2023年02月13日

太川&えびすのバス旅 第11弾 高松から伊勢神宮 2012年

太川&えびすのローカル路線バス乗り継ぎ人情ふれあい旅 第11弾 香川県高松から三重県伊勢神宮 2012年4月放送分の再放送 BSテレ東

 前回の第10弾四国回り挑戦で16km歩いて失敗したのですが、太川さんが足を痛めてしまったと、靴下を脱いで、右足の指を見せてくれます。親足の爪に血がにじんで黒くなった跡が残っている痛々しい映像でした。

 いとうまい子さんは、童顔でお若く見えます。奇跡の47歳です。ロケは、2012年3月14日から三泊四日でしたから、10年以上が経過しましたが、たぶんお変わりないと思います。見ていて、いとうまい子さんは、人生の強運をもっている人だと感じました。今回のバス旅チャレンジは、成功されています。すごいなあ。四国の高松から三重県の伊勢神宮内宮(ないくう)まで到達しています。わたしは、出発地の高松駅もゴールの内宮も行ったことがありますが、びっくりです。たいしたものです。

 ドトールコーヒーの男性店員さんが優しかったのが良かった。『きょうはがんばって、早めにあけよ~か』と三人のために開店をちょっぴり早くしてくれました。なかなかできないことです。ありがとう。

 大阪ではこんにゃくが入ったタコ焼きをいとうまい子さんが買ってくれます。
 えびすさん『尼崎競艇場で売っているタコ焼きにはこんにゃくが入っているんだ』
 えびすさんはギャンブル旅で全国を回っていることがわかります。

 奈良の大仏さんです。間近でみると圧倒されますというキートン山田さんのナレーションがいい。おおせの通りです。わたしも、何度も拝みに(おがみに)行きました。

 三重伊賀上野の忍者屋敷にも行ったことがあります。
 番組では、ステーキ肉もすき焼きも楽しめる伊賀牛の定食らしき食事が、1500円という格安で驚きました。安くてうまい!

 赤目四十八滝(あかめしじゅうはちたき)も散策したことがあるのでなつかしい。
 自分も歩いた通路が映像で出てきました。
 サンショウウオを見学したことも思い出しました。もうすっかり忘れていましたが、脳みそのどこかに記憶が残っていました。
 太川陽介さんは最初、バスでの移動を優先させたかったのですが、散策のあと『(赤目四十八滝を)見ることができて良かった』と言っておられました。このころはまだ今のバス競争番組ほど、太川さんの目は血走っていませんでした。

 美杉リゾートホテル(みすぎりぞーとほてる)まで、大衆食堂の方が車で送ってくださいました。ありがとうです。

 三重県内を走る国道23号線は、車の交通量が多い道です。トラックがいっぱい走っています。

 津市あたりの喫茶店では、お昼に寿司職人さんが来て、寿司を出して下さるそうです。
 地方都市は、人口は少ないけれど、融通(ゆうずう。自由自在なやりくり)がきいて、小回りが得意です。


(2021年9月に観たときの感想文)
太川&えびすのローカル路線バス乗り継ぎ人情ふれあい旅 第11弾 香川県高松から三重県伊勢神宮 2012年4月放送分の再放送 BSテレ東

 ずいぶん昔に放送された番組ですが、観たのは初めてです。
 映像で、自分も訪れたことがあるところがたくさん出てきて楽しめました。
 四国高松駅、神戸しあわせの村、神戸三宮、奈良県生駒山、奈良市東大寺、伊賀上野市の忍者屋敷、三重県名張市赤目四十八滝、三重県伊勢神宮など、映像を見ながら、訪れたその時その時ごとの思い出がよみがえりました。各地を訪れた時の自分の年齢はそれぞれまちまちですが、自分の人生をふりかえるような気分で思い出にひたれました。

 ゲストのいとうまい子さんが観光に積極的で、このころはまだ、路線バスを乗りかえる待ち時間の間に、タクシーで観光をする余裕がありました。いとうまい子さんが観光にこだわるところが素敵でした。いとうまい子さんには感謝です。いとうまい子さんは、訪れた場所に足跡を残したいという願望があります。なんとしてもたこ焼き屋でたこやきを買うのだと、太川陽介さんを説き伏せて、コンニャク入りのたこ焼きを買って食べるシーンがありました。

