2019年06月24日
ザ・ヘイト・ユー・ギブ あなたがくれた憎しみ
ザ・ヘイト・ユー・ギブ あなたがくれた憎しみ アンジー・トーマス 2019課題図書 岩崎書店
先入観があります。黒人を差別する白人への抗議の内容ではないか。
作者は、黒人女性です。
登場人物が多いので、冒頭にある一覧表に基づいて、家系図方式でメモを作成してから読み始めました。
日本人には抵抗感のあるマリファナパーティから始まります。セクシーな部分もあります。課題図書もここまで寛容な時代になったのかと、時代の変化を感じます。なお、この本は高校生向けの課題図書です。
(つづく)
主人公は16歳ウィリアムソン高校1年生の黒人女子スター・カーターです。家は「カーター食料品店」を営んでいます。彼氏が、白人のクリスです。幼なじみの黒人男子がカリル・ハリスです。(警官に射殺されてしまう。射殺した警官のバッジ番号が1-15)。スターよりも5か月と2週間と3日年上の16歳です。それから、同級生の女子ケニア(モデル体型、ダークブラウンの肌、切れ上がった茶色の瞳、長いまつ毛、ちょっとだけ太いが背は高い。ギャングのボスの子)が友だちです。
家族関係は複雑で、ケニアの兄セブン(おそらく18歳を迎えるいまは17歳)は、スター・カーターと父親が同じ異母きょうだいですが、セブンの妹のケニアは、セブンとは異父兄妹のようです。ですから、主人公女子高生スター・カーターと友だちの同級生セブンの妹ケニアとは血のつながりはないけれど、ふたりからみるとセブンは兄というポジションです。ややこしい。
スターの幼なじみである男子カリルが、巡査に射殺されることで物語の種に火がつくようです。カリルは覚せい剤を売っている。
翻訳後の文章にリズムがあります。
ガーデン・ハイツの暮らしは、底辺の暮らしです。ギャング組織の対立として、キング・ロード対ガーデン・デサイプルがあります。ケニアの父親のキングは、キング・ロードのボス、スター・カーターの父親マーベリック・カーターは、ギャング組織キング・ロードのメンバーでした。縄張り争いがあるようです。
(つづく)
社会で白人から人種差別を受ける黒人のおかれた厳しい立場が記述されます。ギャングの活動、薬物、貧困、住居地域の危険性など。ナターシャは10歳で射殺されました。
ガーデン・ハイツは主人公らが住む住居でスラムです。読んでいると苦しくなってきます。
戦争中のユダヤ人差別とはまた違った苦しさがあります。
アメリカ合衆国の音楽の流行とか文化を知っている下地がないと日本人なので、なかなか読み込めない作品です。
主人公女子高生のひとり語りが延々と続きます。外国作品らしい雰囲気です。「スタンド・バイ・ミー」のような進行形式です。「ライ麦畑でつかまえて」にも似ている。
麻薬を扱っていたとはいえ、武器を持っていない黒人少年を白人警察官が射殺した。それは、正当防衛ではなく、黒人差別意識が根底にあった。そこが、この物語の突きどころです。無抵抗の黒人少年を射殺した白人警察官は無罪でいいのか。麻薬を売らないと生活ができない黒人の生活環境はそれでいいのか。(この点については、このあと読んだ部分183ページに詳しく書いてありました)
ドラッグを売っている人間は殺してもいい。黒人なら殺してもいいけれど、白人は殺してはいけない。
人権弁護士として、ジャスタス・フォア・ジャスティスのイエプリル・オフラという女性が登場しました。
177ページにハンバーグの記事が出ます。おいしいものを食べると心の中にあるもやもやが解消されます。
(つづく)
半分ぐらい読みました。
ザ・ヘイト・ユー・ギブ=あなたがくれたあなたへのわたしの憎しみ。きつい表現です。うらみますの世界です。書中での説明では、「子どもに植えつけた憎しみが社会に牙をむく」とあります。
