。見つけなければなりません。
自殺に見せかけた殺人事件が起きます。
懈怠(けだい、けたい、かいたい):やるべきことをやらない。
手練れ(てだれ):熟練、腕利き(うできき)
是非なきこと(ぜひなきこと):言うまでもない。当然のこと。
寺男:寺で雑役をするために雇われた男。
青物(あおもの):野菜、くだもの。ほかに、青魚。
購う(あがなう):買い求める。
畏まる(かしこまる):身分の上の人を前に、緊張してちじこまる。
陋屋(ろうおく):狭くてみすぼらしい家。
肥り肉(ふとりじし):肉付きがいい肥満体。
下郎(げろう):人に使われている身分の低い男。
家人(けにん):家族。家に仕えている人。
検める(あらためる):調べる。
加藤又左衛門(かとうまたざえもん):黒田官兵衛の新しい牢番(ろうばん)。
ご来駕(ごらいが):相手を敬って(うやまって)言う時の「来訪」
恃む(たのむ):頼む
放生の徳(ほうじょうのとく):捕らえた魚や鳥を(この小説の場合敵の人間)逃がしてやる。
累卵(るいらん):不安定で危険な状態。
弁えて(わきまえて):きちんと区別する。
平仄(ひょうそく)が合う:つじつまが合う。
豺狼(さいろう):山犬と狼。残酷で欲深い人。
鑓働き(やりはたらき):敵を討ち取る働き。槍以外の武器でもいう。
寄騎(よりき):有力武将に従う下級武士。
讒をなす(ざんをなす):他人を陥れて中傷する。ウソを告げ口する。
増上慢(ぞうじょうまん):自分を過信して思い上がる。
左道の至り(さとうのいたり):正しくない道を進んでたどりついた。
蓬髪(ほうはつ):ぼうぼうに伸びた髪。
廻国(かいこく):諸国を回って歩く(僧侶)
舎利礼文(しゃりらいもん):釈迦(しゃか)を慕ってそのお骨を礼拝するお経。
誦経(ずきょう):声を出してお経(きょう)をとなえる。
弑された(しいされた):目下の者が目上の者を殺した。
笑殺(しょうさつ):おおいに笑わせる。
軽輩(けいはい):身分の低い者。
反駁(はんばく):反論。
碌(ろく):満足に、十分に。
橋銭(はしせん):橋の通行料金。
関銭(せきせん):関所を通る通行税。
御前衆:組織の幹部。
憤懣(ふんまん):怒りを発散できずいらいらしている。
交名帳(きょうみょうちょう):人名や人数を書き上げた文書。
上意(じょうい):上層部の意見を下に伝えること。
疎略(そりゃく):ていねいではない扱い。
訝しい(いぶかしい):はっきりしない。あやしい。疑わしい。
持仏堂(じぶつどう):仏像や位牌(いはい)を安置するお堂。
胴間声(どうまごえ):調子はずれのにごった太い声。
搦める(からめる):関連させる。
瘧(おこり):発熱、悪寒(おかん)、震え。
黒田官兵衛と荒木村重のやりとりがあります。
戦況から、荒木村重は、追い詰められたロシア大統領のような立場です。
毛利軍は助けに来てくれません。
ふたり死んでいます。
死因の解明やいきさつについての推理がドラマ『相棒』のようです。優れています。(すぐれています)
戦国時代の出来事ゆえ、お互いの顔を知りません。名前は知っていても、相手の顔を知りません。誤解が生まれます。
いつの時代でも犯行者を特定するための『証拠』が必要です。証し(あかし)。
1578年7月から1579年10月までの荒木村重が織田信長に対して為した謀反(むほん。そむく)を起こした『有岡城の戦い(伊丹城の戦い)』を題材にした時代推理小説です。
(つづく)
第四章の始まりまできました。
ずいぶん長い読書になりました。
盂蘭盆会(うらぼんえ):お盆
施餓鬼会(せがきえ):仏教行事。餓鬼となった霊魂や無縁仏に施し(ほどこし)をする。
警蹕(けいひつ):殿様が前に進むときに、声をかけて、前にいる人間を払う。
