2024年01月12日
熱海殺人事件 邦画 1986年
熱海殺人事件 邦画 1986年(昭和61年) 1時間57分 動画配信サービス
俳優塩見三省さんの本『歌うように、伝えたい 人生を中断した私の再生と希望 塩見三省(しおみ・さんせい) 角川春樹事務所』を読んでこの映画を観ることにしました。
原作は、つかこうへいさんという方です。(2010年(平成22年)62歳没)
16歳高校生だった頃、福岡県から大分県日田市に行く途中に位置する馬見・屛・古処(うまみ・へい・こしょ。馬見山(うまみやま)・屛山(へいざん)・古処山(こしょさん))と連なる(つらなる)みっつの山の尾根付近を縦走(じゅうそう)したことがあります。
つかこうへんさんという方が、馬見山のふもとにある地域の出身だと聞いたのは、成人してだいぶたってからでした。
昨年は、俳優の瀬戸康史さんが、お友だちとそのあたりを散策している旅番組をBS放送で見てなつかしくもありました。
『熱海殺人事件』という言葉は若い頃に聞いたことがありますが、映画を観たのは今回が初めてです。
静岡県熱海で工員が女性を絞め殺したという設定から始まります。熱海には何度か行ったことがあるので、海岸あたりの風景を思い出しながら映画の中の事件を想像しました。
映像は非常識な思考から入ります。犯人(容疑者)と警察職員が、トランプの賭けで殺人の刑期を決めようとしています。
刑務所内では、どういうわけか、囚人(大滝秀治さん)のほうが、刑務所の職員よりも立場が偉い。逆転しています。
演者の方たちが若い。仲代達也さん(現在91歳。映画公開当時53歳)、風間杜夫さん(かざまもりおさん。現在74歳。当時37歳)、志穂美悦子さん(現在68歳。当時30歳)、大滝秀治さん(おおたきひでじさん。(2012年(平成24年)87歳没。当時61歳)
映像に出てくる車の型が古い。もう今から37年ぐらい前の車です。
志穂美悦子さんが若い。役柄としての志穂美さんが、あさってが結婚式というような話が出ます。志穂美悦子さんは、『水野』という警視庁職員です。仲代達也さん(二階堂伝兵衛役)が上司ですが、どうもふたりはできている。
九州弁が多用されるのは、つかこうへいさんが九州福岡県出身だからでしょう。
しろうとには、よくわからない話のつくりです。
『刑事というものは、事件とともに成長していく』
『事件はだれのものか。(自分なりに法治国家の説明をしているセリフだとうけとりました)。だれでも人は殺せるが、犯人になるためには、法律であなたが犯人と指定されなければならない』
まあ、昭和時代の昔のことですから、差別用語がいっぱい出てきます。女性蔑視(べっし。見くだす。ばかにする)、女性差別もありますし、公務員(警察職員)による容疑者への暴力行為もあります。
なんというか、つじつまの合わない話で、ついていけないと思ったら観るのはやめてしまうのですが、それが、ユーモアと理解できるかできないかについて、視聴者の心が試される作品です。
いいなと思ったセリフです。『オレは、弁護士に頼るような、そんな弱虫は、キライだ!!』
いなかの人間(犯人と殺人の犠牲者女性)ふたりが、東京にあこがれます。
田舎者は、劣等感が強い。
都会のコーヒー1杯は、450円。
田舎者は、すそが広がったベルボトムのパンツ(ズボン)をはいて、ロンドンブーツ(かかとが高い)をはいている。
いなか者のふたりは、もう田舎に帰ろうとか、都会でがんばって、ナンバー1になろうとか、混乱状態です。(なんというか、自分の母親の世代の心意気を感じるやりとりでした)
底辺の人間の暮らしを描写した作品で、そのあたりの映像の迫力がすごかった。