白人警官に射殺されたカリルの実像が浮かび上がってきません。物足りません。アメリカ人作家の作品なので、社会背景が異なる日本人には、身近に感じることができない部分があります。アメリカ合衆国は銃の所持が許される銃社会という背景もあります。ちょっとした怒りが乱射や射殺につながりそうで不安定で怖い社会です。
あわせて、幼なじみを亡くした主人公の悲しみがあまり伝わってきません。悲しみや憤り、くやしさの実感が湧いてこない文脈です。
ヘアブラシを拳銃と見間違えた。そういうことがあるとは思えないので、警官は最初から黒人少年を撃ちたかったということになってしまいますが、安定した生活が保障された公務員である警官にそんな心理ってあるのだろうか。
ラッパーは、金と女と服の歌ばかり歌っている。でも根底には、黒人を勇気づけるという意思がある。
わたしたちは、抑圧されている側にいる。黒人、マイノリティ、貧乏人、社会の底辺にいる。失うものがないからなんでもできるということはある。だから、わたしたちは、こわい存在でもある。1831年奴隷の反乱があった。そんなことが書いてあります。
先日読んだ童話「しろいうさぎとくろいうさぎ」を思い出しました。しろいうさぎは白人です。くろいうさぎは黒人です。ふたりは恋人です。でも、くろいうさぎはしろいうさぎに結婚しようと申し出ることができないのです。人種差別があるからです。
書中に記事がある警察内部の不正と闘ったというアメリカ映画「セルピコ」も思い出しました。セルピコ刑事は、正義を貫いた結果、同僚たちにうらまれて、同僚警官たちの策略によって同僚警官に撃たれました。組織が病んでいます。
読んでいて、名前だけでは、性別がわからない苦しさあり。
「タンブラーのフォローをはずす」ということが重視されていますが、SNSの世界のことはよく知りません。インスタグラムとか、フェイスブックとかラインのつながりをはずす。友好関係を解くというような意味に受け取っています。そんなことで一喜一憂しなくちゃいけないなんて、なんだか、めんどくさい。
もうカリルはここにいない。過去のこと。今、ここで、生きている人間の未来のことを考える。
ガーデン・ハイツから引っ越す。
(つづく)
主人公16歳女子高生の主張の意図がわかりません。
白人警官が16歳の黒人少年カリルを射殺する。その場にいた主人公16歳女子高生スターがテレビ番組でそのときの状況を顔出しはしないで話す。
そのとき、カリルは拳銃をもっていなかった。(麻薬の所持有無は不明朗だが売買行為をふだんしていたことは肯定)
スターは、カリルがなぜ麻薬を処分しなければならなかったかを説明する。カリルの母親はドラッグ中毒患者で、息子のカリルは、母親に麻薬を使用させないために、母親の麻薬を処分する趣旨で麻薬を売っていた(このへん、よくわかりません)
母親を不幸にする麻薬を母親に売っているのはギャング組織キング・ロードの人間だから、悪いのはキング・ロードのボスであるキングであるし、メンバーである。
カリルは、キングに無理やり命令されて、ドラッグを売らされていた。
なんだか、すっきりしません。
外国人のユーモアのツボが日本人の自分にはわからない。
いざというときに守ってもらうべきおまわりさんと対立することはむずかしい。
「黒人は自由を求める。警官が黒人に暴力行為をすること、殺害行為をすることをただちに停止することを求める。黒人の完全な自由、正義、平等を確立する」
キング・ロードは、ふたつある。シダー・グローブ・キングロードとウェストサイド・キング・ロード。
(つづく)
読み終わりました。後半ドンパチの激しいシーンになるのですが、ギャング同士の内部抗争の雰囲気で、人種差別とは直接結びつかないような印象をもちました。
読んでいる途中で知ったのですが、映画化されているようです。
パパは服役していた。(家族は3年間つらい思いをしたとあるのですが、犯罪をおかしたことが原因ですのでしかたがないと思うのです)