解死人(げしにん):仇討(あだうち)防止策。やったほうが、身代わりの人間を被害者に出す。被害者は解死人を殺害してもいいし、解放してもいい。
野村丹後(いさかいのときの加害者)から池田和泉(いけだいずみ。被害者)へ解死人の提供があります。
米を配る担当(池田和泉の者)が、配給の米が少ないという理由で、野村丹後の足軽に生害(しょうがい)殺されました。(生害の意味は、自害だと思うのですが、ここでは殺人と読み取れます)
理非(りひ):道理にかなっているか、いないか。
気運(きうん):物事が進むときの傾向。
1か月半前の事件がぶりかえされます。
第三章の事件です。
人が死ぬ事件・事故がありました。(荒木村重が現場で鉄砲の弾を拾っていますが、今ごろになって、おかしいと言い出します)
現在は、1579年夏の終わりです。10月に籠城戦は終わります。
毛利は、荒木村重を助けに来ない。
毛利は、荒木村重を盾(たて)にしている。織田信長からも毛利を守るための盾にしている。
さらに、城内の家来たちが、荒木村重に不信感をもっている。
荒木村重は、自分が仕えていた主(あるじ)の地位をのっとった人間だから、この集団の生粋の血筋をもつトップではない。
上下の信頼関係が崩れたら組織は崩壊します。
荒木村重の孤独があります。孤独感は広がっていきます。
部下(家来)の支持を失ったリーダー像です。
荒木村重は常に自分を支えてくれるポストにある人間を疑うのです。
野村丹後(のむらたんご):荒木村重の義理の弟(妹の夫)
池田和泉(いけだいずみ):荒木村重側の武士。城内の武具、食料の手配担当。
荒木久左衛門(あらききゅうざえもん):本の中では30歳過ぎ。荒木村重側の武将。
郡十衛門(こおりじゅうえもん):元は伊丹氏。猶子(ゆうし。養子ではないが、人の子を自分の子とした)として郡家に入る。30歳すぎ。とぼけた顔。
猜疑(さいぎ):疑いをもつ。人の言うことを素直に受け取らない。
滅相(めっそう):とんでもない。あってはならない。
所以(ゆえん):理由。わけ。
スパイか。
良かった文章として『…… 信長とて人、寿命というものがある』
雲霞(うんか):おおぜいの人が群れとなって集まっている。
評定(ひょうてい):一定の基準に従って、価値、価格、等級などを決める。
荒木村重の奥さん『千代保』がからんでくるようです。
歴史をふりかえると、美女で、若く(二十代)、最終的には、処刑されています。
菩提(ぼだい):仏の悟りの境地。
効験(こうけん):効果、効き目
憚り(はばかり):さしつかえ。
廻向(えこう):死者の成仏を願って供養する。
存念(ぞんねん):絶えず心に思っている。
厄介(やっかい):わずらわしい。
武略(ぶちゃく):軍事上の駆け引き。
森羅万象(しんらばんしょう):ありとあらゆるもの。
賢しら(さかしら):利口(りこう)そうに振る舞う。
夫丸(ぶまる):人夫(にんぷ)、人足(にんそく)
言伝(ことづて):伝言。相手に伝えたいことを人に頼む。
懈怠(けたい):さぼり。
言い条(いいじょう):言い分
思料(しりょう):いろいろと思いを巡らし考えること。
風聞(ふうぶん):うわさ。
侃々諤々(かんかんがくがく):議論が盛んなようす。
異見(いけん):異議、異論。
玩味(がんみ):食物をよく噛んで味わう。
秋水(しゅうすい):秋の頃の澄み切った水。
瞋恚(しんい):怒る。憤る(いきどおる)。
中西新八郎:30歳前。剽悍(ひょうかん)な武将(すばやく猛々しい(たけだけしい))上臈塚砦(じょうろうづかとりで。兵庫県伊丹市内)を守っている。
譴責(けんせき):従業員に対する厳重注意処分。
一揖(いちゆう):軽くお辞儀をすること。
一罰百戒(いちばつひゃっかい):一人の罰で、百人にみせしめて、いましめとする。
翩翻(へんぽん):旗が風に揺れるようす。
