2020年07月25日

本当の「頭のよさ」ってなんだろう? 斎藤孝

本当の「頭のよさ」ってなんだろう? 勉強と人生に役立つ、一生使えるものの考え方 斎藤孝 誠文堂新光社

 本屋さんで手にして、知りたい興味を満たしてくれるかもしれないと期待して読み始めました。2ページにある『脳の状態』というところにひかれるものがありました。
 ただ、34ページまで読んだところですが、期待はずれにおわるかもしれません。

 小中学生向けの本です。中学受験をする予定の小学生向けという一面もあります。
 ここまで読んで、『なになにすべき』という標準化をめざす本の内容だと感じています。無難な人生をおくるための人間の標準化です。
 この世は広い。脳は人間の数だけある。同じものを見ていても、それぞれの脳の中では違って見えているという自分の意見をもっています。だから、よく言葉をかわさなければ、お互いの意思疎通ができないと考えています。
 この本の内容は、一部の人たち向けの内容になっていると感じながら読んでいます。この世は広いです。全面的に取り入れるのではなく、参考にすることを考えながら読む本です。

 フレーズとして、共感した部分は、『脳のよしあしをほかの人と比較しても意味がない。とりかえることはできない』

 本にもあるとおり、『勉強ができる』ことと『社会に適応できる』ことは違います。
 学校で、勉強はできたのに、社会に出てきて不可解な言動や奇妙な行動をする若者がいます。喜怒哀楽の表情がなかったり、周囲の人と日常会話ができなかったり、自分の思いどおりにならないと机やイスをけったり、あいさつはしない、意思表示をしない、そういう人がいます。きっと、学校で無理をしてきたのだと思います。やりたくもないことをがまんしてやって、脳が悲鳴をあげたのです。
 世の中に出てみて、社会には、五体満足で、口も達者なのに、働けない人がいるということがわかりました。だからといって、その人の人格を否定することはできません。ただ、距離を置くことにはなります。

 この本では、『社会的適応性』を重視すると書いてありますので、そのことに着目して読み続けてみます。

 ことは単純で、『自分のことは自分でやる』が柱なのですが、だれかのご機嫌をとるために、だれかの言うとおりにロボットみたいに生活してきた(たとえば親のために)というパターンは危険です。いやなことはいやだとしっかり言えるようになったほうが、自分の心身を守れます。
 自分で自分をコントロールできるようになる。そのために勉強をすると思いたい。

 年収に関する記述は全面的にOKとは思えません。『大卒のほうが、生涯年収が有利』とあります。生涯獲得収入というものは、就労連続継続期間で増えていくものです。中卒でも、高卒でも、無職の期間がまったくなく、歳をとって働けなくなる時期まで働き続ければ、毎月の収入は少なくても全体では相当な額に達することができます。さらに老後は年金が重なります。きちんと年金保険料を納めておけば、長生きすればするほど生涯獲得収入は、うわのせになります。
 
 文章というよりも話したことを録音してテープ起こしをしてあるような文脈です。講演会の台本のようでもあります。

 いまは、サラリーマン世界では、役職につきたくない人が増えているような気がします。むかしあった秩序は乱れています。お金や名誉よりも心身の健康や時間のゆとりを求めている心理があります。豊かさはむかし財力でしたが、いまは、多方面へ労働者の顔が向いています。

 高学歴をめざす小中学生が読む本です。
 学校でいい子でいなさいと勧める本のようでもあります。
 
 とりあえず生きていればいい。
 学校重視はあまり意味がありません。
 社会に出ると学校でなにがあったかは問題になりません。異端児みたいだった生徒が、社会に出てスターになることもあります。

 教科は、『考え方の手法』を学ぶため、それから、学校は先生も含めて、いろんな人間を見る場所という趣旨には共感します。

 『読書』について書いてあります。かなりのページ数が使われています。人それぞれかなと思う面もあります。それぞれがなにかに夢中になれればそれでいいと思います。

 『こども孫子の兵法』というこどもさん向けの著者の本は読んだことがあります。勝負においての勝ち方が書いてありました。意外だったのは、「孫子」は人名ではなく、書いたのは孫武という人だということでした。2400年前のお話です。
 画期的な勝利法が書いてあるわけではありません。負けないための準備をする。効率優先、安全第一、精神論よりも科学です。
 無難な道を選択して、安全と安心を確保します。そういう点では、刺激の少ないおもしろみのない本という面もありました。いま読んでいるこの本にもあるとおり、「逃げてもいい」のです。相手の戦法を予測して、勝てないという結論が出たら、とりあえず逃げて、次は勝てるように準備するのです。

