キラキラ共和国 小川糸 幻冬舎

 「ツバキ文具店」の続編です。代書屋(代わりにお手紙を書く仕事)守景鳩子(もりかげ)さん、夫ミツローさん、彼の連れ子QPちゃん(はるちゃん。はるな)がいます。
 先代というのが、鳩子さんの実母です。仲たがいがあります。鳩子には、親不幸をした負い目があります。

「ヨモギ団子」
 内容は「平和」です。
 ひとりものが家族になるということは、どういうことかを考える本です。
 家族メンバーのことを考えて生活することになるのが、ひとりものからの脱却です。
 きれいごとのようにも見えます。上品です。殺伐とした世界で働いている自分には合わない内容でした。

「イタリアンジェラート」
 カップル双方から代書の依頼を受けたという設定がおもしろい。ひとりの人間が、他人のふたりの手紙を書く。
 鎌倉では、ムカデが多いという話が楽しかった。
 いきなり来て、「お金貸して!」 も良かった。
 
 スマホやメールの時代に、紙にしたためた文章が受けるのだろうかという疑問をもちつつも読みに引き込まれます。
 酒も煙草もなくても人間は死なない。それらは、無駄遣いです。

「ムカデご飯」
 筆記用具が出てきます。イタリアのタイプライターとか、古くからあるメーカーの万年筆
 連れ子のQPちゃんの実母の日記が出てきます。
 日記をどうしたらいいのか。処分するのか。しないのか。
 品物も、シーン(場面。写真)も、心の中に残して消さない。)

調べたのは、「高浜虚子:1874年生まれ。85歳で没。俳人、小説家」

「蔵味噌」
 「禁煙です。やめてください」
 このセリフを聞きたかった。

 一生男性と交渉をもたず、川端康成氏に気持ちを捧げた元公務員女性が登場します。
 鳩子さんは、川端康成から、その女性にあてた手紙を書くのです。

 全編をつうじて、鎌倉の自然がいっぱいです。山野草、山、海、神社です。

 オーエスワンは、昨秋入院中だったわたしも勧められた飲料ですが、値段が高いので1本飲んだだけです。
 
 種明かしがあります。キラキラ共和国とはモリカゲファミリーなのです。

 登場する名言の趣旨として、「相手の不幸を望んでも自分は幸せにはなれない。」、「犯人への仕返しは、自分が幸せになること。」
 
 気になったのは、こどもさんであるQPちゃんの姿が刻銘に浮かび上がってこない。  

Posted by 熊太郎 at 09:50Comments(0)TrackBack(0)読書感想文