四十歳未婚出産 垣谷美雨(かきや・みう) 幻冬舎

 タイトルを見て、昔は非常識と言われていたことでも今は常識になる。時代は変貌を遂げていると感じます。昔は未婚で出産という行為は世間では受け入れがたいものでした。変わっていかなければならないのですが周囲に迷惑をかけるとなると難しいものがあります。

 一夜限りの誘いで、してはいけない妊娠をしたけれど、今、産まなければ、もう子どもをもてないであろう年齢にある独身女性です。39歳、結婚の予定はありません。
 厳しい前提なのですが、内容は、いっぱい人が出てきて明るい。世間話の渦の中で、主人公宮村優子さん旅行会社企画部勤務を囲みます。

 何が正しくて、何が正しくないのか。わたしなんかは、生まれてくるこどもの苦しみを考えるのですが、今は違うらしい。産む女性の気持ちが大事で優先です。あと、妊娠させてしまった男の気持ちはどうなるのか。
 
 主人公以外のことですが、離婚後の子との面会で、やがて子から父親とはふたりきりで会いたくないと言われるのは、会っても父子に会話がない暗い雰囲気が流れるだけのわけで、それは、父が婚姻中父親の役割を果たしていなかったわけで、読み手としてもせつない。切実でリアルです。

 印象に残る表現の主旨などとして、「女は男の世話係」、「父親として失格」、「年をとると友だちがいなくなる」、「人生最後の煌めき(きらめき)」

(つづく)

 39歳未婚で、1回きりのことで妊娠することがあるのだろうか。するならこれまでにしていたのではないだろうか。(この件については物語の中で後述記事あり)それはまあ、おいておくことにして、途中でがっかりしました。112ページ付近です。その後も主人公のそういった行為で、この先の展開における広がりが消滅しました。筋立ては、まっすぐに進んで欲しかった。緊張感が崩れました。期待が裏切られたので速読に入ります。

 主人公の10歳年上の姉の話は深い。常識にのっかっています。手法はえげつないけれどそれでいい。
 姉と本人(主人公妹)との漫才のようなやりとりが続きます。

 「助け合い」という言葉が出てきますが、現実の実際では、どちらか一方が助けられる立場で延々と続きます。もう一方は、負担をかけられ続けます。
 
 まじめでシリアスな劇画がコメディになっていく。

 生まれてくる子どもの気持ちや社会での苦労を考えると主人公の出産行為は児童虐待に思えます。

 サイドストーリーは主人公女子の離婚後の兄の様子です。

 主人公を妊娠させた未婚男子が、正常な結婚ができるとは思えません。

 213ページのお坊さんのお話はとても良かった。現実を的確にとらえています。253ページの女性の言葉も良かった。

 ラスト、今は良くても未来が見えない選択です。んー。ちょっと無理。受け入れ難い。

 最後、主人公の母親の言葉で救われます。

この記事へのトラックバックURL

※このエントリーではブログ管理者の設定により、ブログ管理者に承認されるまでコメントは反映されません
上の画像に書かれている文字を入力して下さい