2019年07月19日

億男 邦画DVD

億男 邦画DVD 2018年公開

 本は以前読んだことがありますが映画を観たのは初めてです。

 「走れメロス」のような内容の映画でした。
 お金のことを考える映画です。宝くじで3億円当選したが、友だちに持ち逃げされた状態に陥った大倉一男です。兄の保証人になって3000万円の借金があります。(小説では弟の借金になっています)
 古川九十九(ふるかわ・つくも)役の高橋一生さんは、熱演でした。
 現実の投資詐欺で逮捕された犯人を思い出すシーンでした。催眠商法です。
 人を訪ね歩くロードムービです。
 お金は労働のあとからついてくるもの。
 最初から最後まで落語の「芝浜」の精神が貫かれています。子ども向けの落語の本で読んだことがあります。お金はもっていても、お金はないと思って生活していくのです。
 もし映画館で観ていたら、眠たくなるシーンが何度かありました。

 気に入った表現などとして、「九十九+(プラス)一(いち)=100点コンビ」、「夢になるといけない」、「(競馬シーン)お金は数値が頭の中をいったりきたりしただけ。それがお金の正体(このパターンは、お金以外にもつかえます。たいていのことは、頭のなかでの行き来です。外からは見えない)」、「お金で家族は戻って来ない(借金の保証人にはなってはいけない)」、「モロッコに行って、モロッコ人に要求されたサービス料を払わない(情に流されてはいけない。だまし行為にお金を払ってはいけない)」

 調べた単語などとして、「バリエーション:種類、変化」


2015年2月8日読書感想文記事から 億男 川村元気 マガジンハウス

 宝くじで3億円が当たった男、一男のお金と幸せのつながりを考える物語は、ひと桁ずつ上がる章の積み重ねで表現されます。そして、宝くじを当てたから「億男」なのです。
 彼は弟の借金3000万円を肩代わりしたことが発端となって、妻と離婚し、9歳の娘と離ればなれになりました。今は、昼間は図書館司書、夜はパン工場で働く日々です。
 手にした3億円をどうするかですが、その使い道の部分の記述は少なく、大学落語研究会で一緒だった一男の親友九十九(つくも)との関係を重視する展開を広げつつ、お金と人間の関係を深く掘り下げていく内容です。
 研修とか、能力開発をベースにして、小説ができあがっています。むずかしいし、わかりにくさもありました。
 「うまく、お金を使うことは、稼ぐのと同じくらい難しい」という記述がありました。生涯学習という言葉が思い浮かびます。お金を使いこなす意思と技術を身につけるために、学校を出たあとも学びを継続するのです。チャップリンの言葉が引用されています。人生に必要なもの、勇気と想像力と少しのお金。お金は少しでいいのです。いっぱいあっても、少しでいいのです。
 書中にある表現「クレジットカード=信用のカード」は、お金よりも「信用」が大事と教えてくれます。後半でもうひとつ「夢」というキーワードが出てきます。複数がいる人間界で、夢をかなえたいとか、幸せになりたいとしたら、「信用」が欠かせません。お金はあとからついてくるものです。
 ネット情報を得て、生活指針を決めすぎる生活習慣があります。本を読みながら、ちょっぴりそう思いました。生身の人間との情報交換が減りました。起承転結の流れで、承の部分がうまい。ドラマチックです。ふたり会話の記述はうまくありませんが、それはそれでいい。
 落語話がいくつかの柱になっています。本の記述に、小学生のときに読んだマンガのシーンが出てきて、昔を思い出しました。  

2019年07月18日

14歳、明日の時間割 鈴木るりか

14歳、明日の時間割 鈴木るりか 小学館

 奇跡の中学生作家、青春群像小説という謳い(強調、宣伝)文句です。
 科目などにあわせてつくられた短編7本です。

「国語」
 ベース(下地、基礎)は、中学生作家の日常生活においてあります。
 14歳とは思えないような文章作成能力に驚かされます。語彙力(ごい)が高い。(言葉をたくさん知っている。あわせて、自由自在に言葉の組み合わせを使いこなしている)その能力に怖さを感じました。国語辞典と漢和辞典の読破でもしたのだろうか。
 
