2023年02月20日

ぼくたちは習慣で、できている 佐々木典士

ぼくたちは習慣で、できている 佐々木典士(ささき・ふみお) WANI BOOKS

 ミニマリスト:必要最小限の物で衣食住の生活を送る人。

 生活の基本です。
 朝起きて、顔を洗って、食事をして、以降、昼食と夕食をとって、10時と3時に休息をとって働く。
 入浴をして十分に睡眠時間をとる。心身の体調維持に心がける。
 しっかり入浴をしない女性が増えました。体力を使い果たして疲れて入浴ができないそうです。女性はやることが多いことに加えて、男性より体力がないのでしょう。第三者の立場で見ていて、結婚してこどもが生れた時にどうやって、あかちゃんをお風呂に入れるのだろうかと心配です。
 男女や年齢を問わず、昼夜逆転のような生活や、乱れた食生活は、いずれは体を壊すことにつながります。
 本のタイトルを見ながら、そんなことを思いつつ、この本を読み始ます。
 実用書(じつようしょ。暮らしの参考になる本)を読むときは、いつものように、ページを最初から最後までゆっくりめくりながら目を通します。1回目の読みと2回目の読み、ポイントを押さえる3回目の読みがあります。
 著者は、1979年生まれの男性の方です。そのころわたしはもうおとなでした。
 本は、2018年に発行されています。(平成30年)

(1回目の本読み)
 1章:意志力は、生まれつき決まってる?
 2章:習慣とは何か?
 3章:習慣を身につけるための50のステップ
 4章:ぼくたちは、習慣でできている。

 印象として、幸せな人生を送るためのマニュアル本(手引き)です。
 
 エッセンス:本質

 全体で、332ページあります。
 124ページまでめくって、すごく長い文章です。
 『簡潔さ』が必要なのではないか。読むのがつらい。

 タバコは吸わない。
 アルコールは控えめ。
 睡眠は大事
 体を酷使しない。
 きちんとした入浴と食事が大事
 長生きの秘けつを聴くような気分になってきました。
 体を酷使すると体は壊れます。心も折れます。仕事や学業、スポーツで、いくらいい成績や実績を残しても、心身を病んで、命を落としたら不幸です。まわりの人間も泣きます。

 なになにしないとか、ああする、こうするという調子で文章が書かれているような印象を受けます。

 『日記のコツは事実を書くこと』
 文章を書こうとすると、日記の継続はむずかしい。
 箇条書きで、簡単に書くと楽です。いつ、どこで、だれが、なにを、どのように、なにしたかです。
 話は離れますが、組織の管理職の大半は、一日あった出来事を手帳にそのように記録しています。あとあと、とても役立ちます。そういえば、昨年のサッカーワールドカップの日本チームの監督も試合中にメモ帳にメモをしていました。コクヨの安価なメモ帳だったと思います。メモをすることで気持ちが落ち着くということはあります。

 『瞑想(めいそう)で認知力を鍛える』わたしは、瞑想はしませんが、空想はします。現実逃避なのかもしれません。

 150ページ付近まできて、自己肯定の本なのかなあ。
 この本を読んでどうするかを決めるのは、読み手各自の判断です。

 184ページ『時間割で行動するなんてバカらしい?』 規則正しい生活は大事です。おそらく、バカらしくはないという説明があるのでしょう。

 240ページ『習慣に失敗は不可欠』 失敗は成功のもとです。若いころは、失敗ばかりです。歳をとっていくと、やがて、失敗が許されない年齢になったりもします。とりかえしがつかないのです。

 274ページあたりまできて、くどいような。同じ内容のことが繰り返されているような。

 296ページあたりまでページをめくって、まずは生きていることが大事と思う。人生には危険がいっぱいあります。

 308ページ『幸福の財布には穴があいている』 そうです。人生においては、お金を失うこともあります。

 318ページあたりまできて、忍者の忍法帖(にんぽうちょう)のようだなと。忍法のやり方が書いてあるような巻物です。
 
 325ページ『走りながら考え、考えながら走る』 著者は、ランニングをされる方のようです。ジョギングとか、マラソンに挑戦とかでしょう。わたしは、散歩をしながら考えます。決心や物事の決定、決断をすることもあります。

