2012年10月28日

アメイジング・グレイス 映画 

アメイジング・グレイス 映画 ケーブルTV録画

 奴隷貿易廃止を訴えた政治家の苦悩と希望、実現の喜びを謳い(うたい、賛美)あげた作品でイギリス映画です。200年ぐらい前のことですので、日本は江戸時代末期、本居宣長の古事記とか間宮林蔵の樺太探検、十返舎一九の東海道中膝栗毛の頃です。
 イギリス映画を観るたびに思うのは、真面目で硬いということです。神がからむのは宗教的です。さらに王がからむのは、日本人であるわたしにとっては実感が湧きません。映像は絵画を観ているごとく落ち着きと味わいがあり、おとなの世界です。
 この映画ではタイトルと同名の歌がシンボル(象徴)となっています。劇中では奴隷貿易で奴隷を運ぶ船の船長をしていた男性がつくった人生を悔いて神を慕う歌詞です。賛美歌となっており、高音の音色が美しい。
 一部の者だけの利益を優先しない。肌の色で人間を差別しない。劇中、People(民衆)は人間ではない(つまり貴族階級だけが人間。だから家畜と同じ労働力の担い手)と受け取れる表現もありました。
 政治家及びそのグループの精神は、奴隷貿易禁止の法案を通すということに集中します。しかし、反対派の壁は分厚い。実現までに長い歳月を要しています。すばらしいことは、血が流れていないことです。暴力による紛争はありません。永い時間をかけて、あきらめずに説得を続けています。


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