「家庭科」
 しみじみしました。家庭科が得意な男子中学生野間克己(のま・かつき)くんのお話です。
 最初のうちは、裁縫が苦手なお母さんの話で笑わせてくれます。女性だからといって、整理整頓家事料理が生まれながらにできるわけではありません。男子も同様です。
 
「数学」
 急に語り手が変わります。女子の三木明日香から男子の坪田修也に変わります。
 父親の転勤で卒業後は東京の難関高校に入ることを目指しているそうです。ところが、学力不足のようです。だから、東京行きをやめたらという出来事です。
 それは、べつにして、この小説群の書き方は一人称ひとり語り形式です。ひとりごとをつぶやくように紙に文字を落とす。
 なんのために勉強するのかという問いが出てきます。思考の仕方を学ぶのです。そして、その手法を仕事で生かすのです。
 地元の優しい中学生中原君が坪田君に同情してある提案をします。中原君はいいやつです。これはこのあとの短編の伏線だろうか。

「道徳」
 おもしろい。父親が女をつくって家を出て行って、母親が男を連れ込んで、その男はヒモ状態で、さらに、そのヒモ男を残して母が家を出て行ってしまった。家に残ったのは、ヒモ男と男子中学生松尾圭君のふたりだけです。
 子の養育能力の低い親のもとに生まれてくると子どもは苦労します。でも、そういう親はいます。
 ここまでくずしていいのだろうかとおびえを感ずるぐらいのお話のもっていきかたです。
 圭君の「あまり考えない性格、資質」でなんとかこの状況をのりきっていきます。
 いろんな家族があり、いろんな人間がいます。
 すごいなあ。
 今年読んでよかった1冊になりました。
 印象深い表現として、「どんなに絶望的な状況でも息ができるならまだまだ大丈夫だ」 「日常なんて一瞬で奪われる。誰しも己の隣に大きな闇がぽっかりと口を開けている」
 さきほどの「数学」で出ていた中原君登場です。
 母親が再登場しなかったらという仮定でその先を考えてみました。やはり、松尾圭くんは、児童相談所送りで話が続いていくのでしょう。
 しかし、うまいなあ。

「昼休み」
 友だちがいない図書委員の山下さんという女子中学生です。彼女の両親にも友だちがいません。友だちがいないから、文学少女を演じています。
 彼女の思考の中身が的確で感心します。表現があまりにもうますぎて、うーむ、どうかなという気分にさせられるぐらいうまいです。
 小説ではなく、エッセイではなかろうかという部分もあります。
 孤独な彼女を中原君が友だち扱いしてくれた。
 中原君はいいやつです。

「体育」
 このパート部分はとても長い。全体284ページのうちの104ページもあります。
 昔からある中学校生活に対する不満などの生徒の気持ちが書かれています。運動音痴の生徒が体育嫌いなことです。
 競争社会ですから、学生でなくなった後も社会に出れば「競争」はつきまといます。
 体育以外のこともふくめてですが、小学校・中学校のときは、理屈抜きで指示されたことはやっておいたほうがいい。小中学校の時は、細かいことにこだわらず、がんこにならず、なんでも広く浅くひととおり体験しておきたい。食わず嫌いにならないようにしましょう。(味も知らないのに嫌いだと決め込む)やってみると案外自分に向いていたりもするのです。
 高齢者福祉の話がからんできます。つくり方がうまい。伏線、つなぎがうまくいっています。星野茜(中学2年生、体育が苦手、でも背は高い、美術部)のおじいさん88歳が病気で亡くなりそうです。おじいさんの話はそのとおりで、どうして14歳の人がここまで書けるのか不思議です。30代の頃にビュンビュン動いていた体は、50代からは動かなくなります。老いて初めて知ることです。そして、だれもが老います。若い時はそのことに気づけません。
 人生で一番いい時代は、過ぎてからわかるというのも説得力があります。物事には「対極がある」ということも同様です。
 後半まで来て、前半の「道徳」に出ていた母親のヒモ男の言葉が浮かび上がります。「息をしていれば大丈夫」
 