 328ページ『おわりに』 一生懸命書かれている本であることがわかりました。
 330ページ『……親から過剰にコントロールをされた子どもではなく、選択と自主性が尊重された子どもが最も……』 先日読んだ本を思い出しました。『不親切教師のススメ 松尾英明(まつお・ひであき) さくら社』 親や教師が、本来子どもやるべきことを先にやってあげてしまうから、子どもがちゃんとした人間に育たないと書いてありました。
 この部分には、著者が、お父さんを亡くされたことに少し触れてあります。わたしも中学の時に父を病気で亡くしました。親がいないこどもは、自分ががんばるしか手段がなくなるのです。経済的に追い込まれます。

 332ページまできて、雑談のような部分が多いから、ページ数も多いのかなということが頭に浮かびました。

 これから、2回目の読みを始めます。

(2回目の本読み)
 著者は、現在は組織の中で働く人ではありません。フリーのライターです。組織に属さない文筆家。語り言葉の文章です。ふーむ。著者自身がつぶやきながら、ノートパソコンのキーを押しながらつくったような文章です。

 『双曲割引』 目の前にある利益を優先して手に入れると理解しました。将来よりも今、目の前にある得に手を出すのです。(ただ、そうではない人もままいます)

 人間観察をするような文章です。

 『感情』が大事。

 ドーパミン:神経伝達物質。情報の運搬役となる物質。やる気。幸福感。集中力。前向き。心の動きに関与している。出過ぎると中毒になる。

 意識を使わずにマラソンを走るそうです。ゴール前のしばらくまでは、眠りながら走っている状態。それを『習慣』と呼ぶのでしょう。考えなくても勝手に体が動いてくれる。

(1章を読み終えました。2章につづく)

 『習慣』がない人は、心身が疲労すると読み取れます。
 無意識に体が動いてくれるのが『習慣』。努力は要しない。『めんどうくさい』とは思わない。
 意識を使って動くのは、心身に負担ありです。

 『習慣』は儀式
 習慣化するためにあればいいものとして『報酬(金銭でなくてもいい。名誉欲ほか)』習慣化のきっかけになる。

 著者には過去、アルコール依存があったようです。習慣を変えることで克服されています。飲酒のきっかけとなる食事の食材をやめる。ほかに、場所、時間、心理状態、人物、直前の行動について検討する。

 ルーチン:習慣。一連の動き。
 ルーチンは平常心の維持・形成につながる。なにかをなすために形式的な儀式をつくる。安定したリズムをつくる。

 報酬として心を満たすもの。美食、交流、金銭、ほめられるなど。

 文章は、短い周期で話題がポンポンと変化していきます。

(3章へつづく)
 まずは『やる』のではなく『やめる』を考える。
 『悪い習慣』をやめる。
 口から入れて体にとって毒になる依存性のあるものをやめる。アルコール、ニコチン、そのほかの物質、食材など。
 飲酒、断酒の話が多い。著者は過去にお酒への依存があったようです。

 アイデンティティ:自己同一性。自分は何者なのかということ。
 キーストーンハビット:『習慣』の連鎖である早起き-食事-片付け-仕事(学校)などのつながりの中で、鍵を握る習慣を指す。(その後出てくる言葉として『チェインメイク:習慣を鎖のようにつなぐ』)

 読んでいて、昨年の夏に読んだ建築士の方の本を思い出しました。海外で仕事をすることが多く、手荷物をいかにして減らしたかという体験が書かれていました。着る物を減らされた部分が強く記憶に残っています。なかなかできることではありません。『建築家になりたい君へ 隈研吾(くま・けんご) 河出書房新社(かわでしょぼうしんしゃ)』

 メタ瞑想(めいそう):考えている自分を第三者として観る(みる)。
 デフォルト:初期設定

 常人とは違う世界で生きている人、凡人ではない人のお話に感じます。何のためにこうするのかという疑問があります。いろいろあるのが人生です。不完全であることが人生です。わたしが長い間生きてきて悟ったことです。

 『作家やアーティストはほぼ規則正しく動く』(わたしもそう思います。第三者から見たらたいへんそうでも、本人はなんとも思っていないのです)

