2025年05月01日
最高の二番手 堺正章
最高の二番手 堺正章 飛鳥新社
著者は、わたしが小学生のときからテレビで観ていた芸能人さんです。
お正月番組になると、かくし芸を披露されていました。
努力の人だと思っていました。
お父さんは、有名な喜劇俳優さんで堺俊二さんです。
ご自身はもう78歳になられています。長い時が過ぎました。1946年(昭和21年)生まれです。
(1回目の本読み)
まず、ゆっくりページを最後までめくってみます。
「はじめに」のところに、人生の終盤を迎えて、これまでのことをふりかえり、本を残しておきたいというようなことが書いてあります。
だれしも、死後に自分のカケラ(一部分。断片)をこの世に残しておきたいとは思うものです。それが本ということもあります。
本の構成です。
CHAPTER(チャプター。「章」のこと)1が、人生は「二番手」でうまくいく
CHAPTER2が、時が経って(たって)わかること
CHAPTER3が、人生に無駄(むだ)なことなんてない
というつくりです。序・破・急のパターンだろうか。始まり-展開-終結です。
ずーとページをめくっていての感想です。
教訓本、マニュアル本のようでもあります。人生をどう生きるかです。
エッセイ(随筆)の形式になっていますが、ご自身が文章をつくったというよりも、インタビューに答えたものを編集者の方が文書でまとめたような雰囲気があります。
わかりやすく文章を書くということは、とてもむずかしい。しかも長文です。この本は、聞き取りの本かもしれません。(あるいは、ご本人の原稿に編集者の方が手を入れて整理整頓されたような文章です)
『芸能界は椅子取りゲーム』という項目があります。
しばらく前のことですが、芸能人の不祥事で女子アナウンサーのことが話題になっていたのですが、女子アナウンサーの世界は、椅子取りゲームだから、お互いに悩み事を相談できるような環境にはないという説明をテレビで聞きました。
たいへんな世界です。ふつうは、ひとつの目標に向かって、チームワークを形成して仕事に取り組んでいきます。
結婚に2回失敗したと書いてあります。
わたしが若い頃に観たテレビ番組で、たぶん最初の結婚相手の方だったと思うのですが、芸能人、かつ、有名人のお宅なので、一般人の暮らしとはかけはなれている状況があり、そのことが自分には耐えられないと、女性の方が離婚の理由を言われていたような気がします。
盆暮のお中元、お歳暮の量が、本当に山のようにお宅に届いて、その整理をするだけで発狂するような状態になったということでした。たいへんです。一般家庭とは違います。
1ドル360円だったころの時代のことが書いてあります。
共感します。今どきの騒ぎを見ていると、いろいろなことで、半世紀ぐらい前は、今よりとても暮らしにくかったと思い出すのです。だから、今の状態が悪いとも感じられないのです。
思い出話が続きます。
若くして癌で亡くなった女優の夏目雅子さんの話が書いてあります。美しい人でした。
喜劇役者だったお父さん堺俊二さんのことも書いてあります。
この本全体の趣旨としての、『誰もがトップランナーである必要はない』で結ばれています。
(2回目の本読み)
コロナ禍におけるエンターテインメント(芸能活動)について書いてあります。
芸能の世界は、人が生きていくうえで必ず必要というわけでもない。
仕事の不安定さがあります。
日本人はがんばりやだから、社長になりたい人が多いとイギリス人が言ったそうです。
だから、本のタイトルの二番手という言葉が出てきます。なんなら、三番手、四番手もあるのです。
とかく、人間界では、順位付けをしたがる。
学校の成績から始まって、仕事なら営業成績、芸能界なら、視聴率、興行成績…… きりがありません。人間は競争をしたがる生き物です。
そして、格付けをする。人間や組織を上・中・下のように段階で並べて評価する。イヤですなあ。上にいる人はいいけれど、下にいるといい気分はしません。
読んでいると、ところどころでの著者からのメッセージ、『1位になんかならなくていいのだ……』が登場します。
1位を目指せる人は目指せばいいと思います。たとえば、大相撲なら、『横綱』です。でも、だれもが横綱になれるわけではありません。なれる人はなればいいし、なれない人はなれないなりに、相撲界を盛り上げていってくれればいいのです。
『傑作は常に次回作』(よく聞く言葉です)
『5勝4敗1分けぐらいが人生はおもしろい』とあります。
わたしは、『人生は60点で十分生きていける』と自分なりに思っています。とくに、全科目で60点がとれるなら、それはそれでたいした才能です。
一芸(いちげい)に秀でた(ひいでた)人は、一芸以外のことはできなくて、人の世話にならないと生活できそうにないということもあります。
読んでいて、著者は、『仕事人間』という印象が強い。
