2025年01月25日
PERFECT DAYS パーフェクトデイズ 映画
PERFECT DAYS パーフェクトデイズ 日本・ドイツ合作 2023年 2時間4分 動画配信サービス
監督:ヴィム・ヴェンダース
俳優:役所広司、柄本時生、石川さゆり、三浦友和、田中泯(たなか・みん)、アオイヤマダ、中野有紗
東京都内、公共トイレの清掃員が、平山(役所広司さん)です。
同僚というか、相方の若い男タカシが、柄本時生さんです。
タカシのあこがれが、ガールズバーのアヤ(アオイヤマダさん)、平山の姪(めい)ニコが、中野有紗さん、姪ニコの母親(平山の姉)が麻生祐未さん、平山の行きつけの居酒屋のママが、石川さゆりさんで、彼女の元夫が三浦友和さんで、踊りを踊るホームレスが田中泯さんです。
う~む。物語の、『起承転結』がないような。
松重豊さんの『孤独のグルメ』を思い出しました。
グルメではないけれど、いろんな公共トイレを、役所広司さんがお掃除するのです。
男ひとりで黙々とトイレをふいているのです。おじょうずです。手際(てぎわ)がいい。よほど練習されたのでしょう。たいしたものです。
トイレ清掃においての、ときおりの相棒が、柄本時生さんですが、いいかげんな若者を演じておられます。
役所広司さんを見ながら思ったことです。
家族をもたずにひとりで暮らす人が増えました。ひとり暮らしです。
なつかしい曲、『朝日のあたる家』が流れました。
わたしが、中学生か、高校生のときに、クラッシックギターで弾いていた曲です。老いた今は、もうつまびく能力が、わたしにはありません。能力はないけれど、ギターはいろいろ何本か家に置いてあります。もう中年近くになってしまった息子が、ときおり弾いています。
東京都内の観光案内のような映像が続きます。
わたしが知っている場所の映像がいくつか出てきました。
トイレの中はとても散らかっています。
役所広司さんが、てきぱきと片付けていきます。
セリフがほとんどありません。
昔見たことがある新藤兼人監督さんの作品、『裸の島』を思い出しました。セリフがない無言映画でしたが、強烈な感情表現が伝わってきました。
とある家族が、小さな島で暮らすようすを長期間のこととしてストーリーにのせて撮影してありました。たしか、白黒映画でした。1965年(昭和30年)の作品で、95分間の映像でした。
清潔で美しい空間(環境)で生活する。
規則正しいきちんとした生活をおくる。
己は(おのれは)、人間であることを心がける。
いろんな形態の公衆トイレがあるのね。
トイレの中は、ごみだらけですなあ。
忘れ物や貴重品もあるかもね。
こどもの忘れ物(忘れ物がこども)ということもあるのか。母親が怒りながら、ぼくちゃんを𠮟りつけました。
東京にも自然があります。公園です。
平山は、小さな植物の芽を家に持ち帰ってていねいに育てます。
世の中には、いろんな人がいます。生活のしかたは、人それぞれです。
給料をもらって、生活するために働きます。体を動かす仕事をします。
銭湯に入浴している役所広司さんを見て、役所さんも歳をとったなあ。同世代なので、自分も老いを感じます。
NHKの番組、『ドキュメント72時間』に出ていた、浅草駅の地下にある飲み屋通路が出てきました。なかなか古い。昭和の風情(ふぜい)が残っています。
自分の思いどおりに、自分の時間をすごしているから、パーフェクトデイなのだろう。完璧な日常生活です。
ときおり東京スカイツリーの雄姿(ゆうし)が、映像に出てきて強調されます。
お金のかからない生活です。
淡々と単純労務作業を続けます。
平山には、別れた妻やこどもがいるのではないかと思わせるのですが、その話は出ませんでした。
音楽や歌曲を録音したカセットテープです。
カセットテープは、最近は使いません。
1970年代、80年代はよく使いました。たしか、途中から録音する媒体(ばいたい)が、CDになって、今ではCDもあまり見かけません。
柄本時生さんを中心にして、金銭的には、底辺の生活が描かれています。
シンプルな映画です。
白黒映像でときおり、夢のような、幻のような、何の映像なのか形がはっきりしないものが画面に出てきます。