 TEDのトーク:動画配信サービス。あらゆる分野のエキスパートのプレゼンテーションを無料で聴けるそうです。

 うなずける文章として『自分というものはひとつの人格などでは決してない』(二重人格は珍しいことではありません。たいてい人間は、俳優です。場所に応じて、人格を使い分けています。演技をしながら人生を生き抜いています)

 昼寝が大事だそうです。ただ、思うに、自由人でないとお昼寝は、なかなかできません。

 柄谷光人(からたに・こうじん):現在81歳。哲学者。文学者。文芸批評家。

 失敗は成功のもとというようなお話があります。失敗しても落ち込まない。落ち込む必要はない。自分を責めてはいけない。自分で自分を責めなくても、人が自分を責めてくる。そんな流れです。おもしろい。
 健康管理においては、入院するなどして、痛い目にあわないと、自己管理が原則である健康管理を自覚できなかったりもします。

(つづく)
 4章まできました。この章で終わりです。
 「努力」と「我慢」の説明は、うまく理解できませんでした。
 
 文章での説明に当たって、だれだれが、なになにというパターンが多い文章です。そのことがいいともわるいともいえませんが、その手法でページを埋めている印象があります。
 いろいろな人が出てきて、これはこうという説明が続きます。ちょっと読むのがつらくなったりもしました。亡くなっている方もおられます。
 読み終えて、独身の人が書いた本なのだなあという感想をもちました。
 日本に自由な気風が広がってきたためなのか、人間の標準化をめざしていた従来の優先順位よりも、それぞれが思う自己都合の優先順位で生活する日本人が増えてきているということを感じるこのごろです。
 きちんとした習慣で秩序よく暮らしを送る日本人は減ってきているような気がします。いいとも悪いとも言えません。時代が変わりました。  

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2023年02月19日

ドアがあいて… エルンスト・ヤンドゥル・作

ドアがあいて… エルンスト・ヤンドゥル・作 ノルマン・ユンゲ・絵 斉藤洋(さいとう・ひろし)・訳 ほるぷ出版

 訳者の斉藤洋さんのシリーズものが好きです。『ルドルフとイッパイアッテナ』(のらねこのお話です)それから『白狐魔記(しらこまき)』(きつねのお話です)があります。

 表紙カバーの絵を見ます。
 病院での診察待ちに見えます。
 さらに『おもちゃ病院』を思い出します。(本当にそういう病院があります。壊れたおもちゃを修理してくれます。ボランティアの人たちが運営しています)
 十年ぐらい前に活動されているところを何度か見たことがあります。出張修理でした。メンバーは年配の人が多かった。
 
 読み終えて、今度会う親戚の、もうすぐ二歳の男の子にこの絵本をプレゼントすることにしました。いい本です。文字数が少ないので、ちいさな子向けです。

 最初のページは、くらーい感じ。
 なんて暗い待合室なのでしょう。

 診察室のドアがあいて、中から、てんとう虫のおもちゃが出てきました。
 体が良くなって出てきたように見えます。

 次のページをめくります。
 ペンギンのおもちゃが、診察室に入っていきました。
 待合室で待っているのは、アヒル、クマ、カエル、ピエロのどれもどこかが壊れている、あるいは、調子が悪いおもちゃです。
 診察室のドアがしまって、待合室で待っているのは4人になりました。

 診察室のドアがあいて、ペンギンが出てきました。
 元気そうです。

 片足がないようなヒヨコが診察室に入っていきます。
 診察室には、だれのパパもママもいません。

 よし!
 これでよし!
 診察室のドアがあいて、ヒヨコが出てきました。
 ちゃんと二本足になりました。

 クマもがんばれ!
 待合室で、カエルがあおむけになりました。おもしろい。
 
 楽しい。
 絵の中の照明は暗いけれど、待合室の部屋の雰囲気は明るい。
 
 がんばれカエルくん!
 なんだか、意外に楽しい絵本です。

 暗い待合室でひとりぼっちになったピエロが泣いている。
 最後のシーンは、おおぜいで拍手じゃないか。(はずれました)
 
 うぉーー ぴょーん! おもしろい!!