『現場主義』という言葉を書いておられます。ちゃんと働きたいのです。
『調整役』という言葉も頭に浮かんできました。
70代を過ぎてからの体力、知力の衰えについて書いてあります。
無理はしないほうがいい。一般人ならもうリタイヤしている年齢です。
う~む。なんというか、読んでいて、楽しい本ではありません。
お説教(おせっきょう。かたぐるしい教訓、忠告話)を聞いているような感じです。
いろんな有名人のかたのお名前が書いてあります。
市村正親(いちむら・まさちか):ミュージカル俳優。1949年(昭和26年)生まれ。76歳。たまたまですが、先月、市村さんの舞台を観ました。『屋根の上のバイオリン弾き』でした。なかなか良かった。音楽劇でした。
横山剣:クレイジーケンバンド。歌手、作曲家、プロデューサー。1960年(昭和35年)生まれ。60歳。以前テレビ番組でお見かけしたことがあります。
所ジョージ:シンガーソングライター、コメディアン、俳優。1955年(昭和30年)生まれ。70歳。こちらの本には、所さんが、アメ車好きなことが書いてあります。米国大統領が喜ぶでしょう。
次女さんのことが書いてあります。
堺小春:女優、タレント。1994年(平成6年)生まれ。31歳
早川雪舟(はやかわ・せっしゅう):俳優、映画監督、映画プロデューサー、脚本家。1973年(昭和48年)87歳没
原節子:女優。2015年(平成27年)95歳没
伊丹万作:映画監督、脚本家、俳優。1946年(昭和21年)46歳没
書いてある内容は、古い話が多い。理屈っぽい話が続きます。その点では、平凡さを感じる本です。ユニークな内容(芸人であるがゆえのこと)を読みたい。
伊東四朗:コメディアン、俳優、タレント。1937年(昭和12年)生まれ。87歳
名古屋の中日劇場のことが書いてあります。もう以前あった中日劇場も中日ビルもありません。建て替えで、新しい高層ビルが建ちました。
『自分を好きな人が3分の1、キライな人が3分の1、ふつうに思っている人が3分の1、それでよしとする。』
わたしが働いていた時のことですが、味方が半分、敵が半分、それでよしという気持ちで働いていました。10年経ったら、まわりは敵だらけでした。しんどかった。
『運気のいい流れを引き寄せる方法』について書いてあります。
著者は、人のことを気にしないと答えを出されています。人をうらやんだり、にくんだり、くやしがったりしない。必要以上に人に興味をもたない。それが、芸能界を生き延びるコツだそうです。
表面に出て活躍、活動できる芸能人の席は、『500席』だそうです。その席の取り合いが芸能界だそうです。その席に座れば、億単位の年収が見込めると、考えることができます。
自分の担当マネージャーに怒りをぶつけてはいけないと書いてあります。
なんだか、ときおり流れるパワハラ芸能人に関するニュースを思い出します。
いろいろ有名な方のお名前が出てきますが、昔有名だった方のことが多い。
(つづく)
中盤以降はちょっと読みにくい感じなので流し読みに入りました。
長文の自慢話が続きます。
これはこうと定義(決めつけて)していきます。
かなり昔の話が多い。
個人という内輪(うちわ)の狭い世界の中でのお話です。
ムッシュかまやつ(かまやつひろし):ミュージシャン、俳優。2017年(平成29年)78歳没
かなり長い思い出話で、饒舌(じょうぜつ。おしゃべりが多い)でもあります。中身がくどくもあります。
ゴルフの話、クレー射撃の話、クラシックカーの話、麻雀の話、かくし芸の話などに続いていきます。
著者は仕事の面での、人生の成功者なのでしょう。
まじめに仕事に取り組んできた姿勢があったからできたことでしょう。
結婚はそうはいかなったようです。二度離婚して、現在は三人目の奥さんです。
過去の結婚部分を読んでいると、配偶者を犠牲にして、自分の仕事で成功した人というように思えました。
内田裕也:ミュージシャン、ロック歌手。2019年3月(平成31年)79歳没
水の江瀧子(みずのえ・たきこ):女優、タレント。2009年(平成21年)94歳没
堺駿二(さかい・しゅんじ 著者の父):コメディアン、喜劇俳優。1968年(昭和43年)54歳没。脳溢血(のういっけつ。脳出血のこと)で、新宿コマ劇場で行われていた舞台の二幕目の途中で、舞台袖(そで)にひっこんだあと倒れて亡くなった。当時著者は22歳。昔自分がまだ30歳ぐらいのころ、新宿コマ劇場を見たことがあります。そんなことを思い出しました。
209ページまできました。
以降、ものすごくさかのぼるような昔の話が書いてあります。
70歳近くになるわたしが、まだ小中学生だったころの思い出話です。
う~む。得るものがありません。著者自身の個人的な思い出話です。広がりがありません。
最終ページの、286ページまで読み終えました。