掣肘(せいちゅう):そばから干渉して自由な行動をさまたげる。
斃れる:倒れる。
英邁(えいまい):才知が非常に優れていること。
将器(しょうき):将軍になるべき人物。
落魄(らくはく):落ちぶれること。
誅殺(ちゅうさつ):罪をとがめて殺すこと。
奇禍(きか):思いがけない突然の災難。
天眼通(てんげんつう):普通の人には見えないものが見える能力。洞察力がある。
地下の穴に閉じ込められている黒田官兵衛は、子守唄を歌っています。
手管(てくだ):人をだます手段。
埒を明ける(らちをあける):物事に決まりをつける。かたをつける。
しわぶきひとつ聞こえては来ない:せきひとつ聞こえない。静寂が広がっている。
塗炭の苦しみ(とたんのくるしみ):泥や火の中にいるようなはなはだしい苦しみ。
神仏の罰の(ばつの)対象者は、荒木村重ではなかろうかという文脈です。
次は、織田信長方になった荒木村重の元味方です。
大和田城の安部二右衛門
高槻城の高山右近
茨木城の中川瀬兵衛
穢土(えど):穢れに満ちた(けがれにみちた)不浄な世界(ふじょうなせかい)。
女房衆(にょうぼうしゅう):婦人たち。
かんばせ:顔つき。
ぱらいそ:楽園(スペイン語)
煽る(あおる):たきつける。ことを大きくする。
迂遠(うえん):まわりくどいさま。
大剛の武士(だいごうのぶし):極めて強い武士。
籠手の小札(こてのこざね):腕や手の甲を守る防具の鉄や革の小さな板。
洞察力の深い作品です。「物事の本質を見抜く力に満ちています」民(たみ)ありき、人ありきです。民の命は軽かった。
宗教がからみます。
人は信仰を維持するために命がけになることがあるのです。
皆殺し政策を実施する織田信長が異様です。
織田信長は、非凡な武将です。
死を受け入れる苦しみがあります。
ゆえに念仏を唱えるのです。
せめて、死んだら、極楽にゆきたい。
(青森県下北半島にある恐山(おそれざん。人は死んだらお山に行く)が思い浮かびました)
苦患(くげん):地獄に落ちて受ける苦しみ。
一蓮托生(いちれんたくしょう):物事の善悪や結果のよしあしにかかわらず、最後まで行動して運命を共にすること。
悪鬼羅刹(あっきらせつ):あらゆる恐ろしい魔物。
冥罰(みょうばつ):天罰
奇瑞(きずい):めでたいことの前兆として起こること。吉兆(きっちょう)。
天網恢恢疎にして漏らさず(てんもうかいかいそにしてもらさず):悪事を行えば最後にはつかまる。悪行には必ず天罰が下る。
真相が解明されました。
胸がすーっとする快感が全身に広がります。
たいしたものです。
優れた作品です。
緩怠(かんたい):いいかげんに考えて怠けること。
人心が大将から離れていく。
大将の条件が満たされない。
大将は勝ち続けなければ大将ではいられない。(なんだか、ロシアの大統領を思い浮かべてしまいます)
水火さえ厭わない(すいかさえいとわない):どんな困難な苦しみにも負けずにがんばる。
織田信長に、負けてはいない。だが、勝ってもいない。そして、勝つ見込みもない籠城戦です。
頼みの毛利軍は来ない。毛利軍のいいように扱われている荒木村重軍です。
紐帯(ちゅうたい):ひもとおび。結び付けるもの。血縁、地縁、利害関係など。
人の結びつきを『勝つこと』だけで結びつけることには限界がある。
人の心の動きをコントロールすることはむずかしい。
荒木村重がいて、黒田官兵衛がいて、そしてもうひとりがいる物語です。
干戈を交える(かんかをまじえる):交戦する。
黒田官兵衛の息子松濤丸(しょうとうまる。未来の(福岡県)福岡藩初代藩主黒田長政)に対する深い愛情を浮き彫りにする表現があります。
親子はかくありたい。(このようでありたい)
三寸不爛(さんずんふらん):弁舌が巧みなこと。
流言蜚語(りゅうげんひご):根拠がない無責任なうわさ。