 ぼくの番だ。
 がんばれーー
 最後はどう落とすのだろう(オチ:お話の締めくくり)

 よかったねーー
 おもちゃびょういん。
 ほっとしました。
 病院ぎらいのこどもさんに向けた心あたたかい絵本でした。  

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2023年02月16日

せんたくかあちゃん さとうわきこ

せんたくかあちゃん さとうわきこ 福音館書店

 もう半世紀以上昔、自分が幼児だった頃、母親と近所の奥さんたちと、川へ洗たくに行っていました。たらいと洗濯板と洗たくものを持参して行きました。
 奥さんたちが洗たくをおわるまで、こどものわたしは、川べりに生えていた竹の葉で笹舟をつくって川に浮かべて流して遊んでいました。
 民話の一寸法師戸とか(いっすんぼうし。たしか、笹舟に乗って登場する)、桃太郎というのはほんとうのことだろうとその当時は思っていました。
 熊本県の島での暮らしでした。

 そんな体験があるので、この絵本の表紙にあるたらいと洗濯板でお洗たくをしている母親の絵にひかれました。
 中身を読まずに、ページを最初から最後まで、ざーっとめくって、おもしろそう。楽しそうという感想をもちました。

 1970年代の暮らしです。(昭和45年ころ)
 絵本は、1982年が第1刷です。(昭和57年)

 お洗濯をして、衣服がきちんときれいになると、自分の気持ちまですっきりします。
 アイロンかけが好きな人もいます。
 お洗濯とか、アイロンかけは、人によっては、ストレス解消法のひとつの手段です。
 洗たく好きな人っています。すてきな人です。

 絵本に出てくる主人公のおかあさんは、わたしの母親の世代の方のように見えます。
 いまごろは、90歳近い世代です。
 洗たくものの洗たくが終わって、今度は、猫を洗うと言い出したおかあさんです。おもしろい。
 ほかにも洗おうとします。ねずみ、あひる、にわとり、かさ、かえる、ひよこ、ながぐつ、げた、スリッパ、犬、ほうきにながぐつ、いやはや勢いがあります。

 絵本の中の母親の呼び名は『かあちゃん』です。
 昭和30年代から40年代の母親の呼び方は『かあちゃん』でした。
 今は『ママ』なのでしょう。
 
 洗たくしたあと、洗たくものを干すわけですが、クモの巣のような、物干しロープが、はりめぐらされた物干し場ができあがりました。
 自由な発想があります。楽しい。

 いじわるそうな雷のこども鬼が『干してある洗たくものに雨をふらせて濡らしてやるぞーー』
 夏の夕立のようです。
 わたしがこどものころには『鬼におへそをとられるぞ』とおとなに注意されました。
 雨が降って、気温が急速に低下するので、おなかを冷やして腹痛(はらいた)にならないようにという教えでした。
 かあちゃんが、力強い。鬼をつかまえて、たらいに投げ込みました。
 本当に自由な発想です。
 雷の鬼よりもかあちゃんのほうが強い。
 雷さまを洗たくしたら、雷の顔が落ちた。目も口もないのっぺらぼうです。
 やりたいほうだいですな。
 こどもたちが、鬼の顔に絵を描き始めました。
 かわいい感じの鬼の顔になりました。
 豪快なラストシーン付近です。
 空から鬼がいっぱい落ちて来たーー
 なんだかすごい絵本でした。
 かあちゃんパワーがさくれつしています。(炸裂:さくれつ。爆発だーー)
 読み聞かせをしたときの、ちびっこたちの反応が楽しみな絵本です。  

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2023年02月15日

おはよう! しゅうしゅうしゃ 竹下文子・作 鈴木まもる・絵

おはよう! しゅうしゅうしゃ 竹下文子・作 鈴木まもる・絵 偕成社

 ごみしゅうしゅう車のおはなし絵本です。
 作業員さんたちのおかげで、清潔な暮らしができると、こどもたちに教えたい。

 絵を描いた鈴木まもるさんの作品は『せんろはつづくどこまでつづく 金の星社』で楽しんだことがあります。作者はたしかこの本と同じく竹下文子さんでした。ほかに『せんろはつづく』『せんろはつづくまだつづく』という作品もありました。

