2019年07月06日
うちのおじいちゃん 谷口國博
うちのおじいちゃん 谷口國博 世界文化社
子どもさん向けの絵本です。
おじいちゃんが、思い出のある古い車を買い替えずに大事に乗るというお話です。
もったいないの教えもあります。
2006年の本です。
おじいちやんの車は、屋根がとんだり、雨漏りしたり、タイヤがはずれたりします。こどもは笑うのかなあ。いちど読んで聞かせてみます。
最近、高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違いで、ちいさな子どもたちが犠牲になる交通事故が全国で頻発しています。暴走運転はやめてほしい。
車が杖代わりというお年寄りはいます。怖い。
さて絵本のなかでは、おじいちゃんの車の調子が悪いので、家に新しい車のカタログが届きました。でも、おじいちゃんは車を買い替える気持ちがありません。ほかの家族が買い替えを希望しているのです。
おじいちゃんは、愛車との思い出にひきずられて、車を手放せない。
15年前は、もったいないは、「美徳」でしたが、今は、「断捨離(だんしゃり。見切りをつける)」です。物ではなく、物は処分して、個々の心のなかに記憶としてとどめておく時代になりました。愛情をもって残す形が変わりました。
物は物であって、感情をもつ人間ではありません。
そして、見るべきものは、「未来」であって、「過去」ではありません。
ラスト付近の文章です。「おもいでをのせて ゆっくり はしっていきます」
交通事故がありませんように。
子どもさん向けの絵本です。
おじいちゃんが、思い出のある古い車を買い替えずに大事に乗るというお話です。
もったいないの教えもあります。
2006年の本です。
おじいちやんの車は、屋根がとんだり、雨漏りしたり、タイヤがはずれたりします。こどもは笑うのかなあ。いちど読んで聞かせてみます。
最近、高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違いで、ちいさな子どもたちが犠牲になる交通事故が全国で頻発しています。暴走運転はやめてほしい。
車が杖代わりというお年寄りはいます。怖い。
さて絵本のなかでは、おじいちゃんの車の調子が悪いので、家に新しい車のカタログが届きました。でも、おじいちゃんは車を買い替える気持ちがありません。ほかの家族が買い替えを希望しているのです。
おじいちゃんは、愛車との思い出にひきずられて、車を手放せない。
15年前は、もったいないは、「美徳」でしたが、今は、「断捨離(だんしゃり。見切りをつける)」です。物ではなく、物は処分して、個々の心のなかに記憶としてとどめておく時代になりました。愛情をもって残す形が変わりました。
物は物であって、感情をもつ人間ではありません。
そして、見るべきものは、「未来」であって、「過去」ではありません。
ラスト付近の文章です。「おもいでをのせて ゆっくり はしっていきます」
交通事故がありませんように。
2019年07月05日
聖☆おにいさん DVD
聖☆おにいさん 邦画DVD(セイント・おにいさん)2018年公開
DVD屋さんで、よく借りられている棚にあったので観てみました。前知識はなかたので、始まってから、(なんだ、これは)という気持ちになって、スマホで調べました。
まんがの映画化でした。映像は不思議で、映画監督らしき人のインタビューから始まります。「やまだせいさくそうしき」と表示があり、「山田清作葬式」だと思って、意味がとれず、首をかしげながら観始めました。20分ぐらい経ってから、「山田製作総指揮」だと気づきました。
ギャグマンガの映画化です。
イエスキリスト役の松山ケンイチさんとブッダ役の染谷将太さんが、松田荘という昔ながらの2階建てアパートのひと部屋で、これまた、昔ながらの電気やぐらこたつをはさんで、語り合うのです。
神さまふたりが、下界でバカンスという状況設定です。
まったり、ゆったり、リラックスのナンセンスギャグです。(ばかげている。意味がない)
おもしろかったのは、①わたしたちは毎日のんびりしている(だから、旅行へいく意味がない)②(インタビューにて)意気込んでつくる作品ではない③こわいのは、医療費の請求書。自分たちには保険証がない④(イエスが)ニューカレドニア(天国に一番近い島)に行きたい。天国の近くでいい⑤ブッダの頭髪を散髪する。⑥イエスははりつけ、ブッダは太っている。⑦チョコレートを割る動作
言葉遊び、言葉操り、中身はありませんが、雰囲気はあります。
観ていて、(役者って、なんなんだろう)という疑問と気持ちが湧きました。
宗教活動の事例紹介みたいです。
昔は、素材に宗教は向かない、売れないとされていたことがありますが、時代は変わりました。案外、新しい世界を開拓できたのではないか。
ふたりの会話を聞いて、気持ちのもちかた次第で、幸せになれると悟りました。
ただ、なんだか、だまされた感じもします。
DVD屋さんで、よく借りられている棚にあったので観てみました。前知識はなかたので、始まってから、(なんだ、これは)という気持ちになって、スマホで調べました。
まんがの映画化でした。映像は不思議で、映画監督らしき人のインタビューから始まります。「やまだせいさくそうしき」と表示があり、「山田清作葬式」だと思って、意味がとれず、首をかしげながら観始めました。20分ぐらい経ってから、「山田製作総指揮」だと気づきました。
ギャグマンガの映画化です。
イエスキリスト役の松山ケンイチさんとブッダ役の染谷将太さんが、松田荘という昔ながらの2階建てアパートのひと部屋で、これまた、昔ながらの電気やぐらこたつをはさんで、語り合うのです。
神さまふたりが、下界でバカンスという状況設定です。
まったり、ゆったり、リラックスのナンセンスギャグです。(ばかげている。意味がない)
おもしろかったのは、①わたしたちは毎日のんびりしている(だから、旅行へいく意味がない)②(インタビューにて)意気込んでつくる作品ではない③こわいのは、医療費の請求書。自分たちには保険証がない④(イエスが)ニューカレドニア(天国に一番近い島)に行きたい。天国の近くでいい⑤ブッダの頭髪を散髪する。⑥イエスははりつけ、ブッダは太っている。⑦チョコレートを割る動作
言葉遊び、言葉操り、中身はありませんが、雰囲気はあります。
観ていて、(役者って、なんなんだろう)という疑問と気持ちが湧きました。
宗教活動の事例紹介みたいです。
昔は、素材に宗教は向かない、売れないとされていたことがありますが、時代は変わりました。案外、新しい世界を開拓できたのではないか。
ふたりの会話を聞いて、気持ちのもちかた次第で、幸せになれると悟りました。
ただ、なんだか、だまされた感じもします。
2019年07月04日
はれときどきぶた 矢玉四郎
はれときどきぶた 矢玉四郎(やだま・しろう) 岩崎書店
はれときどきくもりとかあめとか、天気予報ではそうなるのですが、「ぶた」が空からふってくることはないので、なんとなく、ふざけているのかなという悪い印象をもって読み始めました。
小学校3年生の畠山則安くん、あだなが「十円やす」というのは、「則安」という名前から着ているのでしょうが意味はわかりません。
彼が、日記を書くのです。絵日記です。四コママンガみたいな絵日記ですが、最初の日記はふたコマでした。
ネットで調べたら、10円はげがあるから十円やすというあだなだそうです。1980年が初版です。いまではあまり使われなくなった言葉が出てきます。
畠山則安くんが、小学2年生の時の担任、和子先生に言われて絵日記を書き始めます。きちょうめんです。すごい。千里の道は一歩からとか、継続は力なりという格言が思い浮かびました。
和子先生の言葉は、「日記は人に見せるものではない」ですが、畠山則安の母親は、則安の絵日記を見ます。最初の日記は、おできはるこ(尾関晴子)という女の子にかさでランドセルをたたかれたという話でした。
(つづく)
読み終わりました。今年読んで良かった1冊になりました。こういう世界があったんだ。
畠山則安くんは、『明日の日記』を書き始めます。日記に書いたことが、明日、事実の出来事として起こるのです。ありえないことが、ありえるのです。
ほら話です。純文学の作品で何本か読んだことがありますが、児童文学では初めてです。漫才とかコントの台本を読むようでもあります。おもしろくて楽しい。
文学です。こういう内容で、読んだ人が、ストレスなんかを消化するのです。笑いがともないます。はったり、ほら話などのうそが許されるのが文学作品です。
こどもらしい絵がいい。絵日記です。
トイレにヘビが出ます。それから、えんぴつのてんぷらを食べます。
特効薬が、「消しゴム」です。うまくできている。想像力が豊かです。
おおらかで、素直。うそでも受け入れてしまいます。うそとわかっているからいいのかも。
笑ったのは、「ぶた、ぶた、ふれ、ふれ、かあさんが~」の歌。雨がえるは、ぶたがえる。
68ページの夕映えの絵がきれい。昔、カラーテレビを総天然色と表現していたのを思い出しました。
最後のオチもおもしろい。消しゴムで消しそこねたことが起ります。
畠山則安くんの一人称ひとり語りで話は進行して終わります。最初はいいかげんなことが、やがて本気になります。
作者のあとがきの内容がいい。勇気と励ましをもらいました。
ばかなことを考えることは、すばらしいことにつながる。優れた発明は、最初は人に笑われるものだ。
多数決は絶対じゃない。多数が間違えて、たったひとりが正解のときもある。
自分の感じたこと、考えたことは、笑われても、おこられても、ちゃんと言えるようになろう。
おとなになったら、自分の教科書を自分でつくろう。だから、いまのうちから、いろんなことを考える練習をしておこうとあります。
(その後)
5歳男児に読んであげたらばかうけでした。空からぶたがふってくるという、ありえないことに興味が強く湧いたようです。日本文学における「ほら話」の地位を再確認できました。こどもは、「ぶた」の部分をほかのものに言い換えて大笑いをします。ストレス解消になるようです。
はれときどきくもりとかあめとか、天気予報ではそうなるのですが、「ぶた」が空からふってくることはないので、なんとなく、ふざけているのかなという悪い印象をもって読み始めました。
小学校3年生の畠山則安くん、あだなが「十円やす」というのは、「則安」という名前から着ているのでしょうが意味はわかりません。
彼が、日記を書くのです。絵日記です。四コママンガみたいな絵日記ですが、最初の日記はふたコマでした。
ネットで調べたら、10円はげがあるから十円やすというあだなだそうです。1980年が初版です。いまではあまり使われなくなった言葉が出てきます。
畠山則安くんが、小学2年生の時の担任、和子先生に言われて絵日記を書き始めます。きちょうめんです。すごい。千里の道は一歩からとか、継続は力なりという格言が思い浮かびました。
和子先生の言葉は、「日記は人に見せるものではない」ですが、畠山則安の母親は、則安の絵日記を見ます。最初の日記は、おできはるこ(尾関晴子)という女の子にかさでランドセルをたたかれたという話でした。
(つづく)
読み終わりました。今年読んで良かった1冊になりました。こういう世界があったんだ。
畠山則安くんは、『明日の日記』を書き始めます。日記に書いたことが、明日、事実の出来事として起こるのです。ありえないことが、ありえるのです。
ほら話です。純文学の作品で何本か読んだことがありますが、児童文学では初めてです。漫才とかコントの台本を読むようでもあります。おもしろくて楽しい。
文学です。こういう内容で、読んだ人が、ストレスなんかを消化するのです。笑いがともないます。はったり、ほら話などのうそが許されるのが文学作品です。
こどもらしい絵がいい。絵日記です。
トイレにヘビが出ます。それから、えんぴつのてんぷらを食べます。
特効薬が、「消しゴム」です。うまくできている。想像力が豊かです。
おおらかで、素直。うそでも受け入れてしまいます。うそとわかっているからいいのかも。
笑ったのは、「ぶた、ぶた、ふれ、ふれ、かあさんが~」の歌。雨がえるは、ぶたがえる。
68ページの夕映えの絵がきれい。昔、カラーテレビを総天然色と表現していたのを思い出しました。
最後のオチもおもしろい。消しゴムで消しそこねたことが起ります。
畠山則安くんの一人称ひとり語りで話は進行して終わります。最初はいいかげんなことが、やがて本気になります。
作者のあとがきの内容がいい。勇気と励ましをもらいました。
ばかなことを考えることは、すばらしいことにつながる。優れた発明は、最初は人に笑われるものだ。
多数決は絶対じゃない。多数が間違えて、たったひとりが正解のときもある。
自分の感じたこと、考えたことは、笑われても、おこられても、ちゃんと言えるようになろう。
おとなになったら、自分の教科書を自分でつくろう。だから、いまのうちから、いろんなことを考える練習をしておこうとあります。
(その後)
5歳男児に読んであげたらばかうけでした。空からぶたがふってくるという、ありえないことに興味が強く湧いたようです。日本文学における「ほら話」の地位を再確認できました。こどもは、「ぶた」の部分をほかのものに言い換えて大笑いをします。ストレス解消になるようです。
2019年07月03日
くつくつあるけ 林明子
くつくつあるけ 林明子 福音館書店
8見開きの絵本です。1歳から3歳くらいが対象でしょう。
親子で読みながら、2,3歳のこどもとなら会話ができる絵本だと感じます。
くつの絵がいい。
くつが、まるで、生きているような動きです。
「ぱたぱたぱた はやいはやい」 ちいさい子は、すぐ、走りたがる。
くつは、前に動いたあと、こんどは、縦に立つ。
くつは、白色と黄色で色の調和があります。
そして、下にくつの黒い影があって、背景は、ブルーとグリーンです。
両足をそろえて、ジャンプ、ジャンプ
地面に見えるくつの黒い影がいい雰囲気を出しています。
くつの形が初めて崩れました。くつの黒い影もすみっこがかすれて動いています。
くつがダウンしてしまいました。
言葉数は少ないけれど、絵本のなかでは、なにが起きているのかが、よくわかります。
くつをはいている子どもさんの絵はありませんが、子どもさんの姿が目に浮かびます。
読んでいると、親子の会話が生まれるでしょう。
よいしょ、よいしょ。
くつも疲れて眠るのです。
まるで、くつが、役者さんのようでした。演技、おつかれさまでした。観劇が終わったような感じです。1986年、初版、33年前の絵本です。いまの子どもたちにもメッセージは届きます。くつさんのように元気に歩こう。
8見開きの絵本です。1歳から3歳くらいが対象でしょう。
親子で読みながら、2,3歳のこどもとなら会話ができる絵本だと感じます。
くつの絵がいい。
くつが、まるで、生きているような動きです。
「ぱたぱたぱた はやいはやい」 ちいさい子は、すぐ、走りたがる。
くつは、前に動いたあと、こんどは、縦に立つ。
くつは、白色と黄色で色の調和があります。
そして、下にくつの黒い影があって、背景は、ブルーとグリーンです。
両足をそろえて、ジャンプ、ジャンプ
地面に見えるくつの黒い影がいい雰囲気を出しています。
くつの形が初めて崩れました。くつの黒い影もすみっこがかすれて動いています。
くつがダウンしてしまいました。
言葉数は少ないけれど、絵本のなかでは、なにが起きているのかが、よくわかります。
くつをはいている子どもさんの絵はありませんが、子どもさんの姿が目に浮かびます。
読んでいると、親子の会話が生まれるでしょう。
よいしょ、よいしょ。
くつも疲れて眠るのです。
まるで、くつが、役者さんのようでした。演技、おつかれさまでした。観劇が終わったような感じです。1986年、初版、33年前の絵本です。いまの子どもたちにもメッセージは届きます。くつさんのように元気に歩こう。
2019年07月02日
ヒマラヤに学校をつくる 吉岡大祐
ヒマラヤに学校をつくる 吉岡大祐(よしおか・だいすけ) 2019課題図書 旬報社
1回目の本読み。
全体が200ページぐらいです。文字は読まずに1ページずつ全部のページをめくります。こうすると、全部読んだような気分になれて安心します。
著者の人生史のようです。20代から20年間ぐらいのことが書いてあります。
ネパール人が貧しいこと。貧しいから幸福ではないとはいいきれないこと。
写真を見ます。こどもたちの悲しそうな顔がならんでいます。日本でいうところの虐待とはまた違う苦しい境遇があるようようです。かれらの目には、だれかをうらんでいるような強い光が宿っています。母子家庭が多いようです。(本を読み進めていくと、また、こどもたちの写真がでてきます。学校へ通うようになったこどもたちの笑顔はとても輝いています)
病気、そして、教育。教育は、貧困から脱出する手っ取り早い方法です。単純にいうと、テストでいい点がとれれば賃金が安くても安定した仕事につけるのです。
ただし、「教育」には、お金がかかります。
「人は不足の中でこそ育つ」という項目が出てきます。人は不足するとき、みずからの力で不足するものをつくろうとします。
「字を覚える喜び」という項目が出ます。何の苦労もなく字を覚えることができる人にとっては実感が湧かないとおもいますが、字の読み書きができるということは、実は、すごいことなのです。
「お金を貯めることを学ぶ」英語、算数、理科、社会と同じくらいの比重で、「お金のこと」、「整理整とん」のことも授業をしてほしい。それから、「禁煙」と「禁酒」も。あわせて、「セクハラ」、「パワハラ」も。
2回目の本読み。
プロローグに著者の強いメッセージがあります。
ヒマラヤのふもと、ネパールに流れる「時間」の感覚は、日本とはかなり異なる。みな、のんびり暮らしている。時刻の約束は守らなくていい。時間は、ゆるやかに、のんびりと流れている。失うものはもう何もない貧しさの強さがある。人は何度も生き返るとう「輪廻(りんね)」の教えがあり、よって、自分はなんども生きることができると受け止めるようで、だから、急ぐことはなにもないと考えるそうです。
日本では、「忙しくないこと」は、批判の対象にされる。日本人は、いろいろなものに縛られている。
ネパールの夜空に浮かぶ星は大きい。ネパールが大好き。そういう気持ちが伝わってくる文章です。
写真に映し出された写真の上部にあるアルプスの白い山脈は雄大です。
ネパールという国のことをあまり知りません。知っているのは、ヒマラヤぐらいです。本には、北海道2個ぐらいの広さ、3000万人の人口、多民族国家、海抜100メートルから8000メートル。貧しいけれど、たくさんのお金がなくても暮らしていける場所。
著者の両親はちょっと変わっています。とくに父親が放任主義、つきはなしと思えるほどに「冒険」を勧めます。ふつうは、こどもの事故や事件への巻き込まれが心配で、そこまで、冒険を勧めることはしません。8歳のこどもである著者をアメリカ合衆国ロスアンゼルスの店にひとりでやらせています。なんだか、虐待のイメージすらあります。
本の内容は、「人との出会い」を道しるべにしながら、時系列的に進行していきます。人との出会いが人生を豊かに変えていきます。
その後、本の内容は、ネパールの説明に移ります。ネパールの社会、歴史、地理、文化などです。
星占いを優先する部分では、弥生時代の日本を思い浮かべました。卑弥呼とか、占星術、占いでものごとのさきざきを決めていたころです。日本という国はなく、倭国(わこく)だった頃です。
ネパールのひとたちのルーズ(きちょうめんではない)さについて読んでいたら、とても自分はネパールでは暮らせないという気持ちになりました。
カーストという身分制度が出てきます。上層部にいる人間は、組織を統治していくために身分制度をつくることが好きです。日本でも、士農工商がありました。文句があるなら下をみて暮らせ。もっとひどい生活をしている人間がいるぞ。そして、いじめ社会です。職業、結婚相手、住む地域に制限を加えます。不条理(ふじょうり。良識や理性の法則に反する)です。
(つづく)
100ページ、第4章「学校をつくりたい」から読み継ぎます。
(つづく)
読み終えました。
今年読んで良かった1冊になりました。
広域通信制の高等学校として、「クラーク記念国際高校」当時の生徒数1万人以上。これがきっかけで、ヒマラヤに学校をつくることになりました。少年よ、大志をいだけのクラーク博士から名前がきています。校長は、プロスキーヤーの三浦雄一郎氏。
募金を集めることによって学校づくりが始まります。外国に学校をつくるという話であり、募金はなかなか集まりません。エベレスト登頂のために高い山を何度も繰り返し登ったり降りたりして訓練をしてから登頂に成功した三浦雄一郎氏を見習って、地道に募金活動を続けます。感心をもって集まってくれた子どもの親の家庭訪問活動が効果的だったようです。
ネパールという国の政情不安があります。2008年、立憲君主制から連邦共和制へ移行したものの、スムーズに世の中のシステムが動いたわけではありません。カーストと呼ばれる身分制度、男尊女卑、多民族ではあるけれど、お金持ちと貧困者の二種類しかいない国、そんなことが、本の中で語られています。全般的に、基本的人権の尊重とか、自由がない国です。母子家庭の子どもは父親の許可がないと海外旅行はできません。公務員には賄賂社会があったようです。(裏金で許認可をする)
また、親世代に教育に関する意識がありません。半世紀以上昔の日本のいなか暮らしをみるような思いで読みました。子どもは、農業の労働力でした。田植え、稲刈りなどです。また、農閑期にはおとなは東京あたりの都会へ土木建築現場での出稼ぎをしていました。日銭をかせぐ、一日いくらで生活していく。サラリーマンになるという意識はいなかの人間にはあまりなかった。この本にあるネパールの状況に似ています。ネパールの人たちは、国に産業がないので、中東や湾岸諸国へ出稼ぎに行くそうです。自国へ企業誘致が必要なのでしょう。
さしあたって、300万円の募金で3階建ての校舎建築が始まります。でも、建てたあとも維持費がいります。とくに先生たちの人件費がかかります。賃金未払いの時期もあり、善意にすがるとはいえ、法的には問題がありました。
生徒は5歳から20歳までと幅広い。それだけ、おとなになっても読み書きができる人がいなかったということです。
こどもの暮らしぶりは悲惨です。親は親ではありません。こどもは親に抱きしめられたことがない。ことに男子は大切にされるが女子はほおっておかれる。こどもはおとなに叱られるばかり。ごみ同然の扱いを受ける。
親は、教育を受けていません。人間は、教育を受けることによって、人間になれる。
読んでいると、日本は恵まれていると思います。世界には、学校に行きたくても行けない子どもがたくさんいるのに、行ける設備が整っているのに行けない子がいる日本です。
罰を与えるべきか、愛情で許すあるいは甘やかすべきか、選択がむずかしいシーンもあります。選択してもうまくいこともあるし、うまくいかないこともあります。むずかしい。総じて、「学校」は人生の一時的な滞在地です。病院にも似ている。ずっと、いる場所ではありません。次につなげていくための一時的な滞在地です。卒業しなければなりません。
日本の住み良さがわかる内容です。
2015年4月25日、ネパール大震災が発生。犠牲者約9000人。寄付でつくった学校では、川へこどもたちは洗濯に行っていたので助かった。川で洗濯をするというのも昔の日本の田舎暮らしと共通します。
本の内容は後半になって意外な方向へと動きます。著者が癌になってしまいました。第一線を退くことになります。人間、さきは、なにが起こるか予想できません。名言として、「プレーヤーからサポーターに変わる」という言葉があります。最終的には、現地のことは現地の人にやってもらう。
人生には何度か大きな困難の時期が訪れます。せっかくつくった学校がなくなってはいけません。
エピローグでは、1冊の本を出すまでのご苦労が伝わってきました。
3回目の本読みです。とくに感銘を受けた部分を読み返してみます。
132ページ付近以降にいい記述があります。
きちんとした言葉づかいをさせる。乱暴な言い方はやめる。自分が乱暴だと相手も乱暴になります。
シラミを退治する。勉強が気持ちよくできる環境をつくります。命を守るために健康でいる。
きれいな制服を整える。汚いかっこうの服装を放置しない。制服を着ることで、人身売買の危険から守るというすごいことまで書いてあります。
文字を覚える。親が字を書けないなか、こどもが字を書けるようになります。読み書きは学習の基本です。絵本を読むところからがスタートです。
こどもに静かに語りかける。こどもに「ありがとう」という。
弱い者をいたわる。
調べた言葉などとして、「鍼灸師:しんきゅうし。はりとお灸でツボを刺激して病気を治癒する。国家資格」、「浄財:慈善事業に寄付するお金」、「蘊奥:うんおう。奥深い部分まで極める」
興味深かった部分として、「ネパールのひとは、『ありがとう』という言葉をほとんど使わない。与える方が幸せだから」、「ヒンドゥ教は、男性優位社会」、「185ページ、タゴールの詩。わたしに自由をください」、「(女性からみて)夫は、神である」、「共産党武装組織マオイスト。内戦。ネパール人同士が憎しみあい、殺し合う」
1回目の本読み。
全体が200ページぐらいです。文字は読まずに1ページずつ全部のページをめくります。こうすると、全部読んだような気分になれて安心します。
著者の人生史のようです。20代から20年間ぐらいのことが書いてあります。
ネパール人が貧しいこと。貧しいから幸福ではないとはいいきれないこと。
写真を見ます。こどもたちの悲しそうな顔がならんでいます。日本でいうところの虐待とはまた違う苦しい境遇があるようようです。かれらの目には、だれかをうらんでいるような強い光が宿っています。母子家庭が多いようです。(本を読み進めていくと、また、こどもたちの写真がでてきます。学校へ通うようになったこどもたちの笑顔はとても輝いています)
病気、そして、教育。教育は、貧困から脱出する手っ取り早い方法です。単純にいうと、テストでいい点がとれれば賃金が安くても安定した仕事につけるのです。
ただし、「教育」には、お金がかかります。
「人は不足の中でこそ育つ」という項目が出てきます。人は不足するとき、みずからの力で不足するものをつくろうとします。
「字を覚える喜び」という項目が出ます。何の苦労もなく字を覚えることができる人にとっては実感が湧かないとおもいますが、字の読み書きができるということは、実は、すごいことなのです。
「お金を貯めることを学ぶ」英語、算数、理科、社会と同じくらいの比重で、「お金のこと」、「整理整とん」のことも授業をしてほしい。それから、「禁煙」と「禁酒」も。あわせて、「セクハラ」、「パワハラ」も。
2回目の本読み。
プロローグに著者の強いメッセージがあります。
ヒマラヤのふもと、ネパールに流れる「時間」の感覚は、日本とはかなり異なる。みな、のんびり暮らしている。時刻の約束は守らなくていい。時間は、ゆるやかに、のんびりと流れている。失うものはもう何もない貧しさの強さがある。人は何度も生き返るとう「輪廻(りんね)」の教えがあり、よって、自分はなんども生きることができると受け止めるようで、だから、急ぐことはなにもないと考えるそうです。
日本では、「忙しくないこと」は、批判の対象にされる。日本人は、いろいろなものに縛られている。
ネパールの夜空に浮かぶ星は大きい。ネパールが大好き。そういう気持ちが伝わってくる文章です。
写真に映し出された写真の上部にあるアルプスの白い山脈は雄大です。
ネパールという国のことをあまり知りません。知っているのは、ヒマラヤぐらいです。本には、北海道2個ぐらいの広さ、3000万人の人口、多民族国家、海抜100メートルから8000メートル。貧しいけれど、たくさんのお金がなくても暮らしていける場所。
著者の両親はちょっと変わっています。とくに父親が放任主義、つきはなしと思えるほどに「冒険」を勧めます。ふつうは、こどもの事故や事件への巻き込まれが心配で、そこまで、冒険を勧めることはしません。8歳のこどもである著者をアメリカ合衆国ロスアンゼルスの店にひとりでやらせています。なんだか、虐待のイメージすらあります。
本の内容は、「人との出会い」を道しるべにしながら、時系列的に進行していきます。人との出会いが人生を豊かに変えていきます。
その後、本の内容は、ネパールの説明に移ります。ネパールの社会、歴史、地理、文化などです。
星占いを優先する部分では、弥生時代の日本を思い浮かべました。卑弥呼とか、占星術、占いでものごとのさきざきを決めていたころです。日本という国はなく、倭国(わこく)だった頃です。
ネパールのひとたちのルーズ(きちょうめんではない)さについて読んでいたら、とても自分はネパールでは暮らせないという気持ちになりました。
カーストという身分制度が出てきます。上層部にいる人間は、組織を統治していくために身分制度をつくることが好きです。日本でも、士農工商がありました。文句があるなら下をみて暮らせ。もっとひどい生活をしている人間がいるぞ。そして、いじめ社会です。職業、結婚相手、住む地域に制限を加えます。不条理(ふじょうり。良識や理性の法則に反する)です。
(つづく)
100ページ、第4章「学校をつくりたい」から読み継ぎます。
(つづく)
読み終えました。
今年読んで良かった1冊になりました。
広域通信制の高等学校として、「クラーク記念国際高校」当時の生徒数1万人以上。これがきっかけで、ヒマラヤに学校をつくることになりました。少年よ、大志をいだけのクラーク博士から名前がきています。校長は、プロスキーヤーの三浦雄一郎氏。
募金を集めることによって学校づくりが始まります。外国に学校をつくるという話であり、募金はなかなか集まりません。エベレスト登頂のために高い山を何度も繰り返し登ったり降りたりして訓練をしてから登頂に成功した三浦雄一郎氏を見習って、地道に募金活動を続けます。感心をもって集まってくれた子どもの親の家庭訪問活動が効果的だったようです。
ネパールという国の政情不安があります。2008年、立憲君主制から連邦共和制へ移行したものの、スムーズに世の中のシステムが動いたわけではありません。カーストと呼ばれる身分制度、男尊女卑、多民族ではあるけれど、お金持ちと貧困者の二種類しかいない国、そんなことが、本の中で語られています。全般的に、基本的人権の尊重とか、自由がない国です。母子家庭の子どもは父親の許可がないと海外旅行はできません。公務員には賄賂社会があったようです。(裏金で許認可をする)
また、親世代に教育に関する意識がありません。半世紀以上昔の日本のいなか暮らしをみるような思いで読みました。子どもは、農業の労働力でした。田植え、稲刈りなどです。また、農閑期にはおとなは東京あたりの都会へ土木建築現場での出稼ぎをしていました。日銭をかせぐ、一日いくらで生活していく。サラリーマンになるという意識はいなかの人間にはあまりなかった。この本にあるネパールの状況に似ています。ネパールの人たちは、国に産業がないので、中東や湾岸諸国へ出稼ぎに行くそうです。自国へ企業誘致が必要なのでしょう。
さしあたって、300万円の募金で3階建ての校舎建築が始まります。でも、建てたあとも維持費がいります。とくに先生たちの人件費がかかります。賃金未払いの時期もあり、善意にすがるとはいえ、法的には問題がありました。
生徒は5歳から20歳までと幅広い。それだけ、おとなになっても読み書きができる人がいなかったということです。
こどもの暮らしぶりは悲惨です。親は親ではありません。こどもは親に抱きしめられたことがない。ことに男子は大切にされるが女子はほおっておかれる。こどもはおとなに叱られるばかり。ごみ同然の扱いを受ける。
親は、教育を受けていません。人間は、教育を受けることによって、人間になれる。
読んでいると、日本は恵まれていると思います。世界には、学校に行きたくても行けない子どもがたくさんいるのに、行ける設備が整っているのに行けない子がいる日本です。
罰を与えるべきか、愛情で許すあるいは甘やかすべきか、選択がむずかしいシーンもあります。選択してもうまくいこともあるし、うまくいかないこともあります。むずかしい。総じて、「学校」は人生の一時的な滞在地です。病院にも似ている。ずっと、いる場所ではありません。次につなげていくための一時的な滞在地です。卒業しなければなりません。
日本の住み良さがわかる内容です。
2015年4月25日、ネパール大震災が発生。犠牲者約9000人。寄付でつくった学校では、川へこどもたちは洗濯に行っていたので助かった。川で洗濯をするというのも昔の日本の田舎暮らしと共通します。
本の内容は後半になって意外な方向へと動きます。著者が癌になってしまいました。第一線を退くことになります。人間、さきは、なにが起こるか予想できません。名言として、「プレーヤーからサポーターに変わる」という言葉があります。最終的には、現地のことは現地の人にやってもらう。
人生には何度か大きな困難の時期が訪れます。せっかくつくった学校がなくなってはいけません。
エピローグでは、1冊の本を出すまでのご苦労が伝わってきました。
3回目の本読みです。とくに感銘を受けた部分を読み返してみます。
132ページ付近以降にいい記述があります。
きちんとした言葉づかいをさせる。乱暴な言い方はやめる。自分が乱暴だと相手も乱暴になります。
シラミを退治する。勉強が気持ちよくできる環境をつくります。命を守るために健康でいる。
きれいな制服を整える。汚いかっこうの服装を放置しない。制服を着ることで、人身売買の危険から守るというすごいことまで書いてあります。
文字を覚える。親が字を書けないなか、こどもが字を書けるようになります。読み書きは学習の基本です。絵本を読むところからがスタートです。
こどもに静かに語りかける。こどもに「ありがとう」という。
弱い者をいたわる。
調べた言葉などとして、「鍼灸師:しんきゅうし。はりとお灸でツボを刺激して病気を治癒する。国家資格」、「浄財:慈善事業に寄付するお金」、「蘊奥:うんおう。奥深い部分まで極める」
興味深かった部分として、「ネパールのひとは、『ありがとう』という言葉をほとんど使わない。与える方が幸せだから」、「ヒンドゥ教は、男性優位社会」、「185ページ、タゴールの詩。わたしに自由をください」、「(女性からみて)夫は、神である」、「共産党武装組織マオイスト。内戦。ネパール人同士が憎しみあい、殺し合う」
2019年07月01日
生!池上彰×山里亮太 深読みニュース道場
生!池上彰×山里亮太 深読みニュース道場 角川書店
蒼井優さんと結婚して、話題の山里さんです。
本の内容は、現代社会の出来事の説明と解説です。ふたりで、テレビの一部地域を対象にする深夜放送で、教養トークバラエティ番組をやっていて、その記録だそうです。2019年2月時点のこととあります。
世の中のあれこれをわかりやすく理解できるだろうと思って読み始めます。
(つづく)
国際情勢の記述が多い。トランプ大統領、韓国、北朝鮮問題。トランプさんはやはり常人ではないようです。いいところもあるし、そうでないところもあるのでしょう。金正恩氏も演出好きに見えます。もともと体制のトップにある人とトップでコントロールしているグループは、形式を整えることに執着する性質があるのでしょう。それが、彼らための「安心」につながる。
駆け引きばかりの北朝鮮です。
(つづく)
読み終わりました。教科書を読んでいるようでした。
米中貿易戦争の行方は、各自の懐具合にまで影響を及ぼすことなので、そろそろ、いい方向で解決の出口が見えてきてほしい。選挙当選目的の指導者の権力獲得を目指す私利私欲が物事を決める基準になるのはどうかと。一部の人たちのためではなく、全体のために働いてほしいけれどいかんせんふたりとも日本人ではない。また、日本においても、ひとりのトップに大勢が寄りかかっている今の状態に不安を覚えます。これから何が起きるのだろう。
米の関税が200%とは知りませんでした。そのほかのことでも、知らないことを知った。この本のいいところでした。
真夏日が、30℃以上で、猛暑日が35℃以上。夏日が25℃以上。知りませんでした。
フランスやスペインは涼しいので、ホテルにエアコンがあまりない。これも知りませんでした。
去年の日本の夏は40℃近かったけれど、今年はどうなるのだろう。
防災のための準備関係のお話は役立ちました。大地震は必ず起こる。リニアの建設は大丈夫だろうか。建設中に大きな地震が起こるのではないか。この本を読んでいると、なんだか、心配事ばかりが心に沸き起こります。
「無期懲役」は、終身刑ではなくて、刑期が定められていないという意味も初めて知りました。自由を束縛するとはいえ、税金で生活保障をするような面もあってむずかしいところです。刑務所内での受刑者の老後の介護まで自己負担なしでめんどうをみることになっています。あわせて、外国には死刑はないけれど、現行犯で、すぐ射殺してしまうということにも考えさせられました。世の中はとかく複雑です。
組織の不正に関しては、馴れ合いと感覚のマヒを思いました。みんなでグルになって、目の前にある利益の固まりを分配する図式です。悪事もまかりとおります。