 本を読むのはいいのですが、いいことが書いてあっても、記憶の引き出しの容量が決まっていて、引き出しに入らなくなると忘れてしまうのです。だから、『記録』しておいたほうがいいのです。
 わたしは、読書メモを残していますが、先日は、ホタルのおしりはなぜ光るかということが気になり、以前、本で読んだのですが、忘れてしまっており、記録をさがしました。ありました。蛍は体そのものが光る。発光の役割として、「求愛行為」オスもメスも光を出し合ってカップルをつくる。次の役割が、光る生物は食べてもおいしくない」とアピールする。自分の命を守る行為。そして、ホタルイカだと敵の視界をふさぐための「めくらまし」、アンコウだと、「えさをおびきよせる」と記録してありました。

 調べた言葉として、
シナプス:情報伝達のための接触構造
ウズベキスタン:カスピ海の東にある中央アジアの国。人口約3,200万人。旧ソビエト連邦の一員

 例示が、ここ最近生まれた、いまどきのこどもさんには、古いような気がしました。カフカの『変身』、芥川龍之介の『蜘蛛の糸(くものいと)』、マンガのなかにあるナポレオンのコメント『余の辞書に不可能はない(よのじしょにふかのうはない)』、司馬遼太郎「竜馬がゆく」、宮沢賢治「虔十公園(けんじゅうこうえん)」

 共感した部分として、
「好きなものがあれば、この世は楽しい」
「友だちとは、好きなものについて楽しく語り合える人」

 気の合わない人とは無理をして、仲良くする必要はありません。それでも最低限、相手の足を引っ張らないようにしておきたい。

 200ページにあるウズベキスタン人のバスの話と217ページにあるマンガのシーンが関連づけてありますが、趣旨が異なるような気がしました。

 206ページから207ページを読んでいた時に、「人間はロボットじゃない。よくもわるくも、一番大事なことは、『死なないこと』」と考えながら、次の208ページをめくったら、太い文字で、『自分をおいつめない、絶対に死んではいけない』と出てきたので共感しました。
 昔からいわれていることですが、死にたくなったら、いったん仕事をやめるか、仕事を休んで休憩すればいいのです。恥をかくことを恐れることはありません。仕事というものは、デビューも引退も、引退後の復帰も自己申告のようなものです。いつでも辞められるし、いつでも復帰することができます。
 身近な人が自殺すると、そばにいた人の気持ちはかなりへこみます。「どうして」とか、「なぜ」が頭の中に充満して悩みます。

 『おわりに』の部分はいらなかったと思います。しつこかったです。どうしても入れたいのなら本文の枠組みのなかに入れてほしかった。一般的に、『おわりに』は、長文を書き終えて自分はやりとげたという書いた人の自己満足です。読み手は、いったん終わったものと思っていますので、深い意味合いの重たい文章が続くと疲れます。言いたいことは本文のなかで終わらせてほしい。『おわりに』は、出版にあたっての関係者への謝辞程度にして結んでほしい。  

Posted by 熊太郎 at 06:29Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2020年07月24日

時代の流れが図解でわかる! 早わかり日本史 河合敦

時代の流れが図解でわかる! 早わかり日本史 河合敦 日本実業出版社

 前回読んだ「日本を変えた50の事件(小学5年生向け学習参考書の付録)」同様、読みたい本が手元になくなったので、クローゼットをごそごそ探していたら出てきて、最近歴史に興味が湧いてきているので読んでみます。これもまた20年以上前の本です。

 1997年の日付で、著者のコメントが出ています。高校の歴史の先生とあります。
 テレビにも出演されている方のようです。
 全部を丁寧に読むのではなく、興味をもったところに着目しながら流すように読んでみます。

第1章 日本文化のはじまり -縄文から弥生時代へ
 狩猟中心の洞窟・穴倉移動生活が数十万年も続いていた。それまでは、食料を分かち合い、平等に暮らしていた。
 稲作によって平等が崩れた。食料の備蓄ができるようになった。よい田をもつ者ともたない者が生まれた。貧富の格差が生まれた。他人の収穫物や土地、労働力を奪う人間が現れた。戦争が始まり、勝ったものが支配者、負けた者が、奴隷となった。弥生時代が始まった。人間の『欲』の誕生です。ドラマチックでもあります。
 記事にある、青森県の三内丸山遺跡(さんないまるやまいせき。約5900年前から4200年前の生活跡がわかる)には行ったことがあります。そのときのことを思い出しながら文章を読みました。