 冒頭付近のバスの中で、あいかわらずのえびすよしかずさんが、太川陽介さんにいとうまい子さんのことを「歳はとっているけれど、すごく若いよ! こんな47(才)いない!!」と笑顔で声をかけます。いとうまい子さんは、笑ってごまかして、怒っているふうでもありませんでした。

 移動途中で、バス路線のことを地元の人にたずねるために、えびすよしかずさんといとうまい子さんが肩を並べながらラブホテルに入って行った後姿の映像にはびっくりしました。そのときの紅色(くれないいろの)夕映えがきれいでした。

 そのほかにも、えびすよしかずさんが、三人の宿泊場所交渉のためにタクシーから降りて、ひとりでホテルに入って行ったのですが、そこもラブホテルでした。「いゃー ここ、ラブホには見えないでしょ」にだれかが、「見えるでしょ!」って言い返していました。笑いました。

 鳴門海峡の「大鳴門橋」「明石海峡大橋」は人間が歩いて渡ることはできないということは知りませんでした。
 バスに乗るための小さな黄色いケーブルカーが可愛らしかった。

 あいかわらず、競艇場とかパチンコ屋とかが出てくると興奮しだすギャンブル好きなえびすよしかずさんですが、そこから10年が経過して、軽い認知症になってしまい、いまはもうギャンブルはしていないということを先日テレビで観ました。人生の未来とは、どうなるかわからないものです。(その後またギャンブルをやられているようです。しかたありませんな。人生は楽しまなくっちゃ)

 瀬戸内海にある鳴門の渦潮の上あたりで、えびすさんが「この橋の下あたりで(渦潮が)やってるのかなあ?」太川陽介さんが「営業(活動)をしているわけじゃない」
 瀬戸内海の海と島の景色がきれいです。

 淡路島にあるファームパークにコアラがいるということは初めて知りました。画面をジーッと見て、内部が、名古屋市の東山動物園にあるコアラ舎と構造やレイアウトが似ていることに気がつきました。同じオーストラリア産なので類似の案で建物を建造したのかもしれません。
 ここでもえびすよしかずさんがいらぬことを言います。「(コアラがいると聞いて)死んでないかなあ」

 コマーシャルを入れて2時間番組です。コンパクトに上手にまとめてあります。てきぱきとしています。

 このころはまだ、宿泊場所で、太川陽介さんやゲストがいやがらせのようにえびすよしかずさんのベッドにダイビングするようにジャンプするということはしていなかったようです。えびすさんは自分が寝るベッドに他人が触れることを嫌います。

 神戸市内は1995年の阪神淡路大震災が起きた翌月に、仕事の関係で現地に行ったことがあります。荒廃した市街地を歩きながら、これは、復興するまでにどれぐらいの年数がかかるのだろうかとぼーぜんとしました。それから、10年後にひとり旅の日帰り旅行で同じ場所を歩いて見て回りました。新築の家や建物が並んでいました。そんな思い出があります。

 太川陽介さんは、バスの乗り継ぎにおいて「運」がある人だと思っていつもテレビを見ています。
 路線を間違えて、後戻りするシーンがありますが、それもまた人生のようです。うまくいかなかったら、後戻りして、もういちどそこからやり直せばいいのです。

 太川陽介さんが優しくて良かった。23時12分発のバスがあって、それに乗ろう!というようなことを太川陽介さんが提案したのですが、えびすよしかずさんといとうまい子さんが、思いとどまってくれと太川陽介さんにお願いして思いとどまってくれました。2021年の今だと、競争式乗り継ぎ番組になったので、思いとどまってくれないかもしれません。

 奈良東大寺には40代のころにたいへんお世話になりました。いろいろとゆきづまると大仏さんのお顔を見るために何度も東大寺まで足を運んでいました。自分は宗教に入っているわけではありませんが、とにかく巨大な大仏殿とこれまた大きな大仏さんを見上げていると、自然と気持ちが落ち着いてきて『よし!やろう!!』という意欲が湧いてきました。おかげで心がへし折れることなく50代も過ごすことができました。感謝しかありません。