画餅(がべい):絵にかいたもち。役に立たない。
阿房宮(あぼうきゅう):秦の始皇帝の宮殿。
織田信長や豊臣秀吉の反面教師(悪い面の見本)としての位置で、徳川家康の偉大さが浮かび上がってきます。
(つづく)
ようやく終章にたどり着きました。
毛利は動いてくれなかった。
従容(しょうよう):ゆったりと落ち着いたさま。
脇息(きょうそく):ひじかけ。
人の道を説く作品でした。
善因(ぜんいん):良いことをすれば、必ず良い結果がある。
憂き世(うきよ):つらい世の中。
なんだか政治家に読んでほしい一冊です。
『臣下百姓にうとまれては、必ず国家を失う故(ゆえ)…… 臣下万民の罰は尤も(もっとも)おそるべし。』
言葉調べで疲れた読書でした。
教科書ガイドのような内容になりました。
この作品を読んだ人は、読んですんなり理解したのだろうか。そうであれば、時代小説の通(つう。精通した人)です。
わたしは『塞王の楯(さいおうのたて。関ケ原の合戦直前の滋賀県大津城の攻防)』を読んでからこの『黒牢城(こくろうじょう。荒木村重の織田信長に対する反乱)』を読みました。
『塞王の楯(さいおうのたて)』は映画になるようなドラマチックなシーンがありました。
『黒牢城(こくろうじょう)』は、哲学書を読むようでした。
いずれも、今年読んで良かった一冊になりました。
2022年10月04日
みみずのオッサン 長新太(ちょう・しんた)
みみずのオッサン 長新太(ちょう・しんた) 童心社
派手(はで)な色合いです。
赤、黄色、緑、ピンク
目がギンギンになりそうです。
まぶしくて、目を開けていられません。
むかし『あのねのね』というフォークソングを歌うコンビが『魚屋のおっさんがへをこいた』というギャグを飛ばしながら歌を歌っていました。
別の人の歌で(ミス花子 男性)『河内のオッサンの歌(かわちのおっさんのうた)』という歌もありました。
この『みみずのオッサン』のタイトル付け動機も、そのあたりからの発想かもしれません。
絵本は、2003年(平成15年)の作品です。
絵本の内容は奇想天外です。(凡人では、思いつかない。風変りで奇抜、奇妙)
ユーモアがあります。
絵本を見ていると、驚きと笑いが生まれます。
この絵本を読んでもらうこどもは、うれしいだろうなあ。
手書きの字に風情があります。(ふぜい。いい雰囲気。いい感じ)
まあ、めちゃくちゃではありますが。
雨の中のどろんこ遊びのようなものです。
精神状態がふつうじゃない人が描いたような絵です。
勢いがあります。
ありえません。(みみずが、絵の具やクレヨンをガブガブ食べています)
怪獣映画ですな。
どうなるんだろう。
ああ、たしか、みみずは、排泄物が土になると聞いたことがあります。
みみずは、自然界では大事な存在なのです。
あんなに、ぐちゃぐちゃだった絵が、最後のページに向かうにつれて、きれいです。
どこまでも、どこまでも、きれいです。
タイムトラベルがありました。
最終ページです。
意味はわかりませんが、味わいがあります。
ばかばかしさが気持ちいい。
爽快です。(そうかいです:すがすがしい。さわやか)
派手(はで)な色合いです。
赤、黄色、緑、ピンク
目がギンギンになりそうです。
まぶしくて、目を開けていられません。
むかし『あのねのね』というフォークソングを歌うコンビが『魚屋のおっさんがへをこいた』というギャグを飛ばしながら歌を歌っていました。
別の人の歌で(ミス花子 男性)『河内のオッサンの歌(かわちのおっさんのうた)』という歌もありました。
この『みみずのオッサン』のタイトル付け動機も、そのあたりからの発想かもしれません。
絵本は、2003年(平成15年)の作品です。
絵本の内容は奇想天外です。(凡人では、思いつかない。風変りで奇抜、奇妙)