う~む。ご自身のための本でした。(おこらないでね。正直な感想です)
著者は、わたしが小学生のときからテレビで観ていた芸能人さんです。
お正月番組になると、かくし芸を披露されていました。
努力の人だと思っていました。
お父さんは、有名な喜劇俳優さんで堺俊二さんです。
ご自身はもう78歳になられています。長い時が過ぎました。1946年(昭和21年)生まれです。
(1回目の本読み)
まず、ゆっくりページを最後までめくってみます。
「はじめに」のところに、人生の終盤を迎えて、これまでのことをふりかえり、本を残しておきたいというようなことが書いてあります。
だれしも、死後に自分のカケラ(一部分。断片)をこの世に残しておきたいとは思うものです。それが本ということもあります。
本の構成です。
CHAPTER(チャプター。「章」のこと)1が、人生は「二番手」でうまくいく
CHAPTER2が、時が経って(たって)わかること
CHAPTER3が、人生に無駄(むだ)なことなんてない
というつくりです。序・破・急のパターンだろうか。始まり-展開-終結です。
ずーとページをめくっていての感想です。
教訓本、マニュアル本のようでもあります。人生をどう生きるかです。
エッセイ(随筆)の形式になっていますが、ご自身が文章をつくったというよりも、インタビューに答えたものを編集者の方が文書でまとめたような雰囲気があります。
わかりやすく文章を書くということは、とてもむずかしい。しかも長文です。この本は、聞き取りの本かもしれません。(あるいは、ご本人の原稿に編集者の方が手を入れて整理整頓されたような文章です)
『芸能界は椅子取りゲーム』という項目があります。
しばらく前のことですが、芸能人の不祥事で女子アナウンサーのことが話題になっていたのですが、女子アナウンサーの世界は、椅子取りゲームだから、お互いに悩み事を相談できるような環境にはないという説明をテレビで聞きました。
たいへんな世界です。ふつうは、ひとつの目標に向かって、チームワークを形成して仕事に取り組んでいきます。
結婚に2回失敗したと書いてあります。
わたしが若い頃に観たテレビ番組で、たぶん最初の結婚相手の方だったと思うのですが、芸能人、かつ、有名人のお宅なので、一般人の暮らしとはかけはなれている状況があり、そのことが自分には耐えられないと、女性の方が離婚の理由を言われていたような気がします。
盆暮のお中元、お歳暮の量が、本当に山のようにお宅に届いて、その整理をするだけで発狂するような状態になったということでした。たいへんです。一般家庭とは違います。
1ドル360円だったころの時代のことが書いてあります。
共感します。今どきの騒ぎを見ていると、いろいろなことで、半世紀ぐらい前は、今よりとても暮らしにくかったと思い出すのです。だから、今の状態が悪いとも感じられないのです。
思い出話が続きます。
若くして癌で亡くなった女優の夏目雅子さんの話が書いてあります。美しい人でした。
喜劇役者だったお父さん堺俊二さんのことも書いてあります。
この本全体の趣旨としての、『誰もがトップランナーである必要はない』で結ばれています。
(2回目の本読み)
コロナ禍におけるエンターテインメント(芸能活動)について書いてあります。
芸能の世界は、人が生きていくうえで必ず必要というわけでもない。
仕事の不安定さがあります。
日本人はがんばりやだから、社長になりたい人が多いとイギリス人が言ったそうです。
だから、本のタイトルの二番手という言葉が出てきます。なんなら、三番手、四番手もあるのです。
とかく、人間界では、順位付けをしたがる。
学校の成績から始まって、仕事なら営業成績、芸能界なら、視聴率、興行成績…… きりがありません。人間は競争をしたがる生き物です。
そして、格付けをする。人間や組織を上・中・下のように段階で並べて評価する。イヤですなあ。上にいる人はいいけれど、下にいるといい気分はしません。
読んでいると、ところどころでの著者からのメッセージ、『1位になんかならなくていいのだ……』が登場します。
1位を目指せる人は目指せばいいと思います。たとえば、大相撲なら、『横綱』です。でも、だれもが横綱になれるわけではありません。なれる人はなればいいし、なれない人はなれないなりに、相撲界を盛り上げていってくれればいいのです。
『傑作は常に次回作』(よく聞く言葉です)
『5勝4敗1分けぐらいが人生はおもしろい』とあります。
わたしは、『人生は60点で十分生きていける』と自分なりに思っています。とくに、全科目で60点がとれるなら、それはそれでたいした才能です。
一芸(いちげい)に秀でた(ひいでた)人は、一芸以外のことはできなくて、人の世話にならないと生活できそうにないということもあります。
読んでいて、著者は、『仕事人間』という印象が強い。
『現場主義』という言葉を書いておられます。ちゃんと働きたいのです。