57年:金印『漢委奴国王印(かんのわのなのこくおういん)福岡県志賀島で1784年発見されたという説あり。江戸時代「天明」黒田藩所蔵』後漢の光武帝から倭国王へプレゼント。日本は島国といえども、大昔から、船旅で諸国と交流があったのでしょう。江戸時代の鎖国のイメージが強いので、つい日本は単体でやってきたというイメージが付いてしまっています。
 治安のことが書いてありますが、この本の248ページにタウンゼントハリス(外交官。日米修好通商条約締結)が、この時代の日本は治安が良く、人々は平等で、平和に暮らしているとあります。ほかの当時日本を訪れた外国人が書いた本でも、他国では、支配者が豪華な宮殿に住みぜいたくな暮らしをしているが、日本の武士は、質素な暮らしをしている。驚きだと記してありました。また、身分制度はあるものの、実体としては、上下関係はきついものではなく、みんな仲良く暮らしているとありました。日本人として誇れることだと思います。

239年:邪馬台国の卑弥呼登場(やまたいこくの女王ひみこ)魏(ぎ)に使いを送った。

第2章 律令国家の誕生 -大和政権から奈良・平安の時代へ
 なんだか、『対立』ばかりです。
 中央集権化を図るために大和政権が『仏教』を取り入れて、うまくいったと思ったら、僧侶が政権をとろうとする。そして、武士が登場して僧侶を殺し、寺院を焼き払う。
 目標は、天皇を中心とした国家をつくることです。
聖徳太子:574年-622年 593年から、推古天皇(554年-628年。女帝)の摂政 冠位十二階、十七条憲法
桓武天皇:737年-806年。794年に平安京への遷都
 
 興味が湧いて調べたこととして、日本人の平均寿命の変遷
奈良・平安時代:30代
鎌倉時代:20代
室町時代:10代
安土・桃山時代:30代
江戸時代:30代~40代
明治・大正時代:40代
昭和時代の戦後:60代~70代
むかしはこどもさんの死亡率が高かったので、正確ではない部分もあるでしょう。

 気になったところをつなげてみます。
 聖徳太子は、蘇我馬子をよくは思っていなかった。聖徳太子は天皇の家系だったが、豪族の蘇我馬子は、自分が天皇のようになって権力をふるおうとしていた。
 聖徳太子は、蘇我馬子の武力が強いので、表立って、蘇我馬子を攻撃することができなかった。
 聖徳太子は「冠位十二階」と「十七条憲法」で蘇我氏の勢力を抑えた。
 聖徳太子は、622年に亡くなり、蘇我馬子は626年に亡くなった。蘇我馬子の子が蘇我蝦夷(そがのえみし)で、その子が、蘇我入鹿(そがのいるか)
 聖徳太子の息子山背大兄王(やましろのおおえのおう)が蘇我入鹿の陰謀で643年に自殺させられた。
 中臣鎌足(なかとみのかまたり)と中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)が、豪族の蘇我氏を政治から排除するために、645年に蘇我入鹿を暗殺した。翌日、蘇我蝦夷は自害した。これを大化改新という。
 中大兄皇子は、天智天皇になった。天智天皇の同母弟の大海人皇子(おおあまのみこ)が皇位後継者だったのに、天智天皇は、自分の息子大友皇子を後継者にした。大海人皇子は、自分が殺されるかもしれないと思い、奈良県吉野へ逃げた。671年に天智天皇が死去した。大海人皇子は挙兵して大友皇子と戦い勝利した。これを壬申の乱という。勝利した大海人皇子は、天武天皇となった。
平安時代 平将門の乱 935年から940年 武士による関東の独立国家をめざした。本人は討ち死にした。

 平安時代の文化として、『平泉文化』 中尊寺金色堂
 以前見学したことがあります。仏像というよりも、美術品に見えました。

第3章 武士が主導する時代 -鎌倉幕府の誕生から室町へ
 国家の支配者が、『公家(くげ。朝廷の貴族)』から『武士』に変わります。『庶民(国民)』になるのは、まだ先、明治時代からのことです。武士の時代が700年間ぐらい続くと書いてあります。武力のもとにある日常生活です。

後鳥羽上皇:ごとばじょうこう。1180年-1239年。1221年に、公家対武士で、鎌倉幕府の北条義時を相手に承久の乱を起こすが敗北して、島根県隠岐島(おきしま)に流され生涯を終える。鎌倉幕府にいた源頼朝の妻北条政子が尼将軍として手腕をふるい武士が公家に勝利した。後鳥羽上皇は武力をもった公家であった。わかりやすかったです。

元寇:鎌倉時代の出来事。中国大陸を当時支配していた『元』の皇帝フビライが鎌倉幕府に服従を要求してきたので戦った。鎌倉幕府側は、執権北条時宗
1274年文永の役:元軍3万2000人が博多に上陸したが、夜、船に戻ったときに、暴風雨となり元軍は敗退した。
1281年弘安の役:元軍14万人 台風で元軍は壊滅した。
なんと、運が良かったことでしょう。