過去の記憶、思い出したくない思い出のように見えます。
カセットテープ同様に、フィルム式のカメラが出てきます。いまどきは珍しい。
知的障害のような若い男子が出てきます。
彼は、柄本時生さんの耳が好きだそうです。
車が多い。高速道路、自動車専用道路、渋滞しています。
『さんならべ』か、なつかしい。三目並べ。小学生のときにやったなあ。
『ありがとう』
人の心と心をつなぐ言葉が、『ありがとう』
『ありがとう』と言われて、怒る人はいません。
オモシロイ女の子がいます。若い女の子です。
ほっぺにチューされて、うれしそうな役所さんです。
役所さんも、女の子も洋楽が好きです。
主人公の平山という人物は、学(がく)がある人です。自室に、本とカセットテープがたくさんあります。
昔、NHKドラマで観た鶴田浩二さんを思い出します。『男たちの旅路』というドラマでした。東京で警備の仕事を辞めた鶴田浩二さんが、北海道、たしか根室(ねむろ)か釧路(くしろ)あたりの飲食店で、皿洗いの仕事をしているシーンでした。
水谷豊さんが、(東京では、役付きの仕事をしていたのに)もっといい仕事があるでしょうにというようなことを言ったあと、鶴田浩二さんが、この年齢でやれる仕事はこういう仕事しかないと反論したような覚えがあります。
映画の中の平山さんは、フィルムを使用する写真機で、木の葉(このは)や木の幹の写真を撮って現像・プリントアウトに出しています。
何十年か前の世界(環境)で平山さんは生きています。
そういう人って、けっこういるような気がします。
きちょうめんで、きちんとした人間、血液型A型人間です。
幸田文(こうだ・あや):随筆家、小説家。1990年(平成2年)86歳没。こちらの映画では、『木』という作品が出てきます。小説家幸田露伴(こうだろはん)の次女
石川さゆりさんが、生ギターで、『朝日のあたる家』を歌います。
石川さゆりさんも歳を重ねられました。わたしと同世代です。
たまには、お酒を飲まないと、やってられないわよね。
『時間』と、『空間』を楽しむ。
利益の追求のために心身を酷使しない生き方をする。
姪(めい)が叔父(おじ)に言う。
『その木は、おじさんの友だちでしょ』
『そうだね』
弟(平山さん)がいる世界と姉(姪の母親)がいる世界は違う。
詩的、哲学的です。
父親と対立があった。
父親は認知症になった。
『にいさん、久しぶり』
(認知症になったとはいえ、あの父親に)会うことは、心が許さない。
(親は、こどもの意向に反対しないほうがいい(とくに、進学先、就職先、結婚相手の選択において)。こじれると親子は絶縁状態になることもあります。こどもの人生はこどものものです。親がこどもを支配してはいけないのです。親があきらめないと、お互いに苦しい思いをかかえながら生きていくことになります)
今どきの若い人は、簡単に仕事を辞めてしまう。(柄本時生さんが演じるタカシのことです)
東京って、こんな人がたくさん暮らしているのかなあ。平山さんのような孤独に見えるひとり暮らしです。
そしてまたタバコか。
平山さんも石川さゆりさんの元夫も、ふたりともこれまで禁煙していたのか。
むせている。
へんなの。
そこまでして、タバコを吸いたいのか。へんです。
石川さゆりさんが演じる役についてです。
別れてから7年、元夫は再婚している。
元夫と7年ぶりに会った。
(どうもふたりが会った時、元夫には、病気で余命宣告がされていたようです)
元夫は、死ぬ前に元妻(石川さゆりさん)に会っておきたかった。
(手元にある缶ビールだか、酎ハイだかを)『飲みますか?』
飲まないと、(人生は)やってられませんから。
結局、何もわからないまま、終わっちゃうんだなあ。(あの世へいく)
タバコを吸って、酒を飲んで終わる人生はわびしくもある。
されど、それを、パーフェクトデイとするのです。なんか、もやもやします。モヤモヤさまぁ~ずですな。
自己肯定の映画だと受け止めました。
オレは、これでいい。
映画の映像は、たぶん朝日なのでしょうが、夕映えに見えました。(劇中に流れた歌曲が、『朝日のあたる家』だったから)