『忘れたばい(忘れたよ)』のひとことが引き金になって殺人事件が起きる。容疑者は、少年期の忘れられないがんばりのシーンを女性に否定されたから、怒りが頂点に達した。『あのシーンはオイの人生の一番です』ふるさとには、山や海、美しい人の心がある。なんだか支離滅裂なのですが、『気持ち』はよく伝わってきました。
空間移動のしかけがあります。
<2階に置いてあるテレビで映画を見始めて1時間ぐらいたった時に、自宅が揺れ始めました。北陸、日本海側で大地震が発生しました。映画を止めて、地震情報のテレビ画面に変えました。北陸から離れている愛知県内でもかなり長い時間揺れました>
<落ち着いてから、映画の続きを観ました>
人間を殺してはいけないという趣旨の熱弁が良かった。風間杜夫さん(警察職員)のセリフです。
いまどきよく聞く、高齢者の車の逆走運転のようなシーンが出てきます。
仲代達也さん『オレといっしょにならんか』
志穂美悦子さん『お断りします』
仲代達也さん『そうか、戻せ!(志穂美悦子さんが、道路の逆走運転をやめる)』
貧乏くさいシーンもあります。歯ブラシを箸にして(はし)、カップラーメンを食べる。
あとはまあ、タバコ映画です。喫煙シーンだらけ。
給料は4万円、手取りは2万4000円。家は2部屋に、8人きょうだいと祖父母の10人が住んでいる。「ゆきのじょう」という名のセントバーナード犬の乳でこどもたちは育ったそうな。そこに新婚のふたりが入って、12人で住む。かわりばんこに寝ればいい。
後半は、舞台劇を観ているようでした。
歌『美しい十代』が流れました。1963年(昭和38年)三田明さんのデビュー曲。こどもの頃に聞いたことがあります。
都はるみさんの歌を久しぶりに聴きました。『アンコ椿は恋の花』(1964年(昭和39年))
男にとって都合のいい内容の映画ではあります。
その後、世の中のありようは、180度変わりました。
最後のほうは、わけがわかりませんでした。(新婚旅行中のオープンカーが山の峠道を走っているシーンで終わり)
俳優塩見三省さんの本『歌うように、伝えたい 人生を中断した私の再生と希望 塩見三省(しおみ・さんせい) 角川春樹事務所』を読んでこの映画を観ることにしました。
原作は、つかこうへいさんという方です。(2010年(平成22年)62歳没)
16歳高校生だった頃、福岡県から大分県日田市に行く途中に位置する馬見・屛・古処(うまみ・へい・こしょ。馬見山(うまみやま)・屛山(へいざん)・古処山(こしょさん))と連なる(つらなる)みっつの山の尾根付近を縦走(じゅうそう)したことがあります。
つかこうへんさんという方が、馬見山のふもとにある地域の出身だと聞いたのは、成人してだいぶたってからでした。
昨年は、俳優の瀬戸康史さんが、お友だちとそのあたりを散策している旅番組をBS放送で見てなつかしくもありました。
『熱海殺人事件』という言葉は若い頃に聞いたことがありますが、映画を観たのは今回が初めてです。
静岡県熱海で工員が女性を絞め殺したという設定から始まります。熱海には何度か行ったことがあるので、海岸あたりの風景を思い出しながら映画の中の事件を想像しました。
映像は非常識な思考から入ります。犯人(容疑者)と警察職員が、トランプの賭けで殺人の刑期を決めようとしています。
刑務所内では、どういうわけか、囚人(大滝秀治さん)のほうが、刑務所の職員よりも立場が偉い。逆転しています。
演者の方たちが若い。仲代達也さん(現在91歳。映画公開当時53歳)、風間杜夫さん(かざまもりおさん。現在74歳。当時37歳)、志穂美悦子さん(現在68歳。当時30歳)、大滝秀治さん(おおたきひでじさん。(2012年(平成24年)87歳没。当時61歳)
映像に出てくる車の型が古い。もう今から37年ぐらい前の車です。