ふたりのやりとりで、山里さんが自分はギャンブルはやらない。それに対して池上さんが、山里さんは人生のギャンブルにおいて、けっこう勝っているという評価が、今回の結婚に反映されていておもしろく読みました。
2022年4月から民法で成人年齢が18歳になる。(すでになっていると思っていました)
イランは、イスラム教徒の少数派の人々の国。これも知りませんでした。
トランプさんの次の大統領は、トランプさんと同じ共和党インド系アメリカ人女性のニッキー・ヘイリーさんという予想です。いろいろ興味深い内容です。
癌細胞は毎日猛烈な勢いで生まれている。これも驚きです。免疫細胞がそれをつぶしている。
深夜番組だからこそ、本音で言える楽しさ、面白さがあります。昼間のテレビは、たてまえと形式整え主義なのでしょう。この本は楽しめました。世の中の出来事の全体について適度に広く教えてくれます。
興味深かった記事として、「新聞を定期購読せずにネットでニュースを見る人が増えたが、ネットでは、フェイクニュースがあふれている(うそのニュース)」、「シンガポールは明るい北朝鮮(管理社会にあり罰則で統制している)」
調べた言葉などとして、「レガシー:遺産」、「ツンデレ:ツンツン、デレデレ、突き放したり、優しくしたり、なんだか、DV暴力の加害者の態度か手法みたい(だまされてはいけない)」
蒼井優さんと結婚して、話題の山里さんです。
本の内容は、現代社会の出来事の説明と解説です。ふたりで、テレビの一部地域を対象にする深夜放送で、教養トークバラエティ番組をやっていて、その記録だそうです。2019年2月時点のこととあります。
世の中のあれこれをわかりやすく理解できるだろうと思って読み始めます。
(つづく)
国際情勢の記述が多い。トランプ大統領、韓国、北朝鮮問題。トランプさんはやはり常人ではないようです。いいところもあるし、そうでないところもあるのでしょう。金正恩氏も演出好きに見えます。もともと体制のトップにある人とトップでコントロールしているグループは、形式を整えることに執着する性質があるのでしょう。それが、彼らための「安心」につながる。
駆け引きばかりの北朝鮮です。
(つづく)
読み終わりました。教科書を読んでいるようでした。
米中貿易戦争の行方は、各自の懐具合にまで影響を及ぼすことなので、そろそろ、いい方向で解決の出口が見えてきてほしい。選挙当選目的の指導者の権力獲得を目指す私利私欲が物事を決める基準になるのはどうかと。一部の人たちのためではなく、全体のために働いてほしいけれどいかんせんふたりとも日本人ではない。また、日本においても、ひとりのトップに大勢が寄りかかっている今の状態に不安を覚えます。これから何が起きるのだろう。
米の関税が200%とは知りませんでした。そのほかのことでも、知らないことを知った。この本のいいところでした。
真夏日が、30℃以上で、猛暑日が35℃以上。夏日が25℃以上。知りませんでした。
フランスやスペインは涼しいので、ホテルにエアコンがあまりない。これも知りませんでした。
去年の日本の夏は40℃近かったけれど、今年はどうなるのだろう。
防災のための準備関係のお話は役立ちました。大地震は必ず起こる。リニアの建設は大丈夫だろうか。建設中に大きな地震が起こるのではないか。この本を読んでいると、なんだか、心配事ばかりが心に沸き起こります。
「無期懲役」は、終身刑ではなくて、刑期が定められていないという意味も初めて知りました。自由を束縛するとはいえ、税金で生活保障をするような面もあってむずかしいところです。刑務所内での受刑者の老後の介護まで自己負担なしでめんどうをみることになっています。あわせて、外国には死刑はないけれど、現行犯で、すぐ射殺してしまうということにも考えさせられました。世の中はとかく複雑です。
組織の不正に関しては、馴れ合いと感覚のマヒを思いました。みんなでグルになって、目の前にある利益の固まりを分配する図式です。悪事もまかりとおります。
ふたりのやりとりで、山里さんが自分はギャンブルはやらない。それに対して池上さんが、山里さんは人生のギャンブルにおいて、けっこう勝っているという評価が、今回の結婚に反映されていておもしろく読みました。
2022年4月から民法で成人年齢が18歳になる。(すでになっていると思っていました)
イランは、イスラム教徒の少数派の人々の国。これも知りませんでした。
トランプさんの次の大統領は、トランプさんと同じ共和党インド系アメリカ人女性のニッキー・ヘイリーさんという予想です。いろいろ興味深い内容です。
癌細胞は毎日猛烈な勢いで生まれている。これも驚きです。免疫細胞がそれをつぶしている。
深夜番組だからこそ、本音で言える楽しさ、面白さがあります。昼間のテレビは、たてまえと形式整え主義なのでしょう。この本は楽しめました。世の中の出来事の全体について適度に広く教えてくれます。
興味深かった記事として、「新聞を定期購読せずにネットでニュースを見る人が増えたが、ネットでは、フェイクニュースがあふれている(うそのニュース)」、「シンガポールは明るい北朝鮮(管理社会にあり罰則で統制している)」
調べた言葉などとして、「レガシー:遺産」、「ツンデレ:ツンツン、デレデレ、突き放したり、優しくしたり、なんだか、DV暴力の加害者の態度か手法みたい(だまされてはいけない)」