 太川陽介さんのご親族の方が、高松市とたしか伊賀上野市で出ておられました。ローカル人情旅です。昭和時代の雰囲気があります。

 映像を見ていて、三人のメンバーは、路線バスでよく四国の高松から三重県内まで来ることができたなあと感心します。

 どこかのシーンで、太川陽介さんが「じゃあ、それ信じます!」と発声されたのが、気持ちよかった。

 飲食店で奥さんが「お父さんが(三人を車でホテルまで)送っていきます」と言われて、人情旅だとほろりときました。親切が一番です。

 ゴールは伊勢神宮です。今回の旅ではパワースポット(元気をもらえる場所)がいくつもありました。  

2023年02月10日

太川&えびすの路線バス旅 四国ぐるり一周 2011年12月

太川陽介&えびすよしかずのローカル路線バス人情ふれあい旅 第10弾 四国ぐるり一周 BSテレ東 2011年12月分の再放送

 ロケ日は、2011年11月15日-同月18日です。(平成23年3月11日東日本大震災の年)
 えびすさんのご両親の出身地が徳島県の日和佐(ひわさ)というところで、ウミガメの産卵地で有名だそうです。

 ボタンダウンのえりのボタンをとめないえびすさんを太川さんが注意するところから始まりました。これまでにもそういうことがありました。太川さんはきちょうめんです。

 徳島駅の建物がきれい。

 河原にて、三人で川面(かわも)に小石を投げて、水面の水を切る回数を競って遊ぶ。(観光地見学よりも、そういうなにげないたわむれが、あとあといい思い出として記憶に残ることがあります)

 うなぎがおいしいという話が地元の女子高生から出て、名古屋の「ひつまぶし」の話をえびすさんがふりますが、女子高生は「ひつまぶし」は知らないそうです。おいしいですよ。

 映像を観ながら思ったことです。
 旅は気持ちで動く。
 多少のトラブルがあっても気にしない。
 もう理屈や規則で動くのは、きゅうくつでイヤです。

 遠藤久美子さんは、髪が長い。
 髪が長いのは女性っぽい。

 夕焼けの海がきれいです。地名でいうと、中村に向かうあたりの海岸です。
 日の出前の太平洋の大海原もきれいです。足摺岬(あしずりみさき)での早朝の光景です。

 松山城はしっかり見ることができなくて残念でした。
 歳をとると城の中を昇るのはたいへんです。少し離れたところからながめるだけで十分満足します。
 なんというか、城を100巡るとか、山を100登るとか、そういう旅のしかたが自分はイヤです。仕事のノルマ(割り当て)を思い出すのです。業務達成目標の数値です。そういう旅をする方は、仕事の意識が抜けていない方だと思うのです。(気分を害されたらすいませんが、そんなふうに受け止めている人間もいることに気づいてくださいな)

 香川県のさぬきうどんがおいしそう。朝からうどんです。
 以前テレビ番組で、香川県の人は、朝からうどんを食べるのですと紹介がありました。
 わたしもうどんが好きです。日本人であることを自覚します。わたしはきつねうどんが好きです。

 ラストは残念でしたがしかたがありません。
 『なんちゃない。イノシシが出るだけ』という方言の響きに味わいがあって良かった。
 『(はっきりいいますと)もうバスは無いよ』

 やるだけやった。
 がんばった。
 太川『高松で(親戚の)おばさんが弁当三つ持って待っていたのに』
 たしか、次回の番組のはじまりで、そのおばさんが登場していました。



(2021年8月のときの感想文)
太川陽介&えびすよしかずのローカル路線バス人情ふれあい旅 第10弾 四国ぐるり一周 BSテレ東 2011年12月分の再放送

 ゲストは、遠藤久美子さんです。
 結果は失敗に終わっています。
 徳島駅→高知→愛媛→香川の順でした。
 自分も二十歳ぐらいのころに、高校の時の友だち5人とホンダシビックと軽自動車の二台に分乗して、二泊三日で四国の西側を半周したことがあります。映像を見ながらなつかしさにひたりました。

 三人ともバスの中で笑顔のスタートです。
 途中、バス路線がつながらなくて、16kmも歩いたのですが、三人とも元気そうです。もう十年前のことですから、みなさん若くて体力もありお元気でした。
 このころのバス旅の雰囲気は、今の路線バスがらみの番組とはずいぶん違います。太川陽介さんがにこやかです。
 現在の路線バス対鉄道とか路線バス同士の競争方式で太川陽介さんが見せる表情は、かなり硬くて真剣です。太川陽介さんは、がんこじいさんに近づいています。大丈夫だろうか。視力も体力も明らかに衰えています。加齢がそうさせるのか、いろいろとこだわりすぎるような。これはこうでなければならない。柔軟性がありません。カチンカチンです。
 また、過去のシリーズ映像をみていると、最近の番組で観られるような刺々しい(とげとげしい)雰囲気は、過去映像にはありません。

