2022年06月06日
日本の一番長い日 邦画
日本の一番長い日 邦画 2015年 2時間16分 動画配信サービス
先日テレビ番組『徹子の部屋』のゲストが、小説家夏目漱石氏のお孫さんで、半藤末利子(はんどう・まりこ)さんという方が出ておられました。ご主人が、小説家の半藤一利(はんどう・かずとし)さんで、代表作が『日本の一番長い日』と紹介があり、興味が湧き、映画を観てみました。
第二次世界大戦終戦の昭和天皇による玉音放送(ぎょくおんほうそう)が流された日である昭和20年8月15日の前日に、こんな緊張感が張り詰める事件があったことを、60年以上生きてきて、初めて知りました。けっこうショックを受けました。
日本軍上層部の一部がクーデター(戦争を継続するという目的で反乱)を起こそうとします。玉砕(ぎょくさい)です。負けるとわかっていても、日本国民が死に絶えるまで戦うと強烈に主張する人たちがいました。恐ろしいことです。
宮城事件(きゅうじょうじけん)という事件を扱っています。宮城(きゅうじょう)は、皇居です。天皇の住むところ。旧江戸城。
観終える頃に感じたことです。
この映画は、この映画をつくった監督のための映画であろう。
監督の頭の中にある世界を映像化してある。
実際の状況とは異なるものがあるでしょう。
以下時系列で感じたことです。
第二次世界大戦終末期で、日本の敗戦は確実です。
1945年8月15日正午(昭和20年)の玉音放送(ぎょくおんほうそう。天皇の肉声(録音)による戦争終結を語る放送)は、平穏に行われたと思っていましたが、ずいぶんな、どたばた騒ぎが内部で起こっています。皇居周辺で、軍部内の対立があります。
この頃はまだ、家庭にテレビはありません。1953年(昭和28年)が、NHKによるテレビ放送の開始です。
当時の日本国をコントロールしていた関係者の皆さん方の、なんとかしなきゃという思いがあったことは伝わってきます。
ただ、内輪もめは見苦しい。(みぐるしい)
終戦にすることが話し合いで決定しているのに、まだ戦おうとするグループがいます。
ひどい人たちです。本土決戦! と息巻いています。国民の命は無視です。戦争に負けたら、自分たちが責められて罪を負わされて処刑されるからいやだと思っているとしか思えない言動です。
映画が始まって10分ぐらいがたって、悲しい結末が見える展開になりました。
役所広司さんが演じる本土決戦を主張していた陸軍大将(陸軍大臣)が、終戦の決定に反対意思を示したが、願いが成就(じょうじゅ)しなかった責任をとって、軍人たちの反乱(クーデター)を抑えるために、自決しています。
観ていて疑問に思って調べたのですが、陸軍と海軍は出てくるのですが、空軍は出てこないのです。
空軍という組織はなく、陸軍と海軍の両方に飛行隊がありました。陸軍飛行戦隊と海軍航空隊でした。現在の自衛隊では、航空自衛隊です。
神風特別攻撃隊(特攻隊)は、海軍の所属でした。2531人が亡くなっています。むごい。
1945年(昭和20年)5月25日の東京大空襲のシーンが出てきます。
先日読んだ笑点の林家木久扇(はやしや・きくおう)さんの本に、東京大空襲を体験したことが書いてありました。一連の空襲では約10万人の方が亡くなったそうです。『バカのすすめ 林家木久扇(はやしや・きくおう) ダイヤモンド社』
映像は会議室での暗いシーンが多い。
そのとき、どれほどの情報量があったのか疑問なやりとりです。
広島と長崎に原子爆弾が落とされているのに、戦争続行強硬派の態度は、かたくなに戦いを続けることを主張します。
一億枕を並べても(国民全員が死体になっても)戦争を続けると言い張ります。とんでもないことです。あなたたちの道連れにはなりません。
箱の中にいる人たちです。
皇居周辺を囲む箱です。
箱の中に広がりはありません。
箱の中で時間が経過していきます。
箱の中の空間と時間で毎日の生活を送っている人たちです。
現在の政治家、官公庁職員も同様でしょう。
箱の中でやることが、日本全体に影響を及ぼします。
決断は、天皇がするのか。
みんなが決断から逃げているように見えます。
はっきりした物言いをしません。
だれだれが言ったからそうしようです。
人間の本質があります。指導者に(リーダーに)責任を押し付けて、自分の責任を回避するのです。自分は、生き残りたいのです。
耳に残ったいい言葉として、ナポレオンの前半は良かった。後半はだめだった。(独裁者になった)。現在のロシア大統領のようでもあります。
意地とかメンツとか建前(たてまえ)にこだわって興奮している戦争続行を言い張る兵士たちを見ていると、君たちだけでやってくれと言いたくなります。
いわゆる庶民は、したたかで、しぶとい。
生き残るためには、形を変えて生きていきます。
翻意(ほんい。気持ちをときには正反対に切り替える)です。
サムライの戦国時代を含む大昔から、よくあることです。
きのうの敵は、今日は味方です。
庶民は、強い者になびく。
保護してくれるものに寄りかかります。
映像は、演劇を観ているようです。
セリフに強い勢いはあるのですが、何を言っているのか、意味をとれません。