 カラスたちは生ごみしゅうしゅうの天敵です。
 うちもこないだやられました。
 うちの奥さんが玄関前で悲鳴をあげていました。
 さっき出した生ごみぶくろをカラスがつついてぐちゃぐちゃにしていました。
 忍者みたいなやつです。カラスは。ひっそりと、こっそりと、ごみ袋をあさっていました。

 絵を見ます。
 作業員の姿に動きがあります。
 本当に道路上を走っているようです。
 
 どこにでもある朝の風景です。
 出勤するおとうさんたちがいます。
 通学する中学生や高校生たちがいます。
 もちろん小学生もいます。
 ごみ袋をぶらさげてあわてて走ってくるどこかのサラリーマンパパもいます。
 さだまさしさんの歌で『関白失脚(かんぱくしっきゃく)』という歌があります。お父さんが、たしか、右手に定期券、左手に生ごみぶくろをさげて走っているのです。いい歌です。
 
 団地のようなマンション群があります。
 ごみの分別を守りましょう。
 共同住宅だと、だれが出したのかわからないので、ごみ出しルールを守らない人がいます。
 ごみを出したあと散らかっていても、自分が出したんじゃないと、知らん顔をする人がいます。
 絵本を読みながらこどもには、そんなおとなになっちゃいけないと教育します。
 片づけをきちんとできない人は、仕事もきちんとできないに違いない。
 
 インターネットが発達しました。
 粗大ごみの申し込みは、ネットで申し込みができるようになりました。
 電話申し込みの時は、なかなかつながりませんでした。

 22ページに、ちゃっかり絵本の宣伝が入れてあります。
 『のりもの絵本フェア!!』です。
 パトカー、宅配便、バス、はしご車、クレーン、いろいろあります。

 わたしがこどものころのごみ収集方法を思い出しました。
 仕事のしかたがずいぶんちがいます。
 半世紀以上前のいなかでは、たぶん役場に雇われたお年寄りが、リヤカーを引きながらごみを集めていました。
 家の前に各世帯のごみ箱が置いてありました。うちは、木製のみかん箱を代用していました。
 ずいぶん昔にわたしが書いたごみ収集に関する文章を見つけたので、このあと書いておきます。

 絵本のシーンは、ごみ焼却工場になりました。
 焼却工場に行ったことはありますか?
 わたしは行ったことがあります。
 ハイエース(人や物を運搬するための大きなワゴン車です)に仕事場で出たごみを積んで、自分で運転して、同僚といっしょに、ごみ処分場にごみを搬入しました。大きな工場でした。

 絵本の絵は、マンガのようで、こどもさんには好まれるでしょう。
 いい雰囲気の絵です。
 色もきれいでわかりやすい。
 夕映えの景色がきれいでした。



『ごみ収集のおじいさん』
 小学生のころ住んでいた栃木県の山奥にある町は、冬は雪国でした。
 長屋の前には、各家庭のごみ箱が置いてありました。
 木製のみかん箱に各自が思い思いに工夫して、ふたをかぶせてありました。
 長屋の間取りは、玄関を入ってすぐが台所、その左隣が4畳半和室、奥が6畳の和室、その向こうが少し広い庭でした。
 トイレとお風呂は、自宅から離れたところにあり共同でした。
 父は、毎朝、午前6時半ころ、自転車で職場にでかけます。
 母と弟とわたしが4畳半の和室で朝食を食べていると、突然無施錠の玄関の引き戸が開いて、おじいさんが何も言わずにうちの家の中に入ってきて、玄関と台所の境目にある少し高い段差のある板の間をイスのようにして腰かけます。
 母が、おじいさんに、お茶とミカンを出して『ごくろうさま』らしきことを言います。
 おじいさんは『アーッ』と声を出す程度でした。
 しばらくすると、おじいさんはゴニョゴニョとか言って家を出て行ってしまいます。
 おじいさんの仕事はごみの収集で、各家庭の家の前に置いてある木製のごみ箱からごみを出して、自分が引っ張っているリヤカーに積んで運んでいたのです。
 町役場から依頼されて行っている仕事だったのでしょう。
 小学生のわたしが一度話しかけるとおじいさんが、この家は気楽だから休憩がしやすいというような返事でした。
 冬は雪が降り積もる中、ごみを乗せたリヤカーを引っぱって行く作業は、さぞかしたいへんだっただろうと思います。  

