2019年11月14日

閉鎖病棟 それぞれの朝 映画館

閉鎖病棟 それぞれの朝 映画館

 なにか賞をもらってほしい。暗くて、深刻で、必要以上に人間不信になりそうな内容です。観ていて、気が重くなるのですが、ときおり、コメディの感じがして笑えるシーンもありました。

 映画を観に行く前に、ネット情報を見たら、鶴瓶さんが映画館にこの映画を観に行ったら、観客が6人しかいなかった。映画のあとで、観客の人たちと歓談した。あまりにもお客さんが少なかったのでショックだったみたいなことが書いてありました。
 だから、観客は、5~6人しかいなだろという予想で行ったら、観客がたくさんいたのでびっくりしました。100人ぐらいの席があるシアター(映画館)でしたが、平日昼間にもかかわらず、半分以上の席が埋まっていました。ほとんどが女性でした。

 笑福亭鶴瓶さんと、綾野剛さんと、小松奈々さんが、精神病院の閉鎖病棟(鍵がかかるところ)に入っています。
 雰囲気がリアルです。ふだんの風景に近いのでしょう。
 
 本当はそうであってはいけないのですが、劇中では、やめようとしてもやめられない、どうしてもそうするしかない殺人事件があります。ショックと怒りで神経が切れて、我を忘れて、カーっと頭に血がのぼるのです。根っこは復讐です。
 それに合わせて、「再起するんだ」というメッセージがあります。どんなひどい生活環境におかれても立ち上がる勇気と力をもてという粘り強いメッセージがあります。

 雪降る中の殺人シーンでは、故高倉健さんの「駅station」を、ラストにある鶴瓶さんの車いすシーンでは、「スミダがんばれ、夢をもて」の邦画「ヒミズ(もぐらのこと)」ラストシーンの雰囲気を感じました。
 全体を通じて、どんなことがあっても「支える」とか、「支え合うんだ」というメッセージがあります。

 耳障りな音楽のBGMが少なかったことが良かった。バックに聞こえるのは、テレビの音声、鳥のさえずり、こどもたちが公園で遊ぶ声など、生活音がおもでした。

 シーンのカットが次々と変わっていきます。話のつくりが荒っぽい台本だと感じました。首つりの死刑を執行したのに、生きていた鶴瓶さんです。建物の屋上からジャンプして飛び降り自殺をしたのに死ななかった小松奈々さんです。簡単に院内で婦女暴行事件や殺人事件が起こってしまう病院の管理体制です。でも、まあ、これは、ドラマです。2時間の枠の中で、焦点を一点に集中して、映像を使って、メッセージを表現しなければなりません。

 出演者の方々は、熱演でした。精神病の患者さん役の人たちは、そのものに見えました。

 綾野剛さんのセリフ、「オレ、退院した」が良かった。涙がほろりとにじみました。