言葉とか、単語がむずかしい。
「国体(こくたい)」とは何? 国のありかた。国家の状態だそうです。
国体護持の確証(こくたいごじのかくしょう)とはなに? 日本国民による政治形態の維持は、終戦後も継続される。あわせて、天皇制も継続が保障されると、自分は理解しました。映画では、天皇陛下がそのことを信じるので(戦争相手国の意思としてなにがしかの意思表示情報があったようすです)、敗戦ということで終戦にしようと、天皇陛下が陸軍大将に話をしています。
『これはこうでなければならない』という考え方は、破滅につながる呪文(じゅもん)です。
決定は、感情を抜いて物事を判断できる人にまかせたほうがいい。
何人も自決していきますが、死んで責任を果たしたことになるとは思えません。
戦争は、終わるのがむずかしいということがわかります。
戦いたい人は洗脳されています(せんのう。暗示をかけられて、言動をコントロールされている)
神風というのは、人の命を守ってくれる風ではないのか。反対になっています。
真夏なのに、映像の中の人たちが来ているのは、春・秋の服です。現実的ではありません。
松坂桃李(まつざか・とおり)さんの演技が決まっています。何かがのりうつっているようです。
字句に(じくに)こだわる話ばかりが続きます。
勝負事は、負けるとつらい。
昭和天皇はこのとき何歳であられたのだろうか。調べました。43歳でした。そして、平成天皇が11歳であられました。
映像では、対立ばかりが続きます。
反逆軍人たちの強気な意識が表現されます。
ゆえに重い緊張感が続きます。
陸軍大将はなぜ、妻に電話をしないのか。(効果的なラストシーンを迎えるための伏線でした)
この時代ですから、移動手段は、自転車です。
観ていて、軍人が政治を行ってはいけないという気持ちになりました。
武器をもっている人間が政権を握ると、安易に武力行使の道を選択しがちです。
武力で解決できるものはない。
やられたほうの憎しみ、うらみは、永久に消えません。ウクライナの人が言っていました。絶対に忘れない。絶対に許さない。
平和的な文民統制が必要です。
映像の中は、大混乱になりました。
陸軍大将(陸軍大臣)の言葉として『わたしが死ねば、ひとつの幕引きになるさ』『死ぬのはオレひとりだ。いらん(あなたの命はいらない)』
組織の意に反して、兵隊である一部の部下たちは、ボスである大将の命を奪ったのです。
それでいいのか。
旗頭(はたがしら)を失うということは、事業が消えるということです。
日本の絶望の底を描いた映画でした。
先日テレビ番組『徹子の部屋』のゲストが、小説家夏目漱石氏のお孫さんで、半藤末利子(はんどう・まりこ)さんという方が出ておられました。ご主人が、小説家の半藤一利(はんどう・かずとし)さんで、代表作が『日本の一番長い日』と紹介があり、興味が湧き、映画を観てみました。
第二次世界大戦終戦の昭和天皇による玉音放送(ぎょくおんほうそう)が流された日である昭和20年8月15日の前日に、こんな緊張感が張り詰める事件があったことを、60年以上生きてきて、初めて知りました。けっこうショックを受けました。
日本軍上層部の一部がクーデター(戦争を継続するという目的で反乱)を起こそうとします。玉砕(ぎょくさい)です。負けるとわかっていても、日本国民が死に絶えるまで戦うと強烈に主張する人たちがいました。恐ろしいことです。
宮城事件(きゅうじょうじけん)という事件を扱っています。宮城(きゅうじょう)は、皇居です。天皇の住むところ。旧江戸城。
観終える頃に感じたことです。
この映画は、この映画をつくった監督のための映画であろう。
監督の頭の中にある世界を映像化してある。
実際の状況とは異なるものがあるでしょう。
以下時系列で感じたことです。
第二次世界大戦終末期で、日本の敗戦は確実です。
1945年8月15日正午(昭和20年)の玉音放送(ぎょくおんほうそう。天皇の肉声(録音)による戦争終結を語る放送)は、平穏に行われたと思っていましたが、ずいぶんな、どたばた騒ぎが内部で起こっています。皇居周辺で、軍部内の対立があります。
この頃はまだ、家庭にテレビはありません。1953年(昭和28年)が、NHKによるテレビ放送の開始です。
当時の日本国をコントロールしていた関係者の皆さん方の、なんとかしなきゃという思いがあったことは伝わってきます。
ただ、内輪もめは見苦しい。(みぐるしい)
終戦にすることが話し合いで決定しているのに、まだ戦おうとするグループがいます。
ひどい人たちです。本土決戦! と息巻いています。国民の命は無視です。戦争に負けたら、自分たちが責められて罪を負わされて処刑されるからいやだと思っているとしか思えない言動です。
映画が始まって10分ぐらいがたって、悲しい結末が見える展開になりました。
役所広司さんが演じる本土決戦を主張していた陸軍大将(陸軍大臣)が、終戦の決定に反対意思を示したが、願いが成就(じょうじゅ)しなかった責任をとって、軍人たちの反乱(クーデター)を抑えるために、自決しています。
観ていて疑問に思って調べたのですが、陸軍と海軍は出てくるのですが、空軍は出てこないのです。
