2020年05月18日

西部警察 DVD

西部警察 DVD 1979年(昭和54年) テレビドラマ

 リアルに放送されていた当時はテレビをあまり見ない生活をしていたので見たことがありません。今回、第一巻だけを借りて、第一話「無防備都市前編」第二話「無防備都市後編」第四話「マシンガン狂詩曲(ラプソディー)」を観ました。
 過去の歴史書を見る気分でした。もう過ぎたことですが、自分にとっては新鮮です。過去への時間旅行を楽しみました。

 41年前のなんだかんだです。ダイヤル式黒電話機、黄色い公衆電話機、同じく赤い公衆電話機、プッシュ式電話機、映像の中では、電話の逆探知がすばらしい技術だとされていた時代です。スマホはないし、パソコンは一部の人が利用しているだけでした。こういう時代もあったと思い出させてくれます。長針・短針・秒針が付いた掛け時計、どこでも喫煙が許されていた。新幹線は、「ひかり号」がメインだったなど。今とは別世界の感じもあります。
 ロケ地での撮影として、戦闘装甲車が道路を堂々と走行するシーンの背景で、おそらく一般の人たちが、ふつうに信号待ちをして横断歩道を渡っていきました。番組開始前のロケ地の人々は番組の撮影風景に興味がなかったようです。そののんびりとした雰囲気が、なんとなく感じが良かった。

 現代の刑事ドラマ「相棒」とは対極にある内容です。「相棒」は、頭脳派です。対して、「西部警察」は、体力勝負、ど根性の肉体派です。まあ、どんぱちとすさまじい。初回から戦車みたいな装甲車が登場して、ロケット弾のような砲弾を撃ち込んでくるのです。マシンガンがさく裂したり、警察側もライフルを構えて応戦したり、滅茶苦茶とも思える発砲のあと、警察は、ダイナマイトで敵の装甲車の爆破を試みたりします。まるで玉砕の戦争映画か、遊びとしての「なになにごっこ」の怪獣映画のようでした。模擬ゲームです。
 奇想天外な設定で、現在ではテレビ放映が許容されないようなシーンもあります。とても警察職員には見えません。警察署の課長室で勤務時間中に洋酒をラッパ飲みする課長です。パワハラや男尊女卑と受けとれるセリフも出てきます。仲間意識は強い。師弟関係のきずなも強い。警察側集団による容疑者に対するいじめ虐待ととられそうなシーンも出てきます。問答無用です。言い訳を言う間も与えてくれません。特別公務員暴行陵虐罪(とくべつこうむいんぼうこうりょうぎゃくざい。容疑者に暴行を与えて自白を求めるなど)に該当しそうです。まずもって、裁判所で法の裁きを受ける前に、警察職員に皆殺しにされてしまいそうです。ギャング映画のようでもありました。

 見た目にこだわる映像です。かっこよくが大事です。劇画を動画にしたような映像づくりです。
 どちらかといえば、刑事たちのほうが、見た目が怪しい。

 ドラマは、意図的に、理屈を表明するメッセージが設定されていないと解釈しました。
 娯楽として、スカッとした気分になり、心にしみる歌声を聴いて、いやされる番組です。
 スピーディーな画面展開と、金管楽器のラッパのファンファーレ、そして、爆発によるオレンジ色が画面全体に広がる迫力ある映像で、アクション物語の雰囲気を盛り上げています。

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