 記述は、ユーモラスです。楽しみました。

 うーん。うますぎる。これから先の作者がどうなるのか楽しみがありますが、不安でもあります。

 調べた単語などとして、「禁忌:きんき。禁止する」、「呵責:かしゃく。自分を責める」、「一縷の望み:一本の糸。わずかな」、「ライラックの木:紫色の花を咲かせる落葉樹。星野茜の中学の社会科教師だったおじいさんはライラックの木をリラ(フランス語)とよぶ」、「トリュフ風チョコ:球形のチョコ」、「マラソン大会のエイド:補給施設の水分、食べ物」、「インナーマッスル:深層筋肉。反対語がアウターマッスル」、「明鏡止水:めいきょうしすい:澄みきって落ち着いた心」、「ビヨンド:枠を越えた向こう側」、「徒花:あだばな、咲いても実を結ばずに散る花」、「胸の裡:むねのうち。心の中」、「芥子粒:けしつぶ、ケシのつぶ、極めて小さい、0.5mm以下」

 よかった表現などとして、「デッドゾーン、そして、セカンドウィンド」、「頑張りきった人はついには、『抜け殻』になる」、「売れる小説家は性格がひねくれているというような表現」、「小説家になることが目標ではなく、小説を書くことが目標である」  

Posted by 熊太郎 at 06:39Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2019年07月17日

コーヒーが冷めないうちに 邦画DVD

コーヒーが冷めないうちに 邦画DVD 2018年公開

 本は読んだことがあります。ややこしい話なので、映像化はむずかしそうです。
 第2話の妻が認知症になってしまう夫婦の話にはほろりときました。(映画では小説とは違って、夫と妻の立場が逆転しています)あとは、ちょっと、ねむたくなる時間帯もありました。
 「冷めきる前に戻る」という発想がどこからわいてきたのかが不思議です。なかなか思いつきません。パターンとしては、邦画「ツナグ」方式と類似だと思います。亡くなった人と会うパターンです。
 全体を通して、『一期一会』の気持ちのもちかたがあります。
 コーヒーをそそぐカップがガラスなのが気になりました。ホットコーヒーの入れ物はやっぱり陶器のコーヒーカップであってほしい。ガラスコップだとアイスコーヒーをイメージしてしまいます。
 観ていてきになったこととして、できちゃった婚ですが、虐待はしないでね。あと、夫婦というものは、年数が重なってくると、あまりいちゃいちゃしません。
 登場人物のひとりが、「モモ」ミヒャエル・エンデ作を読んでいました。こんど読んでみます。


2016年4月13日記事から コーヒーが冷めないうちに 川口俊和 サンマーク出版

 短編4本です。1本目の「恋人」を読み終えました。良質な落語を聴いたあとのような爽快感があります。
 コーヒーがさめないうちに○○するのです。○○とは、過去へ戻って、やり残したことに再挑戦するのです。ただし、がんばっても事は変わらないルールです。そのほか、たくさんルールがあって、それが、おもしろい。
 映画のワンシーンを観ているようでもあります。もしかしたら映画化されるかもしれません。
「恋人」
 地下喫茶店の店名が、『フニクリフニクラ』です。窓はなく、時計が3個かかっています。時計の時刻はそれぞればらばらです。おそらく、現在、過去、未来なのでしょう。
 清川二美子(きよかわ・ふみこ)28歳IT会社勤務が、1週間前に別れた賀田多五郎(かただ・ごろう)25歳SEシステム・エンジニアに再会したい。
 わからなかった用語です。『コーヒーの入った透明なガラス製のカラフェ:水差し。飲料水を入れる容器。英語だとピッチャー。カラフェはフランス語だろうか』

「夫婦」
 夫が若年性のアルツハイマー病で記憶障害になり、妻を妻と認識できなくなります。
 夫婦愛に泣けました。
 わからなかった用語です。『ニョッキ:団子状のパスタ』

「姉妹」
 きつい(強い)感動がありました。
 他の短編も含んだ全体をとおして、感謝の物語です。
 『ありがとう』がキーワードです。
 わからなかった用語です。
 『漏斗:ろうと。コーヒーを入れる時の紙。漢字だったのでわかりませんでした』