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2023年02月14日

透明な螺旋(とうめいならせん) 東野圭吾

透明な螺旋(とうめいならせん) 東野圭吾 文藝春秋

 始まりに、1948年(昭和23年)ぐらい生まれの若い女の子が出てきます。
 兄がひとり、弟がふたり、妹がひとりいます。
 女の子の氏名は出てきません。
 女の子は、その後成長して、銀座でひったくりにあったことで知り合いになった男性矢野弘司と夫婦になって、2300gの女の子を出産します。
 でも夫は病気で急死します。
 母親である女の子は、あかちゃんを育てていく自信がなくなり、あかちゃんを千葉県内にある紡績工場近くの児童養護施設の門のそばに遺棄しました。(いき:置き去りにする)

 以上が、プロローグ(はじまり)の部分でした。
 暗い話になりそうです。

島内園香(しまうち・そのか):二十歳ぐらいか。(のちに23歳と判明)東京上野の生花店勤務。五年間ぐらい働いている。

島内千鶴子(しまうち・ちづこ):五十歳手前ぐらいか。島内園香の母親。昔は児童養護施設で働いていたが、その後、給食センターで働いている。

ナエ:七十四歳ぐらい。島内千鶴子と親しい。(松永奈江)絵本作家。紙芝居も扱う。36年前に埼玉県新座市(にいざし。埼玉県南部に位置する)に引っ越してきた。転居後10年ぐらいして病死した夫が松永吾朗。松永奈江よりも20歳近く年上の男性だった。

上辻亮太:島内園香の恋人。映像の仕事をしている。UXイメージ工房のチーフプロデューサー。三十三歳。群馬県高崎市出身。両親とは疎遠。性格破綻者(せいかくはたんしゃ:正確に欠陥がある。社会生活ができない。人格に二面性がある)

青山店長:島内園香が勤務する上野の生花店、四十歳前後の女性店長。

岡谷真紀(おかたに・まき):島内園香の同級生。

児童養護施設『あさかげ園』園長が男性で、金井。関根という女性が、島内千鶴子と仲が良かった。

 伏線として『人形』が忍ばせてあるのでしょう。

 ピンキーとキラーズはなつかしい。歌は『恋の季節』です。自分はたしか小学生でした。
 
 すらすらと読めます。この作者さんの特徴です。
 読みやすく、わかりやすい文章です。
 
 焼き鳥屋のウズラの卵にこだわりあり。島内園香と母親の好物です。
 島内園香は不倫の子らしい。妻子ある人のこどもです。
 先日読んだ『彼女の家計簿 原田ひ香 光文社』に出てくる瀧本里里(たきもと・りり)とその子である女児の啓(けい)三歳ぐらいを思い出しました。
 今から読み始める話と「彼女の家計簿」が重なり合うこの世にない新たな本が、自分の脳に発生するかも知れません。
 
 島内親子は木造二階建てアパート『いるかハイツ』八世帯が住んでいる。島内親子は二階の角部屋で暮らしている。
 だけど、浴室で母親の島内千鶴子が倒れています。母は、くも膜下出血で死去します。
 
 話は進み、島内園香は、上辻亮太の所有物扱いされるのではないかという心配事が読み手の自分に生まれました。好青年イコール好人物とは限りません。

 (ふと思う。ナエは、島内園香の祖母ではなかろうか。真実はまだわかりません。いまはまだ26ページ付近にいます)

(つづく)

 9月27日:レンタカー借用
 9月28日:レンタカーの返却なし。
 9月29日:不明者届出
10月02日:行方不明になる。
10月06日:遺体発見

 警視庁捜査一課
 特捜本部
 草薙俊平(くさなぎ・しゅんぺい):男性。警察職員係長職。
 内海薫(うつみ・かおる):女性。警察職員。草薙の部下。
 横山巡査長:三十歳過ぎ。生活安全課所属。