大陪審の法廷で3時間かけて、検事の質問に答えた。
マイノリティ同士で団結が必要(マイノリティ:社会的少数者。偏見や差別の対象にされる。社会制度の不備から損失をこうむる。少数民族。性的少数者)
次の者は親ではない。「学校の行事に一度も来てくれなかった。卒業式にも来てくれなかった。誕生日を祝ってもらえなかった。自分よりも自分の父親ではない男を大事にした。あなたは母親じゃない。一度だっておれを愛してくれなかった」
「7(セブン)は、聖なる数字。完ぺきという意味をもつ」
警官は起訴にはならない。(起訴:犯罪の疑いあり)
白人と黒人の男女がいてもすぐにはカップルとは思われない。
うーん。かなり演出がきいた小説になっている気がします。真実味とか現実味が薄い。
警官が取り調べ中に見かけたヘアブラシを拳銃と錯覚して麻薬を所持していた16歳の黒人少年を射殺した。これについて不起訴との裁判所の決定が出た。この件がきっかけになって黒人を中心としたデモが起った。この件は、きっかけという「個」であって、デモの原因は日頃からの黒人差別に対する反発「面」の要素が大きかった。デモや暴動が日頃からの不満のはけ口になった。そう解釈しました。
なんだか、ぼんやりして、話の趣旨がつかめないので、もう一度、1ページずつ最初からめくってざっと目を通してみます。
(つづく)
差別というよりも黒人として生まれてアメリカ社会で暮らしていくうえでのたいへんさを訴える作品に思えました。
ギャングのような活動をしなくてもいい普通の暮らしをおくることができる黒人社会の建設が必要だと感じました。
調べた単語などとして、「エア・ジョーダン:運動靴のシリーズ」、「シボレー・インパラ:アメリカの大型乗用車」、「トゥパック:ヒップホップの人。俳優。アフリカン・アメリカン、25歳没。22ページにこの本のタイトルについて記述があります」、「ドレッド・ヘア:ロープのように棒状になったヘアスタイル」、「マービン・ゲイ:44歳没。黒人ミュージシャン。父親に虐待される。喧嘩をして父親に射殺された」、「ヒューイ・ニュートン:47歳没。公民権運動の指導者、ブラックパンサー党をつくった。麻薬関係者に銃で撃たれて死去した」、「ドラッグ:薬物。あへん、大麻、麻薬、向精神薬、覚せい剤」、「バハマ:国。諸島。キューバの北」、「ゲットー:アメリカ合衆国では、少数民族の居住区域。もとはユダヤ人対象の強制居住区域」、「タンブラー:アプリケーション。ブログ」、「フレッシュ・プリンス:ヒップホップふたり組」、「ダンスのダブ・ステップ:ツーステップ」、「ジョデシイ:米国のバンド」、「シボレーのタホ:車種」、「ラベラー:ラベルを貼る機械」、「ジャスティン・ビーバー:カナダの白人ミュージシャン」、「グラハムクラッカー:グラハム粉入りのクラッカー。お菓子」、「ジョナス・ブラザーズ:3兄弟のポップ・ロックバンド」、「フレンチネイル:爪先にホワイトをのせたデザイン」、「ドレイク:ラッパー」
興味深かったこととして、「アメリカ合衆国では車の免許が16歳でとれる(同乗者の条件付きで、14歳から可能な州もあるようです」
ちょっと驚いた記述などとして、「性教育において、なにがどこに入るのかを看護師の母親が娘に教える。おとなになるまでそんなことはしなくていいと諭す」、「警官に呼び止められたときは言われたとおりにする」、「黒人が黒人というだけで殺される」、「黒人同士で殺し合って死ぬ数のほうが多い」、「コンドームをつけてもつけなくても、できるときはできる」、「うちのおばあちゃんはアル中だ。お酒を口にすると別人になる。」
印象に残った記述として、「(警官に射殺された黒人少年の)カリルはまだ子どもでした」、「警官たちに黒人に対する思い込みをやめて欲しい」、「私のことも撃ちたかったんですか」
先入観があります。黒人を差別する白人への抗議の内容ではないか。