 四国の海岸道路を走る路線バスの車窓から、朝の太平洋が見えます。
 いつまでも、ぼーっとながめていたい風景です。
 自分は、スケジュールに追われない旅が理想です。もうノルマ(目標数値)を達成するために、期限と内容を定められた行動をすることは御免(ごめん)です。
 時刻にしばられる鉄道やバスよりも、戸口から戸口へつながる自家用車のほうが気楽でいい。重い荷物を手にもって運ばなくてすむのも助かります。時間はかかっても気楽で手軽なほうがいい。
 現役をリタイアした人間にとっての最終期限は、寿命が尽きる時だと思っています。

 バスの中で、えびすよしかずさんが1本のバナナを出して、朝食として自分が食べる。自分は1本のバナナをほかの人と分けるのはイヤだと言います。えびすさんらしくておもしろい。
 えびすよしかずさんは、ギャンブル好きだから、パチンコ店を見ると興奮します。スイッチが入るのです。

 四国ですから、ときおりお遍路さんの姿が登場して、三人とからむシーンがあります。
 年配の人が多い。お遍路さんは、黙々と歩きながら、過ぎて行った昔のことなどを考える。
 歳をとって、最近思うのは、こどもというのは、頭がいいとか悪いとか、運動ができるとか、できないとか、そういうことは横に置いといて、こどもというのは、とりあえず生きていればいい。同様に、年寄りも生きていればいい。まずは、生きていることが大事だと自分に言い聞かせています。

 途中の喫茶店で持込みOKのモーニングコーヒータイムがあります。田舎ならでは慣習です。
 自分が田舎にいた小中学生のときは、出会う人たちがどこのだれなのかがたいていわかりました。たいてい地縁血縁でつながっていました。
 都会に出てきたときは、こんなにたくさんの人たちが歩いているのに、名前がわかる人がだれもいないということに驚きました。そんな若かった時期がありました。

 高知県を流れている四万十川(しまんとがわ。日本最後の清流といわれている。見たことがあります)のうなぎ料理を楽しみます。えびすよしかずさんから愛知県のひつまぶしもおいしいというような話が出ます。

 えびすよしかずさんが、ヤンキーみたいな若いカップルの男女にいろいろ話しかけるバスの車内が楽しい。このころのこの路線バスの番組では地元の人たちとの交流が盛んでした。今は、殺伐(さつばつ)とした雰囲気で、競争に取り組んでいます。たまに、バス車内での一般人との会話シーンが放映されるとほっとします。

 このときの旅は、仕事とはいえ、三人と番組スタッフさんにとっては、いい思い出になったことでしょう。

 遠藤久美子さんのコメントでおもしろかったところです。
 太川陽介さんが、高知県の安芸市(あきし)でプロ野球の阪神タイガースの選手がキャンプをしていると話をしたら、遠藤久美子さんが、テントを張って、寝袋で寝ているんですよねと確認の質問を太川陽介さんに返したことです。
 プロ野球を知らない人にとっては、「キャンプ」の意味が「合同強化練習」のこととはわからないのでしょう。たぶん、選手はキャンプ中、快適なホテル暮らしをしているでしょう。

 えびすよしかずさんは、自分は「海の男だ」といばります。だけどえびすよしかずさんは、お刺身を食べることが苦手です。

 足摺岬(あしずりみさき)での海の風景と、夜になってからの空に広がる満点の星々が美しいと三人が驚嘆します。わたしが足摺岬に行ったときも、岩壁に打ち寄せる波しぶきが、オレンジ色や黄色、ブルーやグリーンにきらきら輝いていて、こんな波の色は見たことがないと感動しました。

 番組で「宿毛」という地名が登場します。若い頃のわたしが行ったときに、車で道に迷ってしまい、道を歩いていた人たちに「しゅくげへ行く道はこの道でいいですか?」とたずねたら、「しゅくげなんていうところは聞いたことがないなあ」と返答がありました。「宿(やど)に毛って書くんです」と説明したら、「すくも」って呼ぶんだよと大笑いされました。さすがに「すくも」とは読めませんでした。

 番組で出ていた高知県の「中村」という地名にも覚えがあります。(現在は四万十市しまんとし)車に同乗の当時の友人が「中村に行きたい。中村に行ってみたい」と何度も言うので行きました。彼が中村に行きたい理由は忘れました。中村で何かを見た覚えもありません。その後はその友人とはしばらくして疎遠になり、いまでは音信不通になりました。
 先日届いた高校の同窓会名簿に載っていたのは、彼の名前だけで、所在は不明になっていました。ほかにも名前だけでどこにいるのかわからない同窓生が何人かいました。生きているといいのだけれど。もう高校を卒業してから、四十年以上の長い歳月が流れました。

