2023年02月14日
透明な螺旋(とうめいならせん) 東野圭吾
透明な螺旋(とうめいならせん) 東野圭吾 文藝春秋
始まりに、1948年(昭和23年)ぐらい生まれの若い女の子が出てきます。
兄がひとり、弟がふたり、妹がひとりいます。
女の子の氏名は出てきません。
女の子は、その後成長して、銀座でひったくりにあったことで知り合いになった男性矢野弘司と夫婦になって、2300gの女の子を出産します。
でも夫は病気で急死します。
母親である女の子は、あかちゃんを育てていく自信がなくなり、あかちゃんを千葉県内にある紡績工場近くの児童養護施設の門のそばに遺棄しました。(いき:置き去りにする)
以上が、プロローグ(はじまり)の部分でした。
暗い話になりそうです。
島内園香(しまうち・そのか):二十歳ぐらいか。(のちに23歳と判明)東京上野の生花店勤務。五年間ぐらい働いている。
島内千鶴子(しまうち・ちづこ):五十歳手前ぐらいか。島内園香の母親。昔は児童養護施設で働いていたが、その後、給食センターで働いている。
ナエ:七十四歳ぐらい。島内千鶴子と親しい。(松永奈江)絵本作家。紙芝居も扱う。36年前に埼玉県新座市(にいざし。埼玉県南部に位置する)に引っ越してきた。転居後10年ぐらいして病死した夫が松永吾朗。松永奈江よりも20歳近く年上の男性だった。
上辻亮太:島内園香の恋人。映像の仕事をしている。UXイメージ工房のチーフプロデューサー。三十三歳。群馬県高崎市出身。両親とは疎遠。性格破綻者(せいかくはたんしゃ:正確に欠陥がある。社会生活ができない。人格に二面性がある)
青山店長:島内園香が勤務する上野の生花店、四十歳前後の女性店長。
岡谷真紀(おかたに・まき):島内園香の同級生。
児童養護施設『あさかげ園』園長が男性で、金井。関根という女性が、島内千鶴子と仲が良かった。
伏線として『人形』が忍ばせてあるのでしょう。
ピンキーとキラーズはなつかしい。歌は『恋の季節』です。自分はたしか小学生でした。
すらすらと読めます。この作者さんの特徴です。
読みやすく、わかりやすい文章です。
焼き鳥屋のウズラの卵にこだわりあり。島内園香と母親の好物です。
島内園香は不倫の子らしい。妻子ある人のこどもです。
先日読んだ『彼女の家計簿 原田ひ香 光文社』に出てくる瀧本里里(たきもと・りり)とその子である女児の啓(けい)三歳ぐらいを思い出しました。
今から読み始める話と「彼女の家計簿」が重なり合うこの世にない新たな本が、自分の脳に発生するかも知れません。
島内親子は木造二階建てアパート『いるかハイツ』八世帯が住んでいる。島内親子は二階の角部屋で暮らしている。
だけど、浴室で母親の島内千鶴子が倒れています。母は、くも膜下出血で死去します。
話は進み、島内園香は、上辻亮太の所有物扱いされるのではないかという心配事が読み手の自分に生まれました。好青年イコール好人物とは限りません。
(ふと思う。ナエは、島内園香の祖母ではなかろうか。真実はまだわかりません。いまはまだ26ページ付近にいます)
(つづく)
9月27日:レンタカー借用
9月28日:レンタカーの返却なし。
9月29日:不明者届出
10月02日:行方不明になる。
10月06日:遺体発見
警視庁捜査一課
特捜本部
草薙俊平(くさなぎ・しゅんぺい):男性。警察職員係長職。
内海薫(うつみ・かおる):女性。警察職員。草薙の部下。
横山巡査長:三十歳過ぎ。生活安全課所属。
湯川学:帝都大学。天才物理学者。草薙俊平の大学時代からの友人。湯川学の出身高校は、エリートがそろった統和高校。バトミントンをしていたが、バトミントン部員ではなかった。高校のクラスメート女子と6年間付き合ったが別れた。
帝都大学の『優秀卒業研究発表会』で湯川学が発表したのが『磁界歯車(じかいはぐるま)』
今は、母親の介護をしている。
年寄りの面会希望あり。七十歳前後の女性高齢者だった。
陰の人間がだれかを助ける。この作者さんの物語づくりのパターンひとつだろうか。
『ぼくは何?』
『ひとりぼっちのモノポちゃん』 モノポール:磁気単極子。磁気のN極だけ、あるいはS極だけの素粒子をもつ。
藤崎編集者
オーパス・ワン:アメリカ合衆国カリフォルニア州にあるワイン事業所。
87ページ付近、自問自答のような会話が続きます。草薙と湯川の会話です。
92ページあたりの推理は、本を読んでいる読者の推理と一致します。(だけど、真実は、ちがうのだろうなあ)
根岸秀美:東京都中央区勝どき。『銀座 VOWM経営者兼ママ』