 湯川学:帝都大学。天才物理学者。草薙俊平の大学時代からの友人。湯川学の出身高校は、エリートがそろった統和高校。バトミントンをしていたが、バトミントン部員ではなかった。高校のクラスメート女子と6年間付き合ったが別れた。
 帝都大学の『優秀卒業研究発表会』で湯川学が発表したのが『磁界歯車(じかいはぐるま)』
 今は、母親の介護をしている。
 
 年寄りの面会希望あり。七十歳前後の女性高齢者だった。

 陰の人間がだれかを助ける。この作者さんの物語づくりのパターンひとつだろうか。

 『ぼくは何?』
 『ひとりぼっちのモノポちゃん』 モノポール:磁気単極子。磁気のN極だけ、あるいはS極だけの素粒子をもつ。
 
 藤崎編集者

 オーパス・ワン:アメリカ合衆国カリフォルニア州にあるワイン事業所。

 87ページ付近、自問自答のような会話が続きます。草薙と湯川の会話です。

 92ページあたりの推理は、本を読んでいる読者の推理と一致します。(だけど、真実は、ちがうのだろうなあ)

 根岸秀美:東京都中央区勝どき。『銀座 VOWM経営者兼ママ』

(つづく)

 チーママ:酒場で、ママの次の立場の女性
 ワイルドターキー:アメリカ合衆国のウィスキー。バーボンウイスキー(バーボンは地名)
 施条痕(せんじょうこん):銃から発射された銃弾に付いた痕(あと)
 第一京浜道路(だいいちけいひんどうろ):延長15キロの国道。昔の東海道を引き継ぐ。国道15号。新橋-品川-横浜市
 虱潰し(しらみつぶし):見落としがないように徹底的に調べる。
 固定資産税の節税対策:市街化区域内のA農地とかB農地とか、長期営農継続農地とか、宅地並み課税とか、そんな言葉をバブル経済期に聞いたことがあります。1980年代だった記憶です。(昭和55年ころ)。よくは知りませんが、当時の土地税制はもう今はないのでしょう。
 記述の中身が、もう過ぎてしまった35年ぐらい前のことであり、ネタ切れなのかなあと感じました。それから、夜の酒場の記述がたびたび出てくるのですが、作者自身が銀座の夜の酒場を飲み歩いているのだろうなあという余計な想像が浮かんできました。
 
 読んでいてピンときました。
 128ページあたり。根岸秀美(そうか。きっとこの人が犯人に違いない。さて、当たるかどうか)

 「山下宅」のお隣が「児島宅」
 小島宅の六十過ぎの女性から事情聴取。
 
 (祖母。こどもを捨てた人が)松永奈江-(捨てられたのが、病死した)島内千鶴子-(島内千鶴子の非嫡出子の娘が)島内園香ではなかろうか。

 キーワードとして『ボウム』 「誓いを立てる」につながる意味。

 DV男が登場します。なんでこんな男を好きになってしまったのか。気をつけましょう。見た目ではわかりません。男だけではなくて、女DVもいるはずです。どちらもこどもを虐待しそうです。怖い。

 DV加害者は、実は被害者であったりもする。人間界は複雑です。DV加害者は、第三者から制裁を受けるのです。

 いいなと思ったセリフの趣旨として<その人と暮らしていて、あなたは、本当に幸せですか?>
 ちょっとむずかし部分もあるセリフです。なにかを克服しないと幸せに近づけないということもあります。

 おそらく血がつながっているのに、表向きは他人です。だから、なんの根拠があって、わたしに説教するのかとなります。(あたしにとってあなたは他人。(違います。肉親です))

 167ページ、死んだ人間が生きている。

 もうひとつ気に入ったセリフとして『……敵か味方かを瞬時に判断する習性を生まれ持っているからかもしれない』
 
 異常な男がいます。

 情報がもれている。
 なぜ?
 警察の関与が被害者を窮地(きゅうち。苦しい立場に追い詰める)に追い込む。
 被害者は加害者でもあるから、しかたがないと簡単には割り切れない気持ちになります。

 そういうからくりか。(気づけませんでした)