 愛媛県の宇和島で交番に行って、このへんでテントを張っても構わないところはありませんかと聞いたら、闘牛場のそばにあるグラウンドを紹介されました。(もう四十年以上昔のことなので、そのころは許してもらえたのでしょう)
 グラウンドにテントを張って飯盒(はんごう)でごはんをたいて食べてということをして、寝袋で寝る頃に、アベック(カップル)が乗った車がたくさんグランドに集まって来て、いちゃいちゃし始めました。そのうち、別の若者たちも来て、ギターを弾いて歌い出したりして、その夜はよく眠れませんでした。   

2023年02月09日

めくってわかる*からだのしくみ 人体絵本

めくってわかる*からだのしくみ 人体絵本(じんたいえほん) ジュリアーノ・フォルナーリ・作 加藤季子(かとう・すえこ)・訳 ポプラ社

 こどもさん向けの人体解剖図です。
 とてもいい本です。
 今年読んで良かった一冊になりました。
 外国の本を日本語に翻訳してあります。

 縦長の絵本で、上部でとじてあり、ページをめくりあげる形式です。
 人間の体が、縦長に描いてあって、体内の部分をめくるというしかけ絵本になっています。めくるとさらに、からだの内部がわかるようになっています。

 医師や看護師、医療業務関係者、福祉業務関係者、スポーツ、マッサージ、整体などの体を扱う関係者が読む本のようです。
 こどもさんが、将来それらの道をめざすきっかけになる絵本かもしれません。
 
 「からだのなりたち」が書いてあります。しくみとはたらきもわかりやすい。
 内容はそれほどむずかしいものではありません。わかりやすい人体解剖図です。
 解体新書を記した杉田玄白の気持ちがわかります。わくわくしたことでしょう。
 杉田玄白(すぎた・げんぱく):江戸時代の蘭学医(らんがくい)。1733年-1817年。83歳没。1774年『解体新書』を刊行。

 からだの骨は全部で206個ある。
 がいこつの図は、こどものころにテレビで見た『黄金バット』を思い出させてくれます。
 がいこつ図を見ていて、人間のからだは、奇跡のかたまりに思えてきます。

 項目として、
(1)からだのなかをみてみよう
(2)骨格と脳と神経
(3)筋肉の働き
(4)血液と呼吸と生殖
(5)消火器と泌尿器

 命の誕生の仕組みがわかります。
 人間の体の不思議さと神秘が伝わってきます。(しんぴ:神さまがしたことではないかと思えるようなこと)
 性教育に使える本です。
 行為についての説明があります。
 愛情があってこその合体です。
 
 「大腸」は、自分が思っていたよりもけっこう上の位置から始まっていました。
 
 すごい本でした。  

Posted by 熊太郎 at 07:09Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2023年02月08日

バスが来ましたよ 由美村嬉々・作 松本春野・絵

バスが来ましたよ 由美村嬉々(ゆみむら・きき)・作 松本春野(まつもと・はるの)・絵 アリス館

 書店の棚にあるのを手に取って、ぺらぺらとめくって、なかなかいい絵本だと思いました。
 善良な内容です。
 視覚障害者の男性を助ける小学生たちのお話です。
 舞台は和歌山市です。

 登場する男性は、眼の病気になって、だんだん目が見えなくなって、10年たって、何も見えなくなってしまったそうです。
 わたしも49歳の時に右目が加齢黄斑変性という病気になって、右目は、視界の中心部がゆがんで見えます。右目だけでは文字を読むことができなくなりました。幸いに左目がよく見えるので、不十分ながらも視界は確保されています。
 歳をとってくると、体のあちこちが壊れてきます。人間はだれしも高齢になるにつれて、体に障害をもつようになります。避けられません。
 目が不自由になってくると、若い時みたいに、物をすぐに見つけられません。目の前にあってもわからないときがあります。目だけではなくて、認識をする脳の力がおとろえてきます。
 たぶん、ここにこういうものがあるのだろうなあと思いながら物があることを判断することがあります。不安定ですが『慣れる』ということはあります。

 男性は、日常生活において、自立で歩くために、三年間ぐらい視界がないなかでの歩行を練習されています。
 人間って、やれそうもないことが、やれたりもします。
 毎日少しずつ、コツコツと努力を積み重ねていく楽しみがあります。
 できなかったことができるようになる喜びがあります。