不思議な雰囲気がある映画でした。
監督:ヴィム・ヴェンダース
俳優:役所広司、柄本時生、石川さゆり、三浦友和、田中泯(たなか・みん)、アオイヤマダ、中野有紗
東京都内、公共トイレの清掃員が、平山(役所広司さん)です。
同僚というか、相方の若い男タカシが、柄本時生さんです。
タカシのあこがれが、ガールズバーのアヤ(アオイヤマダさん)、平山の姪(めい)ニコが、中野有紗さん、姪ニコの母親(平山の姉)が麻生祐未さん、平山の行きつけの居酒屋のママが、石川さゆりさんで、彼女の元夫が三浦友和さんで、踊りを踊るホームレスが田中泯さんです。
う~む。物語の、『起承転結』がないような。
松重豊さんの『孤独のグルメ』を思い出しました。
グルメではないけれど、いろんな公共トイレを、役所広司さんがお掃除するのです。
男ひとりで黙々とトイレをふいているのです。おじょうずです。手際(てぎわ)がいい。よほど練習されたのでしょう。たいしたものです。
トイレ清掃においての、ときおりの相棒が、柄本時生さんですが、いいかげんな若者を演じておられます。
役所広司さんを見ながら思ったことです。
家族をもたずにひとりで暮らす人が増えました。ひとり暮らしです。
なつかしい曲、『朝日のあたる家』が流れました。
わたしが、中学生か、高校生のときに、クラッシックギターで弾いていた曲です。老いた今は、もうつまびく能力が、わたしにはありません。能力はないけれど、ギターはいろいろ何本か家に置いてあります。もう中年近くになってしまった息子が、ときおり弾いています。
東京都内の観光案内のような映像が続きます。
わたしが知っている場所の映像がいくつか出てきました。
トイレの中はとても散らかっています。
役所広司さんが、てきぱきと片付けていきます。
セリフがほとんどありません。
昔見たことがある新藤兼人監督さんの作品、『裸の島』を思い出しました。セリフがない無言映画でしたが、強烈な感情表現が伝わってきました。
とある家族が、小さな島で暮らすようすを長期間のこととしてストーリーにのせて撮影してありました。たしか、白黒映画でした。1965年(昭和30年)の作品で、95分間の映像でした。
清潔で美しい空間(環境)で生活する。
規則正しいきちんとした生活をおくる。
己は(おのれは)、人間であることを心がける。
いろんな形態の公衆トイレがあるのね。
トイレの中は、ごみだらけですなあ。
忘れ物や貴重品もあるかもね。
こどもの忘れ物(忘れ物がこども)ということもあるのか。母親が怒りながら、ぼくちゃんを𠮟りつけました。
東京にも自然があります。公園です。
平山は、小さな植物の芽を家に持ち帰ってていねいに育てます。
世の中には、いろんな人がいます。生活のしかたは、人それぞれです。
給料をもらって、生活するために働きます。体を動かす仕事をします。
銭湯に入浴している役所広司さんを見て、役所さんも歳をとったなあ。同世代なので、自分も老いを感じます。
NHKの番組、『ドキュメント72時間』に出ていた、浅草駅の地下にある飲み屋通路が出てきました。なかなか古い。昭和の風情(ふぜい)が残っています。
自分の思いどおりに、自分の時間をすごしているから、パーフェクトデイなのだろう。完璧な日常生活です。
ときおり東京スカイツリーの雄姿(ゆうし)が、映像に出てきて強調されます。
お金のかからない生活です。
淡々と単純労務作業を続けます。
平山には、別れた妻やこどもがいるのではないかと思わせるのですが、その話は出ませんでした。
音楽や歌曲を録音したカセットテープです。
カセットテープは、最近は使いません。
1970年代、80年代はよく使いました。たしか、途中から録音する媒体(ばいたい)が、CDになって、今ではCDもあまり見かけません。
柄本時生さんを中心にして、金銭的には、底辺の生活が描かれています。
シンプルな映画です。
白黒映像でときおり、夢のような、幻のような、何の映像なのか形がはっきりしないものが画面に出てきます。
過去の記憶、思い出したくない思い出のように見えます。
カセットテープ同様に、フィルム式のカメラが出てきます。いまどきは珍しい。
