2016年10月07日

ひとり暮らしの小学生 松下幸市朗

ひとり暮らしの小学生 松下幸市朗 宝島社

 マンガの単行本です。
 舞台は神奈川県江の島の食堂で、主人公は鈴音リン(すずね・りん)小学校4年生、両親は既に亡くなっているのですが、彼女は独り暮らしで、鈴音食堂(すずねしょくどう)の経営者で食べています。ありえないお話ですが、まあ、物語のなかの世界です。

 江の島とか、鎌倉とか、小説の舞台になりやすい地区です。
 カラーの絵はきれいで好感をもちました。
 形式は、1話で数ページの固まりです。四コママンガで、ストーリーを流していきます。

 親がいない子どものせつない気持ちがよく伝わってきます。
 人生は長い。気が遠くなるほど長い。家族がなくても、努力していれば、自分で家族をつくることができる。そして、老いて、振り返ってみると、人生は短い。

 気持ちに響いた四コママンガ部分です。42ページ「壊れた冷蔵庫」、89ページ「呪い」、114ページ「幸福」幸せってなんだろうという小学校教師伊藤の言葉があります。幸せはお金ではありません。
 ときおり現れる経費、儲けの一覧表がシンプルでいい効果を出しています。

 このマンガは、タイトル込みで読むと意味がさらによくわかります。

 貧困を扱った物語です。
 運動会の家族、一族参加の話は古い。もう、50年、半世紀前のお話です。現在は、昔とは違います。子どもが寂しさを感じない、いい時代になったと思います。

 徹底的に貧しい。確かにあった過去の事実です。とことん貧しい。あまりにも極端に貧しいので、見ていてつらくなります。リンはまだ9歳です。なんだろう。この貧しさの追求に集中力があります。

 最後はどうなのかなあ。好みが分かれる終わり方です。わたしは、好みません。


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