2021年05月06日

グッバイ・リチャード アメリカ映画DVD

グッバイ・リチャード アメリカ映画DVD 2020日本公開

 前知識として、癌で短い余命を宣告された男性のお話と知り観ました。
 これまでの自分の人生で二十代のころから六十代の今までに、複数の人たちが癌の宣告を受けて志(こころざし)なかばで無念の涙を流しながら亡くなっていかれたことを思い出しつつ鑑賞しました。
 人間、五十代を迎えるといつ癌の宣告を受けてもおかしくない年齢に至ります。いくら平均寿命が延びたとはいえ個別に命の長短の事情は異なります。

 冒頭部を観ながら、人生は『時間』だと悟ります。大学で先生をしている主人公のリチャードは、癌の宣告を受けました。余命はいくばくもありません。(生きていられる時間がわずかしかありません)
 彼は、仕事を休んで、アメリカ文学史に残る名作を書くと周囲に意思表示をします。
 それなのに、虚しさが(むなしさが)ただよってくる内容が続きます。
 夫婦関係は破たんしていて、娘との親子関係もぎくしゃくしていておかしい。
 深刻な話なのに、下ネタばかりが続いて、喜劇っぽくなってきました。どういうわけか、主人公は、ナニの玉が3個あることにこだわり続けます。
 女同士、男同士の同性愛の話が出ます。
 お互いの心とか愛情よりも行為が前面に出て優先されることが不可解です。まずは愛情あってのことだと思うのです。これでは誤解を生みます。
 短期間で死んでしまうから、もう、やりたいほうだいなのだろうか。
 薬物使用もあります。

 良かったセリフとして「ひるむことなく自分を貫いている(つらぬいている)」
 主役のジョニー・デップさんのひとり芝居に近い演技が続きます。先日テレビ番組「月曜から夜ふかし」で、2013年に来日した時に、日本人素人さんとジョニー・デップさんが長いこと会話をされているシーンを観ました。ジョニー・デップさんは、相手をおもんばかる心温かい、いい人です。

 メッセージとして受け取ったこの映画の主題の部分です。
 『死を前にしてわかったことがある。人生のほとんどにおいてわたしは間違っていた。一生懸命生きてこなかった。だれかを愛していたとか、だれかに愛されていたとか、そういうことがあって、人生を楽しめる。自分が妻をしっかり愛していなかったから妻が不倫をした。自分が娘をしっかり愛していなかったから、娘の気持ちが自分から離れていった』
 この映画からそういうふうにメッセージを受け取りました。

 あいまいでぼんやりした部分が多かった映画ですが、ラストシーンの夜空に輝く星は、亡くなった人たちの魂の輝きだと感じとりました。
 主人公である彼にとって人生の終わりの時期なのに、どうして、三人家族がバラバラにならなくちゃならいのだろうかという悲しみが心に広がりました。

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