『調整役』という言葉も頭に浮かんできました。
70代を過ぎてからの体力、知力の衰えについて書いてあります。
無理はしないほうがいい。一般人ならもうリタイヤしている年齢です。
う~む。なんというか、読んでいて、楽しい本ではありません。
お説教(おせっきょう。かたぐるしい教訓、忠告話)を聞いているような感じです。
いろんな有名人のかたのお名前が書いてあります。
市村正親(いちむら・まさちか):ミュージカル俳優。1949年(昭和26年)生まれ。76歳。たまたまですが、先月、市村さんの舞台を観ました。『屋根の上のバイオリン弾き』でした。なかなか良かった。音楽劇でした。
横山剣:クレイジーケンバンド。歌手、作曲家、プロデューサー。1960年(昭和35年)生まれ。60歳。以前テレビ番組でお見かけしたことがあります。
所ジョージ:シンガーソングライター、コメディアン、俳優。1955年(昭和30年)生まれ。70歳。こちらの本には、所さんが、アメ車好きなことが書いてあります。米国大統領が喜ぶでしょう。
次女さんのことが書いてあります。
堺小春:女優、タレント。1994年(平成6年)生まれ。31歳
早川雪舟(はやかわ・せっしゅう):俳優、映画監督、映画プロデューサー、脚本家。1973年(昭和48年)87歳没
原節子:女優。2015年(平成27年)95歳没
伊丹万作:映画監督、脚本家、俳優。1946年(昭和21年)46歳没
書いてある内容は、古い話が多い。理屈っぽい話が続きます。その点では、平凡さを感じる本です。ユニークな内容(芸人であるがゆえのこと)を読みたい。
伊東四朗:コメディアン、俳優、タレント。1937年(昭和12年)生まれ。87歳
名古屋の中日劇場のことが書いてあります。もう以前あった中日劇場も中日ビルもありません。建て替えで、新しい高層ビルが建ちました。
『自分を好きな人が3分の1、キライな人が3分の1、ふつうに思っている人が3分の1、それでよしとする。』
わたしが働いていた時のことですが、味方が半分、敵が半分、それでよしという気持ちで働いていました。10年経ったら、まわりは敵だらけでした。しんどかった。
『運気のいい流れを引き寄せる方法』について書いてあります。
著者は、人のことを気にしないと答えを出されています。人をうらやんだり、にくんだり、くやしがったりしない。必要以上に人に興味をもたない。それが、芸能界を生き延びるコツだそうです。
表面に出て活躍、活動できる芸能人の席は、『500席』だそうです。その席の取り合いが芸能界だそうです。その席に座れば、億単位の年収が見込めると、考えることができます。
自分の担当マネージャーに怒りをぶつけてはいけないと書いてあります。
なんだか、ときおり流れるパワハラ芸能人に関するニュースを思い出します。
いろいろ有名な方のお名前が出てきますが、昔有名だった方のことが多い。
(つづく)
中盤以降はちょっと読みにくい感じなので流し読みに入りました。
長文の自慢話が続きます。
これはこうと定義(決めつけて)していきます。
かなり昔の話が多い。
個人という内輪(うちわ)の狭い世界の中でのお話です。
ムッシュかまやつ(かまやつひろし):ミュージシャン、俳優。2017年(平成29年)78歳没
かなり長い思い出話で、饒舌(じょうぜつ。おしゃべりが多い)でもあります。中身がくどくもあります。
ゴルフの話、クレー射撃の話、クラシックカーの話、麻雀の話、かくし芸の話などに続いていきます。
著者は仕事の面での、人生の成功者なのでしょう。
まじめに仕事に取り組んできた姿勢があったからできたことでしょう。
結婚はそうはいかなったようです。二度離婚して、現在は三人目の奥さんです。
過去の結婚部分を読んでいると、配偶者を犠牲にして、自分の仕事で成功した人というように思えました。
内田裕也:ミュージシャン、ロック歌手。2019年3月(平成31年)79歳没
水の江瀧子(みずのえ・たきこ):女優、タレント。2009年(平成21年)94歳没
堺駿二(さかい・しゅんじ 著者の父):コメディアン、喜劇俳優。1968年(昭和43年)54歳没。脳溢血(のういっけつ。脳出血のこと)で、新宿コマ劇場で行われていた舞台の二幕目の途中で、舞台袖(そで)にひっこんだあと倒れて亡くなった。当時著者は22歳。昔自分がまだ30歳ぐらいのころ、新宿コマ劇場を見たことがあります。そんなことを思い出しました。
209ページまできました。
以降、ものすごくさかのぼるような昔の話が書いてあります。
70歳近くになるわたしが、まだ小中学生だったころの思い出話です。
う~む。得るものがありません。著者自身の個人的な思い出話です。広がりがありません。
最終ページの、286ページまで読み終えました。
う~む。ご自身のための本でした。(おこらないでね。正直な感想です)