2020年02月27日

としょかんライオン ミシェル・ヌードセン

としょかんライオン ミシェル・ヌードセン・さく ケビン・ホークス・え 福本友美子・やく 岩崎書店

(1回目の本読み)
 本屋さんでひととおり読んだ時点で、これは名作だと思いました。心優しい絵本です。

(2回目の本読み)
 本を手に入れて家で読みました。
 ライオンを怖い感じがする人間に置き換えることもできます。
 多面性がある物語ですが、そのひとつとして、「差別反対」の部分があります。少なくとも図書館内では、だれでも本を楽しむことができるべきなのです。
 次に「役割」という項目があります。だれしも生まれて来て、この世で果たすための役割があてがわれています。この本では、人の役に立つことを「役割」としています。
 物語からの問いかけは、「ルールを守ること」、「ルールとは何か」、「ルールを変えることはできないか、変えることはいけないことか」を考える内容です。

(3回目の本読み)
 ライオンはなにも主張しません。ライオンはさからわずに、まわりの人が決めたままに動きます。
 多面性がある本です。読んだ人が考える本でもあります。正解は人それぞれです。
 孤独なライオンはどこから来たのだろう。
 孤独なライオンはだれかのそばにいたかった。
 マクビーさん:図書館員
 メリーウェザー:図書館長。女性。きまりにうるさい人
 きまりに想定されていない事態が起こったときにどうするのか。ふつうは、責任者であるメリーウェザー図書館長の判断に従います。
 ライオンは自分のために本読みをしてほしい。自分のために本をもっと読んでほしい。
 ライオンは人にかまってほしい。甘えたい。甘えるだけでなくて、だれかの役に立ちたい。
 きまりを守るかどうかのお話です。緊急事態発生を連絡するためにライオンは図書館内で禁じられている大きな音(ライオンのほえる声)を出してしまいました。きまりを破ったライオンは図書館から出て行きました。もうライオンは図書館に来ません。来たくても図書館の中に入れません。
 きまりは、人が幸せになるためにある。だけど、きまりは、完ぺきではない。だから、きまりを絶対に守るのではなく、きまりをできるだけ守るようにすればいいと、学校で習ったことがあります。

 絵が優しい。
 マクビーさんもライオンに対して冷たい人のように見えますが、本当は優しい。
 きそくには、まず、原則があって、例外があります。人を助けるときには、例外を適用するのです。メリーウェザー図書館長を救ってくれたのはライオンなのですから、メリーウェザー図書館長はライオンに感謝したい。
 2007年初版の絵本でした。
  

Posted by 熊太郎 at 06:29Comments(0)TrackBack(0)読書感想文