(つづく)
チーママ:酒場で、ママの次の立場の女性
ワイルドターキー:アメリカ合衆国のウィスキー。バーボンウイスキー(バーボンは地名)
施条痕(せんじょうこん):銃から発射された銃弾に付いた痕(あと)
第一京浜道路(だいいちけいひんどうろ):延長15キロの国道。昔の東海道を引き継ぐ。国道15号。新橋-品川-横浜市
虱潰し(しらみつぶし):見落としがないように徹底的に調べる。
固定資産税の節税対策:市街化区域内のA農地とかB農地とか、長期営農継続農地とか、宅地並み課税とか、そんな言葉をバブル経済期に聞いたことがあります。1980年代だった記憶です。(昭和55年ころ)。よくは知りませんが、当時の土地税制はもう今はないのでしょう。
記述の中身が、もう過ぎてしまった35年ぐらい前のことであり、ネタ切れなのかなあと感じました。それから、夜の酒場の記述がたびたび出てくるのですが、作者自身が銀座の夜の酒場を飲み歩いているのだろうなあという余計な想像が浮かんできました。
読んでいてピンときました。
128ページあたり。根岸秀美(そうか。きっとこの人が犯人に違いない。さて、当たるかどうか)
「山下宅」のお隣が「児島宅」
小島宅の六十過ぎの女性から事情聴取。
(祖母。こどもを捨てた人が)松永奈江-(捨てられたのが、病死した)島内千鶴子-(島内千鶴子の非嫡出子の娘が)島内園香ではなかろうか。
キーワードとして『ボウム』 「誓いを立てる」につながる意味。
DV男が登場します。なんでこんな男を好きになってしまったのか。気をつけましょう。見た目ではわかりません。男だけではなくて、女DVもいるはずです。どちらもこどもを虐待しそうです。怖い。
DV加害者は、実は被害者であったりもする。人間界は複雑です。DV加害者は、第三者から制裁を受けるのです。
いいなと思ったセリフの趣旨として<その人と暮らしていて、あなたは、本当に幸せですか?>
ちょっとむずかし部分もあるセリフです。なにかを克服しないと幸せに近づけないということもあります。
おそらく血がつながっているのに、表向きは他人です。だから、なんの根拠があって、わたしに説教するのかとなります。(あたしにとってあなたは他人。(違います。肉親です))
167ページ、死んだ人間が生きている。
もうひとつ気に入ったセリフとして『……敵か味方かを瞬時に判断する習性を生まれ持っているからかもしれない』
異常な男がいます。
情報がもれている。
なぜ?
警察の関与が被害者を窮地(きゅうち。苦しい立場に追い詰める)に追い込む。
被害者は加害者でもあるから、しかたがないと簡単には割り切れない気持ちになります。
そういうからくりか。(気づけませんでした)
湯川学の逮捕(前例があるのか。逮捕はしなかったみたいですが。)
草薙俊平と湯川学は、友人なのかなあ。利害関係のつながりだけに見えます。
(つづく)
『望夢』
クロスボー:西洋の弓
216ページ付近にいますが、読む気持ちがだんだんしぼんできています。
『密造銃』
こどもを捨てた親の話は聞きにくい。
物語を離れて、押さえておくべき言葉として『傍から(はた)からは優しく見えても、裏に回れば妻や恋人に暴力をふるう男はいる……』(あたっています。警戒しましょう)
犯行に長い人生の歴史がかぶさります。
殺すのではなく、話し合いで解決する。(口実でしかない。こうじつ:表面上の理由)
246ページ。ふーむ。びっくりしました。介護の話はどうなっているのか。
252ページ、さらにびっくりしました。そうなのか。
被害者は、カネに目がくらんで、命を落としたか。
260ページ付近、読み手である自分は、だまされているのだろうか。何が真実なのかわからなくなりました。
悪人は、金づる(かねづる:金をせびる相手。自分が苦労しないでお金を手に入れる手段)をつくりたがる。相手のためだという思いやりのような言葉は嘘(うそ)です。自分のためです。
岡谷真紀との京都旅行には無理があるのではないか。
そこまでふたりが親しいとは思えませんでした。
273ページ『わかんない。どうしたらいいのか、全然わからない』(読んでいる自分にもわからない)
276ページ、悲しくなる。面会することもないでしょう。永遠の別れでしょう。
ふーむ。ふたりか。
重ねてあるのか。
うーむ。悲劇があります。
親子ってなんだろう。
血のつながりってなんだろう。
うーむ。ただやっぱり、殺人は罪です。
この世の不幸を描いた作品でした。