ユーモアがあります。
絵本を見ていると、驚きと笑いが生まれます。
この絵本を読んでもらうこどもは、うれしいだろうなあ。
手書きの字に風情があります。(ふぜい。いい雰囲気。いい感じ)
まあ、めちゃくちゃではありますが。
雨の中のどろんこ遊びのようなものです。
精神状態がふつうじゃない人が描いたような絵です。
勢いがあります。
ありえません。(みみずが、絵の具やクレヨンをガブガブ食べています)
怪獣映画ですな。
どうなるんだろう。
ああ、たしか、みみずは、排泄物が土になると聞いたことがあります。
みみずは、自然界では大事な存在なのです。
あんなに、ぐちゃぐちゃだった絵が、最後のページに向かうにつれて、きれいです。
どこまでも、どこまでも、きれいです。
タイムトラベルがありました。
最終ページです。
意味はわかりませんが、味わいがあります。
ばかばかしさが気持ちいい。
爽快です。(そうかいです:すがすがしい。さわやか)
2022年09月30日
こんな人いるよねぇ~ 本を読んでつぶやいた つぶやきシロー
こんな人いるよねぇ~ 本を読んでつぶやいた つぶやきシロー・著 伊藤ハムスター・絵 自由国民社
またたび:本のカバーに「またたび1ダース1000円」とあります。わたしは、またたびなるものを見たことがありません。
ねこにまたたび:猫の大好物がまたたびだそうです。猫は、またたびを食べたり、匂いをかいだりして、お酒に酔ったようになるそうです。
またたびは樹木。売る時は、またたびの木が1ダースというセットのようです。12本。
つぶやきシローさんが、出版社から与えられた本を読んだ感想をつぶやく内容だそうです。
目次を見ると、わたしが読んだことがある本も何冊かあります。
益体(やくたい)もないと思う:このような漢字は初めて見ました。
読みは「やくたいもない」意味は、役に立たないことばかり。つまらない。くだらない。
和菓子の『最中(もなか)』を『さいちゅう』と呼んでしまう。(そういうことって、あります)
目次をながめています。
紹介されているうちの一冊で『友だち幻想 菅野仁 筑摩書房』は、読んだことあります。
14ページまで読みました。
内容は、話し言葉の記述であり、文章とは思えない表記方法です。
録音を文章に起こしてあるような語りです。
『つぶやきシロー』という個性だからなのでしょう。
つぶやいています。
慮る:おもんばかる。
ウソで固めた人間社会を風刺(ふうし)する作品です。(あざ笑う。遠回しに批判する)
出版社から与えられた本は、しっかり読みこんでおられるようです。
ハイウエスト:ウエストの位置が高い。
(つづく)
読んでも、あまり得るもの(えるもの)がなさそうな内容です。
(ハズレ作品をつかんでしまったのか)
記述してあることは、演芸をするためのネタ帳のようです。
『ざんねんな偉人伝』という本が出てきました。
今たまたま同時進行で読んでいる本が『ざんねんな先生 有馬心一朗(ありま・しんいちろう) 新評論』です。
穿いて:はいて。パンツをはいて。
スーパーのレジで小銭を支払うお話です。
世の中はもうキャッシュレス時代です。(やーむ。やはりこの本はハズレか)
ふと、現金の管理はたいへんなんだよなーと、働いていた時のことを思い出しました。
(速読に入りました)
不倫相手と結婚できても、うまくいくのは25%だそうです。75%は別れるそうです。
どうやって、統計をとったのかわかりませんが、さしあたって、自分には無関係な話です。
83ページで、さっき書いたようなタイトルの本が出てきました。
『残念な教員 学校教育の失敗学 林純次 光文社』
先生は本をあまり読まないらしい。
昔職場の若い女子が(大学の文学部出身)、新聞の読書欄を読んだことがないと言ったので、びっくりしたことがありました。大学の文学部に所属していても、そんなものなのか。
