2018年06月02日

いい人ランキング 吉野万理子

いい人ランキング 吉野万理子 あすなろ書房

 タイトルから察すると、「いじめ」が素材でしょう。読者の対象は、中学生でしょう。という予測通りの内容でした。
 いい人を選ぶコンテストがあるとは思えませんが、もし、実施するとこうなるという結末です。

 いじめの対象になるのは、木佐貫桃(きさぬき・もも、女子、中学2年生)です。

 心理描写は深い。矛盾(肯定と否定でつじつまが合わない。)を指摘する内容です。

 されど、途中で、読むことがつらくなり、途中から流し読みをしました。

 「クラスで一番性格のいい人」を投票で決めて表彰する。現実には、こういった「人を晒す(さらす)」投票はやらないでしょう。

 人は、人を自分の都合のいいように利用しようとする面をもっています。選ばれた人間は利用されます。人に好かれない方が気楽なときもあります。

 中学生が考えそうな企画です。先生も家族も止めないのが不思議でした。

 中学女子向けの本だと感じました。

 身を引く思い。笑いの場所で、笑えない。少し、理屈っぽい。

 読んでいて、気持ちのいいものではありません。学校の教室内の閉鎖的で重苦しい雰囲気が伝わってきます。

 陰険なので、もう読むのをやめよかと思う95ページ付近です。いじめができる場所を設定して、相手をはめる。辛辣(しんらつ。極めて厳しい。)です。

 よかった表現の主旨として、「いい人には2種類ある。本当にいい人といい人を演じている人」、「うわべはね。」  

Posted by 熊太郎 at 07:02Comments(0)TrackBack(0)読書感想文