ここには明確には書けませんが不気味な裏があります。
死んでいるのです。
始まりに、1948年(昭和23年)ぐらい生まれの若い女の子が出てきます。
兄がひとり、弟がふたり、妹がひとりいます。
女の子の氏名は出てきません。
女の子は、その後成長して、銀座でひったくりにあったことで知り合いになった男性矢野弘司と夫婦になって、2300gの女の子を出産します。
でも夫は病気で急死します。
母親である女の子は、あかちゃんを育てていく自信がなくなり、あかちゃんを千葉県内にある紡績工場近くの児童養護施設の門のそばに遺棄しました。(いき:置き去りにする)
以上が、プロローグ(はじまり)の部分でした。
暗い話になりそうです。
島内園香(しまうち・そのか):二十歳ぐらいか。(のちに23歳と判明)東京上野の生花店勤務。五年間ぐらい働いている。
島内千鶴子(しまうち・ちづこ):五十歳手前ぐらいか。島内園香の母親。昔は児童養護施設で働いていたが、その後、給食センターで働いている。
ナエ:七十四歳ぐらい。島内千鶴子と親しい。(松永奈江)絵本作家。紙芝居も扱う。36年前に埼玉県新座市(にいざし。埼玉県南部に位置する)に引っ越してきた。転居後10年ぐらいして病死した夫が松永吾朗。松永奈江よりも20歳近く年上の男性だった。
上辻亮太:島内園香の恋人。映像の仕事をしている。UXイメージ工房のチーフプロデューサー。三十三歳。群馬県高崎市出身。両親とは疎遠。性格破綻者(せいかくはたんしゃ:正確に欠陥がある。社会生活ができない。人格に二面性がある)
青山店長:島内園香が勤務する上野の生花店、四十歳前後の女性店長。
岡谷真紀(おかたに・まき):島内園香の同級生。
児童養護施設『あさかげ園』園長が男性で、金井。関根という女性が、島内千鶴子と仲が良かった。
伏線として『人形』が忍ばせてあるのでしょう。
ピンキーとキラーズはなつかしい。歌は『恋の季節』です。自分はたしか小学生でした。
すらすらと読めます。この作者さんの特徴です。
読みやすく、わかりやすい文章です。
焼き鳥屋のウズラの卵にこだわりあり。島内園香と母親の好物です。
島内園香は不倫の子らしい。妻子ある人のこどもです。
先日読んだ『彼女の家計簿 原田ひ香 光文社』に出てくる瀧本里里(たきもと・りり)とその子である女児の啓(けい)三歳ぐらいを思い出しました。
今から読み始める話と「彼女の家計簿」が重なり合うこの世にない新たな本が、自分の脳に発生するかも知れません。
島内親子は木造二階建てアパート『いるかハイツ』八世帯が住んでいる。島内親子は二階の角部屋で暮らしている。
だけど、浴室で母親の島内千鶴子が倒れています。母は、くも膜下出血で死去します。
話は進み、島内園香は、上辻亮太の所有物扱いされるのではないかという心配事が読み手の自分に生まれました。好青年イコール好人物とは限りません。
(ふと思う。ナエは、島内園香の祖母ではなかろうか。真実はまだわかりません。いまはまだ26ページ付近にいます)
(つづく)
9月27日:レンタカー借用
9月28日:レンタカーの返却なし。
9月29日:不明者届出
10月02日:行方不明になる。
10月06日:遺体発見
警視庁捜査一課
特捜本部
草薙俊平(くさなぎ・しゅんぺい):男性。警察職員係長職。
内海薫(うつみ・かおる):女性。警察職員。草薙の部下。
横山巡査長:三十歳過ぎ。生活安全課所属。
湯川学:帝都大学。天才物理学者。草薙俊平の大学時代からの友人。湯川学の出身高校は、エリートがそろった統和高校。バトミントンをしていたが、バトミントン部員ではなかった。高校のクラスメート女子と6年間付き合ったが別れた。
帝都大学の『優秀卒業研究発表会』で湯川学が発表したのが『磁界歯車(じかいはぐるま)』
今は、母親の介護をしている。
年寄りの面会希望あり。七十歳前後の女性高齢者だった。
陰の人間がだれかを助ける。この作者さんの物語づくりのパターンひとつだろうか。
『ぼくは何?』
『ひとりぼっちのモノポちゃん』 モノポール:磁気単極子。磁気のN極だけ、あるいはS極だけの素粒子をもつ。
藤崎編集者
オーパス・ワン:アメリカ合衆国カリフォルニア州にあるワイン事業所。
87ページ付近、自問自答のような会話が続きます。草薙と湯川の会話です。
92ページあたりの推理は、本を読んでいる読者の推理と一致します。(だけど、真実は、ちがうのだろうなあ)
根岸秀美:東京都中央区勝どき。『銀座 VOWM経営者兼ママ』
(つづく)