先生も生徒も、テストで点をとるための本しか読まない。
そういえば、むかし小説家が、最近の出版社の大卒社員は、過去の有名作家の作品を読んだことがない人間ばかりだと嘆いていた文章を読んだことがありました。
『他人を攻撃せずにはいられない人 片田珠美(かただ・たまみ) PHP研究所』は読んだことがあります。親族関係の中で対立があるというお話でした。会社でのことの記述は少なかった。対策として「あきらめる」「関係をもたないようにする」でした。
愛されたことがない、優しくされたことが無い人が、攻撃型人間になるというような分析内容でした。
つぶやきさんの感想を読みましたが、なにか、わたしとは視点が違いました。
『言ってはいけない 残酷すぎる真実 橘玲(たちばな・あきら 男性) 新潮社』
自分は、読んだことがあるというか、読んでいて途中で気分が悪くなって読むことをやめました。サイコパス(精神病質的反社会的人格)の記述内容だったという読書メモが残っています。
つぶやきさんは、読みやすかったという感想です。やはり、読書感想は、人それぞれです。
脳梁(のうりょう):右脳と左脳をつなぐ部分。
『ほしいものはなんですか 益田ミリ(ますだ・みり) ミシマ社』は読みました。
覇気(はき。元気。積極性。野望)のない内容だったという自分の読書メモが残っています。
つぶやきさんの感想は、評価があいまいに感じました。
『漫画 君たちはどう生きるのか 原作 吉野源三郎 漫画 羽賀翔一 マガジンハウス』
読みました。読後感が良かったという自分の読書メモが残っています。
つぶやきさんの感想も同じような内容です。
うーむ。
いちおう全部に目をとおしました。
読んでいて、楽しいという気分になれる本ではありませんでした。
(2回目の本読み)
速読だったので、もう一度最初に戻って、ポイントを押さえながら読み返してみることにしました。
なんというか、『すき間産業』です。
すき間をすき間のままにしておいてもいいのですが、すき間をなにかで埋めてもいいという立ち位置の本だという印象をもちました。
タイトルが『こんな人いるよねぇ~』ですが、タイトルと本の中身が一致していなかったような印象がありました。
この本の中身は、出版社から読むようにと与えられた本の読書感想メモです。
『こんな人』がどんな人だったのかを再確認するためにページをめくりなおします。
・都合のいい人(自分の都合のいい人? いまいちピンときません)
・グイグイ系の人
・断り上手な人は、できる人
・待ち合わせ時間に間に合わない人
・無駄な行為が多い人
・クレーム防止のために先手を打つ人
・いろいろな生態のおじさん
・ひとりごはんの人
・怒り続ける人
・不倫しやすい人、不倫されやすい人
・ホワイトボードにフリーハンドで円を描けない数学の先生
・言葉では謝っているけれど、じっさいは謝っていない人
・相手のことを思っていないのに「お前のためを思って……」と言う人(ウソを言う人)
・自分のプライベートを公開したがる人
・大型電気店に行くと商品のことで気持ちが盛り上がる人
・自分が「何歳に見える?」って聞いてくる人
・自分にとって都合のいい人を「友だち」と言う人
・節約(お金を徹底的に使わない)に全神経を集中する人
・まわりに人がいるのに個人情報をいきなり質問してくる人
・初対面で、自分の自慢話をする人
・電車で席を譲られてもかたくなに断る人
・ため息をついて相手を見る人
・せかしてくる人
・指示語ばかりの人「あれ、それ、これ、どれ?」
・あれもこれも忘れる人
・最後にいつも「しらんけど」って言う人
・ワンカップ大関の飲んだあとのカップを捨てられない人
・女性にもてない言動をする男性
