2020年05月05日

台風家族 邦画DVD

台風家族 邦画DVD 2019年公開

 わけがわからない部分が多いのですが、どういうわけか、画面をじーっと見入る時間帯が長かった。それだけ、心の深くに働きかけるものがあるのでしょう。
 父親は、息子に対して思いやりをもっていたけれど、その愛情は伝わっていなかった。息子たちも娘も父親のことを良くは思っていなかった。劇中のセリフにあったように、親にとっては、四人のこどもを育てることは、まず、金銭的に大変です。

 冒頭は、葬儀社を経営していた老夫婦による銀行強盗のシーンから始まります。2000万円の強盗に成功して、夫婦は失踪します。残されたのは、長男、次男、長女、三男、長男の妻と孫の女児でした。
 失踪宣告が成立して、犯罪の時効が成立して、両親夫婦の所在もお金のありかも不明ですが、親が所有する土地家屋預金等の財産はあるので、相続問題が発生します。

 きょうだいたちの顔が似ていないので、きょうだいと思うのがむずかしかった。
 なんだか、暗くて、騒々しかった。始まって36分経過付近で、期待したほどおもしろくない。
 銀行強盗をした両親の妻のほうが認知症であったところぐらいから真剣味が増しました。
 
 暴力では、問題は解決しません。
 家族、親族関係の再生話だろうか。

 まあ、めちゃくちゃです。
 劇中のセリフを借りると、「最低がどこかわからない。沼よ、沼。底なし沼」

 犯罪の関係者として人生が狂ったのは、容疑者の親族だけではなくて、強盗に入られた銀行の支店長、それから、悪いこととは知りつつ特殊詐欺として、コールセンターで電話をかけていた若い女性もです。

 演劇を観ているようでした。
 
 日本映画の「羅生門」とか、東野圭吾作品「人魚の眠る家」パターンで、多面的な視点をもつとか、後半で、いろいろなことを明白にしていく手法です。

 認知症の妻が、ソーメンを手づかみするシーンが怖かった。ホラーでもあり、コメディでもありの映画でした。

 家族は、海辺の砂浜が似合う。BGMは音楽ではなく、海鳴りの潮騒で、とても良かった。家族の記念写真撮影風景を見ながら、しみじみできました。