御家人:鎌倉時代にあっては、将軍直属の武士

後醍醐天皇:ごだいごてんのう。1288年-1339年 1333年鎌倉幕府滅亡の役割を果たした当時の天皇。のちに足利尊氏と対立して、奈良県の吉野に南朝をつくり、南北朝時代が始まる。この当時の武士として、足利尊氏、楠木正成、新田義貞

応仁の乱:1467年-1478年 11年間続いて、その後、戦国時代へ
 室町幕府時代。1467年に京都に25万人の軍勢が集まって、西軍、東軍に分かれて戦った。
 原因:室町幕府八代将軍足利義政・日野富子夫婦の対立。日野富子にこどもができなかったので、足利義政は自分の弟の足利義視(あしかが・よしみ)を後継者に選定した。ところが、その後、日野富子が妊娠出産して、男児の足利義尚(あしかが・よしひさ)を産み、彼を後継者にしたくなったので、幕府の実力者であった山名持豊(やまな・もちとよ)に相談した。これに対して、夫の足利義政は、政治的に無能な人間だった。事態を収拾できず。
 後継者争いが原因の戦(いくさ)ばかりです。兄弟は敵、叔父甥も敵です。

第4章 日本統一と太平の時代 -戦国時代を経て江戸幕府へ
 江戸幕府が長続きした理由として、「人間が平和を望む動物だから」には賛同します。100年ぐらい戦が続いて、みんな疲れ果てたのです。多少のことはがまんしても、『平和』がいいのです。
1582年:本能寺の変
1590年:豊臣秀吉が天下統一
16世紀後半:安土・桃山文化
1600年:関ケ原の戦い
1603年:江戸幕府開設
1614年:大坂冬の陣
1615年:大坂夏の陣
1637年:島原の乱
1646年-1709年:五代将軍徳川綱吉 生類憐みの令
17世紀なかばから18世紀初め:元禄文化
1701年:忠臣蔵事件
1716年:享保の改革 八代将軍 徳川吉宗 目安箱 倹約令
1730年-1801本居宣長
1787年:寛政の改革 田沼政治のあと、老中松平定信が幕府を引き締める。
1796年-1866年:ドイツ人医師シーボルト。1830年まで日本にいた。
18世紀末から19世紀初め:化政文化
1841年:天保の改革 老中水野忠邦

第5章 近代化する日本 -明治維新から太平洋戦争へ
政党政治
 自由党:党首 板垣退助 1881年(明治14年) 士族と農民が基盤
 立憲改進党:党首 大隈重信 1882年(明治15年) 資本家と知識階級
 立憲帝政党:党首 福地源一郎 1882年(明治14年) 官僚と軍人

 1941年(昭和16年)に政党は、『大政翼賛会』に統一される。

 選挙:1919年(大正8年)までは、年齢25歳以上、納税額(10円以上、3円以上)、男子のみだった。1925年(大正14年)納税要件撤廃、1945年(昭和20年)女性が選挙権を得た。

 ヨーロッパ諸国、フランス、イギリス、ドイツの制度の模倣
 
 1914年7月28日(大正3年)-1918年11月11日(大正7年)に第一次世界大戦

 1941年12月8日真珠湾攻撃で第二次世界大戦参戦
 1942年6月ミッドウェー海戦大敗北で敗戦へ向かう。日本軍の勢いがよかったのは、開戦からわずか半年間ぐらいだったようです。
 1943年、ガダルカナル島撤退
 1944年7月、サイパン島陥落
 日本本土への空襲激化
 1945年6月23日、米軍沖縄上陸、日本軍全滅
 1945年8月、原子爆弾投下、終戦

 朝鮮戦争:1950年(昭和25年)-1953年(昭和28年) 韓国(米国、英国支援)対北朝鮮(中国、ソ連支援)


*びっしりと情報が詰められている本ですので、なんども読み返しながら楽しんでみます。  

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2020年07月23日

小五チャレンジ3月号付録 先取り6年の歴史

小五チャレンジ3月号付録 先取り6年の歴史 日本を変えた50の事件 進研ゼミ小学講座 ㈱ベネッセコーポレーション

 さしあたって読みたい本が手元になくなってしまったので、自宅のクローゼットをごそごそ探していたら、おもしろそうなこの付録本が出てきたので、歴史のおさらいということで読んで、興味があるポイントだけをまとめてみることにしました。
 もう二十年以上前のもので、こどもたちが使っていたものです。小学五年生で、もうこんなに詳しく日本史を学ぶのだなあと驚きました。
 「いつ、どこで、だれが、なにをした、なぜ」というふうに、わかりやすくまとめてあります。