チーママ:酒場で、ママの次の立場の女性
ワイルドターキー:アメリカ合衆国のウィスキー。バーボンウイスキー(バーボンは地名)
施条痕(せんじょうこん):銃から発射された銃弾に付いた痕(あと)
第一京浜道路(だいいちけいひんどうろ):延長15キロの国道。昔の東海道を引き継ぐ。国道15号。新橋-品川-横浜市
虱潰し(しらみつぶし):見落としがないように徹底的に調べる。
固定資産税の節税対策:市街化区域内のA農地とかB農地とか、長期営農継続農地とか、宅地並み課税とか、そんな言葉をバブル経済期に聞いたことがあります。1980年代だった記憶です。(昭和55年ころ)。よくは知りませんが、当時の土地税制はもう今はないのでしょう。
記述の中身が、もう過ぎてしまった35年ぐらい前のことであり、ネタ切れなのかなあと感じました。それから、夜の酒場の記述がたびたび出てくるのですが、作者自身が銀座の夜の酒場を飲み歩いているのだろうなあという余計な想像が浮かんできました。
読んでいてピンときました。
128ページあたり。根岸秀美(そうか。きっとこの人が犯人に違いない。さて、当たるかどうか)
「山下宅」のお隣が「児島宅」
小島宅の六十過ぎの女性から事情聴取。
(祖母。こどもを捨てた人が)松永奈江-(捨てられたのが、病死した)島内千鶴子-(島内千鶴子の非嫡出子の娘が)島内園香ではなかろうか。
キーワードとして『ボウム』 「誓いを立てる」につながる意味。
DV男が登場します。なんでこんな男を好きになってしまったのか。気をつけましょう。見た目ではわかりません。男だけではなくて、女DVもいるはずです。どちらもこどもを虐待しそうです。怖い。
DV加害者は、実は被害者であったりもする。人間界は複雑です。DV加害者は、第三者から制裁を受けるのです。
いいなと思ったセリフの趣旨として<その人と暮らしていて、あなたは、本当に幸せですか?>
ちょっとむずかし部分もあるセリフです。なにかを克服しないと幸せに近づけないということもあります。
おそらく血がつながっているのに、表向きは他人です。だから、なんの根拠があって、わたしに説教するのかとなります。(あたしにとってあなたは他人。(違います。肉親です))
167ページ、死んだ人間が生きている。
もうひとつ気に入ったセリフとして『……敵か味方かを瞬時に判断する習性を生まれ持っているからかもしれない』
異常な男がいます。
情報がもれている。
なぜ?
警察の関与が被害者を窮地(きゅうち。苦しい立場に追い詰める)に追い込む。
被害者は加害者でもあるから、しかたがないと簡単には割り切れない気持ちになります。
そういうからくりか。(気づけませんでした)
湯川学の逮捕(前例があるのか。逮捕はしなかったみたいですが。)
草薙俊平と湯川学は、友人なのかなあ。利害関係のつながりだけに見えます。
(つづく)
『望夢』
クロスボー:西洋の弓
216ページ付近にいますが、読む気持ちがだんだんしぼんできています。
『密造銃』
こどもを捨てた親の話は聞きにくい。
物語を離れて、押さえておくべき言葉として『傍から(はた)からは優しく見えても、裏に回れば妻や恋人に暴力をふるう男はいる……』(あたっています。警戒しましょう)
犯行に長い人生の歴史がかぶさります。
殺すのではなく、話し合いで解決する。(口実でしかない。こうじつ:表面上の理由)
246ページ。ふーむ。びっくりしました。介護の話はどうなっているのか。
252ページ、さらにびっくりしました。そうなのか。
被害者は、カネに目がくらんで、命を落としたか。
260ページ付近、読み手である自分は、だまされているのだろうか。何が真実なのかわからなくなりました。
悪人は、金づる(かねづる:金をせびる相手。自分が苦労しないでお金を手に入れる手段)をつくりたがる。相手のためだという思いやりのような言葉は嘘(うそ)です。自分のためです。
岡谷真紀との京都旅行には無理があるのではないか。
そこまでふたりが親しいとは思えませんでした。
273ページ『わかんない。どうしたらいいのか、全然わからない』(読んでいる自分にもわからない)
276ページ、悲しくなる。面会することもないでしょう。永遠の別れでしょう。
ふーむ。ふたりか。
重ねてあるのか。
うーむ。悲劇があります。
親子ってなんだろう。
血のつながりってなんだろう。
うーむ。ただやっぱり、殺人は罪です。
この世の不幸を描いた作品でした。
ここには明確には書けませんが不気味な裏があります。
死んでいるのです。