作者は、黒人女性です。
登場人物が多いので、冒頭にある一覧表に基づいて、家系図方式でメモを作成してから読み始めました。
日本人には抵抗感のあるマリファナパーティから始まります。セクシーな部分もあります。課題図書もここまで寛容な時代になったのかと、時代の変化を感じます。なお、この本は高校生向けの課題図書です。
(つづく)
主人公は16歳ウィリアムソン高校1年生の黒人女子スター・カーターです。家は「カーター食料品店」を営んでいます。彼氏が、白人のクリスです。幼なじみの黒人男子がカリル・ハリスです。(警官に射殺されてしまう。射殺した警官のバッジ番号が1-15)。スターよりも5か月と2週間と3日年上の16歳です。それから、同級生の女子ケニア(モデル体型、ダークブラウンの肌、切れ上がった茶色の瞳、長いまつ毛、ちょっとだけ太いが背は高い。ギャングのボスの子)が友だちです。
家族関係は複雑で、ケニアの兄セブン(おそらく18歳を迎えるいまは17歳)は、スター・カーターと父親が同じ異母きょうだいですが、セブンの妹のケニアは、セブンとは異父兄妹のようです。ですから、主人公女子高生スター・カーターと友だちの同級生セブンの妹ケニアとは血のつながりはないけれど、ふたりからみるとセブンは兄というポジションです。ややこしい。
スターの幼なじみである男子カリルが、巡査に射殺されることで物語の種に火がつくようです。カリルは覚せい剤を売っている。
翻訳後の文章にリズムがあります。
ガーデン・ハイツの暮らしは、底辺の暮らしです。ギャング組織の対立として、キング・ロード対ガーデン・デサイプルがあります。ケニアの父親のキングは、キング・ロードのボス、スター・カーターの父親マーベリック・カーターは、ギャング組織キング・ロードのメンバーでした。縄張り争いがあるようです。
(つづく)
社会で白人から人種差別を受ける黒人のおかれた厳しい立場が記述されます。ギャングの活動、薬物、貧困、住居地域の危険性など。ナターシャは10歳で射殺されました。
ガーデン・ハイツは主人公らが住む住居でスラムです。読んでいると苦しくなってきます。
戦争中のユダヤ人差別とはまた違った苦しさがあります。
アメリカ合衆国の音楽の流行とか文化を知っている下地がないと日本人なので、なかなか読み込めない作品です。
主人公女子高生のひとり語りが延々と続きます。外国作品らしい雰囲気です。「スタンド・バイ・ミー」のような進行形式です。「ライ麦畑でつかまえて」にも似ている。
麻薬を扱っていたとはいえ、武器を持っていない黒人少年を白人警察官が射殺した。それは、正当防衛ではなく、黒人差別意識が根底にあった。そこが、この物語の突きどころです。無抵抗の黒人少年を射殺した白人警察官は無罪でいいのか。麻薬を売らないと生活ができない黒人の生活環境はそれでいいのか。(この点については、このあと読んだ部分183ページに詳しく書いてありました)
ドラッグを売っている人間は殺してもいい。黒人なら殺してもいいけれど、白人は殺してはいけない。
人権弁護士として、ジャスタス・フォア・ジャスティスのイエプリル・オフラという女性が登場しました。
177ページにハンバーグの記事が出ます。おいしいものを食べると心の中にあるもやもやが解消されます。
(つづく)
半分ぐらい読みました。
ザ・ヘイト・ユー・ギブ=あなたがくれたあなたへのわたしの憎しみ。きつい表現です。うらみますの世界です。書中での説明では、「子どもに植えつけた憎しみが社会に牙をむく」とあります。
白人警官に射殺されたカリルの実像が浮かび上がってきません。物足りません。アメリカ人作家の作品なので、社会背景が異なる日本人には、身近に感じることができない部分があります。アメリカ合衆国は銃の所持が許される銃社会という背景もあります。ちょっとした怒りが乱射や射殺につながりそうで不安定で怖い社会です。
あわせて、幼なじみを亡くした主人公の悲しみがあまり伝わってきません。悲しみや憤り、くやしさの実感が湧いてこない文脈です。
ヘアブラシを拳銃と見間違えた。そういうことがあるとは思えないので、警官は最初から黒人少年を撃ちたかったということになってしまいますが、安定した生活が保障された公務員である警官にそんな心理ってあるのだろうか。
ラッパーは、金と女と服の歌ばかり歌っている。でも根底には、黒人を勇気づけるという意思がある。
わたしたちは、抑圧されている側にいる。黒人、マイノリティ、貧乏人、社会の底辺にいる。失うものがないからなんでもできるということはある。だから、わたしたちは、こわい存在でもある。1831年奴隷の反乱があった。そんなことが書いてあります。
先日読んだ童話「しろいうさぎとくろいうさぎ」を思い出しました。しろいうさぎは白人です。くろいうさぎは黒人です。ふたりは恋人です。でも、くろいうさぎはしろいうさぎに結婚しようと申し出ることができないのです。人種差別があるからです。
書中に記事がある警察内部の不正と闘ったというアメリカ映画「セルピコ」も思い出しました。セルピコ刑事は、正義を貫いた結果、同僚たちにうらまれて、同僚警官たちの策略によって同僚警官に撃たれました。組織が病んでいます。
読んでいて、名前だけでは、性別がわからない苦しさあり。
「タンブラーのフォローをはずす」ということが重視されていますが、SNSの世界のことはよく知りません。インスタグラムとか、フェイスブックとかラインのつながりをはずす。友好関係を解くというような意味に受け取っています。そんなことで一喜一憂しなくちゃいけないなんて、なんだか、めんどくさい。
もうカリルはここにいない。過去のこと。今、ここで、生きている人間の未来のことを考える。
ガーデン・ハイツから引っ越す。
(つづく)
主人公16歳女子高生の主張の意図がわかりません。
白人警官が16歳の黒人少年カリルを射殺する。その場にいた主人公16歳女子高生スターがテレビ番組でそのときの状況を顔出しはしないで話す。
そのとき、カリルは拳銃をもっていなかった。(麻薬の所持有無は不明朗だが売買行為をふだんしていたことは肯定)
スターは、カリルがなぜ麻薬を処分しなければならなかったかを説明する。カリルの母親はドラッグ中毒患者で、息子のカリルは、母親に麻薬を使用させないために、母親の麻薬を処分する趣旨で麻薬を売っていた(このへん、よくわかりません)
母親を不幸にする麻薬を母親に売っているのはギャング組織キング・ロードの人間だから、悪いのはキング・ロードのボスであるキングであるし、メンバーである。
カリルは、キングに無理やり命令されて、ドラッグを売らされていた。
なんだか、すっきりしません。
外国人のユーモアのツボが日本人の自分にはわからない。
いざというときに守ってもらうべきおまわりさんと対立することはむずかしい。
「黒人は自由を求める。警官が黒人に暴力行為をすること、殺害行為をすることをただちに停止することを求める。黒人の完全な自由、正義、平等を確立する」
キング・ロードは、ふたつある。シダー・グローブ・キングロードとウェストサイド・キング・ロード。
(つづく)
読み終わりました。後半ドンパチの激しいシーンになるのですが、ギャング同士の内部抗争の雰囲気で、人種差別とは直接結びつかないような印象をもちました。
読んでいる途中で知ったのですが、映画化されているようです。
パパは服役していた。(家族は3年間つらい思いをしたとあるのですが、犯罪をおかしたことが原因ですのでしかたがないと思うのです)
大陪審の法廷で3時間かけて、検事の質問に答えた。
マイノリティ同士で団結が必要(マイノリティ:社会的少数者。偏見や差別の対象にされる。社会制度の不備から損失をこうむる。少数民族。性的少数者)
