2023年01月26日

せかいいちのねこ ヒグチユウコ

せかいいちのねこ ヒグチユウコ・絵と文 白泉社

 こどもさん向けの本です。100ページぐらいあります。

(1回目の本読み)
 文章は読まずに、絵だけを見ながら、全部のページをゆっくりめくります。
 わたし独自の独特な読み方です。

 裏表紙の絵がかっこいい。
 ねこが、カメのようなものにのって空を飛んでいます。
 カメのようでカメでなさそう。イカとか、カブトガニにも見えないことはありません。

 さて、最初のページに戻ります。

 1から12までの短いお話のかたまりです。
 ねこの名前として:アノマロ
 本のタイトルが『せかいいちのねこ』だから、なにかで世界一の記録をもつねこが登場してくるのでしょう。

 きれいな絵です。絵は優し気(やさしげ)でもあります。
 喜怒哀楽(きどあいらく)の表情があるねこです。
 ねこが家族みたい。人間みたい。
 ハッピーエンドぽい。

(2回目の本読み)
 
『1 ほんもののねこになりたい』
 さいしょはわからなかったのですが、主人公は本物のねこではないのです。
 ぬいぐるみのねこなのです。
 絵本作品『こんとあき 林明子 福音館書店』を思い出しました。ただし、こんは、きつねのぬいぐるみでした。

 ねこのなまえは『ニャンコ』です。
 もちぬしの男の子は7歳になってしまって、ニャンコへの興味が薄れています。
 洋画『プーと大人になった僕』を思い出しました。それから『トイストーリー3』を思い出しました。こどもが成長して、おもちゃに興味を示さなくなるのです。

 ニャンコがのるのが、カメかイカのように見えるのですが、カメでもイカでもありません。
 本には、ヘビとタコが出てきました。
 2015年(平成27年)の絵本形式の児童書です。
 9ページにある本物のねこの絵がかっこいい。(おもしろい)
 
 ぬいぐるみのニャンコは、本物のねこのヒゲを集めて体の中に入れると自分が本当のねこになることができるらしい。(ヘビとタコのアドバイス)

『2 ともだちができたぼうしねこ』
 ニャンコがのっているカメみたいな生き物が『アノマロ』という名前であることがわかりました。
 ひきこもりのようなねこがいます。
 擬人法か。(ぎじんほう。人間を動物にたとえる)

『3 くいしんぼうの本屋のねこ』
 本屋です。
 本は、忍者の忍術とか、忍法が書いてあるような巻物のイメージです。
 ひげの秘密をさぐります。
 ねこのひげには、秘仏の力があるのかも。
 だから、ぬいぐるみのねこは、本物のねこになれるのかも。
 逆に、本物のねこが、ぬいぐるみにはなれそうもありません。剥製(はくせい)にはなりそうです。ちょっと不気味か。

『4 3びきのやさしいねこ』
 アノマロが行方不明(ゆくえふめい)になってしまいました。
 季節感を感じる絵です。
 ヒゲを集めるとぬいぐるみのねこが本物のねこになれる。
 昔テレビマンガで見た『早く人間になりたい』の『妖怪人間ベム』とか『百鬼丸(ひゃっきまる)がでてくる「どろろ」』を思い出しますが、この本のお話とは関連がありませんでした。

『5 大きな旅のねこの約束』
 大きなフキの葉を傘代わりにする。
 むかし、北海道に行ったとき、大きなフキの葉があったので、傘代わりにして家族写真を撮ったことを思い出しました。アニメ『トトロ』のワンシーンのようでもあります。(トトロがもつ葉っぱは「サトイモ」だそうです)
 奇想天外、自由自在な話の運びです。
 ねこが人間みたいで、ペットの犬を連れています。
 トビウオが町中の空中を飛んでいたりもします。

『6 いじわるねこのはなし』
 ニャンコはぬいぐるみで、いじわるねこは、ニャンコと同じ家で飼われているねこです。

『7 助けられた赤ちゃんねこ』
 ニャンコは、アノマロ探しの旅に出ます。

『8 アノマロのゆくえ』
 ねこの本屋さんです。

『9 アノマロと大きなねこ』
 なんだか、ぬいぐるみのニャンコがアノマロを探しているのですが、変な発想ですが、逃げたヨメさんを思って涙しているだんなさんに見えます。オレが悪かった。家に帰ってきてくれ。
 いろんな表情のねこの絵が描いてあります。

『10 いじわるねこはヒーロー』
 そうか、タコとヘビは、この家で暮らしている男の兄弟を表しているのか。
 じゃあ、いじわるねこはだれのことだろう。わかりません。

『11 しあわせな再会』
 ちょっと話についていけません。自分には合わない話の展開です。
 なにかしら、中途半端(ちゅうとはんぱ)で、はっきりしません。
 物語の内容よりも絵を楽しむ本です。
 
『12 みんなせかいいちのねこ』
 ヒゲをいっぱい集めたのにどうしてそうなるの。
 ハッピーではないのです。

(全体を読み終えて)
 ストーリーの展開はいまいち理解できませんでしたが、なにせ、絵がきれいです。
 この本は絵を楽しむ本です。
 こどもには、絵を見せながら、こどもとふたりで、独自のお話をつくる作業をするとおもしろい。
 そんなふうに受け取りました。

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