「親子」
 読み終えて、ホットコーヒーを飲みたくなりました。  

2019年07月16日

ギャングース 邦画DVD

ギャングース 邦画DVD 2018年公開

 ギャング∔マングースの造語だろうか。前知識がなかったので、スマホで調べながら観ました。コミックマンガの映画化とあります。
 レンタル店にたくさんおいてあり、かつ、たくさん借り出されていたので残っていた1枚を手に取りました。
 芸能人の闇営業で登場するような反社会的勢力が振り込め詐欺で稼いだお金を少年院で知り合った18歳の三人組男子が横取りする経過を追った内容です。闇社会のお金ですから警察には通報しにくい点を利用していますが、それなりの報復が待ち受けています。
 見始めは、村上龍作品「半島を出よ」とか、邦画「ヒミズ」のイメージがありました。それらには、教室で疎外された少年たち、親から虐待を受けた少年たちが生きるための道をみつけるテーマがありました。
 この映画では、三人の少年たちは家がなく、廃車バスの車体のなかで暮らしています。
 心に残ったセリフなどとして、少年の「(自分たちは)表にも裏にも行けない」
 友情がテーマのひとつにあるのでしょう。三人の少年の川原でのトークがよかった。味わいがありました。
 「おまえら、おれの家族だし」  

2019年07月15日

出川哲朗の充電させてもらえませんか 宇津ノ谷峠~修善寺

出川哲朗の充電させてもらえませんか 静岡県 宇津ノ谷峠~修善寺 テレビ

(2019年2月23日関東地方にて放送分)
 出川さんを歓迎する人たちの喜びの笑顔が満ちています。いいシーンの連続です。
 旅猿の姉妹版の雰囲気です。
 富士山を見ながら駿河湾150kmの電動バイク旅です。
 今回のゲストは、アンタッチャブルのザキヤマさんです。
 静岡第一テレビの突然の生番組出演シーンも受け入れ側の驚きの顔がよかった。「突然すいません」で、生放送中のスタジオへ入っていくわけですが、出川さんの人気ってすごいなあ。
 飲食店、理髪店、いずれも「ありがとうございました」です。
 観ていて楽しかった。旅先のご近所さん、みなさんいい人ばかりです。

 充電に協力してくれたお宅での電話のやりとりで、みやぞんさんはサービス精神旺盛ないい男です。

 充電中の家で、スマホでテレビ電話をしています。便利な時代になりました。

 宿泊したホテルの人も楽しい。

 この番組はいつまでも続くのでしょう。そのためには、電動バイクは、安全運転でいきましょう。

 丸山桂里奈さんと混浴風呂で大騒ぎ、あいかわらず楽しい。  

2019年07月14日

子ぶたのトリュフ

子ぶたのトリュフ ヘレン・ピータース 2019課題図書 さ・え・ら書房

 タイトルを聞いて、世界三大珍味のひとつ、「トリュフ」を思い浮かべます。たしか、ぶたが、土のなかから探し当てるのが、「トリュフ」でした。トリュフはきのこです。三大珍味はほかに、キャビア(チョウザメの卵)とフォアグラ(ガチョウの肝臓)です。本作品と珍味のトリュフが関係あるかどうかは、これから読んで確認します。(このことについては、113ページに記事が出てきました。ぶたは鼻がよく、においに敏感で、地下2mにあるもののにおいがわかるそうです。本書中では、「捜査ぶた」にしようという提案があります)
 59ページまで読んだところで感想を書き始めてみます。
 舞台は書いてありませんが、おそらく作者のいる土地、イギリスでしょう。農場です。
 主人公は、ジャスミン(愛称ジャス)という女の子で10歳ぐらいに思えます。彼女のお母さんがナディアで、家畜の獣医です。(牛の出産を担当する)、お父さんはマイケルという名前で、農場経営者です。羊を飼っています。弟がマヌで5歳、5歳ですが、小学1年生となっています。イギリスはそうなのかも。マヌの親友がベン。ベンの姉が、アルフィーとノア。かれらの父親がお隣に住むカーターさん。ジャスミンの姉がエラ、カーターさんの農場で、子ぶたが産まれました。最初は、11匹と言っていましたが、死にかけの12匹目をジャスミンが発見して、自分ひとりで育てようとします。
 
 消毒液で長靴を洗うシーンでのセリフ「農場から農場に病原菌をまき散らさないように」では、今年問題になった岐阜県、愛知県、最近では三重県の豚コレラ(とんこれら)の感染を思い出しました。畜産業もたいへんです。
 
