2021年04月30日

おぼえていろよおおきな木 佐野洋子

おぼえていろよおおきな木 佐野洋子 講談社

 サクラだろうか、モクレンだろうか。
 おおきな木があって、ちょっといじわるそうなおじさんがいます。
 おじさんは乱暴です。不満があって大樹を足で蹴り(けり)ます。
 自分にとって都合が悪いものは排除する性格のおじさんです。差別があります。
 秋になると大きな赤い実がなる木です。リンゴの木だろうか。
 描いてある絵は、こどもさんから見たら親しみやすい筆致(ひっち。タッチ)です。
 おじさんは、斧(おの)で大樹を切ってしまいました。
 失って気づくものがあります。人を失ったときも同じです。
 最近の孤独をよしとする風潮には疑問をもちます。
 人が生きていくときに必要なものは、水と空気、そしてコミュニケーションです。
 なにかひとつ相手に尊敬できるところがあれば、ほかのいやなことはがまんできるということもあります。
 絵本にリズムがあります。文章に一定の独特なリズムがあります。
 木を失うということは、自分を失うということ。
 切り株から、新芽は出ないのだろうか。
 おじさんにとって、後悔とか謝罪とか。
 そうか。
 よかった。

この記事へのトラックバックURL

http://kumataro.mediacat-blog.jp/t143431
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい