2018年09月23日

オールドレンズの神のもとで 堀江敏幸

オールドレンズの神のもとで 堀江敏幸 文藝春秋

 短編集で、18本あります。「帰郷」がテーマのようです。パート1から3まであり、1を読み終えたところです。

 「オールドレンズ」とは何だろう。本では一番最後においてある作品です。調べたらフィルムカメラのマニュアルフォーカスレンズとありました。ひとつずつの作品は長い時代の一点に焦点を当てた小説と解釈します。

 先日読んだ本に「長編を創作するよりも短編を創作する方がむずかしい」とありました。

 ページについて、上下が広いレイアウトです。どうしてこんなに文字が小さいのだろう。

 調べた単語として、「生活の資とする:せいかつのもとで。資金」、「とねりこ:樹木の名称」

 フォードアセダンのサニー。もうつくっていないのではないか。50年の歴史に幕をおろしたとあります。

 短編「果樹園」で、なぞなぞ全問正解は×(ぺけ)は良かった。

 日常生活が静かに流れていく記述です。

 30代後半で帰郷した男性の話、香港から帰郷した女性の話、両親が亡くなって、叔母と私が遊んでいた話、帰郷して犬の散歩のバイトをしている男性の話

(つづく)

 「芥子色:からしいろ」、「軋み:きしみ」、「深い蒼:あお」、「柳生但馬守宗矩:やぎゅうたじまのかみむねのり」、「背反:はいはん。そむく」、「間遠になる:まどおになる。長い間隔」、「墓原:はかわら。墓場」、「寒念仏:かんねんぶつ。僧が寒い時期の30日間念仏を唱える」、「禄のある:給与」、「鉦:しょう。打楽器」、「ファサード:建築物の正面部分」、「褶曲:しゅうきょく。地層が力でねじ曲がった部分」、「マグリットの絵:ベルギーの画家。シュールレアリスム」

 どの物語もはっきりしない。ぼんやりしている。この薄っすらかげんがいいのか。

 短編「めぐらし屋」は面白い。隠れ家紹介業です。

 過去(アナログ社会)への郷愁あり。

 日常を描写する短編が続きます。骨格的記述方式です。短いので2回読むと内容を把握できます。結末がない物語もあります。いけにえとか、あと、宮澤賢治的です。異郷とか、死後の世界とか、死後の世界の一歩手前とか。

 全体的に詩的です。

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