2012年12月30日

2012年 今年読んでよかった本

2012年 今年読んでよかった本

更級日記 菅原孝標(すがわらのたかすえ)の女(娘) 平塚武ニ 童心社

 訳者の前書きを読む。歴史をひと筋の川の流れにたとえてあります。過去と現在はつながっている。昔の人と今の人との心は溶け合っているとあります。しみじみしました。

まるまるまるのほん エルヴェ・テュレさく 谷川俊太郎訳 ポプラ社

 お勧めの絵本です。発想が豊かです。感嘆しました。作者は巻頭で「びっくりさせます」とメッセージをおくっています。びっくりしました。

晩鐘 上・下 乃南アサ 双葉文庫

 同作者著「風紋」の続編になります。風紋のおさらいをしておかなければなりません。車の中で、主婦高浜則子の死体が発見されます。殺された則子には17才の娘真裕子がいます。母を殺したのは高校教師松永秀之で、裁判途中で冤罪(えんざい)報道がなされます。松永の妻が香織で、長男が大輔です。「晩鐘」は、小学校5年生になった大輔の記述からスタートします。

日本人の知らない日本語3 蛇蔵&海野凪子 メディアファクトリー

 いつものようになぎこさん登場です。3冊全部読みました。以前の記事で外国人留学生が「日本では駐車場までもが励ましてくれる」(「前向きに」という看板を見て)はおかしくて今も覚えています。読み終えてみると、このナンバー3が一番充実しています。

だじゃれ日本一周(だじゃれにっぽんいっしゅう絵本)長谷川義史 理論社

 子どもさん向けです。まだ読みかけですが感想を書き始めます。なかなかいい本です。
(1回目の本よみ)
 絵が力強い。かといってまじめで、がちがちではなく、ユーモラスでゆるゆる、ときには下品で笑えます。

ココロ屋 梨屋アリエ 文研出版

 自分の心をお店「ココロ屋」においてある心と交換するという構成です。なかなかいい本でした。

キッドナップ・ツアー(再読) 角田光代 新潮文庫

 実の父親と娘なのに「出会い」と「別れ」があります。夫婦仲がうまくいかなくて別居状態の父親が路上で小学校5年生の娘ハルに声をかけ、借用中の車に彼女を乗せてユウカイするところからお話は始まります。父親に女の影はありません。ただひたすら貧困です。

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