 自分は、地理は好きですが、歴史はあまり知りません。
 過去のことをふりかえってもしかたがない。未来のことを考えたいと若いころは歴史のことを考えることを避けてきました。
 今になって、歴史のおもしろさに目覚めて、昔の出来事を知ると、歴史の流れの実感が湧くようになりました。読みながら自分なりに付記してみます。

縄文時代:約1万年前~約2300年前。大陸から米づくりが伝わる。
弥生時代:むらができて、くにができて王が治める。卑弥呼登場(239年)
古墳時代:四世紀ごろから大和朝廷が国土統一を始める。仏教が伝わる(538年か552年)
飛鳥時代:600年代。聖徳太子が推古天皇の摂政(593年) 大化の改新(645年) 奈良県の明日香村には何度か旅しました。にゅうめんがおいしかったです。
奈良時代:平城京(710年) 東大寺大仏完成(752年) 東大寺にも何度も行きました。中国人観光客が増えて、参道から境内まで、中国語がゆきかい、中国にいるみたいになったのでびっくりしました。
平安時代:平安京(京都794年) 平清盛が太政大臣(1167年) 平家滅亡(1185年) 京都もなんどか行きました。平安時代というのは、1192年の鎌倉時代まで続くわけで、400年近くも続いた長期安定政権だったのだと、いまごろ気づきました。
鎌倉時代:1333年まで。源頼朝が鎌倉に幕府を開く。鎌倉もなんどか行きました。鎌倉大仏も東大寺大仏も両方立派な造りで気に入っています。あとは、元寇が、1274年と1281年
室町時代:1338年に足利尊氏が征夷大将軍になって京都の幕府を開く。小学生向けのためか、南北朝のことは、このブックには書いてありません。奈良県吉野に南朝がありました。そこもなんどか行きました。坂道がきつかった。金峯山寺(きんぷせんじ)は立派で美しかった。
1467年応仁の乱(親族同志での複雑な戦い。家督争い。勢力争い)1573年に織田信長が、室町幕府を滅ぼします。1543年種子島にポルトガル人から鉄砲伝来。1549年にキリスト教伝来。本能寺の変が、1582年織田信長49歳没。さかのぼって、桶狭間の戦いが1560年
安土・桃山時代:1590年豊臣秀吉が全国統一。1600年に関ケ原の戦いで、徳川家康が豊臣方を破る。
江戸時代:徳川家康が、1603年に江戸幕府を開く。1867年に徳川慶喜が大政奉還をして、武士の時代が終わる。元禄文化が、1700年前後で、近松門左衛門、松尾芭蕉、狩野探幽、歌舞伎、人形浄瑠璃、障壁画、書道、彫刻、陶芸、建築、庭園、囲碁、将棋、各種学問など。
1853年ペリー来航。1854年ペリー関与。日米和親条約締結(下田、函館の開港。座礁、難破のときの協力関係)
1858年米国外交官のタウンゼントハリスが関与した。日米修好通商条約締結(日本の主権が欧米人に及ばない。米国からの輸入品に対して、関税を日本が決められない)タウンゼントハリスが残した日記のような記録を読んだことがあります。日本人は自然の幸に恵まれておいしい食材が豊富で、人間関係は身分制度があるものの実際は平等で、武士も庶民もみんなが仲良く幸せに暮らしていると書いてあった記憶があります。
1837年大塩平八郎の乱。以前、児童文学で斉藤洋さんの白狐魔記(しらこまき)天保の虹で読んだことがあります。
1868年:9月4日から明治元年。五箇条の御誓文(明治天皇が示した明治政府の基本方針。天皇中心の政治。会議で話し合う。身分の上下はない。古くからの悪い習慣をなくす。欧米の進んだ文明を求める)
1869年:東京に都を移す。
1870年~1880年:自由民権運動。国会開設運動、政党づくり、憲法案づくり。板垣退助、大隈重信
1871年:廃藩置県
1877年:西南戦争
1889年:大日本帝国憲法発布
1890年:第一回帝国議会開会
1894年:日清戦争(朝鮮半島で)
1904年:日露戦争(中国東北部満州と朝鮮で)
1910年:韓国併合
*テレビやドラマ映画だと、出来事が毎週のように起こっているようにみえるのですが、実際には、長い年月がかかっています。
1912年:大正元年
1914年:第一次世界大戦に参加した。
1923年:大正12年9月1日関東大震災(もうすぐ100年が経とうとしています)死者・行方不明者105,385人
1925年:治安維持法、普通選挙制が実現
1931年:昭和6年。満州事変(日本の関東軍が満州全土を占領して、満州国を建国した。謀略として、関東軍が南満州鉄道を爆破したのに、中国が爆破したとした。これに反対した犬養毅首相が1932年5月15日暗殺された。5・15事件。1933年国際連盟を脱退。日本は、軍部独裁政治へと向かう)
1937年:昭和12年。北京の近くで、日中戦争が始まる。1945年。昭和20年まで続いた。大日本帝国対中華民国
1945年:終戦
1946年:昭和21年11月3日公布、施行は翌年5月3日。①国民主権②基本的人権の尊重③平和主義
1956年:昭和31年。国際連合に加盟
(付録本には記載なし:1959年9月21日伊勢湾台風。昭和34年。死者・行方不明者5098人)
1960年:昭和35年。日米安全保障条約締結
1964年:昭和39年。東京オリンピック開催
1970年:昭和45年。大阪万博開催
1972年:昭和47年。中国と国交回復
*付録本の記事はこのあたりまででした。あとは、付け足してみます。
地震とか大雨による災害が怖いのでそこを主に記してみました。