 男性は、市役所勤務だったからできたこともあるでしょう。
 環境を選ぶ。
 環境を整える。

 『おはようございます』
 あいさつは大事です。
 人間関係は、あいさつから始まります。
 いくら勉強ができても、あいさつができないと働きにくい。
 
 性格のいいこどもさんが出てきます。
 だれかが教えないとそうはいきません。
 ご両親や祖父母のしつけがいいのかもしれません。
 もしかしたら、どこかの宗教団体の教育を受けているのかもしれません。
 少年少女の育成団体とか、スポーツ、文化的サークルに所属して、教育を受けているのかもしれません。
 あるいは、ご家族に障害者がいるのかもしれません。
 優しい心はどこから生まれるのだろう。
 『秩序』があります。(ちつじょ:調和がとれていて、安定している状態。順序や関係がきちんとしている状態)

 小学生女児を描いてある絵を見ていて、たいへんだけど、やりがいとか生きがいを生む言動だと受け止めました。

 『感謝』のメッセージがあります。
 
 障害者への手助けはむずかしい面もありそうです。
 たぶん、ご本人のペース(速度)、ご本人のやり方があります。
 なかなか、一方的にこちらから誘導はしにくい。
 頼まれたら、頼まれたことをするのがいいと判断しています。

 この絵本のお話の特徴は、ひとりで済まないことです。
 さきちゃんという小学三年生の行動が、次の世代の小学生に引き継がれていきます。
 『バスが来ましたよ』
 声の主が変わります。
 こどもさんはどんどん成長して、中学生になっていきます。
 ドキュメンタリー絵本です。(事実の記録)

 障害者福祉の本でした。
 今はちっちゃなこどもたちも、長い年月を経て、やがては高齢者になります。
 目の見えない人の社会参加があります。
 ご本人が優しい人だったから、こどもたちが手助けをしてくれたということはあります。
 制限された世界の範囲内で、心豊かに生きると、制限されていたと思っていた空間世界が、あんがい無限に広かったということを実感できたりもします。
 絵の色合いの色調が穏やか(おだやか)で温かい。きれいです。  

Posted by 熊太郎 at 09:30Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2023年02月07日

おまえうまそうだな 宮西達也

おまえうまそうだな 宮西達也 ポプラ社

 親戚のちびっこにプレゼントする絵本を物色しています。(ぶっしょく:たくさんある中から物を探すこと)
 まずタイトルにひかれました。次に恐竜の絵が気に入りました。大きなティラノサウルスが、別の種類の恐竜のたまごから生まれたちいさなこどもを食べようとしているのです。
 読み終えて、もうすぐ二歳になる男の子には、まだ早すぎる内容かなと受け取りました。

 自分の手もとにある自分が手書きでつくった歴史ノートを見ました。
 138億年前に宇宙が始まった。
 46億年前に地球が誕生した。
 紀元前2億年から紀元前6600万年前が恐竜時代です。
 三畳紀(さんじょうき)、ジュラ紀(じゅらき)、白亜紀(はくあき)という時代が、その間にありました。

 絵の色が派手です。原色が輝いています。黄色、オレンジ色が多い。
 絵を見ながら、大昔に実際にあった世界を、空想します。
 まんが本のようです。
 今思い出したのは、たしか『はじめ人間ギャートルズ』というようなタイトルのマンガです。
 この絵本は『むかし むかし おおむかし。ある はれた ひの こと。』から始まりました。

 ティラノサウルスに食べられそうになるのが『アンキロサウルス』のあかちゃんで、たまごから生まれたところです。
 アンキロサウルスという恐竜の名前は、自分は聞いたことがありませんが、白亜紀にいた恐竜で、体長8mぐらい。背中に甲羅(こうら)のような部分があって、しっぽの力が強い。アンキロサウルスにとっての天敵が、ティラノサウルスだそうです。

 ティラノサウルスが、おまえを食べるぞーーのほうの恐竜です。体長13mぐらいで、体重は9トンぐらい。(軽自動車1台が1トンぐらい)
 絵本に出てくるティラノサウルスは、ヘビみたいな形をしています。よく見るティラノサウルスとは見た目がちょっと違います。その姿を受け入れられるか受け入れられないかは、読む人それぞれの感じ方でしょう。ティラノサウルスは、とっても有名な肉食恐竜です。映画とかテレビとか、恐竜番組では必ず出てきます。