 16ページにある母親ぶたと11匹の産まれたばかりの子ぶたの絵がかわいい。

 ジャスミンが、12匹目の子ぶたを「トリュフ」と名付けて育てようとします。トリュフはもう死にそうなのです。「判官びいき」という言葉を思い出しました。弱い者にひいきする。はんがんびいき、ほうがんびいき」情に流されるのはときに危険なときがあります。善意を悪用する人がいるからです。

 トリュフの性別はまだわかりませんが、ジャスミンは、女の子だと思っています。

 農場にいるぶたは、人間が食べるために育てられている食用のための家畜ぶたです。商業用の生き物です。食べる生き物には名前を付けません。お別れがつらくなるからです。

 ジャスミンは、母性本能が強い。

 ジャスミンは、こそこそかくれて子ぶたの世話をしなくてもいいのに。まあ、周囲のおとなたちが死にそうなぶたは、ほおっておけばいい(死んでもかまわない)と言ったからしかたがないのでしょう。(これについては、77ページで、隠さなくてもよかったということがわかります)

 子育ては根気がいります。

 ジャスミンは、子ぶたをオーブンに入れて温めようとするのですが、それでは、ほんとうの焼き豚になってしまうので読んでいて心配しました。湯たんぽを使うことになってよかった。

(つづく)

 トリュフを飼育するのは乳離れするまでという条件を父親から付けられます。母親が父親は、「あまくなった」と評価します。読み手であるわたしは、いったんペットにしたら、なかなかお肉になる家畜へは戻しにくくなると心配です。

 「命」について考える物語です。

 106ページ、ネコ二匹に囲まれて眠るちいさなぶたのあかちゃんがかわいい。このお話の山場のひとつでしょう。(山場:見せ所)ほんとうは、こぶたのあかちゃんは、ネコに食べられるとジャスミンは心配しました。

 こぶたは小さいからかわいい。でも、成長するとものすごく大きくなります。上野動物園で見たパンのシャンシャンを思い出しました。

 ジャスミンの将来への夢があります。「動物救急センター」をつくる。食用動物を販売する牧場経営者の娘が動物の命を救うというのは違和感がありますが、まあ、物語です。

 モルモットの習性が出てきます。食べ物の取り合いはしない。横取りされても気にしない。それから、単数での飼育は避ける。その理由は、集団で暮らす動物だから。

 事件発生。友人のトムから預かったモルモットのスノーウィとその弟モルモットのテイグレットが行方不明になりました。におい探偵のこぶたのトリュフが活躍するときが来ました。そういう展開へもっていったか。
 生き物を人から預かるときに発生する「責任」について書いてあります。
 ジャスミンが、トリュフに、「初仕事よ!」と声をかけます。
 
 雪が降るクリスマスを迎えます。
 196ページの雪景色の記述はまるで、目の前に雪が降る景色が見えるようです。さし絵も美しい。

 ハッピーエンドでよかった。

 気に入った表現などとして、ジャスミンの姉エラが、うわの空で「ん」とこたえた。
 それから、ジャスミンが死にそうな子ぶたの世話をしたいとカーターさんにはっきり申し出るシーン。自分の考えを言葉で相手に伝えることは、お互いがお互いを理解し合うために大事なことです。読んでいるうちに最近の冷え切った日韓関係を思い出しました。組織の上層部だけのことにしてほしい。
 「お願い、死なないでね、トリュフ」
 子ブタの目はほんとうにきれい。
 「バイオレント・ベビーごっこ:こどもたちがあかちゃんになってバトルする」
 人さらいではなくて、ぶたさらい。
 親豚はときどきこぶたを食べることがある。(ほかの人に食べられるくらいなら自分が食べて守ってあげるという愛情なのだろうか)

 調べた言葉などとして、「クランブルケーキ:小麦粉、砂糖、バター。ぽろぽろの状態のもの」、「ウェルシュケーキ:イギリスウェールズ地方の伝統菓子。丸いビスケット形」、「適者生存:生存競争。環境に最も適したものが生き残って子孫を残す」、「(犬の種類)スパニエル:鳥獣犬だが、ペットが多い。胴長短足」、「においをかぎとるレセプター:細胞に存在する物質」、「ミンスパイ:ドライフルーツからつくったパイ。クリスマスに食べる」、「サンザシ:赤い実をつける中国産の落葉低木」、「ナラ:落葉広葉樹の総称」  

Posted by 熊太郎 at 06:05Comments(0)TrackBack(0)読書感想文