なんというか、あれもだめ、これもだめとか、あれもこれもおかしいと否定すると、人間が存在する意味がなくなるような気持ちになりました。
強い印象が残った部分がありました。
109ページ『自分を暴露するのって、脳の快感なんだって』
あわせて、112ページ付近にある記述の趣旨として、自分のプライベートを発表するSNSが流行しているのは、発表する本人の気持ちがすっきりするという面があるからですというものがありました。
自分が思うに、人は、脳みその中にあるあれこれ雑多なことを他人に話すと気持ちが楽になれるということはあります。
またたび:本のカバーに「またたび1ダース1000円」とあります。わたしは、またたびなるものを見たことがありません。
ねこにまたたび:猫の大好物がまたたびだそうです。猫は、またたびを食べたり、匂いをかいだりして、お酒に酔ったようになるそうです。
またたびは樹木。売る時は、またたびの木が1ダースというセットのようです。12本。
つぶやきシローさんが、出版社から与えられた本を読んだ感想をつぶやく内容だそうです。
目次を見ると、わたしが読んだことがある本も何冊かあります。
益体(やくたい)もないと思う:このような漢字は初めて見ました。
読みは「やくたいもない」意味は、役に立たないことばかり。つまらない。くだらない。
和菓子の『最中(もなか)』を『さいちゅう』と呼んでしまう。(そういうことって、あります)
目次をながめています。
紹介されているうちの一冊で『友だち幻想 菅野仁 筑摩書房』は、読んだことあります。
14ページまで読みました。
内容は、話し言葉の記述であり、文章とは思えない表記方法です。
録音を文章に起こしてあるような語りです。
『つぶやきシロー』という個性だからなのでしょう。
つぶやいています。
慮る:おもんばかる。
ウソで固めた人間社会を風刺(ふうし)する作品です。(あざ笑う。遠回しに批判する)
出版社から与えられた本は、しっかり読みこんでおられるようです。
ハイウエスト:ウエストの位置が高い。
(つづく)
読んでも、あまり得るもの(えるもの)がなさそうな内容です。
(ハズレ作品をつかんでしまったのか)
記述してあることは、演芸をするためのネタ帳のようです。
『ざんねんな偉人伝』という本が出てきました。
今たまたま同時進行で読んでいる本が『ざんねんな先生 有馬心一朗(ありま・しんいちろう) 新評論』です。
穿いて:はいて。パンツをはいて。
スーパーのレジで小銭を支払うお話です。
世の中はもうキャッシュレス時代です。(やーむ。やはりこの本はハズレか)
ふと、現金の管理はたいへんなんだよなーと、働いていた時のことを思い出しました。
(速読に入りました)
不倫相手と結婚できても、うまくいくのは25%だそうです。75%は別れるそうです。
どうやって、統計をとったのかわかりませんが、さしあたって、自分には無関係な話です。
83ページで、さっき書いたようなタイトルの本が出てきました。
『残念な教員 学校教育の失敗学 林純次 光文社』
先生は本をあまり読まないらしい。
昔職場の若い女子が(大学の文学部出身)、新聞の読書欄を読んだことがないと言ったので、びっくりしたことがありました。大学の文学部に所属していても、そんなものなのか。
先生も生徒も、テストで点をとるための本しか読まない。
そういえば、むかし小説家が、最近の出版社の大卒社員は、過去の有名作家の作品を読んだことがない人間ばかりだと嘆いていた文章を読んだことがありました。
『他人を攻撃せずにはいられない人 片田珠美(かただ・たまみ) PHP研究所』は読んだことがあります。親族関係の中で対立があるというお話でした。会社でのことの記述は少なかった。対策として「あきらめる」「関係をもたないようにする」でした。