 湯川学の逮捕(前例があるのか。逮捕はしなかったみたいですが。)

 草薙俊平と湯川学は、友人なのかなあ。利害関係のつながりだけに見えます。

(つづく)

 『望夢』

 クロスボー:西洋の弓

 216ページ付近にいますが、読む気持ちがだんだんしぼんできています。
 
 『密造銃』

 こどもを捨てた親の話は聞きにくい。

 物語を離れて、押さえておくべき言葉として『傍から(はた)からは優しく見えても、裏に回れば妻や恋人に暴力をふるう男はいる……』(あたっています。警戒しましょう)

 犯行に長い人生の歴史がかぶさります。

 殺すのではなく、話し合いで解決する。(口実でしかない。こうじつ:表面上の理由)

 246ページ。ふーむ。びっくりしました。介護の話はどうなっているのか。

 252ページ、さらにびっくりしました。そうなのか。

 被害者は、カネに目がくらんで、命を落としたか。

 260ページ付近、読み手である自分は、だまされているのだろうか。何が真実なのかわからなくなりました。

 悪人は、金づる(かねづる:金をせびる相手。自分が苦労しないでお金を手に入れる手段)をつくりたがる。相手のためだという思いやりのような言葉は嘘(うそ)です。自分のためです。

 岡谷真紀との京都旅行には無理があるのではないか。
 そこまでふたりが親しいとは思えませんでした。

 273ページ『わかんない。どうしたらいいのか、全然わからない』(読んでいる自分にもわからない)

 276ページ、悲しくなる。面会することもないでしょう。永遠の別れでしょう。

 ふーむ。ふたりか。
 重ねてあるのか。

 うーむ。悲劇があります。
 親子ってなんだろう。
 血のつながりってなんだろう。
 うーむ。ただやっぱり、殺人は罪です。
 この世の不幸を描いた作品でした。
 ここには明確には書けませんが不気味な裏があります。
 死んでいるのです。  

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2023年02月09日

めくってわかる*からだのしくみ 人体絵本

めくってわかる*からだのしくみ 人体絵本(じんたいえほん) ジュリアーノ・フォルナーリ・作 加藤季子(かとう・すえこ)・訳 ポプラ社

 こどもさん向けの人体解剖図です。
 とてもいい本です。
 今年読んで良かった一冊になりました。
 外国の本を日本語に翻訳してあります。

 縦長の絵本で、上部でとじてあり、ページをめくりあげる形式です。
 人間の体が、縦長に描いてあって、体内の部分をめくるというしかけ絵本になっています。めくるとさらに、からだの内部がわかるようになっています。

 医師や看護師、医療業務関係者、福祉業務関係者、スポーツ、マッサージ、整体などの体を扱う関係者が読む本のようです。
 こどもさんが、将来それらの道をめざすきっかけになる絵本かもしれません。
 
 「からだのなりたち」が書いてあります。しくみとはたらきもわかりやすい。
 内容はそれほどむずかしいものではありません。わかりやすい人体解剖図です。
 解体新書を記した杉田玄白の気持ちがわかります。わくわくしたことでしょう。
 杉田玄白(すぎた・げんぱく):江戸時代の蘭学医(らんがくい)。1733年-1817年。83歳没。1774年『解体新書』を刊行。

 からだの骨は全部で206個ある。
 がいこつの図は、こどものころにテレビで見た『黄金バット』を思い出させてくれます。
 がいこつ図を見ていて、人間のからだは、奇跡のかたまりに思えてきます。

 項目として、
(1)からだのなかをみてみよう
(2)骨格と脳と神経
(3)筋肉の働き
(4)血液と呼吸と生殖
(5)消火器と泌尿器

 命の誕生の仕組みがわかります。
 人間の体の不思議さと神秘が伝わってきます。(しんぴ:神さまがしたことではないかと思えるようなこと)
 性教育に使える本です。
 行為についての説明があります。
 愛情があってこその合体です。
 
 「大腸」は、自分が思っていたよりもけっこう上の位置から始まっていました。
 
 すごい本でした。  

Posted by 熊太郎 at 07:09Comments(0)TrackBack(0)読書感想文