志穂美悦子さんが若い。役柄としての志穂美さんが、あさってが結婚式というような話が出ます。志穂美悦子さんは、『水野』という警視庁職員です。仲代達也さん(二階堂伝兵衛役)が上司ですが、どうもふたりはできている。
九州弁が多用されるのは、つかこうへいさんが九州福岡県出身だからでしょう。
しろうとには、よくわからない話のつくりです。
『刑事というものは、事件とともに成長していく』
『事件はだれのものか。(自分なりに法治国家の説明をしているセリフだとうけとりました)。だれでも人は殺せるが、犯人になるためには、法律であなたが犯人と指定されなければならない』
まあ、昭和時代の昔のことですから、差別用語がいっぱい出てきます。女性蔑視(べっし。見くだす。ばかにする)、女性差別もありますし、公務員(警察職員)による容疑者への暴力行為もあります。
なんというか、つじつまの合わない話で、ついていけないと思ったら観るのはやめてしまうのですが、それが、ユーモアと理解できるかできないかについて、視聴者の心が試される作品です。
いいなと思ったセリフです。『オレは、弁護士に頼るような、そんな弱虫は、キライだ!!』
いなかの人間(犯人と殺人の犠牲者女性)ふたりが、東京にあこがれます。
田舎者は、劣等感が強い。
都会のコーヒー1杯は、450円。
田舎者は、すそが広がったベルボトムのパンツ(ズボン)をはいて、ロンドンブーツ(かかとが高い)をはいている。
いなか者のふたりは、もう田舎に帰ろうとか、都会でがんばって、ナンバー1になろうとか、混乱状態です。(なんというか、自分の母親の世代の心意気を感じるやりとりでした)
底辺の人間の暮らしを描写した作品で、そのあたりの映像の迫力がすごかった。
『忘れたばい(忘れたよ)』のひとことが引き金になって殺人事件が起きる。容疑者は、少年期の忘れられないがんばりのシーンを女性に否定されたから、怒りが頂点に達した。『あのシーンはオイの人生の一番です』ふるさとには、山や海、美しい人の心がある。なんだか支離滅裂なのですが、『気持ち』はよく伝わってきました。
空間移動のしかけがあります。
<2階に置いてあるテレビで映画を見始めて1時間ぐらいたった時に、自宅が揺れ始めました。北陸、日本海側で大地震が発生しました。映画を止めて、地震情報のテレビ画面に変えました。北陸から離れている愛知県内でもかなり長い時間揺れました>
<落ち着いてから、映画の続きを観ました>
人間を殺してはいけないという趣旨の熱弁が良かった。風間杜夫さん(警察職員)のセリフです。
いまどきよく聞く、高齢者の車の逆走運転のようなシーンが出てきます。
仲代達也さん『オレといっしょにならんか』
志穂美悦子さん『お断りします』
仲代達也さん『そうか、戻せ!(志穂美悦子さんが、道路の逆走運転をやめる)』
貧乏くさいシーンもあります。歯ブラシを箸にして(はし)、カップラーメンを食べる。
あとはまあ、タバコ映画です。喫煙シーンだらけ。
給料は4万円、手取りは2万4000円。家は2部屋に、8人きょうだいと祖父母の10人が住んでいる。「ゆきのじょう」という名のセントバーナード犬の乳でこどもたちは育ったそうな。そこに新婚のふたりが入って、12人で住む。かわりばんこに寝ればいい。
後半は、舞台劇を観ているようでした。
歌『美しい十代』が流れました。1963年(昭和38年)三田明さんのデビュー曲。こどもの頃に聞いたことがあります。
都はるみさんの歌を久しぶりに聴きました。『アンコ椿は恋の花』(1964年(昭和39年))
男にとって都合のいい内容の映画ではあります。
その後、世の中のありようは、180度変わりました。
最後のほうは、わけがわかりませんでした。(新婚旅行中のオープンカーが山の峠道を走っているシーンで終わり)