2009年07月05日

最高の人生の見つけ方

最高の人生の見つけ方(THE BUCKET LIST 棺おけリスト) ワーナー・ホーム・ビデオ

 この映画はふたつの面をもっています。ひとつは、共通点です。登場人物であるふたりのおじいさんは、癌になって最後に、ふたりとも亡くなります。もうひとつは、対照的です。ふたりのおじいさんの性格と行動は正反対です。神を信じるか信じないかに始まって、浮気はOK,いやいや妻が最愛の女性など、ユーモアや理屈っぽい性格が対照的です。
 わたしの身近でも癌で亡くなった人たちがいます。20代の頃、職場の慰安旅行の同じ部屋で、夜中に胃が痛むと言っていた28歳の同僚は、手術を繰り返したあと5か月後に亡くなりました。50代の上司は、やはり癌が発見されて懸命な治療も効果なく亡くなりました。親が癌で亡くなったからと健康管理に気をつけていた職場の人もやはり癌になって50代で亡くなりました。健康診断ですい臓癌が見つかった同僚は、すでに手遅れで、手術することすら無意味で、3か月後に亡くなりました。明日は我が身と思うこともあります。癌の告知を受けたときどうしたらいいのかわたしにはわかりません。だから告知はしないでほしい。きっと自分で、たぶんそうだろうと信じたくないけれど気づける気がします。
 エドワードは、金持ち実業家です。対するカーターは、自動車修理工です。ふたりとも癌の告知を受け余命は半年です。病院で相部屋になったふたりは、死んでしまうまでにやりたいことを1枚の紙にメモして、体が動くうちにとさっそく実行にとりかかります。
 余命の告知を受けたときに人間はどうするのか。治療に専念しながら最期を迎える人と、やり残したことを実行する人とふた手に別れるのでしょう。1枚のメモ紙である「棺おけリスト」は、映画のデス・ノートのようでもあり、小説のクローズド・ノートのようでもあります。自動車工のカーターの言葉と行動には、説得力があります。映画というよりもドキュメンタリーを見ている、あるいは、小説を読んでいるようです。カーター夫婦のやりとりには涙がにじみます。
 このDVDを見る少し前に角田光代著「空中庭園」を読み終えて、暗い気持ちになっていたのですが、同作品の京橋一家も最後は、この映画のラストシーンに達してほしい。


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