1986年12月(昭和61年)~1991年2月(平成3年):バブル景気。地価高騰
1995年1月17日(平成7年)阪神淡路大震災。死者・行方不明者6,437人
2000年9月11日―12日:東海豪雨。名古屋市の降水量567ミリ
2004年10月23日:平成16年。新潟県中越地震。死者68人
2005年:愛知万博
2011年3月11日:平成23年。東日本大震災。死者・行方不明者20,202人
2014年8月20日:平成26年。広島豪雨。死者77人
2014年9月27日:御岳山噴火。死者57人
2016年4月14日、16日:平成28年。熊本地震。死者273人
2017年7月5日-6日:平成29年7月九州北部豪雨。被災地として、福岡県朝倉市。死者・行方不明者42人
2018年6月18日:平成30年。大阪府北部地震。死者6人
2018年6月28日-7月8日:平成30年7月豪雨。死者・行方不明者271人。被災地のひとつとして、岡山県倉敷市真備地区
2018年9月4日:平成30年。台風21号。近畿地方の被害甚大。死者14人
2018年9月6日:北海道胆振東部地震(ほっかいどういぶりとうぶじしん)死者43人
2019年9月5日:令和元年房総半島台風。台風15号。死者3人
2019年10月12日:令和元年東日本台風。台風19号。死者・行方不明者94人
2020年7月3日以降:令和2年7月豪雨。九州地方、中部地方。熊本県球磨川沿い(くまがわぞい)死者・行方不明者87人(現在進行中)

今年はまだ台風の話を聞かないのが、不思議で不気味です。地球の気候がいつもと違います。

2019年(令和元年)-2020年(令和2年)新型コロナウィルスの世界的流行
東京オリンピックの延期
<現在進行中 2020年7月21日10:00現在>
死者:日本988人 世界603,691人
累計感染者:日本26,472人 世界14,348,858人  

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2020年07月22日

この道は母へとつづく ロシア映画DVD

この道は母へとつづく ロシア映画DVD 2007年公開

 原題は、「イタリア人」です。ロシア人孤児がイタリア人夫婦に養子にもらわれていくからです。もらわれていくまでのあいだ、孤児仲間が彼を「イタリア人」とニックネームをつけて呼ぶのです。
 イタリア人と名づけられたロシア人6歳男児のワーニャ・ソンツェフが、自分を産んだ実母に会いたくなり、孤児院を脱走して、実母に会いに行きます。
 好評だった作品のようですが、わたしには合いませんでした。

 最後のオチをどうもっていくのかを重視しながら観ていましたが、中途半端で、不自然な終わり方をしました。
 ハッピーエンドですが、映画というものは、ふつう、そこから、表現を強く描写するための意志がスタートするのではないかという疑問が湧いて、消化不良な気持ちが残りました。ただ単に「良かったですね」では、拍子抜けなのです。
 この映画の場合は、ラストをスタートにもってきて、自分を捨てた母親との関係を深く掘り下げたほうがいい。