 食べられるんじゃないかと思ったアンキロサウルスのあかちゃんが、ティラノサウルスに声をかけてしがみつきます。『おとうさーん!』
 その理由付けがうまい。<ティラノサウルスのつぶやき『おまえ、うまそうだな』>は、アンキロサウルスの名前『うまそうだな』に発展していくのです。アンキロサウルスの名前が『ウマソウダナ』になりました。

 アンキロサウルスは草食恐竜だから草を食べます。
 ティラノサウルスは肉食恐竜ですが、アンキロサウルスにつられて、草を食べ始めます。
 作品『あらしのよるに 木村裕一・作 あべ弘士・絵 講談社』を思い出します。ヤギに好意をいだいたオオカミはたしかヤギを食べずに草を食べます。
 
 キランタイサウルス:体長12mぐらい。体重は2.5トンか4トンぐらい。アンキロサウルスのあかちゃんを襲います。
 ティラノサウルスの行動です。自分を慕ってくる人間(恐竜のあかちゃんですが)をキランタイサウルスの攻撃から守ります。
 ティラノサウルスに、アンキロサウルスに対する愛情が芽生えます。父子の愛のようです。
 
 夜空の絵が独特です。
 空いっぱい、満天の星空なのですが、星の色が白ではなく黄色です。
 
 アンキロサウルスもそれなりにティラノサウルスに気をつかいます。
 赤い実が登場します。
 
 最後付近では、民話の『泣いた赤鬼』を思い出しました。赤鬼の幸せために、わざと悪者になった青鬼が、赤鬼にサヨナラをしました。

 最後はひとりだちです。
 人情噺です。(にんじょうばなし:人間の情愛を表現してある)
 師弟関係のようでもあります。
 こどもにしても弟子にしても、いつかは巣立つのです。
 最後のページはちょっぴり感動的です。
 あかちゃんの成長を見守るティラノサウルスがいます。
 なんてやさしいやつなんだ。  

Posted by 熊太郎 at 10:05Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2023年02月06日

いたずらおばあさん 高楼方子・作 千葉史子・絵 

いたずらおばあさん 高楼方子(たかどの・ほうこ)・作 千葉史子(ちば・ちかこ)・絵 フレーベル館

 小学校低学年のこどもさん向けの本でしょう。

エラババ先生:84歳。洋服研究家の偉い先生だそうです。絵では、体は小柄で背が低い。息子の家族と同居している。

ヒョコルさん:68歳。エラババ先生が講義するおしゃれ講座の生徒。エラババの弟子となる。体は細くて背が高い。夫あり。

エラちゃん:8歳ですから小学2年生ぐらい。おしゃれといたずらが好き。いけすかない大人がきらい。いけすかない:どうにも気にくわない。

ヒョコちゃん:8歳。おとなしい。

 タイトル『いたずらおばあさん』からは、こどものころにテレビで見た青島幸雄さんが演じる『意地悪おばあさん』を思い出します。1967年ころの作品でした。(昭和42年ころ)
 もうひとつは先日読んだ内館牧子作品『老害の人』を思い出します。老害の人はおとな向けの小説ですが、これから読む『いたずらおばあさん』は小学校低学年のこどもさん向けです。どんなお話になるのか読むのが楽しみです。

 絵が豊富です。
 目次のページをながめながら『ふたりのおばあさんが、ふたりのちっちゃい女の子になるお話だろうか』
 5ページまで読んで『これは女の子が読む本ではないか? (表現として「少しでも若く見られたい」)』
 
 文章にリズムがあります。
 男は知らない女子のおしゃれの世界です。

 ひみつのお話があります:布(きれ)は、なにもさわっていないような軽さ、チューインガムのように伸びる。すけて見える。⇒若くなる服。1枚着ると1歳若くなる。楽しい本の世界が始まりました。ヒョコルは60枚重ね着をします。エラババは、76枚重ね着をします。
 ヒョコルさん68歳のつぶやきがおもしろい『なーんたることざんしょ!』
 人台(じんだい):人体の模型。衣服の制作や陳列に使用する。
 
 キーワードが『きょう、わたしは、若く見えます?』

 こどもの仕事は『遊ぶこと』です。

 今年読んで良かった一冊になりそうです。
 発想がおもしろい。

 れんこんレースのついた白いブラウス:女性用の上衣(うわぎ、じょうい)。れんこんは、れんこんのような形の半円形のもようだと理解しました。27ページにエラちゃんの絵があります。
 スカラップのすそ:半円の形状をしたスカートのすそ。