愛されたことがない、優しくされたことが無い人が、攻撃型人間になるというような分析内容でした。
つぶやきさんの感想を読みましたが、なにか、わたしとは視点が違いました。
『言ってはいけない 残酷すぎる真実 橘玲(たちばな・あきら 男性) 新潮社』
自分は、読んだことがあるというか、読んでいて途中で気分が悪くなって読むことをやめました。サイコパス(精神病質的反社会的人格)の記述内容だったという読書メモが残っています。
つぶやきさんは、読みやすかったという感想です。やはり、読書感想は、人それぞれです。
脳梁(のうりょう):右脳と左脳をつなぐ部分。
『ほしいものはなんですか 益田ミリ(ますだ・みり) ミシマ社』は読みました。
覇気(はき。元気。積極性。野望)のない内容だったという自分の読書メモが残っています。
つぶやきさんの感想は、評価があいまいに感じました。
『漫画 君たちはどう生きるのか 原作 吉野源三郎 漫画 羽賀翔一 マガジンハウス』
読みました。読後感が良かったという自分の読書メモが残っています。
つぶやきさんの感想も同じような内容です。
うーむ。
いちおう全部に目をとおしました。
読んでいて、楽しいという気分になれる本ではありませんでした。
(2回目の本読み)
速読だったので、もう一度最初に戻って、ポイントを押さえながら読み返してみることにしました。
なんというか、『すき間産業』です。
すき間をすき間のままにしておいてもいいのですが、すき間をなにかで埋めてもいいという立ち位置の本だという印象をもちました。
タイトルが『こんな人いるよねぇ~』ですが、タイトルと本の中身が一致していなかったような印象がありました。
この本の中身は、出版社から読むようにと与えられた本の読書感想メモです。
『こんな人』がどんな人だったのかを再確認するためにページをめくりなおします。
・都合のいい人(自分の都合のいい人? いまいちピンときません)
・グイグイ系の人
・断り上手な人は、できる人
・待ち合わせ時間に間に合わない人
・無駄な行為が多い人
・クレーム防止のために先手を打つ人
・いろいろな生態のおじさん
・ひとりごはんの人
・怒り続ける人
・不倫しやすい人、不倫されやすい人
・ホワイトボードにフリーハンドで円を描けない数学の先生
・言葉では謝っているけれど、じっさいは謝っていない人
・相手のことを思っていないのに「お前のためを思って……」と言う人(ウソを言う人)
・自分のプライベートを公開したがる人
・大型電気店に行くと商品のことで気持ちが盛り上がる人
・自分が「何歳に見える?」って聞いてくる人
・自分にとって都合のいい人を「友だち」と言う人
・節約(お金を徹底的に使わない)に全神経を集中する人
・まわりに人がいるのに個人情報をいきなり質問してくる人
・初対面で、自分の自慢話をする人
・電車で席を譲られてもかたくなに断る人
・ため息をついて相手を見る人
・せかしてくる人
・指示語ばかりの人「あれ、それ、これ、どれ?」
・あれもこれも忘れる人
・最後にいつも「しらんけど」って言う人
・ワンカップ大関の飲んだあとのカップを捨てられない人
・女性にもてない言動をする男性
なんというか、あれもだめ、これもだめとか、あれもこれもおかしいと否定すると、人間が存在する意味がなくなるような気持ちになりました。
強い印象が残った部分がありました。
109ページ『自分を暴露するのって、脳の快感なんだって』
あわせて、112ページ付近にある記述の趣旨として、自分のプライベートを発表するSNSが流行しているのは、発表する本人の気持ちがすっきりするという面があるからですというものがありました。
自分が思うに、人は、脳みその中にあるあれこれ雑多なことを他人に話すと気持ちが楽になれるということはあります。