 映画なので当然虚構のお話なのですが、始まってからずっと、やらせとか、仕込みのように、なにかしら、わざとらしいシーンが続くという感触をもちながら観ました。ゆえに、感情移入ができませんでした。
 理性とか法令とかによりかかって処理するのではなく、わいろをはじめとしたカネとモノで回すのが、ロシア社会のお国柄かとも思いました。
 利益を得るためなら、嘘をついても構わない社会です。
 貧困、暴力、アル中、喫煙、窃盗、嘘を積み重ねる会話、そのような描写が極端に強すぎた感じがします。
 養子にいく話も合法的な人身売買かと驚きました。こどもたち同士が、養子にいったあと「臓器移植」に回されるかもしれないと会話していたのにはぞっとさせられました。
 あとは、主人公とは別のこどもさんで、実母の自殺者が出るわけですが、そのときは身寄りが見つからなかったからといっても、実の親の了解が得られないこどもさんの場合は、施設の職員の判断だけで、どこかへ養子や里子には出せないような気がするのです。最低限、裁判所の許可のような決定が必要な気がします。仲介屋の女性が入って、お金でこどもがやりとりされています。されど、映画は、ロシアとイタリアの話ですからわかりません。でも観ていて、疑問が残りました。

 こどもの心理として、顔も知らない自分の母親に会いたいという気持ちはあるでしょう。あわせて、父親に会いたいという気持ちもあるでしょう。ただ、会うと、がっかりするものです。

 孤児院の生活を描いた映画ですが、実際の孤児院の関係者が観たらどう思うのかは疑問です。映像にあることが、そのとおりだということになれば、孤児院の運営のしかたには、たくさんの問題点があります。

 ロシアの雪景色は、映画の内容も重なって暗く感じられました。
 
 こどもを思う母なら、すでにこどもを迎えに来ていて当然なのでは。
 こどもの母親は唯一ひとりと限定すると苦しい。産んだ女性も母親だし、育てる養母も母親であり、母親が複数いても不思議ではありません。

 6歳のこどもは、自分が施設に預けられたときの記録が書かれた極秘書類を盗み出して読むために、「文字の読み書き」ができるようになりたいと熱望します。文字の読み書きができるようになるということはとても重要なことです。  

2020年07月21日

D-デイ 洋画DVD

D-デイ 洋画DVD 2019年公開

 「キャパとゲルダ ふたりの戦場カメラマン」マークアロンソン&マリナ・ブドーズ=著という本を読み始めて、最初のシーンが、1944年6月6日ノルマンディー上陸作戦の日だったので、本の記述の検証のつもりでこの映画を観ることにしました。

 第二次世界大戦のヤマ場です。作戦開始の24時間前のようすから始まります。
 イギリスからドーバー海峡を渡って、連合国軍の大群が、翌日の午前6時30分にフランスノルマンディーに上陸してドイツ軍をたたく予定です。

 本の記述にあるとおり、ノルマンディーの海岸は、崖地になっており、がけの上からドイツ軍が銃撃してくるのを必死の思いをしながら登るのです。どうやって崖を登るのだろうかと予想がつかなかったのですが、ロープを銃のように打ち上げて、崖の上に突き刺して固定して登って行く様子を見て、そうかとがてんがいきました。まるで、日本の戦国時代の山城攻撃のようでした。

 かなり大規模な軍勢で上陸していますが、映画では、全体の一部分のみを映像化してあります。
 目標は、ドイツ軍の大砲で、大砲を破壊することが映画に出てくる部隊の任務です。

 大声のセリフが続くのですが、セリフのなかみは理屈が多く、単純で、つたないものが多かった。よかったセリフとしては、ふたりのやりとりで、「戦争は人を変える。それだけだ」「(本当に)それでいいのか」

 あとは、疑問に感じるシーンがいくつかありました。
 「ごっこ」の感じがするのです。サラリーマンが、カッターシャツの上に、軍隊の制服を着て、モデルガンをもって戦争ごっこをしているところを撮影しているような感じがところどころにありました。
 明らかに背後から米軍の兵隊が近づいているのに、ドイツ兵がふりかえりもせず、まったく気づかないままやられたのは変なシーンでした。
 ノルマンディー上陸作戦のさなかに、ドイツ兵たちが休憩中でトランプをしていたのがちょっと考えられない。激しい戦闘のさなかです。
 どうして米軍兵士たちは、屋外で立ち話ばかりするのだろう。なかには、極秘情報の会話もありました。ふつうは、だれもいない屋内で密かに相手から聴取すると思うのです。それから、兵隊さんたちは、たばこばっかり吸っていました。
 天気が良すぎる。青空が広がり、さわやかな風が吹いているように見えて、とても戦争中の雰囲気ではありませんでした。ピクニック日和(びより)です。(あとで、調べたら、最初の攻撃予定は6月5日だったが、当時は悪天候が続いていて、軍隊の大群が海峡を渡るのに5日は適していなかったそうです。当時の気象技術を駆使して、6日に暴風雨がおさまることを予報して6日に延期して決行されたそうです。ドイツ軍は、荒天なので、まさか攻めてこないだろうと油断していたそうです。まるで、織田信長が、少ない軍勢で今川義元の大軍を破った桶狭間の合戦のようです。それにしても、映画の中の晴天、好天は、天気が良すぎるような気がします)
 銃弾が米兵の頭の近くを何発もかすめるのですが、当たりません。役者さんもそんななか、平然と電話をしています。ふつうは、弾が当たってしまいます。
 みんなが、地面にうつぶせになっているのに、撃たれた兵隊は立っています。立ったら弾が当たります。
 肝心の大砲の爆破シーンがありませんでした。びっくりしました。爆破されたということで、話は続いていきました。
 まあ、いろんな映画があります。その中で自分に合った光る作品に出会ったときが、喜びを感じるときです。

