2018年06月19日

おとこのおばあさん 永六輔

おとこのおばあさん 楽しく年をとる方法 永六輔(えい・ろくすけ) 大和書房

 ページをめくるとふたりの娘さんに捧ぐとあります。先日は、父「永六輔」を看取るという娘さんの書いた本を読みました。2016年たなばたの日に83歳で亡くなっています。
 この本の出版は2013年6月で、その後5刷されています。人気者でした。

 娘さんの書いた本では、本人は、外と内では、違う人だったとありました。外では、永六輔を演じていた。そして、仕事優先の人だった。

 読み始めました。ラジオ番組での発言を整理してまとめたものと解説があります。46年間の長寿番組です。ラジオはこういうことができるという可能性を示しています。
 おじいさんではなく、おばあさんになる。おばあさんのほうが長寿で生命力が強い。おばあさんのほうが楽。背筋を伸ばしてきびきび生きようとすると短命になる。
 男性79.4歳の平均寿命で、永さんは83歳で亡くなっています。この本の当時は77歳ぐらいです。しみじみします。

以下、項目として、共感したものです。
・ふたつのことをいちどにできない。
・ひとつずつ片付ける。

 以下、秘訣として、
・50代で70代のふりをする。(老いる練習をしておく。)
・健康な時に車いすの練習をして慣れておく。

「若く見せるは、むだなんです。」には、笑いました。

パーキンソン症候群:脳神経系の病気。物覚えが悪くなり、ころびやすく、手足が震える。
アルツハイマー型認知症:物忘れ、見当識障害、判断能力低下
メニエール病:内耳の病気。めまい、難聴、耳鳴り。ストレスが原因

 できる限り、自分のことは自分でやる。

 カラオケ嫌いは意外です。

 薬を飲み忘れるので、食後の薬は食前に飲んでいます。(自分のこと)

(つづく)

 パーキンソン病のお話が続きます。くどいので、飽きてきました。おばあさんになる話はどこへいってしまったのだろう。
 転倒注意、多いのは家の中、浴室。
 自力で着替えができない。
 

腎不全:腎臓機能の低下。水がたまるとむくみ、高血圧、老廃物がたまると疲労感、食欲不振、吐き気、けいれん、意識障害
食事療法、薬物療法、血液浄化

「えばって歩く」 胸を張って、上を向いて歩く。パーキンソンじゃないけれどやってみます。

 ここまで読んで、病気の原因は働きすぎではなかろうかと思いました。以前読んだ娘さんの本では、家では、大量の情報を仕入れてかかえて、番組でどういうふうに表現しようかと長時間没頭していたということでした。番組を45年間休まなかったと本文にあります。
 それでも、長生きされて、やりたいことをやりとげられて、それはそれでいいのかもしれないということもあります。

 読んでいて、「時間」について考えました。もう、亡くなっているので、「偲ぶ(しのぶ、なつかしむ)」本です。時間はだれにも平等に経過して、思い出を残していく。時間の使い方を考える。

 ご本人の納豆好きには実感が湧きません。納豆は味がない。健康食だから、しかたなく食べています。
 
 法然と親鸞(しんらん1133年生まれ):念仏。法然(浄土宗)の弟子が親鸞(浄土真宗1173年生まれ西本願寺)

(つづく)

 最後まで読みました。
 病気の話が延々と続き、最後のほうは、クレーマーではないかと、老害まで考えました。
 ラジオ番組の趣旨は、旅に出て、だれかに出会って、なにかしら出来事があってというレポートだったのが、病気になって、病室にしかいなくてみたいに変化して、魅力の出しようがなくなった。

 話題が、「お見舞いのよしあし」、「手術」、「患者のありよう」、「医療従事者」、「車いすでの移動」になるにつれ、わがままや偏った思いこみが出始めます。関係者へのプレッシャーもあります。
 男性が、「おばあさん」になる冒頭付近の話はどこへいってしまったのだろう。残念です。

 登場する有名人の方々のなかで、瀬戸内寂聴さんだけがご存命で長生きされています。
 お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りします。
 野坂昭如さん2015年 85歳没
 小沢正一さん 2012年 83歳没
 大橋巨泉さん 2016年 82歳没
 中村八大さん 1992年 61歳没

 印象に残った言葉「もう話し相手がいない。一緒にやった仲間がいない。」  

Posted by 熊太郎 at 06:29Comments(0)TrackBack(0)読書感想文