 若返ったふたりは、どんどんぴょんぴょんはね回ります。
 わかります。自分も三十代のころは体がびゅんびゅん動きました。六十代になった今は、そろりそろりとしか動けません。

 大学生のおにいさん:エラババ先生宅の近所に住んでいる。
 
 おもしろい。8歳になったエラちゃんは、路線バスの運転手に『老人用の無料パス』を提示してしまいました。

 こどもに戻ったふたりが対決する相手です。
 『夢見る少女の会』会長ハナエ。ハナエの仲間五人。理由は、こどものエラをばかにしたからです。五人は差別をする人たちです。
 うわべだけの仲良しグループは、攻撃の相手が定まると集中的に攻撃してきます。夢見る会のメンバーとこどもふたりは、年齢は離れていても、女どうしの戦いがあります。
 いじめた人間たちは、不幸な未来を迎えることが世の習いです。(ならい。そうなるという自然のなりゆき)
 ちいさな少女二人のおばちゃんたちへの仕返しが始まりました。(女は怖い。働いていた頃よく聞いた言葉があります。「女性を敵に回すと仕事が回らなくなる」)
 少女ふたりがやっていることは、ちょっとどうかと思うのですが、雰囲気は楽しい。
 
 デパートの屋上に舞台が移りました。
 昔は屋上に遊具が置いてあって遊べました。
 いまどきは、そういうところは見かけなくなりました。

 婚礼ダンスを売るような大型家具店も見かけなくなりました。
 なつかしい言葉が続きます。『赤ずきん』ふたりで劇が始まりました。
 エラはうそつきです。
 女の世界です。プライド(自尊心。自分が大事)が強い。負けず嫌いです。
 次の攻撃相手は『丸三角小学校の男性校長』です。
 こどもはおおぜいの前で、大声で叱られるとカッとくるのです。(おとなもいっしょです)
 エラは詐欺師のようでもあります。(さぎし:人をだまして利益を得る)
 仕掛けがいっぱいで、おもしろい。
 
 ヒョコルには、だんなさんと孫がいる。
 孫の名前が『トミオ』です。

 性悪のいんごうババァ(しょうわるのいんごうばばあ):性格が悪いがんこで無情なおばあさん。(音楽のゲゲノギ先生のこと。ピアノを弾く(ひく)。けたたましく怒る(おこる)。こどもを見下す(みくだす))『春の音楽祭』がらみで、エラが攻撃します。暴力的な教師は追放です。エラは、気にいらない教師の足を引っ張る行為をします。手法は、仲間はずれです。うーむ。女の世界は怖い。

 ほーっ。なるほど。おもしろい。
 洋服を着る枚数で、年齢調整ができるのです。
 映画を観ているみたいです。
 ひみつの服を30枚着ると30歳若返るのです。
 そんな服がもし現実に販売されたら爆発的に売れることでしょう。

(つづく)

 『ホイホイ公園』『ホイホイ文化センター』おもしろい。登場人物の名付けといい、実際にあるものと重なるといけないので、カタカナ名称でじょうずにはずしてあります。

 『装いとはなにか(よそおいとはなにか。身なりを整える。おしゃれとはなにか)』
 
 エラババ先生にピンチ到来です。
 エラババ先生は頭の回転はいいけれど物忘れがあります。認知症のきざしありかも。
 されど、もちまえの知恵で難局を乗り切りました。
 『はらっぱ会館』『人形劇』『こども広報』
 読んでいて、自分のこども時代を思い出しました。
 「遊ぶこと」が毎日でした。119ページあたりの感想です。
 エラババ先生84歳とヒョコルさん68歳もこどもに返ったようです。
 『チコルの冒険』
 
 やっかいな人がいます。『ガメテラ・カネゴロー』名前からさっするとカネ・カネ・カネの金もうけがしたいおじさんでしょう。公園を商売用の土地にしたい。もうかることにしか興味がないおじさんが出てきます。

 エラちゃんがどうやってガメテラ・カネゴローをこらしめるか。
 読んでいて、読み手の自分は、その方法にピンときました。(合っていました。正解でした)
 やっちゃえ! えらちゃん!!

 なかなか仕事がていねいなエラちゃんです。
 じょうずにつくってある本でした。  

Posted by 熊太郎 at 07:28Comments(0)TrackBack(0)読書感想文