 こんどは、気分を入れ替えて、同じくノルマンディー上陸作戦を描いた『プライベートライアン』を観てみます。  

2020年07月20日

パラサイト 韓国映画DVD

パラサイト 韓国映画DVD 2019年公開

 新型ウィルス感染拡大で、映画館では観なかったのですが、レンタルDVDが流通しだしたのでさっそく観てみます。

(つづく)

 観終わりました。
 いい映画でしたが、もう一度観たいとは思いません。かなしすぎます。

 60分を経過したあたりから話の展開が激しくなります。
 次々とこういうふうになるだろうと予測しながら観ていました。そうなった部分もあるし、そうはならなかった部分もあります。ふりかえってみます。

 最初の60分ぐらいは、動きがにぶく、貧困が強調されるばかりで、気持ちがふさいできます。韓国の人は、韓国人の貧しい生活の部分を世界にさらされて、この作品を誇れるのだろうかと心配になりました。
 四人家族がいます。とうさん、かあさん、兄、妹です。詐欺家族です。家族そろって、お金持ちの四人家族をだまします。
 うそつき家族は犯罪グループでありとても共感できません。
 学歴偏重社会が強調されています。笑えません。スマホとか、たぶんSNSであろうカカオトークとか、検索とか、ワイファイとか、スマホの活用があちこちにみられます。だましのための活用です。公文書を偽造するための活用もあります。
 便所コオロギ、立ちションベン、雨、湿り気、半地下の独特な匂い、不潔感がただよいます。

 映像に少人数の演劇を観るような雰囲気があります。
 役者が、詐欺師の役を演じている不思議な二重感覚がありました。

 笑えない気持ちで観ていましたが、そのうち笑えるようになりました。①吐血の血の偽造 ②立ちションベン退治のバトル(ただこれは、観ていて、最初は笑えたのですが、だんだん悲しくなりました。みじめです) ③雷が鳴って、「タイミングが最高だ」のセリフ付近 ④北朝鮮をからめたこっけいな、たわむれの歌とコメント(ただ、政治的にもめるような気配あり)⑤スマホの「送信」ボタンが、「北朝鮮のミサイル発射ボタンのようなものだ」というたとえ話

 メッセージとして、①金持ちVS貧乏人 ②格差社会への不満 ③大学を出ても就職口がない。

 記憶に残ったセリフとして、「金持ちなので優しいのではなくて、金持ちだから優しいんだ」

 展開の流れとして、詐欺家族の思惑通りにいっているのだけれど、最後は大崩れするだろうということは予測できます。
 真実が判明する前にワンクッション置いたのが良かった。60分過ぎてからが、おもしろくなります。
 納得したこととして、韓国のお金持ちが住む豪邸には、北朝鮮からの襲撃に備えてシェルターが設置してあるということ。
 
 ドタバタ喜劇かと思ったら、血なまぐさいホラーのような部分もあります。そういうふうにもっていく手段もありますが、観ていた自分としては、そうはもっていってほしくなかった。なぜかというとグロテスクな映像は苦手なことと、そういうもっていきかたは、普通に発想できる展開だからということ。

 金持ちには金持ちの苦労があるようです。

 伏線の仕掛けとして、「モールス信号」

 豪雨で水害が広がっていた頃にこの映画を観たのですが、この映画のスクリーンのなかに映る避難所体育館生活を観ると、実感がこみあげてくるものがあります。国民が避難所生活をしているときに、政治家はどのような暮らしをしているのかと怒りがこみあげてくる避難民がいるかもしれません。

 半地下の自宅であるパラサイト暮らしをやむなくしている家族共通の「くさいにおい」のことをお金持ちファミリーに言われたことで、詐欺家族一家の「怒り」のスイッチが入りました。

 韓国社会の呼吸が止まりそうな苦しさあり。息子の最後のほうにあったセリフに気持ちがこもっていました。『ぼくは、笑っていました。ずっと笑っていました』あまりにもつらすぎて、笑うしかないときがあります。