次の者は親ではない。「学校の行事に一度も来てくれなかった。卒業式にも来てくれなかった。誕生日を祝ってもらえなかった。自分よりも自分の父親ではない男を大事にした。あなたは母親じゃない。一度だっておれを愛してくれなかった」
「7(セブン)は、聖なる数字。完ぺきという意味をもつ」
警官は起訴にはならない。(起訴:犯罪の疑いあり)
白人と黒人の男女がいてもすぐにはカップルとは思われない。
うーん。かなり演出がきいた小説になっている気がします。真実味とか現実味が薄い。
警官が取り調べ中に見かけたヘアブラシを拳銃と錯覚して麻薬を所持していた16歳の黒人少年を射殺した。これについて不起訴との裁判所の決定が出た。この件がきっかけになって黒人を中心としたデモが起った。この件は、きっかけという「個」であって、デモの原因は日頃からの黒人差別に対する反発「面」の要素が大きかった。デモや暴動が日頃からの不満のはけ口になった。そう解釈しました。
なんだか、ぼんやりして、話の趣旨がつかめないので、もう一度、1ページずつ最初からめくってざっと目を通してみます。
(つづく)
差別というよりも黒人として生まれてアメリカ社会で暮らしていくうえでのたいへんさを訴える作品に思えました。
ギャングのような活動をしなくてもいい普通の暮らしをおくることができる黒人社会の建設が必要だと感じました。
調べた単語などとして、「エア・ジョーダン:運動靴のシリーズ」、「シボレー・インパラ:アメリカの大型乗用車」、「トゥパック:ヒップホップの人。俳優。アフリカン・アメリカン、25歳没。22ページにこの本のタイトルについて記述があります」、「ドレッド・ヘア:ロープのように棒状になったヘアスタイル」、「マービン・ゲイ:44歳没。黒人ミュージシャン。父親に虐待される。喧嘩をして父親に射殺された」、「ヒューイ・ニュートン:47歳没。公民権運動の指導者、ブラックパンサー党をつくった。麻薬関係者に銃で撃たれて死去した」、「ドラッグ:薬物。あへん、大麻、麻薬、向精神薬、覚せい剤」、「バハマ:国。諸島。キューバの北」、「ゲットー:アメリカ合衆国では、少数民族の居住区域。もとはユダヤ人対象の強制居住区域」、「タンブラー:アプリケーション。ブログ」、「フレッシュ・プリンス:ヒップホップふたり組」、「ダンスのダブ・ステップ:ツーステップ」、「ジョデシイ:米国のバンド」、「シボレーのタホ:車種」、「ラベラー:ラベルを貼る機械」、「ジャスティン・ビーバー:カナダの白人ミュージシャン」、「グラハムクラッカー:グラハム粉入りのクラッカー。お菓子」、「ジョナス・ブラザーズ:3兄弟のポップ・ロックバンド」、「フレンチネイル:爪先にホワイトをのせたデザイン」、「ドレイク:ラッパー」
興味深かったこととして、「アメリカ合衆国では車の免許が16歳でとれる(同乗者の条件付きで、14歳から可能な州もあるようです」
ちょっと驚いた記述などとして、「性教育において、なにがどこに入るのかを看護師の母親が娘に教える。おとなになるまでそんなことはしなくていいと諭す」、「警官に呼び止められたときは言われたとおりにする」、「黒人が黒人というだけで殺される」、「黒人同士で殺し合って死ぬ数のほうが多い」、「コンドームをつけてもつけなくても、できるときはできる」、「うちのおばあちゃんはアル中だ。お酒を口にすると別人になる。」
印象に残った記述として、「(警官に射殺された黒人少年の)カリルはまだ子どもでした」、「警官たちに黒人に対する思い込みをやめて欲しい」、「私のことも撃ちたかったんですか」
この記事へのトラックバックURL
http://kumataro.mediacat-blog.jp/t135112
※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません