2017年07月30日

定年後 楠木新

定年後 楠木新(くすのき・あらた) 中公新書

 「だれもがひとりぼっち」という項目のところまで読みました。60ページ付近です。
 定年退職をしたサラリーマン男性の悲哀が書かれています。

 日頃から、生活をしていくうえで大事なのは、戦争をしない「平和」な国家と個人としては、心と体の「健康」だと考えています。
 あとは、定年前も定年後も、「社会貢献」、「親族への貢献」が大事だと思っています。
 そんな、心構えをもちながら、この本を読み始めました。

 よかった表現の趣旨として、「そりの合わない上司に自分を押し殺して仕え、わがままな顧客につくり笑顔でやり過ごす。そうして、家族のために働いてきた」、「会社勤めをしていた頃のほうが健康に良かった」、「定年後の最初の1か月は開放感に満たされるが、それ以降はやることがなくなり辛い」
 定年後の生活を周囲に自慢したい様子も伝わってきますが、総じて、喪失感に包まれています。

(つづく)

 クレーマー化する企業管理職の退職者、あるいは、妻にDV(家庭内暴力)をふるう幹部だった退職者、迷惑者たちです。退職後も恫喝(どうかつ。どなっておびえさせる)する部下の役割を果たす人物を探す姿はみじめです。
 <死んでくれてありがとう>そんな闇の声まで聴こえてきそうです。

 長寿とその対策を考える本でもあります。
 
 「男は群れることができない生き物」
 男って、何なのだろう。男の必要性、存在価値まで考えます。

 今を悲観する必要はない。
 人生は、定年後に輝けるかそうでないかが大事

(つづく)

 妻に寄りかかる定年退職後の夫は、妻から嫌われる。
 
 自分の寿命を予測して、今後の行動を決めるとあります。
 残り時間の有効活用です。
 10人のうち2人ぐらいは、60代で死んでしまう。
 急がねばならない人もいます。
 自分は早死にはしたくない。
 やはり「健康」第一です。
 健康あってこその活動です。  

Posted by 熊太郎 at 19:32Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2017年07月27日

今こそ、韓国に謝ろう 百田尚樹

今こそ、韓国に謝ろう 百田尚樹 飛鳥新社

 作者とタイトルのイメージが一致しません。逆ではなかろうか。
 そんな思いで、読み始めます。

 皮肉だろうか。真意がわからない。
 韓国が日本に、いろいろ迫ってくるのは、韓国人が、品性下劣で、あさましい民族というわけではなく、過去において、日本が韓国に非道なことをしたからやむなしとしてあります。
 日本は韓国で、学校をつくり、韓国人の文盲を少なくし、計算ができるようにして、教育を施した。それはいらぬことだった。
 はげ山に植林し、緑を豊かにしたことも越権行為であるし、川に橋をかけたり、ダムをつくって電力発電をしたりしたこともいけなかった。
 韓国人が望んだことではないのに、日本人が勝手に韓国の地でさまざまなことを行った。余計なことだった。
 
 過去の日本人と現在の日本人がいます。
 過去の韓国人と現在の韓国人がいます。
 現在の日本人には、過去の体験はありません。
 いまの韓国人には、過去の体験があたかもあるようです。

(つづく)

 痛烈です。
 作者は命を狙われるのではないか。
 「韓国に謝ろう」ではなく、「韓国は(日本国・日本人に)お礼を言いなさい」が本音のメッセージです。強烈な韓国批判があります。

 まんなかあたりまで読みました。

 日本が韓国を統治しなければ、韓国は今頃、ぼろぼろの国家になっていました。
 人糞放置の不潔な町で、身分制度による差別が横行して、暴力や・虐待や拷問がまん延する人権のない野蛮な国家になっていました。
 
 1910年、韓国を併合した年です。当時の韓国人の平均寿命が24歳です。今から、107年前のことです。
 韓国人は、自国の正しい歴史を知らない。

 魂のこもったすごい本です。
 
 日本人を攻撃する韓国人は、その一部の人たちだと思いたい。
 そうでないと、両国民は妥協も協力もできません。

(つづく)

 日本人気質があります。
 相手の気持ちを確かめずに、良かれと思ってやって、嫌われる。

 何が本当なのだろう。
 この本に書いてあることが本当なのか。
 そうではないのか。
 この本に対する反論書が出たら読んでみたい。

 マスコミの報道は信用性を疑ってかかったほうがいい。
 マスコミの報道は人心を操作できる力をもっている。
 だから、鵜呑みにしないほうがいい。  

Posted by 熊太郎 at 18:50Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2017年07月25日

都知事失格 舛添要一

都知事失格 舛添要一 小学館

 こういう本は売れるのだろうかと疑問をもちつつも買ってみました。表面上のこととは別にして、裏事情を知りたい。謹慎1年を経る中で書かれた本です。

 スピンというしおりがわりの本のひもがありません。経費節約だろうか。
 印税が彼の手に入るとなれば、購入を控える人も多いでしょう。

 読み始めましたが、「今さら」感があります。
 弁解したいのでしょうが、時代は、はるか先へ行ってしまっています。

 当時、普通とは違う。そいう感覚がありました。
 
 ただ、幾人かの政治家たちの向こうには、選んだ都民の姿があります。
 無関心層も見えます。

 驚いたことは、歴代知事は週に2、3回しか都庁へ出勤していなかったということです。だから、議員に力が偏ったということはあります。都職員が議員にこういうことを都議会で質問してほしいと「質問調整」をしています。
 また、歴代都知事は全国の知事会議に出席していなかったそうです。都知事って、何なのだろう。
 
 「志(こころざし)」って、何だろう。
 それを妨げるものが、権力闘争なのか。

 印象に残った表現や趣旨として、「マスコミの活動は、金のため」、「マスコミに公平・公正はない」、「劇場型の政治手法をとるリーダーは、パフォーマンスにエネルギーをそそぐ。関心のないテーマには、見向きもしない」、「恒産なくして恒心なし:安定した心を保つには、安定した収入・財産がいる」

 全体的にマスコミ批判に終始します。

 韓国に対する記述があるあたりから、つまらなくなりました。
 自身の公金の使い方に関しては、ほとんど記事がありませんでした。
 金銭管理に無頓着だったということは、公金優先、私費あとからという固定意識があったからでしょう。

 お酒を飲まない政治家って、案外多いと感じ、意外でした。

 中盤以降は、行政が発行した施策のガイドブックを読んでいるようでした。

 たてつづけに実績の列挙が続きます。人生の集約本のようでもあります。
 よく出る言葉が、「レガシー:遺物」

 「吐き出す」本でした。
 自己顕示欲、主張欲の塊です。  

Posted by 熊太郎 at 18:46Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2017年07月23日

明るい夜に出かけて 佐藤多佳子

明るい夜に出かけて 佐藤多佳子 新潮社

 コンビニのお話ですが、富山(とみやま)という男性、20歳、大学休学中、心療内科通院中の語りが続く私小説のような形式です。

 ラップ音楽、サンバミュージックのように、リズミカルに文章が流れて、リズムが内容を引っ張っていきます。
 ときに説明が細かすぎて、そこまでの情報はいらないのにと思いつつ第一章を読み終えました。60ページぐらいが経過しました。ここまで読んでまだ、作品が何を言いたいのかわからない。自分自身の感受性が薄くなってきた。
 舞台は神奈川県、八景島シーパラダイスあたりです。時代設定は、2014年あたりです。
 「接触恐怖症」それが、富山くんの病名で、女性に触れられたくない。でも、ホモではない。性同一障害でもなさそうです。

調べた単語として、「晒した:さらした。読めませんでした」

(つづく)

 作者は試行錯誤をしています。それを楽しんでもいます。自分より少し上の世代の匂いを感じながら、現在の先端技術状況を合わせていきます。
 古い時代の深夜放送と、SNSをつなげようとしています。

 ラジオネーム「虹色ギャランドゥ」をもつ少女のキャラクターがおもしろい。佐古田愛といいます。
 登場人物たちは、ふたつの名前をもちます。ラジオネームです。ラジオのことをいっぱい書いてある本です。リスナーたちのやりとりです。
 ドラマか映画の台本の下地になりそうな作品です。
 ファッションの意味は自分に素養がないので、読んでも意味をとれません。SNSの知識もないので、135ページあたりからの記述も理解できません。
 漫才かコントの台本、芸人さんの世界のようです。

気にった表現として、「脳みそがセメント化した」
調べた言葉として、「HP:ゲーム、体力、ヒットポイント」、「DAY:昼間、毎日のこととして」

(読み終えました)
 
 正直、意味をとれませんでした。
 あとがきに、昔の未完了の作品に付け加えたというような内容が書いてありました。そのせいかもしれません。アンバランスです。  

Posted by 熊太郎 at 17:49Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2017年07月20日

あるかしら書店 ヨシタケシンノスケ

あるかしら書店 ヨシタケシンノスケ ポプラ社

 どこがおもしろいのだろうかと、漫画の絵をながめながら読み続けました。
 うしろのほうになっておもしろみがわかりました。
 最後は、充実でした。

 絵がキレイ
 アイデアが凝縮されています。
 本は、図書館で借りるばかりでなく、書店で買ってほしい。
 そのお金が、出版界の活性化と作者の育成につながるのです。

 気に入った項目は、
 「書店婚」と「本が好きな人々」でした。

 装丁は、外国の本みたい。  

Posted by 熊太郎 at 18:52Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2017年07月18日

星の子 今村夏子

星の子 今村夏子 朝日新聞出版

 83ページまで読みました。なかなかおもしろい。
 「コンビニ人間」とか、「しんせかい」、「苦役列車」、「サラバ!」の路線です。

 病弱に生まれた主人公林ちひろ(ちーちゃん)を救うために、「水」にからんだ新興宗教らしき活動に積極的に関わる両親がいます。それが原因で、親族関係、親子関係(ちーちゃんの5歳上にまさみさん、まーちゃんがいる)が破たんしていきます。
 宗教小説は避けられる傾向にあるのですが、この小説の場合、成功しています。

 お茶の名前が「金星のみのり」
 
 項目番号「4」から、おもしろくなってきます。

 小学生ながら、女子のしたたかさとか、男子のばかばかしさが表現されています。
 孤独もあります。

 「すべては宇宙の意のままに」は、イスラム教アラーの「神の御心のままに(インシャラ―)」みたい。

 「さらけだす」小説です。16歳高校1年生のまーちゃんが、家出をしました。
 引きこもり男子の異様な行動があります。
 異常な世界となってきました。
 そして、両親は、毎日、祈り続けるのです。

(つづく)

 読み終えました。
 読後感として、実際にこういう世界もあって、否定はできない。

 無神論者が多い日本ではありますが、なんらかの宗教活動をしている個人もファミリーもいます。
 こんな感じの家族像になるのでしょう。

 印象に残ったこととして、「父も母もあまり食事をとらない。一日、一食か一食半」
 笑えるシーンはいくつかありました。素朴です。
 なんか、おもしろくて、悲しい、ときには、児童虐待にも思える。

 「親戚との付き合いが絶たれる」

 ラスト、両親は、娘を手放すことにしたのか、手元におくことにしたのか。なかなか推定と決定はむずかしい。
 決めるのは本人で、おそらく本人は、望まない。両親だけではなく、ファミリーを包む組織内にいるから。  

Posted by 熊太郎 at 19:14Comments(0)TrackBack(0)読書感想文