2018年04月30日
怒り 邦画DVD
怒り 邦画DVD 2016年9月公開
小説は読んだことがありますが、内容を忘れてしまいました。しかし、映画を観始めて、お弁当のシーンで思い出しました。
映画は暗く沈んだ感じで、家族団らんで見ることができるような雰囲気ではありません。孤独にひとりで観るか、よほど気心がしれた異性とみるかです。
お互いに、はっきり言えないことが多すぎて、意思疎通を図れないもどかしさが表現されています。
出演者 渡辺謙 宮崎あおい 松山ケンイチ 広瀬すず 妻夫木聡
2015年3月15日付けの読書感想文です。
怒り 上・下 吉田修一 中央公論新社
上巻を読み終えたところで感想を書き始めてみます。
冒頭で夫婦が殺害された事件が紹介されます。以降、殺人犯山神一也(昭和59年川崎市生まれ、高卒後立川市のアパート暮らし、無職、28歳、身長178cm、体重68kg)とおぼしき人物は、千葉県房総半島港町で暮らす田代哲也、ゲイの藤田優馬の相手大西直人、沖縄の無人島に住む田中信吾のいずれかではないかと漠然とした前提が広がります。
複数の人間グループの話が集合したスタイルの構成です。登場人物は多い。メモしていかないと、何が何だかわからなくなります。上巻を読み終えましたが、まだまだ話の展開は少ししか動いていません。
気に入った表現の要旨です。「やさしい男たちは、人生を切り開いていける強さはなかった。」
千葉県房総半島を舞台にした記述があるのですが、読んでいた頃にちょうど千葉県内のホテルに宿泊していました。身近に感じることができてよかった。その後に続くページにも、ちょうどその日新幹線の中で食べた名古屋のみそかつ弁当とか、実家がある福岡県の博多駅の記述もあり、小説の内容と実体験が重なりました。
まず、東京八王子市内で、尾木幸則・里佳子共働き夫婦が仕事から帰宅後それぞれが刃物で殺害される事件があって、その犯人が山神一也と紹介されます。最初に犯人を示す刑事コロンボ方式です。次に犯人の候補者が3人示されます。3人ともがそれぞれ孤独ですが、絶対的に孤独な環境にはありません。また、3人お互いに交流とか共通点はありません。
山神一也は全国手配、テレビ公開捜査番組で報道されるのですが、整形しているため本人確認がむずかしい。髪の毛をあげたときの額(ひたい)が広い顔が似ている田代哲也は、千葉県房総半島にある浜崎というところで、知的障害があると思われる槙愛子23歳とアパート暮らしを始めます。愛子の父親を始めとした親族、父親の職場関係者が、田中哲也を包みます。
右頬に3つのホクロがある東京住まいと思われる大西直人は、ゲイの相手、藤田優馬ファミリーに受け入れられています。
沖縄では、サッカープレミアムリーグファン(犯人山神もそう)の田中信吾が、小宮山泉、高校1年生女子をとりまくファミリーに包まれています。
実際に起きたいくつかの事件やダブル台風の襲来などの事実を素材にして推理小説、人間考察小説を成立させることを試みようとしている作品です。
犯人山神一也の父親邦彦は、メッキ工場勤務、母景子は清掃のパート、長男一彦は3歳で病死、次男が邦彦です。親との交流は10年以上ない。
(つづく)
下巻を読み、物語全体を読み終えました。上巻を読むほどの長時間はかかりませんでした。
3組それぞれ、めんどうを見ている者たちに、もしかしたら彼は殺人犯人ではなかろうかという疑惑の気持ちが生じていきます。3人それぞれにボロ(秘密にしておきたいこと)も出てきます。物語は暗い雰囲気が続きます。70ページ付近は、次の殺人事件を予告する不気味な場面です。「足元で、さっきの虫の死骸が動いていた」はいい表現です。
後半に近づきました。沖縄の米軍基地問題をからめてあります。政治を扱うと物語はむずかしくなります。
相手を信じるとか、裏切るということを描いた世界でした。信じていたのに裏切られたとき、殺意が生まれる。
最後半部は泣けました。この作品が本屋大賞を受賞するかどうかはわかりませんが、いつの日か、映像化される可能性は高いでしょう。
小説は読んだことがありますが、内容を忘れてしまいました。しかし、映画を観始めて、お弁当のシーンで思い出しました。
映画は暗く沈んだ感じで、家族団らんで見ることができるような雰囲気ではありません。孤独にひとりで観るか、よほど気心がしれた異性とみるかです。
お互いに、はっきり言えないことが多すぎて、意思疎通を図れないもどかしさが表現されています。
出演者 渡辺謙 宮崎あおい 松山ケンイチ 広瀬すず 妻夫木聡
2015年3月15日付けの読書感想文です。
怒り 上・下 吉田修一 中央公論新社
上巻を読み終えたところで感想を書き始めてみます。
冒頭で夫婦が殺害された事件が紹介されます。以降、殺人犯山神一也(昭和59年川崎市生まれ、高卒後立川市のアパート暮らし、無職、28歳、身長178cm、体重68kg)とおぼしき人物は、千葉県房総半島港町で暮らす田代哲也、ゲイの藤田優馬の相手大西直人、沖縄の無人島に住む田中信吾のいずれかではないかと漠然とした前提が広がります。
複数の人間グループの話が集合したスタイルの構成です。登場人物は多い。メモしていかないと、何が何だかわからなくなります。上巻を読み終えましたが、まだまだ話の展開は少ししか動いていません。
気に入った表現の要旨です。「やさしい男たちは、人生を切り開いていける強さはなかった。」
千葉県房総半島を舞台にした記述があるのですが、読んでいた頃にちょうど千葉県内のホテルに宿泊していました。身近に感じることができてよかった。その後に続くページにも、ちょうどその日新幹線の中で食べた名古屋のみそかつ弁当とか、実家がある福岡県の博多駅の記述もあり、小説の内容と実体験が重なりました。
まず、東京八王子市内で、尾木幸則・里佳子共働き夫婦が仕事から帰宅後それぞれが刃物で殺害される事件があって、その犯人が山神一也と紹介されます。最初に犯人を示す刑事コロンボ方式です。次に犯人の候補者が3人示されます。3人ともがそれぞれ孤独ですが、絶対的に孤独な環境にはありません。また、3人お互いに交流とか共通点はありません。
山神一也は全国手配、テレビ公開捜査番組で報道されるのですが、整形しているため本人確認がむずかしい。髪の毛をあげたときの額(ひたい)が広い顔が似ている田代哲也は、千葉県房総半島にある浜崎というところで、知的障害があると思われる槙愛子23歳とアパート暮らしを始めます。愛子の父親を始めとした親族、父親の職場関係者が、田中哲也を包みます。
右頬に3つのホクロがある東京住まいと思われる大西直人は、ゲイの相手、藤田優馬ファミリーに受け入れられています。
沖縄では、サッカープレミアムリーグファン(犯人山神もそう)の田中信吾が、小宮山泉、高校1年生女子をとりまくファミリーに包まれています。
実際に起きたいくつかの事件やダブル台風の襲来などの事実を素材にして推理小説、人間考察小説を成立させることを試みようとしている作品です。
犯人山神一也の父親邦彦は、メッキ工場勤務、母景子は清掃のパート、長男一彦は3歳で病死、次男が邦彦です。親との交流は10年以上ない。
(つづく)
下巻を読み、物語全体を読み終えました。上巻を読むほどの長時間はかかりませんでした。
3組それぞれ、めんどうを見ている者たちに、もしかしたら彼は殺人犯人ではなかろうかという疑惑の気持ちが生じていきます。3人それぞれにボロ(秘密にしておきたいこと)も出てきます。物語は暗い雰囲気が続きます。70ページ付近は、次の殺人事件を予告する不気味な場面です。「足元で、さっきの虫の死骸が動いていた」はいい表現です。
後半に近づきました。沖縄の米軍基地問題をからめてあります。政治を扱うと物語はむずかしくなります。
相手を信じるとか、裏切るということを描いた世界でした。信じていたのに裏切られたとき、殺意が生まれる。
最後半部は泣けました。この作品が本屋大賞を受賞するかどうかはわかりませんが、いつの日か、映像化される可能性は高いでしょう。
2018年04月29日
チアダン 邦画DVD
チアダン 邦画DVD 2017公開
観て良かった映画です。
久しぶりに映画を観たなーという気分に浸れました。
映画だから、役者さんの演技です。そういう下地を前提に観ています。
暗い雰囲気の部分もありますが、チアダンスグループのキャッチフレーズにあるとおりの「明るく、素直に、美しい」映画でした。
伏線がよく効いています。効果的です。街頭ショーウィンドー前3人の踊り練習、校舎のぶらさげ懸垂幕の大小、小太り女子の切れ味良いダンス
「仲良し地獄」
努力、忍耐、根性が否定され、長時間労働が否定され、特定少数才能ある者が優先といういまごろの社会にあって、凡人は、なにをなして上位をめざせばいいのかという疑問の日々です。
バラバラの気持ちをひとつにするのはたいへんで、それができる人がマネジメントの達人です。
頂点に至った者にしか見られない世界というのは、満ち足りた達成感なのでしょう。ピョンチャンオリンピックを見るようでした。最後付近の演技では思わず手拍子をしていました。
方言は、女性的な雰囲気をなくし、それが、安心にもつながる。
「伝承」 という引き継ぐということが、夢の連鎖です。
「それでも母親か!」 というくだりが、とてもよかった。ぐっときた。
観て良かった映画です。
久しぶりに映画を観たなーという気分に浸れました。
映画だから、役者さんの演技です。そういう下地を前提に観ています。
暗い雰囲気の部分もありますが、チアダンスグループのキャッチフレーズにあるとおりの「明るく、素直に、美しい」映画でした。
伏線がよく効いています。効果的です。街頭ショーウィンドー前3人の踊り練習、校舎のぶらさげ懸垂幕の大小、小太り女子の切れ味良いダンス
「仲良し地獄」
努力、忍耐、根性が否定され、長時間労働が否定され、特定少数才能ある者が優先といういまごろの社会にあって、凡人は、なにをなして上位をめざせばいいのかという疑問の日々です。
バラバラの気持ちをひとつにするのはたいへんで、それができる人がマネジメントの達人です。
頂点に至った者にしか見られない世界というのは、満ち足りた達成感なのでしょう。ピョンチャンオリンピックを見るようでした。最後付近の演技では思わず手拍子をしていました。
方言は、女性的な雰囲気をなくし、それが、安心にもつながる。
「伝承」 という引き継ぐということが、夢の連鎖です。
「それでも母親か!」 というくだりが、とてもよかった。ぐっときた。
2018年04月28日
オリジン 上・下 ダン・ブラウン
オリジン 上・下 ダン・ブラウン 角川書店
Origin:オリジン。原始の、最初の、本来の
さて、どんな物語だろうか。読み始めます。
主人公:ロバート・ラングドン教授 ハーバード大学 宗教学
科学者:AI人工知能作成者 エドモンド・カーシュ 40歳 モップ頭 痩身
キリスト教代表:バルデススピーノ司教
ユダヤ教代表:イエフダ・ケヴェシュ
法哲学者:サイード・アル=ファドル
スペイン海軍退役提督:アビラ提督(艦隊司令官)
舞台は、スペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館で、318人の招待客のいる番組プログラム提供日。
宗教は、日本で文学の素材にすると身を引かれる。だけど、外国では引かれない。日本は無心論者の国、あるいは、なんでもOKの国。
わたしの苦手な世界です。少しずつ解読しながら読む読書になります。
爆発テロが起こったようです。次にそこに至る経過が語られるようです。(それは、テロではなく、芸術作品のひとつの表現手法であることにあとで気づきました。)
ゴーギャンの絵画があります。「人がどこから来て、どこへ行くのか。」にこだわるようです。
1893年に万国宗教会議があった。
〇(まる)にAが、「無心論者」
くさび型文字の解読説明はおもしろい。
現代美術の話は理解できません。
人工知能が物語の鍵を握るようです。
科学者エドモンド・カーシュは、何かを発見した。
(つづく)
そして、事件が起こる。
あらゆる宗教の共通点がある。それは、大きな間違いであるとある。
アンブラ・ビダル:スペインフリアン王子(42歳ハンサム)の婚約者ビルバオ・グッゲンハイム美術館長
(つづく)
上巻を読み終えました。
「宗教」 と 「科学」 と 「政治」 の問題があるようです。
スペイン国王子フリアンとカトリック教会の司教アントニオ・バルデスピーノがいる。
ハーバード大学宗教象徴学専門教授ロバート・ラングドンとブルバオ・グッゲンハイム美術館長アンブラ・ビダル(女性、王子フリアンの婚約者)がいる。
人工知能のウィンストンがいる。
コンピューター科学者未来学者エドモンド・カーシュとユダヤ教のラビ(教師)イェフダ・ケヴェシュとイスラム教の法哲学博士サイード・アル=ファドルはいない。
スペイン海軍退役提督(司令官)ルイス・アビラはいる。
フランシスコ・フランコ 過去のスペインにおける独裁権力者 男尊女卑思想強し。
「独立不羈の人物:自分のちからで行動する。どくりつふき」、「フェデックスの封筒:社名」、「シナゴーグ:ギリシャ語。ユダヤ教の会堂」、「宰輔さいほ:天子を助けて政治を行う者」、「スムージー:凍らせた果物類をミキサーでジュースにしたもの」、「告解:こっかい。教会で司祭におかした罪を告げる。」
(つづく)
下巻を読んで、これで、全体を読み終えました。
宗教に関することなので、日本人である自分には、ピンとくるものがありませんが、外国の人が読むとよく理解できるのでしょう。
人がどこからきてどこへ行くのか。その中身は理解しました。だからなにということもありませんが、そういう考えもあると肯定します。ノストラダムスの大予言の結果を思うと、未来は、そうはならないと断定します。
途中、わたしは、科学者カーシュは実は生存しているのではないかと感じましたが、考えすぎでした。
人類の起源説は、これまで、ここまで詳しく読んだことがなかったので、読んでいて良かった。
「リベラル:穏健な革新」、「&:アンパサンド。eとt ラテン語が起源」、「左脳は分析と言語、右脳は直感、映像」、「原始スープの海」、「エントロピー:ばらばらになる。」、「パラメータ:指示事項」、「界:生物の分類。界>門>目>種」
Origin:オリジン。原始の、最初の、本来の
さて、どんな物語だろうか。読み始めます。
主人公:ロバート・ラングドン教授 ハーバード大学 宗教学
科学者:AI人工知能作成者 エドモンド・カーシュ 40歳 モップ頭 痩身
キリスト教代表:バルデススピーノ司教
ユダヤ教代表:イエフダ・ケヴェシュ
法哲学者:サイード・アル=ファドル
スペイン海軍退役提督:アビラ提督(艦隊司令官)
舞台は、スペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館で、318人の招待客のいる番組プログラム提供日。
宗教は、日本で文学の素材にすると身を引かれる。だけど、外国では引かれない。日本は無心論者の国、あるいは、なんでもOKの国。
わたしの苦手な世界です。少しずつ解読しながら読む読書になります。
爆発テロが起こったようです。次にそこに至る経過が語られるようです。(それは、テロではなく、芸術作品のひとつの表現手法であることにあとで気づきました。)
ゴーギャンの絵画があります。「人がどこから来て、どこへ行くのか。」にこだわるようです。
1893年に万国宗教会議があった。
〇(まる)にAが、「無心論者」
くさび型文字の解読説明はおもしろい。
現代美術の話は理解できません。
人工知能が物語の鍵を握るようです。
科学者エドモンド・カーシュは、何かを発見した。
(つづく)
そして、事件が起こる。
あらゆる宗教の共通点がある。それは、大きな間違いであるとある。
アンブラ・ビダル:スペインフリアン王子(42歳ハンサム)の婚約者ビルバオ・グッゲンハイム美術館長
(つづく)
上巻を読み終えました。
「宗教」 と 「科学」 と 「政治」 の問題があるようです。
スペイン国王子フリアンとカトリック教会の司教アントニオ・バルデスピーノがいる。
ハーバード大学宗教象徴学専門教授ロバート・ラングドンとブルバオ・グッゲンハイム美術館長アンブラ・ビダル(女性、王子フリアンの婚約者)がいる。
人工知能のウィンストンがいる。
コンピューター科学者未来学者エドモンド・カーシュとユダヤ教のラビ(教師)イェフダ・ケヴェシュとイスラム教の法哲学博士サイード・アル=ファドルはいない。
スペイン海軍退役提督(司令官)ルイス・アビラはいる。
フランシスコ・フランコ 過去のスペインにおける独裁権力者 男尊女卑思想強し。
「独立不羈の人物:自分のちからで行動する。どくりつふき」、「フェデックスの封筒:社名」、「シナゴーグ:ギリシャ語。ユダヤ教の会堂」、「宰輔さいほ:天子を助けて政治を行う者」、「スムージー:凍らせた果物類をミキサーでジュースにしたもの」、「告解:こっかい。教会で司祭におかした罪を告げる。」
(つづく)
下巻を読んで、これで、全体を読み終えました。
宗教に関することなので、日本人である自分には、ピンとくるものがありませんが、外国の人が読むとよく理解できるのでしょう。
人がどこからきてどこへ行くのか。その中身は理解しました。だからなにということもありませんが、そういう考えもあると肯定します。ノストラダムスの大予言の結果を思うと、未来は、そうはならないと断定します。
途中、わたしは、科学者カーシュは実は生存しているのではないかと感じましたが、考えすぎでした。
人類の起源説は、これまで、ここまで詳しく読んだことがなかったので、読んでいて良かった。
「リベラル:穏健な革新」、「&:アンパサンド。eとt ラテン語が起源」、「左脳は分析と言語、右脳は直感、映像」、「原始スープの海」、「エントロピー:ばらばらになる。」、「パラメータ:指示事項」、「界:生物の分類。界>門>目>種」
2018年04月25日
頭に来てもアホとは戦うな! 田村耕太郎
頭に来てもアホとは戦うな! 田村耕太郎 朝日新聞出版
2014年第1刷、18年第21刷と、よく売れている本です。
頭に来ることはだれしもあることです。ひきずることもあります。さて、どんなことがあるのでしょうかというところで読み始めます。
冒頭付近の数ページを読むだけで、全体を読んだことになりそうです。要約されています。
「アホ」の定義がむずかしい。同一人物でも、ふたつの要素をもつからです。たとえば、アホとは、被害者も加害者も同一人物なのです。
作者いわく、自分は失敗者であると。だから、この本を書くのだと。ムキになって相手と戦って、相手にしなくてよかったのに、ムダな時間と労力を費やしてしまったと。
リベンジとか、倍返しとか、復讐とか、仕返しとか、考えても実行しても自分のためにはならない。忘れなさいというアドバイスがあります。
「真理」を追及する人になる。そうすれば、ゴールは間違いない場所にたどり着く。
アホ、アホ、アホと、アホの連呼が読んでいて気持ちがいい。
戦いの相手は、「アホの相手」ではない。「自分」である。そこが、作者の言いたいことです。
「タイムコスト」に対する考え方は私とは異なります。若い頃感じた無駄と思えるような時間こそが必要だった時間だと老いて悟りました。
的を射た処世術の記です。
勝つための戦術書でもあります。
一項目が短文で読みやすい。
働き盛りの現役の人向けの本です。リタイアした無職の人、年金生活者の人には、別の本がいいでしょう。
(つづく)
読み終えました。後半の60ページ分ぐらいはなくてもいい。
ただし、後半部に健康、家族を大切にの話が一部あります。そこは大事です。
死んだら終わりです。使える時間があるうちが人生です。そして、時間は、すこやかな空間に存在することに使います。長時間労働の過労死はいけません。勝海舟の言葉が良かった。「大事を為すためには長生きをすることだ。」
調べた単語として、「諍い:いさかい。読めませんでした。」、「生殺与奪:せいさつよだつ。他人を思いのままにする。生かしたり、殺したり、与えたり、うばったり。」、「(爆弾の)信管:しんかん。起爆装置」、「モラトリアム:政府が債務の支払いを一定期間猶予する。」、「MBA:経営学修士」、「M&A:企業の合併買収」、「シニカル:皮肉、冷笑」、「得意淡然、失意泰然:うまくいったら慎ましく、うまくいかなかったらあせらず。」
印象に残った表現として、「金持ち喧嘩せず」、「書いてストレスを発散する(発表はしない)」、「頭のいい人は掃(は)いて捨てるほどいる。」
2014年第1刷、18年第21刷と、よく売れている本です。
頭に来ることはだれしもあることです。ひきずることもあります。さて、どんなことがあるのでしょうかというところで読み始めます。
冒頭付近の数ページを読むだけで、全体を読んだことになりそうです。要約されています。
「アホ」の定義がむずかしい。同一人物でも、ふたつの要素をもつからです。たとえば、アホとは、被害者も加害者も同一人物なのです。
作者いわく、自分は失敗者であると。だから、この本を書くのだと。ムキになって相手と戦って、相手にしなくてよかったのに、ムダな時間と労力を費やしてしまったと。
リベンジとか、倍返しとか、復讐とか、仕返しとか、考えても実行しても自分のためにはならない。忘れなさいというアドバイスがあります。
「真理」を追及する人になる。そうすれば、ゴールは間違いない場所にたどり着く。
アホ、アホ、アホと、アホの連呼が読んでいて気持ちがいい。
戦いの相手は、「アホの相手」ではない。「自分」である。そこが、作者の言いたいことです。
「タイムコスト」に対する考え方は私とは異なります。若い頃感じた無駄と思えるような時間こそが必要だった時間だと老いて悟りました。
的を射た処世術の記です。
勝つための戦術書でもあります。
一項目が短文で読みやすい。
働き盛りの現役の人向けの本です。リタイアした無職の人、年金生活者の人には、別の本がいいでしょう。
(つづく)
読み終えました。後半の60ページ分ぐらいはなくてもいい。
ただし、後半部に健康、家族を大切にの話が一部あります。そこは大事です。
死んだら終わりです。使える時間があるうちが人生です。そして、時間は、すこやかな空間に存在することに使います。長時間労働の過労死はいけません。勝海舟の言葉が良かった。「大事を為すためには長生きをすることだ。」
調べた単語として、「諍い:いさかい。読めませんでした。」、「生殺与奪:せいさつよだつ。他人を思いのままにする。生かしたり、殺したり、与えたり、うばったり。」、「(爆弾の)信管:しんかん。起爆装置」、「モラトリアム:政府が債務の支払いを一定期間猶予する。」、「MBA:経営学修士」、「M&A:企業の合併買収」、「シニカル:皮肉、冷笑」、「得意淡然、失意泰然:うまくいったら慎ましく、うまくいかなかったらあせらず。」
印象に残った表現として、「金持ち喧嘩せず」、「書いてストレスを発散する(発表はしない)」、「頭のいい人は掃(は)いて捨てるほどいる。」
2018年04月21日
天龍院亜季子の日記 安檀美緒
天龍院亜季子の日記 安檀美緒 集英社
邦画「鬼龍院花子のなんとか」 みたいなタイトルです。そこが、タイトルのヒントだろうか。(この件については、作中18ページで出てきます。)
36ページぐらいまで読んだところで、感想を書き始めてみます。
小学生の頃に、女子(天龍院さんを)いじめていた男子(田町譲たまち・ゆずる)が、大人になって、天龍院さんの毎日更新される日記ブログを読み始めるところまできました。(読み始めて3か月)
導入部は、言葉遣いが乱暴です。「なんで」が、どうして? という疑問の意味だと思っていたら、「…だから…」の接続詞だったので、解読できてよかったとほっとしました。
導入部はわかりにくい。だれが、主人公なのか(田町譲)、どんな会社に勤めているのか(人材派遣会社)、登場人物の性別、それから、岡崎さんという育休明け職場復帰社員さんのことが話題になるのは、子育てママへの困り者意識(子どものことですぐ休む。)が出てくるのはなぜなのかとか。(子育て本なのか。) 創作に当たり実例があって、それをぼかすためなのかと勘繰ります。
16ページあたりから、ようやくまともな雰囲気の文章に変化します。
いじめシーンでは、いじめられる者の恨みの雰囲気が伝わってきます。
公務員志向が書いてあります。定時で帰れる職場ばかりではないでしょう。一定の枠内で忍耐を強いられる特殊な世界だと思います。
(つづく)
作品内容として、「産休・育休職場復帰社員 対 そのまわりにいる迷惑をこうむる社員」 という構図があります。
結婚しそうな相手がいるにも関わらず、主人公田町譲の気持ちは冷めている。
出てくる元プロ野球選手は、サダオカとかキヨハラを想像してしまいます。
(つづく)
日記の部分がほとんどないので、タイトルとの接合性がしっくりこない。
静岡県美保の松原は行ったことがあるので、内容がよく理解できました。夕暮れ時の富士山はサイコーです。
さりげなく作品「思い出トランプ」向田邦子作が入れてあります。知らない人は知らないでしょう。そのほか、略語とか、流行語が入れてあります。わかる人には味わいがあります。わからない人にはわからないでしょう。
こんなふうで、結婚していいのだろうかという部分があります。わたしは、この人じゃなきゃだめだと決意して結婚したので、読んでいてなにかしら残念です。
獺祭(だっさい)。かわうそのあそび。つかまえた死んださかなで遊ぶ。酒の名前
人と深くつきあわない、つきあえない、若い人たちがいます。傷つくことを避けている。おとなしく静かに生きている。ふれないでほしい。さわらないでほしい。そういった人たちが、生きがいをつかんでいく物語かと、途中考えました。
素直な気持ちを表現した内容です。たとえば、「あ、俺、ばかにされているんだとわかります。(派遣社員に応募して)」とか、めんどくせえ人間は、ろくでもないみたいな表現
品川担当で田町という苗字。うまくできています。
底辺の話は、読んでいてけっこうつらい。
(つづく)
結婚相手と本気で会話をすることができない男性主人公です。相手の女性もそこに気づいていて、不満です。
男性は追い詰められた精神状態です。
日常生活を淡々と描いて、幸せ感を出す書きかたです。
しんどいときには、こうしたらいいとうアドバイスがあります。
玄人(くろうと)はだしの文章でした。(専門家的)
納豆と卵を混ぜないのが当たり前という記述があります。ふつー、混ぜるのではないか。混ぜないでどうするのだろう。
ジャニオタの在宅って何だろう。ジャニーズのお宅で、在宅。「現場」は、コンサートとかに行く積極的かつお金あり、在宅は、家にこもって応援、ひきこもりぽい、グッズ買えない。
退職していく人の連絡先を知らないという記述があります。世代の差を感じました。
調べた単語として、「摘まむ:つまむ。読めませんでした。」、「バックれた:無断で、アルバイトや会社を辞める。」、「ピラティス:ドイツ看護師が開発した健康維持のためのエクササイズ。ストレッチ」、「マイケル・サンデル:アメリカの哲学者」、「ハンター、ハンター:マンガ作品。希少価値のあるものをハンター(獲得)する。」、「LABI:ヤマダ電機のチェーン店。ラビ」、「品川のエキュート:品川駅中のショッピングゾーンですが、行ったことのない人にとっては何かわからない。」、「モーゼ:旧約聖書に登場する指導者」、「千疋屋:果物の輸入販売小売業者」、「シトラス:ミカン科の植物」、「メンインブラック:アメリカ映画」、「プレモル:プレミアムモルツ。ビール」、「デンモク:カラオケのリモコン。タッチパネル」、「ダウナー:気分落ち込む物事、雰囲気」、「(経理島) 島というのは、机の島でしょう。たとえば、4人の机と上司の机の固まり。」、「貶しめる:おとしめる。読めませんでした。」、「PV:ページビュー数。ブログ」、「タブ別:区切り別。作品中では、対して、ファイル別というのがあります。」
良かった表現として、「(社員が席を立つ様子として) 逆向きに打たれていく杭のようだ。」、「その人の善性」、「オチのない結論」、「頭数(あたまかず)が足りない。」、「台風18号」、「わからないことをわからないと言えると楽だ。」
邦画「鬼龍院花子のなんとか」 みたいなタイトルです。そこが、タイトルのヒントだろうか。(この件については、作中18ページで出てきます。)
36ページぐらいまで読んだところで、感想を書き始めてみます。
小学生の頃に、女子(天龍院さんを)いじめていた男子(田町譲たまち・ゆずる)が、大人になって、天龍院さんの毎日更新される日記ブログを読み始めるところまできました。(読み始めて3か月)
導入部は、言葉遣いが乱暴です。「なんで」が、どうして? という疑問の意味だと思っていたら、「…だから…」の接続詞だったので、解読できてよかったとほっとしました。
導入部はわかりにくい。だれが、主人公なのか(田町譲)、どんな会社に勤めているのか(人材派遣会社)、登場人物の性別、それから、岡崎さんという育休明け職場復帰社員さんのことが話題になるのは、子育てママへの困り者意識(子どものことですぐ休む。)が出てくるのはなぜなのかとか。(子育て本なのか。) 創作に当たり実例があって、それをぼかすためなのかと勘繰ります。
16ページあたりから、ようやくまともな雰囲気の文章に変化します。
いじめシーンでは、いじめられる者の恨みの雰囲気が伝わってきます。
公務員志向が書いてあります。定時で帰れる職場ばかりではないでしょう。一定の枠内で忍耐を強いられる特殊な世界だと思います。
(つづく)
作品内容として、「産休・育休職場復帰社員 対 そのまわりにいる迷惑をこうむる社員」 という構図があります。
結婚しそうな相手がいるにも関わらず、主人公田町譲の気持ちは冷めている。
出てくる元プロ野球選手は、サダオカとかキヨハラを想像してしまいます。
(つづく)
日記の部分がほとんどないので、タイトルとの接合性がしっくりこない。
静岡県美保の松原は行ったことがあるので、内容がよく理解できました。夕暮れ時の富士山はサイコーです。
さりげなく作品「思い出トランプ」向田邦子作が入れてあります。知らない人は知らないでしょう。そのほか、略語とか、流行語が入れてあります。わかる人には味わいがあります。わからない人にはわからないでしょう。
こんなふうで、結婚していいのだろうかという部分があります。わたしは、この人じゃなきゃだめだと決意して結婚したので、読んでいてなにかしら残念です。
獺祭(だっさい)。かわうそのあそび。つかまえた死んださかなで遊ぶ。酒の名前
人と深くつきあわない、つきあえない、若い人たちがいます。傷つくことを避けている。おとなしく静かに生きている。ふれないでほしい。さわらないでほしい。そういった人たちが、生きがいをつかんでいく物語かと、途中考えました。
素直な気持ちを表現した内容です。たとえば、「あ、俺、ばかにされているんだとわかります。(派遣社員に応募して)」とか、めんどくせえ人間は、ろくでもないみたいな表現
品川担当で田町という苗字。うまくできています。
底辺の話は、読んでいてけっこうつらい。
(つづく)
結婚相手と本気で会話をすることができない男性主人公です。相手の女性もそこに気づいていて、不満です。
男性は追い詰められた精神状態です。
日常生活を淡々と描いて、幸せ感を出す書きかたです。
しんどいときには、こうしたらいいとうアドバイスがあります。
玄人(くろうと)はだしの文章でした。(専門家的)
納豆と卵を混ぜないのが当たり前という記述があります。ふつー、混ぜるのではないか。混ぜないでどうするのだろう。
ジャニオタの在宅って何だろう。ジャニーズのお宅で、在宅。「現場」は、コンサートとかに行く積極的かつお金あり、在宅は、家にこもって応援、ひきこもりぽい、グッズ買えない。
退職していく人の連絡先を知らないという記述があります。世代の差を感じました。
調べた単語として、「摘まむ:つまむ。読めませんでした。」、「バックれた:無断で、アルバイトや会社を辞める。」、「ピラティス:ドイツ看護師が開発した健康維持のためのエクササイズ。ストレッチ」、「マイケル・サンデル:アメリカの哲学者」、「ハンター、ハンター:マンガ作品。希少価値のあるものをハンター(獲得)する。」、「LABI:ヤマダ電機のチェーン店。ラビ」、「品川のエキュート:品川駅中のショッピングゾーンですが、行ったことのない人にとっては何かわからない。」、「モーゼ:旧約聖書に登場する指導者」、「千疋屋:果物の輸入販売小売業者」、「シトラス:ミカン科の植物」、「メンインブラック:アメリカ映画」、「プレモル:プレミアムモルツ。ビール」、「デンモク:カラオケのリモコン。タッチパネル」、「ダウナー:気分落ち込む物事、雰囲気」、「(経理島) 島というのは、机の島でしょう。たとえば、4人の机と上司の机の固まり。」、「貶しめる:おとしめる。読めませんでした。」、「PV:ページビュー数。ブログ」、「タブ別:区切り別。作品中では、対して、ファイル別というのがあります。」
良かった表現として、「(社員が席を立つ様子として) 逆向きに打たれていく杭のようだ。」、「その人の善性」、「オチのない結論」、「頭数(あたまかず)が足りない。」、「台風18号」、「わからないことをわからないと言えると楽だ。」
2018年04月20日
定年オヤジ改造計画 垣谷美雨
定年オヤジ改造計画 垣谷美雨(かきや・みう) 祥伝社
第1章部分を読み終えて寂しい気持ちになりました。
やはり、定年退職後のおじさんをいじめる内容でした。妻子から突き放されて、迷惑な存在、嫌悪施設みたいな扱いです。
そうでしょう。そういうものなのでしょう。
書店や喫茶店で、やることもなくぼーっとしている定年後らしい人をみかけ、この作品中で、主人公の庄司常雄さんも言うのですが、「ああいうふうにはなりたくない。」 結局、そういう風になってしまうのです。
(つづく)
主人公の庄司常雄さんは大バカ者です。読んでいると腹が立ってくるのですが、そこが作者の思うつぼなのでしょう。(たくらんだとおり。)
男尊女卑差別があります。
定年退職後何もすることがない男はまず図書館へ行く。定番です。決まりきった行動です。無料で時間を過ごす。そこに生産性はありません。
いびきをかくから奥さんはだんなと一緒に寝たくないは口実で、旦那のことが嫌いです。だから、夫源病とか、閉所恐怖症という病気にかかっています。
旦那は命令するだけです。会社の管理職でした。命令・指示することが自分の仕事だと思いこんでいます。だから、自分ではなにもできません。
そんな旦那が、3歳と1歳の孫のめんどうをひとりでみることになりました。さて、これからどんな展開になるのか予想がつきません。
文章は、会話の連続で進行していきますが、対立内容の会話の連続なので、読んでいて疲れてきました。33歳の未婚娘が父親を「アンタ」 と呼ぶのは、よっぽど父親を憎んでいるのでしょう。
東京都民にとっては、「首都直下型地震」、中部地方の人間にとっては、「南海トラフ巨大地震」
スヌーピー柄は、今は、アンパンマンだと思う。
子育てテキストを読んでいるような部分あり。
よく出てくる言葉が、「母性本能」。女性は生まれながらにそれをもっているという錯覚。
(つづく)
主人公の姉76歳、兄71歳、2姉67歳と4人で語り合うふるさとでの会話は目からウロコが落ちる思いです。真実、本音が明らかになります。
彼らの実母の本当の姿(育児嫌い)がいい。そうなんだと納得します。
いっぽう定年退職した庄司常雄さんの理屈もわかります。(仕事の事務処理に関することで)精一杯だった。自分のことだけやらないと働き続けることはできなかった。
タイムイズマネーと考えるサラリーマンの悪癖があります。「時(とき)」は、お金ではないし、お金よりも時(とき)のほうが大事だし、お金と時(とき)は、比較するものではない。時間があるということは、生きている証(あかし)
時代の変化に適応していこうという努力を放棄した年寄りは、周囲の者にとっては困り者
(つづく)
読み終えました。今年読んで良かった1冊です。良書です。
ラストは胸にジーンときました。主人公同様にわたしもこの春、退職を迎えました。また、物語の設定と同様に同じぐらいの年齢の孫たちがいます。状況がよく伝わってきました。
男性がこの本を読むと、まあ、男性が女性に攻撃される内容なわけで、読んでいて苦しく思う点が多々あります。ご指摘は的を射ています。
定年退職が話題というよりも、保育園での保育、共働きの保育がメインの話題に感じます。
台湾人の子育ては、そうなのかと、ところ変われば、考え方も変わると新鮮でした。(自宅に台所不用、三食外食、女性は育児にしばられない。)
日本の女性だと、せっぱつまって、児童虐待にまで至りそう。男性にイメージ付けされたいい母親を目指すと、子どもに危害を与えるママになりそうです。
定年退職後の人間はもう「男」ではない。「ジジイ」 という姓別のない人間になるという解釈は、聞かされるとがっかりします。
夫婦の平和のために、「家庭内別居」 を選択する。それは、しんどい選択です。
ラストは最高に良かった。
調べた単語として、「ワンオペ:ひとりですべてやる担当仕事。コンビニ外食チェーンのひとり勤務」
良かった表現というか、ショックを受けた表現として、「神話の世界にいる。」、「夫源病ふげんびょう。主人在宅症候群」、「男の給料だけじゃきびしい(だから共働きをする。)」、「これからの15年間は毎日が日曜日、それは、45年分の日曜日の数」、「家賃12万円、昔の社宅は、3000円」、「一生独身をとおそうとすればお金が頼り。」
第1章部分を読み終えて寂しい気持ちになりました。
やはり、定年退職後のおじさんをいじめる内容でした。妻子から突き放されて、迷惑な存在、嫌悪施設みたいな扱いです。
そうでしょう。そういうものなのでしょう。
書店や喫茶店で、やることもなくぼーっとしている定年後らしい人をみかけ、この作品中で、主人公の庄司常雄さんも言うのですが、「ああいうふうにはなりたくない。」 結局、そういう風になってしまうのです。
(つづく)
主人公の庄司常雄さんは大バカ者です。読んでいると腹が立ってくるのですが、そこが作者の思うつぼなのでしょう。(たくらんだとおり。)
男尊女卑差別があります。
定年退職後何もすることがない男はまず図書館へ行く。定番です。決まりきった行動です。無料で時間を過ごす。そこに生産性はありません。
いびきをかくから奥さんはだんなと一緒に寝たくないは口実で、旦那のことが嫌いです。だから、夫源病とか、閉所恐怖症という病気にかかっています。
旦那は命令するだけです。会社の管理職でした。命令・指示することが自分の仕事だと思いこんでいます。だから、自分ではなにもできません。
そんな旦那が、3歳と1歳の孫のめんどうをひとりでみることになりました。さて、これからどんな展開になるのか予想がつきません。
文章は、会話の連続で進行していきますが、対立内容の会話の連続なので、読んでいて疲れてきました。33歳の未婚娘が父親を「アンタ」 と呼ぶのは、よっぽど父親を憎んでいるのでしょう。
東京都民にとっては、「首都直下型地震」、中部地方の人間にとっては、「南海トラフ巨大地震」
スヌーピー柄は、今は、アンパンマンだと思う。
子育てテキストを読んでいるような部分あり。
よく出てくる言葉が、「母性本能」。女性は生まれながらにそれをもっているという錯覚。
(つづく)
主人公の姉76歳、兄71歳、2姉67歳と4人で語り合うふるさとでの会話は目からウロコが落ちる思いです。真実、本音が明らかになります。
彼らの実母の本当の姿(育児嫌い)がいい。そうなんだと納得します。
いっぽう定年退職した庄司常雄さんの理屈もわかります。(仕事の事務処理に関することで)精一杯だった。自分のことだけやらないと働き続けることはできなかった。
タイムイズマネーと考えるサラリーマンの悪癖があります。「時(とき)」は、お金ではないし、お金よりも時(とき)のほうが大事だし、お金と時(とき)は、比較するものではない。時間があるということは、生きている証(あかし)
時代の変化に適応していこうという努力を放棄した年寄りは、周囲の者にとっては困り者
(つづく)
読み終えました。今年読んで良かった1冊です。良書です。
ラストは胸にジーンときました。主人公同様にわたしもこの春、退職を迎えました。また、物語の設定と同様に同じぐらいの年齢の孫たちがいます。状況がよく伝わってきました。
男性がこの本を読むと、まあ、男性が女性に攻撃される内容なわけで、読んでいて苦しく思う点が多々あります。ご指摘は的を射ています。
定年退職が話題というよりも、保育園での保育、共働きの保育がメインの話題に感じます。
台湾人の子育ては、そうなのかと、ところ変われば、考え方も変わると新鮮でした。(自宅に台所不用、三食外食、女性は育児にしばられない。)
日本の女性だと、せっぱつまって、児童虐待にまで至りそう。男性にイメージ付けされたいい母親を目指すと、子どもに危害を与えるママになりそうです。
定年退職後の人間はもう「男」ではない。「ジジイ」 という姓別のない人間になるという解釈は、聞かされるとがっかりします。
夫婦の平和のために、「家庭内別居」 を選択する。それは、しんどい選択です。
ラストは最高に良かった。
調べた単語として、「ワンオペ:ひとりですべてやる担当仕事。コンビニ外食チェーンのひとり勤務」
良かった表現というか、ショックを受けた表現として、「神話の世界にいる。」、「夫源病ふげんびょう。主人在宅症候群」、「男の給料だけじゃきびしい(だから共働きをする。)」、「これからの15年間は毎日が日曜日、それは、45年分の日曜日の数」、「家賃12万円、昔の社宅は、3000円」、「一生独身をとおそうとすればお金が頼り。」