知的障害のような若い男子が出てきます。
彼は、柄本時生さんの耳が好きだそうです。
車が多い。高速道路、自動車専用道路、渋滞しています。
『さんならべ』か、なつかしい。三目並べ。小学生のときにやったなあ。
『ありがとう』
人の心と心をつなぐ言葉が、『ありがとう』
『ありがとう』と言われて、怒る人はいません。
オモシロイ女の子がいます。若い女の子です。
ほっぺにチューされて、うれしそうな役所さんです。
役所さんも、女の子も洋楽が好きです。
主人公の平山という人物は、学(がく)がある人です。自室に、本とカセットテープがたくさんあります。
昔、NHKドラマで観た鶴田浩二さんを思い出します。『男たちの旅路』というドラマでした。東京で警備の仕事を辞めた鶴田浩二さんが、北海道、たしか根室(ねむろ)か釧路(くしろ)あたりの飲食店で、皿洗いの仕事をしているシーンでした。
水谷豊さんが、(東京では、役付きの仕事をしていたのに)もっといい仕事があるでしょうにというようなことを言ったあと、鶴田浩二さんが、この年齢でやれる仕事はこういう仕事しかないと反論したような覚えがあります。
映画の中の平山さんは、フィルムを使用する写真機で、木の葉(このは)や木の幹の写真を撮って現像・プリントアウトに出しています。
何十年か前の世界(環境)で平山さんは生きています。
そういう人って、けっこういるような気がします。
きちょうめんで、きちんとした人間、血液型A型人間です。
幸田文(こうだ・あや):随筆家、小説家。1990年(平成2年)86歳没。こちらの映画では、『木』という作品が出てきます。小説家幸田露伴(こうだろはん)の次女
石川さゆりさんが、生ギターで、『朝日のあたる家』を歌います。
石川さゆりさんも歳を重ねられました。わたしと同世代です。
たまには、お酒を飲まないと、やってられないわよね。
『時間』と、『空間』を楽しむ。
利益の追求のために心身を酷使しない生き方をする。
姪(めい)が叔父(おじ)に言う。
『その木は、おじさんの友だちでしょ』
『そうだね』
弟(平山さん)がいる世界と姉(姪の母親)がいる世界は違う。
詩的、哲学的です。
父親と対立があった。
父親は認知症になった。
『にいさん、久しぶり』
(認知症になったとはいえ、あの父親に)会うことは、心が許さない。
(親は、こどもの意向に反対しないほうがいい(とくに、進学先、就職先、結婚相手の選択において)。こじれると親子は絶縁状態になることもあります。こどもの人生はこどものものです。親がこどもを支配してはいけないのです。親があきらめないと、お互いに苦しい思いをかかえながら生きていくことになります)
今どきの若い人は、簡単に仕事を辞めてしまう。(柄本時生さんが演じるタカシのことです)
東京って、こんな人がたくさん暮らしているのかなあ。平山さんのような孤独に見えるひとり暮らしです。
そしてまたタバコか。
平山さんも石川さゆりさんの元夫も、ふたりともこれまで禁煙していたのか。
むせている。
へんなの。
そこまでして、タバコを吸いたいのか。へんです。
石川さゆりさんが演じる役についてです。
別れてから7年、元夫は再婚している。
元夫と7年ぶりに会った。
(どうもふたりが会った時、元夫には、病気で余命宣告がされていたようです)
元夫は、死ぬ前に元妻(石川さゆりさん)に会っておきたかった。
(手元にある缶ビールだか、酎ハイだかを)『飲みますか?』
飲まないと、(人生は)やってられませんから。
結局、何もわからないまま、終わっちゃうんだなあ。(あの世へいく)
タバコを吸って、酒を飲んで終わる人生はわびしくもある。
されど、それを、パーフェクトデイとするのです。なんか、もやもやします。モヤモヤさまぁ~ずですな。
自己肯定の映画だと受け止めました。
オレは、これでいい。
映画の映像は、たぶん朝日なのでしょうが、夕映えに見えました。(劇中に流れた歌曲が、『朝日のあたる家』だったから)
不思議な雰囲気がある映画でした。
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