空軍という組織はなく、陸軍と海軍の両方に飛行隊がありました。陸軍飛行戦隊と海軍航空隊でした。現在の自衛隊では、航空自衛隊です。
神風特別攻撃隊(特攻隊)は、海軍の所属でした。2531人が亡くなっています。むごい。
1945年(昭和20年)5月25日の東京大空襲のシーンが出てきます。
先日読んだ笑点の林家木久扇(はやしや・きくおう)さんの本に、東京大空襲を体験したことが書いてありました。一連の空襲では約10万人の方が亡くなったそうです。『バカのすすめ 林家木久扇(はやしや・きくおう) ダイヤモンド社』
映像は会議室での暗いシーンが多い。
そのとき、どれほどの情報量があったのか疑問なやりとりです。
広島と長崎に原子爆弾が落とされているのに、戦争続行強硬派の態度は、かたくなに戦いを続けることを主張します。
一億枕を並べても(国民全員が死体になっても)戦争を続けると言い張ります。とんでもないことです。あなたたちの道連れにはなりません。
箱の中にいる人たちです。
皇居周辺を囲む箱です。
箱の中に広がりはありません。
箱の中で時間が経過していきます。
箱の中の空間と時間で毎日の生活を送っている人たちです。
現在の政治家、官公庁職員も同様でしょう。
箱の中でやることが、日本全体に影響を及ぼします。
決断は、天皇がするのか。
みんなが決断から逃げているように見えます。
はっきりした物言いをしません。
だれだれが言ったからそうしようです。
人間の本質があります。指導者に(リーダーに)責任を押し付けて、自分の責任を回避するのです。自分は、生き残りたいのです。
耳に残ったいい言葉として、ナポレオンの前半は良かった。後半はだめだった。(独裁者になった)。現在のロシア大統領のようでもあります。
意地とかメンツとか建前(たてまえ)にこだわって興奮している戦争続行を言い張る兵士たちを見ていると、君たちだけでやってくれと言いたくなります。
いわゆる庶民は、したたかで、しぶとい。
生き残るためには、形を変えて生きていきます。
翻意(ほんい。気持ちをときには正反対に切り替える)です。
サムライの戦国時代を含む大昔から、よくあることです。
きのうの敵は、今日は味方です。
庶民は、強い者になびく。
保護してくれるものに寄りかかります。
映像は、演劇を観ているようです。
セリフに強い勢いはあるのですが、何を言っているのか、意味をとれません。
言葉とか、単語がむずかしい。
「国体(こくたい)」とは何? 国のありかた。国家の状態だそうです。
国体護持の確証(こくたいごじのかくしょう)とはなに? 日本国民による政治形態の維持は、終戦後も継続される。あわせて、天皇制も継続が保障されると、自分は理解しました。映画では、天皇陛下がそのことを信じるので(戦争相手国の意思としてなにがしかの意思表示情報があったようすです)、敗戦ということで終戦にしようと、天皇陛下が陸軍大将に話をしています。
『これはこうでなければならない』という考え方は、破滅につながる呪文(じゅもん)です。
決定は、感情を抜いて物事を判断できる人にまかせたほうがいい。
何人も自決していきますが、死んで責任を果たしたことになるとは思えません。
戦争は、終わるのがむずかしいということがわかります。
戦いたい人は洗脳されています(せんのう。暗示をかけられて、言動をコントロールされている)
神風というのは、人の命を守ってくれる風ではないのか。反対になっています。
真夏なのに、映像の中の人たちが来ているのは、春・秋の服です。現実的ではありません。
松坂桃李(まつざか・とおり)さんの演技が決まっています。何かがのりうつっているようです。
字句に(じくに)こだわる話ばかりが続きます。
勝負事は、負けるとつらい。
昭和天皇はこのとき何歳であられたのだろうか。調べました。43歳でした。そして、平成天皇が11歳であられました。
映像では、対立ばかりが続きます。
反逆軍人たちの強気な意識が表現されます。
ゆえに重い緊張感が続きます。
陸軍大将はなぜ、妻に電話をしないのか。(効果的なラストシーンを迎えるための伏線でした)
この時代ですから、移動手段は、自転車です。
観ていて、軍人が政治を行ってはいけないという気持ちになりました。
武器をもっている人間が政権を握ると、安易に武力行使の道を選択しがちです。
武力で解決できるものはない。
やられたほうの憎しみ、うらみは、永久に消えません。ウクライナの人が言っていました。絶対に忘れない。絶対に許さない。
平和的な文民統制が必要です。
映像の中は、大混乱になりました。
陸軍大将(陸軍大臣)の言葉として『わたしが死ねば、ひとつの幕引きになるさ』『死ぬのはオレひとりだ。いらん(あなたの命はいらない)』
組織の意に反して、兵隊である一部の部下たちは、ボスである大将の命を奪ったのです。
それでいいのか。
旗頭(はたがしら)を失うということは、事業が消えるということです。
日本の絶望の底を描いた映画でした。
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