2020年05月17日

アウトレイジ 邦画DVD 2010年公開

アウトレイジ 邦画DVD 2010年公開

 今さらですが、初めて観ました。最初から最後まで怒鳴り声で、ドンパチ殺し合いをやるのだろうと思って観始めましたがそんなことはありませんでした。静かな時間帯が長い。
 途中、映画ってなんだろうと考えこみました。小説と同じように、「悪」を浮かび上がらせる。最後は、悪が悪を洗浄するという終わり方でおもしろかった。表現に広がりがあります。

 嘘八百を下地にして、組織と組織の権力闘争があります。目的は、「お金」です。たびたび登場するのはメンツです。

 シャブというのは、健康被害防止のために禁止するものだと思い込んでいましたが、反社会勢力の資金源になるから禁止されることを思い出させてくれました。

 大きな組織が、小さな組織を飲み込んでいきます。各組織の中でも序列に基づく活動がうまくっているわけではありません。下は上の地位を狙っています。組織同士にしても、個人同士にしても、信頼関係があやうい。

 映画だと思って観ています。
 トップの地位にある怖い役の北村総一朗さんは、テレビのバラエティー番組で見かけるので、お笑い方向の俳優さんだと思っていました。
 外交官役の外国の人ですが、ヘビを見てあんなに驚くものだろうか。あとは、拳銃の弾(たま)は思ったところに、あんなにうまく当たらない。
 思いどおりにならないと、暴力で従わせる世界です。問答無用で殺します。命がいくつあっても長生きできません。権力図の中で、どちらかといえば弱者のポジションにいるビートたけしさんの役柄が悲しい姿をしていました。
 ラストは、「親友」という意味の「悪友」だと、ビートたけしさんと小日向文世さんを見て思いましたが、その数分後に美しい気持ちは見事に裏切られました。いい人はいないのです。

 アウトレイジ:極悪非道な行為、暴力